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委員長の学校で位置

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kawauson

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yuri0202|委員長の学校での位置

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[cm]
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@texton
 昼休みの始まりを告げるチャイム。[lr]
 学食や購買に向かう生徒たちが、慌しく廊下を駆けてゆく。[lr]
 彼らとは対照的に、弁当を持ってきている生徒たちはのんびりとして、互いの席をくっつけて談笑を始めたりしていた。[lr]
 俺もいつもなら長岡と購買に行くか、毒男あたりと学食で食べるのだが、今日は違った。[lr]
 日向先生に、昼休みになったらすぐに職員室に来るようにと言われていたからだ。[lr]
「今日は一体何なんだろう……?」[lr]
;↑ ?追加
 思わずため息が出る。[lr]
 これまでも昼休みや放課後に何度となく呼び出されていたが、ろくな用事であったためしがない。[pcm]
@fadeoutse time=1000
 とは言え、日向先生の用事に行かなかったら、それはそれで面倒だ。この前のような騒動になるのは間違いない。[lr]
「しゃーない。今日の学食は諦めるか」[lr]
 人気のあるメニューはすぐ売切れてしまう。日向先生の用事をこなしてからでは確実に食いっぱぐれる。[lr]
 学食は諦めよう。さっさと用事を済ませて、ググレカスの目を盗んでコンビニでも行くか。[lr]
;↑原文 大人気の学食メニューは売り切れが早い。日向先生の用事をこなしてたら、確実に食いっぱぐれるはずだ。
;    ……さっさと終わらせて、ググレに見つからないように抜け出してコンビニにでも行こう。
 気が重たかったが、学食と購買に向かう人の波が落ち着くのを待ってから、廊下に出た。[pcm]

@bg file="rouka1.jpg" rule="縦ブラインド(左から右へ)"

