第3話「うれしなつかし通学路」(2009年4月8日)

仕方なく一緒に帰る由美と清志。
由美「違います、ただ隣を歩いてるだけです」
清志「・・・誰と喋ってんの?」
由美「いや、別に・・・」
清志「お、見ろよこのどぶ川」
由美「なに?」
清志「懐かしいな」
由美「いつも通ってるんじゃないの?」
清志「そうじゃなくてさ、ほら、覚えてんだろ?小学校2年の時」
由美「さあ・・・」
清志「じゃあ教えてあげよう」
由美「別にいいわよ」
清志「あれは暑い夏の日だった。お前の通学帽が風で飛ばされたんだよ」
由美「・・・・・・」
清志「で、俺がどぶ川に入って取ってあげたんだ!」
由美「・・・・・・」
清志「ちょっと、聞いてる?」
由美「んーん」
清志「んーんって・・・あ、あの犬」
由美「何なのよ・・・あ!」
清志「あの犬も昔からずーっといるよな、いくつなんだろ」
由美「・・・・・・」
清志「どうした?」
犬のいる家の表札を指差す由美。
由美「黒田って・・・」
清志「黒田さんがどうかしたの?」
由美「今日前で話してた自動車学校の先生、どっかで見たことあると思ったら・・・」
清志「あー、俺もそれ思った・・・そういえばここの家の人だったっけ」
由美「そうだ思い出した、私たちが小学校の一年生だった時に六年生だった人だ」
清志「うっそー、じゃあ完全に知り合いじゃん!」
由美「・・・・・・」
清志「・・・まあ、別にどうでもいいけど」
由美「あ、私今日用事あったんだ」
清志「え?」
由美「じゃあ私急ぐから・・・」
走り出す由美。
清志「ちょっと待てよ~!」
由美「どうしてついてくるのよ!」
清志「俺だってこっちなんだよ!」
由美「どうして走ってくるの!?」
清志「俺の勝手だろ~!」
走る二人、それを遠くで見ていた男。
黒田「そうか、あの時一年生だった由美ちゃんがねえ・・・大きくなったもんだ」
自動車学校の同僚から“ミスタープレイボーイ”の通り名で知られる黒田が由美に狙いを定めた瞬間だった。

タグ:

+ タグ編集
  • タグ:

このサイトはreCAPTCHAによって保護されており、Googleの プライバシーポリシー利用規約 が適用されます。

最終更新:2016年03月17日 15:03