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パソコン制御

DCCは自動運転のための規格ではない。
これはよく勘違いされている点であるが、DCCはあくまで制御方式の一つであり単独で自動運転をし得る規格として標準化されているわけではない。しかし、デジタルであるが故に自動制御と相性がいいことは疑う余地もなく、当然ながら欧米では多くの会社からDCCシステムを活用した自動運転装置・パソコン制御用ソフトが発売されている。
特にほとんどのパソコン制御用ソフトは、多数の列車を自動運転しながらも、ユーザーがそのうちの一部の車両を手動運転する余地を残しており、「多数の列車が行き交う路線を、信号に従って運転する」ことに憧れる多くの鉄道模型ファンの夢を現実のものとしている。(さらにカメラ搭載車両を準備すれば、自宅で鉄道模型版「電車でGo!」が楽しめてしまう)
また、ポイントの画面上での切替機能により、アナログ時代のスイッチパネルが不要になる点、多くの製品がデコーダプログラミング支援機能を持つか、別途専用ソフトが用意されている点(一般的なコマンドステーションの1,2行しかないLED画面でプログラムするのは苦痛に他ならない)なども特筆に価する。自動運転に興味のない人でも、多くのソフトは無料のDEMO版が提供されているので試用してみることをお勧めしたい。使っているうちに自動運転の楽しさに目覚めれば、それはそれで趣味の幅がいっそう広がって充実した鉄道模型生活を送ることができるに違いない。

なお、ドイツ製品が大半を占めているのは、早期からメルクリン社がデジタル制御に意欲的であったため、パソコンでの模型制御が他国に比べて早く醸成する環境が整っていたからと思われる。当然ながらほとんどのソフトはメルクリン・デジタルにも対応しており、Selectrixに対応するソフトも多い。

パソコン制御ソフト

欧米では歴史も長くあまりにも多数のソフトが公開されているので、すべてのソフトを紹介するのは難しい。そこで特にDCC用、なおかつ日本人が使うのに適したものを中心に紹介したい。

レイルロード&カンパニー(RAILROAD & CO.)
パソコン制御ソフトの大御所。機能の豊富さ、対応装置の多さでは群を抜き、日本でのユーザーも多いので情報も手に入りやすい。ただし、多機能すぎて初心者には扱いにくい面がある上、ドイツ語訛りの英語ソフトのため、表記がわかりにくいとの不評もある。
JMRI
Javaにより開発されたパソコン制御ソフトウエア群。フリーで使える上、Javaなのでマルチプラットフォーム。少々とっつきにくい印象はあるが、小規模なレイアウトで使うには便利なソフトなので、日本でも試用している人は多い。
システムソフィア製オートレール
以前よりアナログ制御方式による自動運転システムとして販売されていたが、最近DCCへの対応を表明した。
KAM Industries
大規模レイアウトに向いたパソコン制御ソフトウエア群を開発している。モバイル端末向けソフト等、興味深い製品も多い。
SOFT-LOK
DOSで稼働する貴重な制御ソフト。ハンブルクにあるミニチュア・ヴンダーラント(ワンダーランド)やドイツ博物館でも使われており、その信頼性は高く評価されている。余ったPCでパソコン制御したい等の場合には役に立つかもしれない。
WIN-DIGIPET
欧米ではRR&Co.とシェアを分け合う歴史のある制御ソフト。RR&Co.に比べるとインターフェイスや画面に力が入っており(逆にごてごてした印象を嫌う人もいるが)、入門者にもわかりやすいよう洗練されている。
ただその分機能面では取捨選択されているため、自分が使いたい機能がなくてやむなくRR&Co.に移行する人もおり、特に日本式の信号制御等を実現しようとすると必要以上に苦労することになるのも事実。なお、以前はやや重いソフトとの評もあったが、PCの性能が格段に進歩した今では特に欠点とはならないだろう。
WinLok
主にDigitrax社用として開発された制御ソフトで、LocoNetとの相性がいい。CTCパネル調の画面もファンがいたりする。値段も安い(オンライン版で130ドル程度)ことから、同じくリーズナブルな値段を売りにしていたDigitrax社製品とセットで愛用するユーザー(主にアメリカ)も多い。
まもなく32ビット板が正式発売になるはず。

パソコンとの接続

パソコン用DCC増設カード等は残念ながら(当然ながら?)存在していないので、パソコン制御を実現するためには何らかの方法でパソコンの信号をDCCシステムに接続する必要がある。一般的にはパソコン信号をシステム・バスに変換するアダプタが各社から発売されているので、これらを使うことになる。
DIGITRAX社MS100
パソコンのRS232C(シリアル)入出力をLocoNetへ変換する装置。ただしRS232C信号を直接変換しているため、LocoNetで使われている特殊な通信速度をサポートしている必要があり、市販のRS232C-USB変換装置のほとんどはこれに対応していないため使用できない。最近のRS232C(シリアル)ポートを持たないノートPC等での使用を検討しているなら、サイトを検索して対応するUSB変換装置を探すか、あきらめてシリアルポートを装備したデスクトップPCでの使用を考える必要がある。
なお、PCカード型RS232Cコネクタのほうが対応率がいいので、こちらを検討するのも一考。
Lenz社LI-USB
USBからXpressNetへの変換装置。RS232C仕様のものも販売されているが、前述のように最近のPCにはシリアル端子が省略されてUSB端子しかないことが多く、今ではLI-USBのほうが主力製品といえる。
RR-CirKits社LocoBuffer-USB
USBからLocoNetへの変換装置。上記LI-USBのLocoNet版と言えよう。以前はLocoBuffer-IIというシリアルポートの性能に左右されないシリアル用変換装置も販売していたが、こちらは生産中止。

また、一部の多機能コマンドステーションには、パソコンとの直結端子が搭載されている。例えばIntelliBoxにはRS232Cが、ECoSにはLANコネクタがそれぞれ搭載されており、上記の制御ソフトでもこういった機能への対応が進んでいる。

さらに、特筆すべき製品として永末システム事務所製(NGDCCシリーズ)のDP1が挙げられる。これはデコーダプログラミング装置と称しているものの、USB端子を持つDCCコマンドステーションに他ならず、同社が提供する専用ソフトを利用することでVisualBasic等による自作自動制御ソフトが作成できるようになる。このような構成の商品は欧米でも見かけることがなく、自作を良しとする日本の鉄道模型ファンによくマッチした製品と言えよう。
ただ、惜しむらくは上記のソフトウエア群はどれもDP1に対応しておらず(当たり前ではあるが)、大きなシステムの実現は不可能ではないにしろかなりの苦労をともなうことは事実。