「藤宮君、どうしたんですか?」[lr]
;↑原文 「あら、藤宮君、どこかに行くんですか?」[lr]
[ld pos=c name="yuri" wear=u pose=1 b=1 e=1a m=1]
「うわっ!?なんだ委員長か」[lr]
 不意に後ろから声をかけられて驚いてしまった。いつも昼になったらすぐ学食へ行く俺がまだ教室にいるのが珍しかったんだろう。[lr]
「日向先生に呼び出されて職員室に行くんだ。委員長の方こそ昼飯は?」[lr]
「偶然ですね。私も九暮先生に呼び出されまして職員室へ行く所です」[lr]
;↑原文 「委員長……」[lr]
; 後ろから声をかけられた。[lr]
;「いや、日向先生に呼び出されて。何か用事があるんだってさ。委員長は今日は学食?」[lr]
;「いえ、私も、九暮先生に呼び出されまして。職員室までちょっと……」[lr]
「じゃあ一緒に行こうか。もう走ってる人もいないけど、また委員長にぶつかったりしたら悪いし」[lr]
 先日のことだが、自分がぼーっとしてたせいで、もう少しで委員長に怪我をさせてしまうところだった。[pcm]
 委員長は気にした様子もなくにっこりと笑った。[lr]
[ld pos=c name="yuri" wear=u pose=1 b=1 e=2a m=1]
「ふふっ、大丈夫ですよ。次はキチンと避けますから」[lr]
「避けるんですか……助けてくれないんですか……」[lr]
[ld pos=c name="yuri" wear=u pose=1 b=4 e=5a m=6]
「あ、いえ、そういうわけではないのですけど……」[lr]
 少しからかっただけで、委員長は本当に困ったように俯いてしまった。[lr]
 普段地味な印象の委員長だが、こうしてみると、やたらと可愛く見える。 委員長は意外に幼さを残した──我が家の駄猫姉には負けるが──顔立ちをしていた。[pcm]
 これだけ可愛ければ男子に人気が出てもおかしくはないと思うが、委員長の浮いた噂なんて一度として聞いた事がない。[lr]
;↑原文 「あ……いえ……そういうわけではないのですけど……」[lr]
; 少しからかっただけで、委員長は本当に困ったように俯いてしまった。[lr]
; 普段地味な印象の委員長だけど、こうしてみると、やたらと可愛く見える。眼鏡をかけているせいで、そうは見えないけど、委員長は意外と幼さの残った──我が家の駄猫姉には負けるが──顔立ちだった。[pcm]
; 男子に人気が出てもおかしくはないのに、委員長に関しては、とくにそういった話は聞かない。[lr]
 やはり野暮ったいセルフレームの眼鏡のせいなのだろうか。[lr]
 もしかすると眼鏡と真面目な性格から敬遠されてしまっているかもしれない。[lr]
「委員長は、眼鏡をとったりはしないの?」[lr]
 職員室に向かう道すがら、そんなことを聞いてみる。[lr]
[ld pos=c name="yuri" wear=u pose=1 b=6 e=6a m=6]
「え……眼鏡をですか」[lr]
 委員長は一瞬きょとんとした後で、きっぱりと首を横に振った。[pcm]
[ld pos=c name="yuri" wear=u pose=1 b=4 e=1a m=1]
「それはちょっと……私、眼鏡が無いと何も見えませんから」[lr]
「いや、眼鏡をやめてさ、コンタクトとかにしないのかなー? ってこと」[lr]
[ld pos=c name="yuri" wear=u pose=1 b=1 e=1a m=6]
「コンタクトレンズ、ですか? 今のところその予定はありませんけど、どうしてです?」[lr]
「委員長って、眼鏡とったらモテるんじゃないかなあと思ってさ」[lr]
 などと馬鹿正直に言ったら、さすがに恥ずかしい。遠回しに可愛いと言ってるようなものだし、何より冴えないナンパのセリフみたいだ。[pcm]
「あ、ほら、この前、眼鏡が曇って難儀してたから。コンタクトならそういう事もないし便利じゃないかなって思ったんだけど」[lr]
 うん。咄嗟に考えた割には良い言い訳だ。[lr]
;「あ、ほら、この前、眼鏡が曇って難儀してたじゃない。コンタクトならそういう事もないし便利じゃないかなって思っただけなんだよ」[lr]
; ……うん。我ながら良い言い訳だ。[lr]
[ld pos=c name="yuri" wear=u pose=1 b=4 e=4a m=4 c=1]
「あ、あの時のことは忘れてくださいっ」[lr]
;「うう……あの時のことは忘れていただきたいです……」[lr]
 委員長は困ったように笑った。[lr]
[ld pos=c name="yuri" wear=u pose=1 b=1 e=1a m=1]
「でも、確かに眼鏡だと不便なこともありますね。特にこの季節ですと気温差で視界が潰されますし、何よりラーメンを食べるときの苦労と言ったら……」[lr]
「ああ、なるほど」[lr]
 霧の中で食事をするようなものだろう。確かに苦労は多そうだ。[pcm]
「そういや、眼鏡かけてると、どんどん視力が落ちるって本当なの?」[lr]
「……そうですね。そういうことはあると思います。私も、小六の頃から眼鏡をかけ始めましたが、あの頃に比べたら格段に視力は落ちました」[lr]
「へぇ、委員長って昔は眼鏡してなかったんだ」[lr]
「ええ。前は裸眼で2.0あったんですけど……今では0.02もあるかどうか」[lr]
 委員長が、そんなに目が良かったなんて意外だ。やっぱり勉強のしすぎとかで目を悪くしたんだろうか。[pcm]
