望月杏奈「心の雨が上がる時」
執筆開始日時
2017/07/29
概要
「百合子さん……どこ行ったんだろう…………?」
辺りを見渡しつつ、杏奈はそう呟いた。
ぐるりと見渡す景色。どのアングルにも古書店が入り込んでいて、雰囲気からして百合子さんが好きそうな店ばかり。
多分……どれかに百合子さんはいるんだろうな…………。杏奈のことも忘れちゃって、フラフラと引き寄せられたの……。
「はぁ……」
ため息一つ。控えめなそれは人ごみにすぐにかき消されてしまう。
今日は百合子さんとデー……お出かけ。百合子さんが古書店巡りをしに行くって言うから、連れて行ってもらったの。
だけど、百合子さんの本好きを舐めてた……かも。
『それは良いんだけど……。私、本に夢中で杏奈ちゃんはつまらないかもしれないよ?』
『大丈夫……。百合子さんが楽しんでるなら、杏奈も楽しいから…………』
って言ったのは、杏奈なんだけどね……。
少し目を離しただけでいなくなるなんて、思わなかった……かも。
とりあえず、ずっとその場に立ち尽くしてるのも辛いから杏奈は、近くにあった広場のベンチに腰をかけた。
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^望月杏奈 ^七尾百合子
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最終更新:2020年03月27日 11:11