長門「3ぷんくっきんぐ」
キョン「おー」
長門「料理を作ります」
キョン「今日はどういったものを」
長門「>>39」
キョン「へぇ」

39 名前: ニート(秋田県) 投稿日: 2007/04/21(土) 04:02:13.03 ID:SzxiVr+S0
     ペンギン

長門「ペンギン……情報統合思念体にその情報はない」
キョン「つまりペンギン知らないってことか?」
長門「知らない」
キョン「嘘だろおい。長門ーそりゃないぜ」
長門「ペンギンとは何?」
キョン「ペンギンったら……あれだよ。白黒でモフモフしてかわいいやつだよ」
長門「……」
キョン「もったいないなあペンギン知らないなんて」
長門「見たい」
キョン「よーしそれじゃ明日見に行くか」

長門「…」
キョン「あれはシマウマだ」

長門「…」
キョン「あれはパンダ」

長門「…」
キョン「あれは古泉…ゴリラの檻の中でなにやってんだ」

ハルヒ「なによ……なんで普通にデートしてんのよあの二人……」
ハルヒ「冗談じゃないわよ……なんなのよ……」
ハルヒ「キョンなんか……あんなやつ……」
ハルヒ「お猿さんにおしっこでもかけられちゃえばいいのよ……」
キョン「ぐわーー猿にしょんべんかけられた!!」
ハルヒ「!!!」

キョン「うう……どうしよう……」
長門「Tシャツ買ってきた」
キョン「はやっ!わ、悪いな……」
長門「脱いで」
キョン「うん……」
長門「……ふふ」
キョン「?」
長門「楽しい」
キョン「そ、そうか?」

ハルヒ「……」

長門「ペンギン見てない」
キョン「ああ、そうだったなそういえば。よし、じゃあ見に行こう」
長門「ええ」
ハルヒ「あらあ!有希とキョンじゃなーい!!奇遇ねえどうしたのこんなところで!!」
キョン「わっ、ハルヒ。なんでおまえがこんなとこに?」
ハルヒ「あたしはキリンの舌の色を観察しにきたのよ。不思議よね~紫色なんて」
キョン「そうかぁ……?」
ハルヒ「そうだ!ちょうどいいからあんたたちもいっしょに見に行かない!?」
キョン「お、俺は別に構わないけど……」
長門「……」
ハルヒ「ねーっいいわよね有希!?」
長門「……」
ハルヒ「決まり!!じゃあさっそくキリン見に行きましょう!!」
キョン「お、おい……」

長門「……ペンギン……」

ハルヒ「きゃーーキリンよキリン!かわいいーー首長ーい!ねえちょっとキョン見て!」
キョン「わかったわかった引っ張んなって」
長門「……」
ハルヒ「ねえ有希もほら見て!かわいいわよねー!」
長門「……わたしは……」
ハルヒ「?」
長門「用事を思い出した。先に帰る」
ハルヒ「えっ?」
キョン「あっ、おい長門!!」

キョン「ま、待てよ長門」
長門「……離して」
キョン「どうしたんだよいきなり……今日は何にもないって言ってたじゃないか」
長門「……」

長門「……ペンギン……」
キョン「え?」
長門「ペンギンを見に行くはずだった」
キョン「え、ああ、いやまあそうだけど……別に後からでも……」
長門「……」
キョン「……もしかして怒ってんのか?」
長門「……」

キョン「ハルヒ……」
ハルヒ「……」
キョン「悪いな。俺たち、ペンギン見てくるよ。おまえのキリン観察には付き合えない」
ハルヒ「……」

ハルヒ「そ…っか」
長門「……」
ハルヒ「悪かったわね。デートの邪魔して」
キョン「いや、別にデートってわけじゃ……」
ハルヒ「ごめんね有希」
長門「……」
ハルヒ「それじゃ、あたし帰るわね。バイバイ二人とも」
キョン「……ハルヒ」

古泉「う……うう……ああっ!!」
古泉「……ふぅ~……」
古泉「いろいろ試してみましたが、やはりパンダが一番のようですね。貴重な情報です」
古泉「……?」
古泉「こ、これは……!!」
古泉「閉鎖空間が広がっている……!!しかも今までにないほどに大きい!」

長門「……」
キョン「あ、ほら。あそこだよ。あの建物の中にいるんだ。ペンギン」
長門「……」
キョン「白熊とかアザラシとかもいるんだぜ。他にも──」
長門「……」
キョン「……なあ、長門……」
長門「……」
キョン「機嫌直してくれよ。その……なんて言ったらいいか……」