「ひとつ思い出したけど、近視はトレーニング次第で治せるらしいね」[lr]
[ld pos=c name="yuri" wear=u pose=1 b=1 e=1a m=6]
「治せる? トレーニングで、ですか?」[lr]
「うん。近視って、一定の距離で物を見続けたりするせいで、眼球のピントを合わせる力が衰えるんだって。だから、色んな距離の物を見てピントを合わせると良いみたいだよ」[lr]
「……なるほど。反復運動による筋トレのようなものなのですね」[lr]
「まあ、そんなところかな」[lr]
 委員長は今の話が意外だったのか、考え込むように何度も、[lr]
[ld pos=c name="yuri" wear=u pose=1 b=1 e=2a m=3]
「なるほど……努力次第では……湯気に悩まされることなくラーメンが……」[lr]
 と一人呟いていた。[pcm]
 ……何だろう。こんな無防備な委員長って珍しいんじゃないだろうか。[lr]
 こういう姿を見てると、つい、からかいたくなってしまう自分はSなのかも。[lr]
「そうだ、手始めにここから職員室まで眼鏡を外して行ってみない?」[lr]
;「なあ、委員長。いいこと考え付いたんだけどさ、職員室まで眼鏡無しで、トレーニングしてみたらどうかな?」[lr]
[ld pos=c name="yuri" wear=u pose=1 b=6 e=6a m=6]
「えっ?い、今からですか?」[lr]
「曇り知らずで食事したいだろ?それに今なら俺も一緒だし」[lr]
;「えっ? こ、ここで──ですか?」[lr]
;「女は度胸! 眼鏡無しだと、きっと良い気持ちだよ。曇らない食事とかは」[lr]
[ld pos=c name="yuri" wear=u pose=1 b=4 e=4a m=6]
 困惑気味の委員長に、とっておきのだめ押しというやつだ。委員長はさんざん迷っていたが、やがて意を決したのか、いつも以上に真面目な顔を俺に向けてきた。[pcm]
; 困惑気味の委員長に、とっておきのだめ押しというやつだ。委員長はさんざん迷っていたが、やがて意を決したのか、いつも以上に真面目な顔を俺に向けた。[pcm]
[ld pos=c name="yuri" wear=u pose=1 b=1 e=5a m=6]
「藤宮君、お願いがあります」[lr]
「ん、なに?」[lr]
[ld pos=c name="yuri" wear=u pose=1 b=4 e=5a m=6]
「……眼鏡を外している間、手を引いてもらっても良いですか?」[lr]
「え……?」[lr]
;「そのトレーニングを実践してみたいと思いますので、眼鏡を外している間、手を引いてもらっても良いですか?」[lr]
;「……え」[lr]
 一転して、今度はこちらが困る番だった。[lr]
 まさか校内で女の子と、しかも委員長と手を繋ぐハメになるとは。[lr]
; まさか校内で女の子と──しかもよく見知った委員長と手を繋ぐはめになるとは。[lr]
 しかしトレーニングを勧めた手前、断るわけにもいかなかった。[lr]
「ああ、いいよ。もちろん」[lr]
[ld pos=c name="yuri" wear=u pose=1 b=1 e=2a m=1]
 少々声が上ずってしまった。[pcm]
; ちょっと声が上ずってた。[pcm]
 委員長は恥ずかしいとも思ってないのかテキパキと眼鏡を外して、レンズが汚れないようにハンカチで包んでポケットの中にしまいこんだ。[lr]
 眼鏡を外した委員長は、あどけなさがよりいっそう目立つ愛らしい顔をしていた。[lr]
; 思ってた通り、眼鏡を外した委員長は、よりいっそうあどけなさが目立っていた。[lr]
;ここから眼鏡無し委員長
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「では……よろしくお願い致します」[lr]
「うん」[lr]
[ld pos=c name="yuri" wear=u pose=1 b=1 e=2a m=1 size=L]
 俺は意を決して、差し出された委員長の手を取る。委員長の手は少し冷たく感じた。それを察したのか、彼女は申し訳なさそうな顔をした。[pcm]
; 差し出された委員長の手を取る。委員長の手は体温が低いのか、手のひらの柔らかさに反して少し冷たかった。それを察したのか、彼女は申し訳なさそうな顔をした。[pcm]
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「ごめんなさい。私の手、冷たくないですか?」[lr]
「いや、そんなことはないよ。むしろ、俺の手の方が汗とかで気持ち悪かったりしない?」[lr]
[ld pos=c name="yuri" wear=u pose=1 b=1 e=1a m=1 size=L]
「いいえ、温かくて……お日さまに手をかざしているみたいです」[lr]
 聞いてるこちらが赤面してしまうようなセリフをさらりと言う。おかげで体温が急上昇してしまいそうだ。[lr]
;「いいえ。むしろ温かくて気持ち良いくらいですよ。ぽかぽかしていて、まるでお日さまみたいです」[lr]
; そんな聞いてるこちらが赤面してしまうようなセリフをさらりと言う委員長。おかげで体温がまた一度上がったかもしれない。[lr]
 廊下は昼休みということで人の往来もそれなりにあったが、手を引いていたおかげで委員長が誰かにぶつかることはなかった。[pcm]

