コマンドコントロールの歴史

当項では、今日のDCC隆盛にまで繋がるコマンドコントロールの歴史を解説する。

直流制御方式(DC方式)

鉄道模型は従来、メルクリン等の3線式以外は一般的に両方のレールを介して車両に供給する直流電源を制御することでコントロールする仕組みであった。車両の速度は電圧の制御(当然高電圧だと高速に、低電圧だと低速に)で、進行方向は電極の制御(車両の右側線路が正極なら前に、負極なら後ろに)でコントロールするという、直流モーターの性質を活用した明解な制御方式と言える。
しかしこの方式では、線路上にあるすべての車両に同じ電圧・電極が供給されることになり、車両を個別にコントロールすることはできない。レイアウト上の多数の列車を個別に運転したいという夢を持つ鉄道模型ファンは、なんらかの方法を模索するしかなかった。

キャブ・コントロール(キャブコン)による多列車制御

レイアウト上の線路をギャップで区切って電気的にいくつかの区画(ブロック)に分割し、自分が運転したい列車が在線するブロックを切替スイッチで自分のパワーパックに接続すれば、レイアウトの他の区間は他のパワーパックで他の列車を運転できる。列車の数だけパワーパックを準備して切り替えながら運転することで、従来のDC(直流)制御方式でも多列車運転は実現できることになる。
このアイデアはもっとも原始的かつ効果的な多列車制御方法として、以前より鉄道模型ファンの間で使われ、一般にキャブ・コントロール(キャブとは運転台の意、転じてパワーパックを指す)またはブロック・コントロールと呼ばれてきた。切替が煩雑であり、配線も膨大になってしまう欠点はあるものの、実物の鉄道でも閉塞方式による運転は一区画一列車であり、運転方法としては現実的なものと言える。このことから改良も進められ、自動的にキャブを切り替える装置を導入したり、パソコンで制御したり(オートレールは元来この方式)と、運転者が切替を意識しなくてもよい方法がいくつか開発された。

アナログ・コマンドコントロールの時代




デジタル化の時代



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最終更新:2007年06月29日 07:25