長門「……」
キョン「でも…俺、さ…」
長門「……」
キョン「実はちょっと、嬉しいんだ。なんていうか…長門がそんな風に怒ってくれて…」
長門「……」
キョン「あのさ長門。あの……もし、よかったら…おまえが嫌じゃなかったら……」
長門「……」
キョン「俺と……」
長門「…やめて」
キョン「え?」
長門「言わないで……」
キョン「言わないで、って……どうして」
古泉「そうですよ長門さん」

キョン「こ、古泉……なんでおまえがここに?しかも裸で……」
古泉「はぁ…はぁ…」
古泉「長門さん。それ以上あなたはキョン君といっしょにいてはいけません」
長門「……」
古泉「あなたなら……理由はわかりますね?」
長門「…ええ」
キョン「ちょ…おい古泉!! 何かってなこと言ってんだテメーは!!」
古泉「しかたのないことなんです」
キョン「ふざけんな!! おまえが何言おうと俺は長門と……!!」
長門「ありがとう…」

キョン「……え?」
長門「……さよなら……」
キョン「長門っ!!!」
古泉「行ってはいけませんキョン君!!」
キョン「放せ古泉!!!」

古泉「今あなたが長門さんを追ってしまえば、大変なことになります。世界はお終いです」
キョン「知ったことか! というか何を押し当ててんだおまえは!!」
古泉「今までにない規模の閉鎖空間が広がっているのです。急いで涼宮さんの元へ行ってあげなさい」
キョン「……」

キョン「……違う」
古泉「は?」
キョン「いつまでもハルヒに縛られているわけにはいかない。それに、あいつだって同情なんかで付き合ってなんかもらいたくないはずだ」
古泉「そんなことを言ってる場合では……!!」
キョン「俺は長門が好きなんだ!! どけっ!!」
古泉「あっ、ぐわあああああああああああああああっ!!!!」

古泉「……ああ……閉鎖空間が……」

キョン「待ってくれ!! はあはあ、長門!!」
長門「……」
キョン「聞いてくれ!! 俺、おまえのことが好きなんだ!!」
長門「……」

長門「……だめ」
キョン「どうして!!」
長門「あなたがわたしといたら……世界は崩壊する。それに」
長門「……あなたも消えてしまう……」
キョン「かまわない!!」
長門「…!」

 ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ

キョン「……いっしょにいよう。二人で……」
長門「……」

 ガバッ


──その瞬間、世界を閉鎖空間が包み込んだ──

長門「……ペンギン」
キョン「え?」
長門「見たかった」
キョン「ああ……結局、見れなかったな」
長門「かわいいんでしょ?」
キョン「ああ、うん。でも」

キョン「…お前のほうがかわいい」
長門「……」
キョン「長門……愛してる」



キョン「はあああああ!!!」

 ガバッッ!!

キョン「……」

 チク… タク… チク… タク…

キョン「……なんだ……夢か……」
キョン「……夢……?」
キョン「……なんで俺が長門にあんなことしなきゃなんないんだよぉ~……」
キョン「なんなんだよ……どうして長門が……」
キョン「……俺、もしかして長門のこと……」

ハルヒ「おはようキョン。何その顔? クマひどいわよ」
キョン「……昨日寝れなかった……」
ハルヒ「なんで?」
キョン「もの凄い恥ずかしい夢見ちまって……」
ハルヒ「ふ~ん……どうせみくるちゃんとエロいことでもする夢でしょ」
キョン「いや……」

 ツンツン

キョン「ん…? ……あ……」
長門「……」
キョン「な、長門……」
長門「おはよう」

長門「今日……」
キョン「あ、ああ。今日な。ペンギン見にいくんだよな」
ハルヒ「ペンギン? どうしてペンギンなんか見にいくのよ」
キョン「いや、>>39のせいでペンギン料理作ることになっちまってさ。それで勉強しにな」
ハルヒ「ふーん……おもしろそうじゃない。よし、あたしも行くわ!!」
キョン「え!? で、でも……」
ハルヒ「でも何よ」
キョン「い、いいのか長門…?」
長門「かまわない」
ハルヒ「よし決まり!!じゃあ みくるちゃんと古泉くんも呼んでSOS団全員で動物園見学ね! ちょうどキリンの舌を見てみたいと思ってたのよ!!」
キョン「……」

キョン「長門っ」
長門「…何?」
キョン「あの……昨日のことなんだけど……」
長門「…昨日のこととは」
キョン「…変な夢、見たりしてないよな?」
長門「…見てない」
キョン「そ、そっか。あはは。よかった。ごめんなんでもないんだ。忘れてくれ。ははは」

キョン「……あ~よかった……妙にリアルだったから、ハルヒの時みたいになんか変な力で見せられたのかと思ったぜ……」

長門「……うれしかった」
キョン「え?」
長門「なんでもない」


 終わり

なんじゃこりゃ

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最終更新:2007年04月23日 01:46