@cl
@bg file="kaidan2.jpg" rule="縦ブラインド(左から右へ)"

[ld pos=c name="yuri" wear=u pose=1 b=1 e=1a m=1 size=L]
「あ、ここから階段だから気をつけてね」[lr]
[ld pos=c name="yuri" wear=u pose=1 b=1 e=2a m=1 size=L]
「はい。ありがとうございます」[lr]
 さすがに段差は厳しいのか、階段を降りる委員長の足取りはいつになく慎重だったけど、実は伊達眼鏡なんじゃないかと思ってしまうほどに、大した時間もかからず一階まで降りてこられた。[pcm]

@cl
@bg file="rouka.jpg" rule="縦ブラインド(左から右へ)"

[ld pos=c name="yuri" wear=u pose=1 b=1 e=1a m=1 size=L]
 あとは職員室まで行くだけだ。[lr]
 それにしても、ここに来るまで知り合いに見られていないのは、なかなか幸運なんじゃないかと──[lr]
;毒男
「おい、稔ー。お前、職員室に行ったんじゃねえのか? 日向先生が探して……」[lr]
 何故だ。何故よりによって毒男に見つかってしまうんだ!見知らぬ生徒達に羨ましげな視線を向けられ優越感すら感じていたというのに、地獄へと突き落とされた気分だ。[lr]
 毒男はこちらを指差し、わなわなと唇を震わせた。[pcm]
「みっ、稔が見知らぬ美少女とお手々つないでランランルーだとぉっ!? 破廉恥でござるッ、破廉恥でござるぅッ!! もう来ねえようわぁぁぁぁぁぁぁぁんッ!!」[lr]
; 想定していた中でも多分、最悪だった。[lr]
; 今なら、ノーアラートでクリア直前だったのに、最後の最後で無人警戒機に発見されてしまったスネークの気持ちが分かる気がする。[lr]
; 毒男はこちらを無遠慮に指差し、わなわなと唇を震わせた。[pcm]
;「みっ、稔が知らない美少女とお手々つないでランランルーだとぉっ!? 破廉恥でござるッ、破廉恥でござるぅッ!! もう来ねえようわぁぁぁぁぁぁぁぁんッ!!」[lr]
;毒男消し
 ……お前はどこの侍だ。[lr]
 何か学食で悪いものでも食ってきたのか、毒男は錯乱気味に叫び声をあげながら来た道を走り去っていった。[lr]
[ld pos=c name="yuri" wear=u pose=1 b=1 e=1a m=6 size=L]
「今の方、お友達ですか?」[lr]
 眼鏡が無い委員長は間近に近づいた人物の顔も見分けられないようだ。[pcm]
「え?知らないよ。全然違うよ。嫌だな委員長!あんな貧乏旗本みたいなしゃべり方するヤツが知り合いのワケないじゃあないか」[lr]
「は、はぁ……」[lr]
 そんなおかしなやりとりをしたり、毒男への言い訳を考えている内に、職員室前に着いていた。[pcm]
;「あの、藤宮君……今の方、お友達ですか?」[lr]
; 委員長は眼鏡をはずしていたので毒男だとは分からなかったようだ。[lr]
;「違うよ全然違うよ。嫌だな委員長あんな変な人が知り合いの毒男であるわけないじゃないか」[lr]
;「はぁ……」[lr]
; そんな感じで適当に誤魔化していたら、いつの間にか職員室前に着いていた。[pcm]
[ld pos=c name="yuri" wear=u pose=1 b=1 e=1a m=1 size=L]
「なんだか少しだけ視力が良くなった気がします」[lr]
 たった数分の間、眼鏡を外しただけで変わるはずはないのだが、委員長は満足そうだった。[lr]
; たった数分、眼鏡を外しただけで戻るわけはないのだが、委員長は満足そうだった。[lr]
「じゃあ、もう大丈夫だね。手、離すよ」[lr]
[ld pos=c name="yuri" wear=u pose=1 b=4 e=5a m=6 size=L]
「えっ……あ、はい……」[lr]
 手を離すと、なぜか委員長は物足りなさそうな、どこかあいまいな顔を一瞬だけ見せたが、[lr]
;眼鏡復活
[ld pos=c name="yuri" wear=u pose=1 b=1 e=1a m=1]
「わがままを聞いてくださってありがとうございます」[lr]
 ポケットから出した眼鏡をかけなおし、気がつけばいつもの真面目な表情だった。[pcm]
「委員長の役に立てて嬉しいよ」[lr]
 もしかしたら、もっとトレーニングしたかったのかもしれない。眼鏡の曇らない生活に、かなり憧れているみたいだったし。[lr]
 あまり深くは考えず、俺は職員室の引き戸に手をかけた。[lr]
 と、手を触れる直前、目の前で勢い良く、その引き戸が開いた。[lr]
;ひまわりせんせー
「うわあ!」[lr]
 驚いて情けない声を上げてしまう。[lr]
「よく来たわね、稔君!さあ、今日も宇宙からの侵略の防衛線となるべく、奮闘してもらうわよ」[lr]
;「よく来たわね、稔君!」[lr]
;「え?」[lr]
;「さあ、今日も宇宙からの侵略の防衛線となるべく、奮闘してもらうわよ」[lr]
 タイトな服に、白衣を纏った金髪眼鏡の大人の女性が、肩をがしりと掴んでくる。[lr]
 華奢な腕なのに、その力はかなりのものだった。[pcm]
「ひ、日向先生、今日も元気そうですね」[lr]
「あら!委員長ちゃんまで連れてくるなんてお手柄じゃないの!」[lr]
;「おまけに、委員長ちゃんまで連れてくるなんて、お手柄じゃないの!」[lr]
[ld pos=c name="yuri" wear=u pose=1 b=6 e=1a m=6]
「ええ!? いや、委員長は委員長で別の用事があって……」[lr]
「うふふ、助かったわ。ちょうどこれから、学校内の宇宙人工作跡の調査をするところだったのよ。ついこの前、学校内関係者の宇宙人スパイ疑惑解消のために委員長ちゃんに依頼したら、もう優秀優秀!稔君には真似できないわね、あの緻密な調査は」[lr]
;「うふふ、助かったわ。ちょうどこれから、学校内の宇宙人工作跡の調査をやるところだったのよ。ついこの前、スパイ疑惑解消のために委員長ちゃんにやってもらったら、もう優秀優秀。稔君には真似できないわね、あの緻密な調査は」[lr]
 委員長は別の用事で来たというのに、聞いてくれない。[lr]
[ld pos=c name="yuri" wear=u pose=1 b=4 e=2a m=3]
 いつのまにか委員長の肩を、逃がさんとばかりにがっしり掴んでいる。[lr]
 紫外線を浴びせようとしていた時からすると、随分な評価の転換だった。[pcm]
「というか、宇宙人の工作跡って何なんです?」[lr]
「特異点よ!」[lr]
「特異点って何なんです?」[lr]
「この学校内で、事故の多い場所のことよ!」[lr]
