JASRACの契約約款を読んでみてわかったこと
JASRACの「著作権信託契約約款」(平成19年7月10日届出)より抜粋引用
http://www.jasrac.or.jp/contract/1.pdf
http://www.jasrac.or.jp/contract/1.pdf
引用ここから
(第1条~第2条は略)
第3条 委託者は、その有するすべての著作権及び将来取得するすべての著作権を、本契約
の期間中、信託財産として受託者に移転し、受託者は、委託者のためにその著作権を管理し、
その管理によって得た著作物使用料等を受益者に分配する。この場合において、委託者が
受託者に移転する著作権には、著作権法第28条に規定する権利を含むものとする。
(第2項および第3項は略)
第4条 委託者は、別表に掲げる支分権又は利用形態の区分に従い、一部の著作権を
管理委託の範囲から除外することができる。この場合、除外された区分にかかる著作権は、
前条第1項の規定にかかわらず、受託者に移転しないものとする。
(第5条~第35条は略)
第3条 委託者は、その有するすべての著作権及び将来取得するすべての著作権を、本契約
の期間中、信託財産として受託者に移転し、受託者は、委託者のためにその著作権を管理し、
その管理によって得た著作物使用料等を受益者に分配する。この場合において、委託者が
受託者に移転する著作権には、著作権法第28条に規定する権利を含むものとする。
(第2項および第3項は略)
第4条 委託者は、別表に掲げる支分権又は利用形態の区分に従い、一部の著作権を
管理委託の範囲から除外することができる。この場合、除外された区分にかかる著作権は、
前条第1項の規定にかかわらず、受託者に移転しないものとする。
(第5条~第35条は略)
別表
(図表略)
(図表略)
1 支配権の区分
(1) 演奏権、上演権、上映権、公衆送信権、伝達権及び口述権(ただし、(9)から(11)ま
でに規定する利用形態に係る権利を除く。)
(2) 録音権、頒布権及び録音物に係る譲渡権(カッコ内、(1)に同じ)
((3)~(4)は略、いずれもカッコ内は(1)に同じ)
(1) 演奏権、上演権、上映権、公衆送信権、伝達権及び口述権(ただし、(9)から(11)ま
でに規定する利用形態に係る権利を除く。)
(2) 録音権、頒布権及び録音物に係る譲渡権(カッコ内、(1)に同じ)
((3)~(4)は略、いずれもカッコ内は(1)に同じ)
2 利用形態の区分
((5)~(8)は略)
(9) 放送・有線放送(説明文略)
(10) インタラクティブ配信(著作物を、放送及び有線放送以外の方法により公衆送信
(以下、本号において単に「公衆送信」という。)し、これを伝達し、又は公衆送信
に伴い複製し、その他公衆送信に伴って著作物を利用すること。ただし、(11)に該当
するものを除く。)
(11) 業務用通信カラオケ(説明文略)
((5)~(8)は略)
(9) 放送・有線放送(説明文略)
(10) インタラクティブ配信(著作物を、放送及び有線放送以外の方法により公衆送信
(以下、本号において単に「公衆送信」という。)し、これを伝達し、又は公衆送信
に伴い複製し、その他公衆送信に伴って著作物を利用すること。ただし、(11)に該当
するものを除く。)
(11) 業務用通信カラオケ(説明文略)
3 (略)(1)および(2)の区分の支配権をいずれも委託範囲から除
外したときは、(9)から(11)までの利用形態の区分は当然に委託範囲から除外される。
外したときは、(9)から(11)までの利用形態の区分は当然に委託範囲から除外される。
引用ここまで
これを要約すると、「インタラクティブ配信(*)」の区分さえ委託範囲から除外すれば、ネット上でのいかなる利用についてもJASRACは手が出せないということである。
他の全ての区分についてJASRACに委託していたとしても。
「演奏してみた」にしても、「歌ってみた」にしても、人に「直接」聴かせる目的で演奏・歌唱したのでなければ除外範囲に入るので問題がない。
【2009年12月9日追記:直上の段落については誤りがあります。インタラクティブ配信を除外しただけでは、ネット上の利用は自由にはなりません。JASRACの区分の中にある「録音権」の問題があります。録音とは要するに複製のことであって、自分のPCからニコ動用にsmilevideoのサーバーに音楽ファイルをアップロードするのも複製です。つまり、もし録音権を委託していたとすると、カラオケのファイルをダウンロードして「歌ってみた」をアップロードすることは、録音権の侵害となります。他にももろもろの問題がありますが、以下略。】
