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ラリーとは
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rally
英和辞典で「RALLY」という単語の意味を調べると「再び集まる」という意味が最初に来ます。つまり、ラリーの起源は、中世の騎士が王様の前で自分の馬の強さと騎乗技術を自慢する目的で、お城から出発し目的の場所に行き再び戻る早さを競ったものが、始まりとされています。その後、20世紀初頭にヨーロッパで自動車を使っての競技としてのラリーが始まりました。この、行ったり帰ったりいう動きがテニス等で使われる用語としての「ラリー」になったとも言われていますし、目的を持って集めるという行為が「スタンプラリー」というイベントに変形していったとも考えられますが、それらのオリジナルはやはりヨーロッパの自動車ラリーと言えるでしょう。そして、今でもラリーは、一般的にスタートした場所に再び帰ってきてゴールするような形態のラリーが多く存在しています。
ヨーロッパでは、スピードとドライバーの運転技術を競う正当な競走として発展していったのに対し、日本では一般公道を走る競技ということで、スピードに対するアレルギーが社会一般に根強く、長い間制限速度内で走行し秒単位の正確さを競うリライアビリティランという必ずしも運転技術だけを競う競技でありませんでした。ラリーは、ドライバーの他に道先案内人としてのナビゲーター(コ・ドライバー)が必ず同乗しますが、そのナビゲーターの最も重要な仕事は、いかに正確に走るかの計算をすることが中心でした。
しかし、日本のラリーもスピードを競っていなかった訳ではなく、未舗装路などでは法定速度でも走行することが困難であったため、それなりに改造を施した自動車とドライビングテクニックに優れたドライバーでなければ、容易に優勝はできませんでした。その結果、殆どの日本の自動車メーカーは、開発の実験室的な位置づけでラリーに参加して、自動車の技術を磨いて行きました。そして、1970年台前半には、特に悪路を走行するアフリカなどの国際ラリーで活躍することになります。しかし、1973年頃からオイルショックと排ガス規制の影響で、全ての自動車メーカーは国内外のラリーから撤退しました。
ところが、1980年代後半になると長らくラリー活動を中断していた日本の自動車メーカーが、今度は自動車の性能の向上と共にヨーロッパを主戦場とした本場のスピードラリーに挑戦するようになって来ました。そして、日本メーカーの車が世界選手権ラリーを少しづつ席捲するようになって来ました。その結果、日本車の基本性能が格段に向上し、もはや法廷速度内での競技が成立しにくくなってきたこともあり、次第に日本でも道路管理者の許可を得た占有区間内で法廷速度に関係のない「スペシャルステージ」が設定されるようになって来て、ヨーロッパのようにドライバーの運転技術で順位を決めるラリーが出現して来ました。ここで、占有許可を得た区間ではサーキットと同じく道路交通法の制限速度は、適用されないのです。ですから、ヨーロッパと同じスタイルの自動車競技としてのラリーが開催出来る訳です。
現在では、北海道で世界最高峰の世界ラリー選手権も開催されるようになり、その下の国内最高峰の全日本ラリー選手権では、全てスペシャルステージラリーで開催されています。しかし、その下の地方選手権以下のラリーでは、これまでのリライアビリティーランとスペシャルステージをミックスしたルールのラリー(第2種アベレージラリー)が一般的で、さらにその下のカテゴリーでは、スペシャルステージのないリライアビリティランのみのラリー(第1種アベレージラリー)も存在します。しかし、今後はスペシャルステージラリーや第2種アベレージラリーといったドライバーの技術を競うスポーツ性の高いラリーの比率が益々高くなると思われます。その流れから、ナビゲーターの仕事から、速度計算の比率は下がってその代わりドライバーをいかに速く走らせるかのかのペースノートを作成し読む技術や心理状態をコントロールするマネージメント能力に移って来ています。
ラリーの基本は、レースのように複数の競技車が直接競走するのではなく、1台づつ1分間隔で走行し所要時間を、主催者が計測しその時間によって順位が決められます。また、規則違反等があるとそれがタイムペナルティとして減点され走行タイムに加算されます。
また、参加車両はその排気量(ターボ車は1.7倍の係数が掛けられた排気量)によってクラス分けされ、小さな排気量の車両は同一コンディションの車両同士で競い合うことで、参戦費用が安く楽しめるクラスもあります。これらのクラスは、スピードでは上位車両には劣りますが、ドライバーの腕次第では、上のクラスの車両を逆転することもあります。
2008年からは、全日本選手権で新たに1500cc車両のみのクラスが追加され、多くの車種による競走が展開されると思われます。今後、新たにラリーを始める方は、技術習得の為のクラスになると思われますので、検討してみては如何でしょうか?