[ld pos=c name="yuri" wear=u pose=1 b=1 e=1a m=3]
 日向先生は拳を握り締め、たくさんの生徒や教員注視の中、熱弁を振るった。[lr]
「宇宙人はね、日常の中で、いつでも私たちを狙っているの。地球人類を根絶やしにする活動を、陰に日向に行っているのよ。その中の一つが、特異点なの」[lr]
 真剣な表情で、びしっと指先を特別教室棟の方角に向けた。[lr]
「例えば、特別教室棟三階北曲がり角ッ! この半年で、三回も生徒同士の衝突事故が起きているわッ!」[lr]
 さらに、校舎入り口の方を指差す。[pcm]
「一階昇降口入り口の段差ッ! この半年で、雨天時に足を滑らせて転んだ生徒は十人以上ッ!」[lr]
 わなわなと肩を震わせて、声高に叫んだ。[lr]
「これらは皆、この学校の生徒たちの抹殺を目論んだ宇宙人による、空間テロよッ! 幸いまだ死者は出ていないけど、この学園は狙われているのッ! 私たちは彼らが空間に張り巡らせた罠を見つけ、解除しなければならないわッ! 彼らの工作跡を見つけ、二度と生徒たちの身が危険に晒されないように、適切な処置を取らなければならないのよッッ!!」[lr]
「な、なるほど……」[lr]
 廊下を行く生徒たちは、また始まったとばかりに聞き流している。[lr]
 教員たちも、半ば呆れ顔で聞いている。[pcm]
 宇宙人云々の部分を抜かせば、要は学校内の危ないところを補修しましょうという話だ。[lr]
 みんなのためになることだし、それを率先してやる教師は、この日向先生だけだろう。[lr]
 それがわかっているから、みんな日向先生を馬鹿にはしない。[lr]
 ただ、そう……困った人だなという感じだ。[lr]
 普通に、危ない場所を改善して、事故を無くしましょう、と言ってくれればいいのだが。[lr]
「というわけで行くわよ! ヒィアウィーゴー!!」[lr]
[ld pos=c name="yuri" wear=u pose=1 b=6 e=1a m=6]
 日向先生は、流暢な英語で掛け声をかけて俺と委員長の腕を絡め取った。低反発素材の枕とビーズクッションを足して二で割ったような柔らかな感触が腕に当たった。[pcm]
「ちょ、日向先生、俺はともかく委員長は他に仕事が……」[lr]
「空間テロを防ぐ事こそトッププライオリティ!最優先事項よ!」[lr]
;「空間テロの前では、あらゆることはトゥリビアル――些事よ」[lr]
[ld pos=c name="yuri" wear=u pose=1 b=4 e=5a m=6]
「え、えーと、その、私は……」[lr]
 まごつく委員長を全く気にかけず、日向先生はずんずんと進みだした。[lr]
「日向先生……困りますなあ」[lr]
[ld pos=c name="yuri" wear=u pose=1 b=6 e=1a m=6]
 険悪な声に、俺たち三人は後ろを振り返る。[lr]
;ググレ
 そこには、ジャージ姿のググレカスが立っていた。[lr]
 弁当を食べている途中で、慌てて来たのだろう、右手に箸を握ったままという、なかなかに恥ずかしい姿だった。[pcm]
「あら、九暮先生。何が困るんですか?」[lr]
「委員長には、私が先んじて頼みごとをしていたのですよ。なあ、委員長」[lr]
 ググレカスが、眼鏡を光らせて委員長に問いかける。[lr]
[ld pos=c name="yuri" wear=u pose=1 b=1 e=1a m=3]
「はい。なのでこうして来たわけでして……」[lr]
 答えた委員長の手を、ググレカスがむんずと掴んだ。[lr]
「というわけで、委員長は返してもらいますよ、日向先生」[lr]
[ld pos=c name="yuri" wear=u pose=1 b=6 e=1a m=6]
 そのまま手を引っ張り、委員長を日向先生から引き離そうとするも、日向先生は委員長のもう一方の手をからめ取ったまま離さない。[pcm]
「日向先生、困るんだがね」[lr]
「九暮先生こそ、困ります。何の用事か知りませんが、どうせ自分が楽をするために任せるのでしょう? それだったら、学校を空間テロから守る仕事の方が、遙かに重要です」[lr]
「んな! 私はそんな、自分が楽をしたいから委員長に仕事を頼んでいるわけではないよ。委員長には、私の後継として、たくさんの仕事を覚えてもらいたいからで……ともかくその手を離しなさい。委員長が困っているでしょう」[lr]
「後継? 委員長ちゃんが教員志望なんて聞いたことありませんけど? 九暮先生こそ、その手を離してください。下手するとセクハラですよ?」[lr]
 二人は委員長の右手左手をそれぞれ掴み、じりじりと睨み合う。[pcm]
[ld pos=c name="yuri" wear=u pose=1 b=4 e=5a m=5]
 さすが委員長、先生方に大人気だ。[lr]
「行くぞ、委員長」[lr]
「行くわよ、委員長ちゃん」[lr]
[ld pos=c name="yuri" wear=u pose=1 b=4 e=2a m=6]
「あいたっ」[lr]
 日向先生は職員室から離れる方に、ググレカスは職員室に向かう方に引っ張って、委員長はがくんと両手が伸びきってしまう。[lr]
 委員長を宙ぶらりんにした状態で、また日向先生とググレカスは睨み合った。[lr]
 出来れば大岡越前にでも助けてもらいたい場面だ。[pcm]
[ld pos=c name="yuri" wear=u pose=1 b=4 e=5a m=6]
「あ、あのう……すみません。痛いので、一度離していただけませんか」[lr]
 消え入るような声で言う委員長に、先生二人もさすがに手を離す。[lr]
 委員長は腕から肩にかけてさすった後で、「すみません」と、日向先生に頭を下げた。[lr]
「あの、一応、九暮先生に呼び出されたのが先なので……今回は九暮先生の言いつけの方を優先させていただいてよろしいですか?」[lr]
「そんな……ッ!」[lr]
「でも、すぐに合流しますから。それでとりあえず、ご勘弁願えませんか?」[lr]
 むう、と唸る日向先生。[pcm]
 勝ったとばかりにニヤリと笑うググレカス。[lr]
 子供か、この人たちは。[lr]
「……まあ、わかったわ。可及的速やかに合流するのよ。いいわね」[lr]
[ld pos=c name="yuri" wear=u pose=1 b=1 e=1a m=1]
 結局日向先生が折れた。[lr]
「くッ……私の邪魔をするなんて、やはり九暮先生は《組織》のメンバーに間違いないわね。きちんと監視して、必要なら『排除』するべきかもしれないわ……」[lr]
 立場上は折れたようだが、心は折れてないようだった。さらりと物騒なことを言ってるが聞かなかったことにしよう。[pcm]