他の全ての区分についてJASRACに委託していたとしても。
「演奏してみた」にしても、「歌ってみた」にしても、人に「直接」聴かせる目的で演奏・歌唱したのでなければ除外範囲に入るので問題がない。
【2009年12月9日追記:直上の段落については誤りがあります。インタラクティブ配信を除外しただけでは、ネット上の利用は自由にはなりません。JASRACの区分の中にある「録音権」の問題があります。録音とは要するに複製のことであって、自分のPCからニコ動用にsmilevideoのサーバーに音楽ファイルをアップロードするのも複製です。つまり、もし録音権を委託していたとすると、カラオケのファイルをダウンロードして「歌ってみた」をアップロードすることは、録音権の侵害となります。他にももろもろの問題がありますが、以下略。】
それから別表第3項だが、通信カラオケについてJASRACに委託したい場合は、(1)と(2)のどちらか一方は最低限委託しておかなければならないという意味のようだ。
演奏権等を除外すれば、オフ会等で演奏する場合にJASRACに申請する必要がなくなり、録音権等を除外すれば、同人CDを販売する際にJASRACに申請する必要がなくなる。
演奏権等を除外すれば、オフ会等で演奏する場合にJASRACに申請する必要がなくなり、録音権等を除外すれば、同人CDを販売する際にJASRACに申請する必要がなくなる。
備考:
約款第3条に出てくる、著作権法第28条…
http://law.e-gov.go.jp/htmldata/S45/S45HO048.html
第二十八条 二次的著作物の原著作物の著作者は、当該二次的著作物の利用に関し、この款に規定する権利で当該二次的著作物の著作者が有するものと同一の種類の権利を専有する。
約款第3条に出てくる、著作権法第28条…
http://law.e-gov.go.jp/htmldata/S45/S45HO048.html
第二十八条 二次的著作物の原著作物の著作者は、当該二次的著作物の利用に関し、この款に規定する権利で当該二次的著作物の著作者が有するものと同一の種類の権利を専有する。
(*)ダウンロード形態とストリーム形態の両方を含む
e-Licenseの契約約款を読んでみてわかったこと
2007年4月13日受理・実施
委託規定の新旧対照表(傍線は変更部分)
委託規定の新旧対照表(傍線は変更部分)
新 | 旧 |
第3条 乙(引用註:委託者)は甲(引用註:e-License)に対して、乙が管理委託契約で指定した音楽著作物(乙が甲に作品届を提出した著作物)についての、以下のいずれかの利用許諾(乙が管理委託契約で指定するところによる)について、甲が甲の名において乙の計算で取次による管理(利用許諾契約に関する交渉及び契約の締結、使用料の徴収及び分配、その他これらに付随する業務)を行うことを委任し、甲はこれを受任する。(略) | (左記と同様のため略) |
((1)~(11)は略) (12) 業務用通信カラオケに関する利用許諾 | 通信カラオケに関する委託管理を開始するに当たり追加 |
つまり、通信カラオケに関する委託管理はJASRACしか行っていないというのは全くのウソだったのだ。
この変更点が含まれる契約約款は2007年4月13日から既に実施されている。
にもかかわらず、イーライセンスのサイトの説明ページには、通信カラオケは業務範囲外と書いてあったから勘違いが起きていたようだ。
イーライセンスには、説明ページの早急な変更を求めたい。
この変更点が含まれる契約約款は2007年4月13日から既に実施されている。
にもかかわらず、イーライセンスのサイトの説明ページには、通信カラオケは業務範囲外と書いてあったから勘違いが起きていたようだ。
イーライセンスには、説明ページの早急な変更を求めたい。
↑の記述だが、イーライセンスの説明が嘘というわけではない。確かに約款は変更され、業務用通信カラオケの管理はできるようになった。
しかし、カラオケ業界団体がイーライセンスを相手にしていないので、開店休業中ということ。
どこのカラオケ業者もイーライセンスを相手にしない以上、委託管理を受け付けるわけにもいかないというのが事実。
(2009.12.7追記)
しかし、カラオケ業界団体がイーライセンスを相手にしていないので、開店休業中ということ。
どこのカラオケ業者もイーライセンスを相手にしない以上、委託管理を受け付けるわけにもいかないというのが事実。
(2009.12.7追記)
コメント
- こういうのって、やっぱり勢いですよねd(´∀`*)グッ※ http://hemn.me/DMM/?show=10A944 -- (age) 2011-10-26 11:05:27