トランスポンディング

送信・伝達transmitと応答respondという単語を合成した言葉で、本来はなんらかの信号を受けて中継送信したり応答信号を送信したりすることを指し、中継器や応答装置はトランスポンダと呼ぶ。鉄道用語としてはATSトランスポンダ地上子等がある。
DCC関連を含めた鉄道模型用語としては、当サイトで車両検知機能と呼ぶ機能とほぼ同義であり、レイアウト上に設置された検出位置に列車が差し掛かったとき、その列車情報(DCCであればデコーダアドレス等)を送信する機能を総称してトランスポンディングと呼ぶ。ただし、一般的な用語として広く使われている「トランスポンダ」と違い、「トランスポンディング」という用語を使っているのは事実上Digitrax社だけで、通常はトランスポンディングと言えば同社のDCC機器に備わっている「列車位置検出機能(KATO社サイトの用語)」のことを指すと考えてよい。

Digitraxのトランスポンディングの動作は以下のとおり。
  • レイアウトをギャップによりブロック分割し、RX4等トランスポンディング受信装置を接続
  • 当該ブロックにトランスポンディング機能を持つデコーダを搭載した車両が進入
  • デコーダは自身のCV値(通常はデコーダ・アドレス)を送信
  • 受信装置がこれを受信し、LocoNet信号としてフィードバック
これら一連の動作と、在線検知装置BDL168等の機能により、デコーダと制御側の双方向通信を実現しており、パソコン制御による自動運転をする際に重要な列車位置情報等を得ることができるようになる。

ある列車がトランスポンディング機能対応か否かは、車載デコーダのトランスポンディング機能の有無によって決まる。Digitrax社では中級以上のデコーダにはすべてこの機能を搭載しており、DCCシステム全体が同社で統一されているユーザーはもちろんのこと、車載デコーダが他社製の場合であっても、同社のファンクション・デコーダTL1等にもトランスポンディング機能が搭載されていることから、編成中のどこかにこのデコーダを搭載すればこの機能を利用できるようになる。こういった製品構成は他社に比べても格段に導入を容易にしている。

トランスポンディングは、Lenz社が開発しNMRAで標準化が進められているNMRA Bi-Directional(BiDi)とはまったく互換性はないものの、Digitrax社は既存のDCCシステムに付加的に設置することができること、他のシステムとほとんど矛盾を起こさないこと、すでに長期に渡り使用され続けており信頼性が高いことをもって、NMRA規格に対する優位性を主張している。
同社のトランスポンディングは1998年には出荷を始めており、アメリカはおろか日本でも自動運転や信号制御を楽しむユーザーにすでに広く浸透している。このことから当分の間は車両検知機能として大きなシェアを維持することと思われるが、欧州メーカーを中心にNMRA規格(BiDi)の採用例も増えていることから将来については不透明である。

なぜトランスポンディングがNMRAに採用されていないか等書かれていて興味深い。



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最終更新:2007年08月28日 17:47