@cl
@bg2 file="rouka2.jpg" rule="縦ブラインド(左から右へ)"

 俺は日向先生にずるずると引きずられるように、職員室を後にした。[lr]
「……うーん」[lr]
; 俺は日向先生にずるずると引きずられ、職員室を後にしたのだが――[lr]
;「………………うーん」[lr]
 職員室に残った委員長の横顔が、なんとなく心に引っかかっていた。[lr]
 確かに先約はググレの方だろうが、日向先生みたいに熱心な先生ならともかく、なんであんなダメ教師の手伝いを、委員長がしなきゃならないのか。[lr]
 おそらくあのググレのことだから、ひどい仕事を押し付けているに違いない。[pcm]
 いい様に使われている委員長が、何故か昔読んだ絵本のシンデレラを思い出させた。脳裏に、ドレス姿の継母(キャスト:ググレカス)にこき使われる灰かぶりの委員長の姿が浮かんでしまう。[lr]
 ……うん。やっぱり納得いかない。[lr]
 ここは友人として、委員長の手助けをするべきじゃなかろうか。[lr]
 とは言え、俺も日向先生に仕事を頼まれているからな……[lr]
 こないだみたいに、ちょっと遅刻しただけで異星人によるアブダクトだと思い込んでしまうのが日向先生だ。[pcm]
 委員長の手伝いがしたいと正直に言ったら、[lr]
「ああ、稔君! あなたまで九暮先生のエロメガネから発せられる洗脳電波に毒されてしまったのねッ!? でも安心して。この電波を遮断する渦巻き模様の白い布を頭からかぶせてアルミホイルでグルグル巻きにしてあげるからッ!!」[lr]
 といったワケの分からない大騒ぎになるのは目に見えている。[lr]
 それに委員長の性格からして、日向先生の仕事を放り出して手伝いに行ったら、[lr]
「一度任された仕事を放り出してはダメですよ」[lr]
 などと言われて、やんわりと却下されてしまうかもしれない。[pcm]
 さて、どうしたものだろう……?[lr]



[nowait]
[r]
[link target="*yuujin"]1.委員長を手伝う(友人的な意味で)[endlink][r]
[link target="*seito"]2.日向先生を手伝う(生徒的な意味で)[endlink]
[endnowait]
[s]
;選択肢は後で変更予定。



yuujin|

[cm]
;1. 委員長を手伝う(友人的な意味で)
 ……やっぱり委員長を手伝おう。[lr]
 どんな仕事であれ、一人よりも二人なら委員長も助かるはずだ。[lr]
 ただ問題は、この色んな意味で熱心な先生をどうにかしなければならないという事なのだが……[lr]
 よし、ここは『あの手』しかないな。[pcm]
「あの、日向先生……」[lr]
「ん? どうしたの、稔君?」[lr]
「もしかして、ググレカス――じゃなくて九暮先生は、俺たちから委員長を引き剥がして空間テロの痕跡を探させない気なのでは?」[lr]
「な、なんですって!?」[lr]
 愕然とする日向先生。驚きは、やがて怒りへと変わっていったようだ。[lr]
 握り締めた拳が、ふるふると震えている。[pcm]
「……確かにあの男が《組織》の手の者なら、それくらいはやってのけるかもしれない。なんて卑怯な連中なの、奴らはッ!!」[lr]
「そうですよ。きっと委員長の調査能力を奴らは危険視しているに違いないんです」[lr]
「ハッ! いけないッ! きっと奴らのことよ。委員長ちゃんを事故に見せかけて抹殺するか、人間モドキと入れ替えて学校を内部から破壊する気だわ。なんという危機的状況、委員長ちゃんの命がデンジャラスッ!!」[lr]
「ああっ、ちょ、ストップストップ!」[lr]
 職員室に駆け戻ろうとする日向先生を押しとめる。調子に乗って煽り過ぎたようだ。日向先生は今にもググレを殴り飛ばしそうな剣幕だった。[lr]
 ……やっぱ、熱心すぎるのも考え物だよなあ。[pcm]
「稔君、どうして止めるの!?」[lr]
「ここで先生が戻れば、奴らはその隙に空間テロの痕跡を消してしまうかもしれませんよ?」[lr]
 日向先生は物凄く悔しそうな顔で唇を噛んだ。[lr]
「……くぅッ! そ、その可能性は高いわね……しかし、委員長ちゃんという優秀な人材を失うのは痛すぎる……ッ!」[lr]
 俺は、その言葉を待っていたのだ。[pcm]
「だったら、俺が委員長の護衛につきますよ。その間、先生は空間テロの痕跡が消されてないかどうか見張っててください」[lr]
「…………稔君、危険な任務よ?」[lr]
 レンズ越しに日向先生の瞳が、俺の顔をじっと見つめていた。ここで笑ったら元も子もない。俺はなるべく真面目な顔を日向先生に向けた。[lr]
「委員長を守るためです」[lr]
「わかったわ。委員長ちゃんを守れるのは稔君、貴方だけよ。生きて帰ってきたら続きをしましょう」[lr]
「はい!」[lr]
――計画通り![pcm]
 作戦名『嘘も方便』は、思惑通りに成功した。[lr]
 どこかのエリート高校生で新世界の神様みたいに、日向先生から見えない位置でほくそえみつつ、俺は職員室の方へ戻った。[pcm]

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 職員室に入ると、隅っこのテーブルで委員長がプリントの山と格闘していた。[lr]
「委員長、手伝いに来たよ」[lr]
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「藤宮君? あの……日向先生のお手伝いは終わったんですか?」[lr]
「委員長の方が大変だって先生に言ったら、委員長を助けてあげなさいってさ。学校の補修は放課後にやりましょうって言ってたよ」[lr]
 まあ、嘘は言ってない。[pcm]
; 要約するとそういうことである。[pcm]
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「ではお言葉に甘えて、これをお願いしますね」[lr]
;「じゃあ、藤宮君のお言葉に甘えて、これをお願いしますね」[lr]
 委員長から手渡されたのは分厚い紙の束とホッチキスだった。委員長が言うには、一学年四百人分に配布する冊子らしい。[lr]
 ……あのググレカス。こんな昼休みの短い時間に、こんな大量の仕事を委員長に押し付けるなんて酷過ぎるぞ。いつかフルボッコにしてやりたい。[lr]
 正直、あまりの量に心が折れそうだが、手伝うといった以上はやらねば男が廃る。黙々と作業を続ける委員長を見習って、俺も冊子を綴じることにした。[pcm]
; しかし、手伝うといった以上はやらねば男が廃るのだ。黙々と作業を続ける委員長を見習って、俺もガンガン冊子を綴じることにした。[pcm]

@cl
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「……まさか、昼休み中に終わるとは思わなかった……」[lr]
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「ええ、まあ……大変でしたが、藤宮君が手伝ってくれたおかげですよ」[lr]
 そういってもらえると、なんだかとてもありがたい。[lr]
 ググレカスは俺が委員長を手伝ったという事がいけ好かなかったらしく嫌な視線を向けて来たが、時間内に四百冊出来上がったことには満足していたようだ。豆腐の角に頭ぶつけて禿げろ、ググレめ。[lr]
; そういってもらえると、なんかありがたい。[lr]
; ググレは俺が委員長を手伝ったことが気に喰わなかったようだが、時間内に四百冊出来上がったことに満足していた。豆腐の角に頭ぶつけて禿げろ、ググレめ。[lr]
「委員長、お疲れ様」[lr]
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「はい。藤宮君もお疲れ様です」[lr]
 昼休みは残り十分程度。これではコンビニに弁当を買いに行っても、確実に六時間目に遅刻するだろう。さすがに飯抜きで午後の授業を受けるのはキツい。[pcm]
 どうしたものかと思案する俺に、委員長が救いの手を差し伸べてくれた。[lr]
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「あの……藤宮君。お弁当をお持ちで無かったら、私のを半分食べます?」[lr]
「えっ、いいの?」[lr]
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「はい。母が作ったものなので、少し味付けが薄くてお口に合わないかもしれませんが……」[lr]
;「はい。母が作ったものなので、少し味付けが薄いのですけど……あまり美味しくないかもしれませんが……」[lr]
「いやいや。物凄く助かるよ」[pcm]

@cl
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 学食から割り箸をもらってきて、俺は委員長のお弁当を半分だけ分けてもらった。委員長のお母さんが作ったという弁当は、委員長の評に反して悪くない味付けだった。[lr]
 なんとも慌しいお昼だったが、とても得をした気分になった。[pcm]



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@cl
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[s]



seito|

[cm]
;2.日向先生を手伝う(生徒的な意味で)
 ……このまま日向先生の方を手伝うことにしよう。[lr]
 俺が手伝ったとしても、それで仕事が楽になるとは限らないし、むしろ邪魔になることだってありえる。[lr]
 元々、日向先生の用事だって俺が最初に言われていたんだから、委員長に手伝ってもらうのも悪い気がする。なんだかんだで委員長は先生たちのお気に入りだし、いろんな事を頼まれている様子だった。[lr]
 それだったら、俺が日向先生の仕事を引き受けておけば、委員長の仕事が一つ減るのだから、そっちの方がいいのかもしれない。[pcm]
「さあ、特別教室棟三階北曲がり角から調査を始めるわよ!」[lr]
 それに、委員長には悪いけど、こんなに生き生きとしている日向先生の傍にいるのも悪くない気がする。[lr]
 俺は日向先生の調査を手伝うことにした。[pcm]
;↑原文 俺は日向先生の調査を手伝った

;@cl
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「遅れてしまって申し訳ありません」[lr]
 さすがに委員長は来ないだろうと思ったが、きっかり二十分後、委員長は校門のローラーを調査中だった俺と日向先生に合流した。[lr]
 聞くと、一学年四百人分の配布冊子をホチキス止めしてきたらしい。[lr]
 一分二十冊、三秒に一冊の計算だ。[lr]
「委員長、ホチキス止め速いんだね……」[lr]
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「ええ、まあ……大変でしたが、努力した結果だと思います。人間、やれば出来るものなんですね」[lr]
 笑顔がいつもより疲れて見えるのは気のせいだろうか。[pcm]

@cl
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 委員長は宇宙人の工作跡の調査で、駐輪場の屋根の雨どいの破損と、一階裏口の階段の滑り止めゴムの破損を見つけ、日向先生を大いに満足させた。[lr]
「二人ともよくやってくれたわ。これ、私の《協力者》から調達しておいた報酬よ」[lr]
 日向先生からの報酬は、購買で売っているサンドイッチとジュースだった。[lr]
「委員長、お疲れ様」[lr]
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「はい。藤宮君もお疲れ様です」[lr]
 昼休みは残り十分程度。俺は報酬のサンドイッチを、委員長は家から持参した弁当を急いで食べた。[lr]
 なんとも慌しいお昼だった。[pcm]



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