緑色のニョロニョロしたアイツ



スンバラリア星人(-せいじん)

  • 登場作品:学怖,晦,学怖S,学恋,学恋2,学恋V,流神A,極,ドラマCD,新生2,秘密,鳴七
  • 種族:宇宙人
  • 関連人物(その1):風間望,坂上修一,倉田恵美《正体》,長官
+ ...
  • 関連用語:デベロンダッタ星人,ボッヘリト星人,ポヒポヒ星人,ニャリン星人《敵対》,スンバライト《?》,とりあえず踊ってみる《迷言》,UMA,カニバリズム,前田本家,ホレホモンZ,クトゥルー神話


概要

 スンバラリア星人とは地球を侵略するべく舞い降りた宇宙人である。
 風間五話「謎に満ちた風間の秘密」および隠しシナリオ「スンバラリア星人現る」に登場し、最高にアブない男「風間望」の最高に有力な正体としてファンの間では定着。
 さらに細田六話「取り残された旧校舎の補習授業」で主人公の正体がこれであると匂わせ、隠しシナリオ「早苗は僕の婚約者」では風間さん自身が宇宙人であると嘯く。
 全シナリオの集大成でもある隠し02「主人公の後輩 田口真由美」においてもひときわ目立つなど、想像以上に『学怖(S)』の世界に食い込んだ存在と言えるだろう。

 彼らの登場によって『学怖(S)』の世界は唐突に70年代特撮(円谷風味)空間へと塗り替えられ、凄まじい世界に突入した。両シナリオの結末も食料から結婚までまさに何でもござれで、ED数は「殺人クラブ」に次ぐ量である。
 同胞に間違われ右往左往する主人公の思考は風間さんの奇行と自重しない宇宙人のせいで混迷を極め、選択肢になぜか「とりあえず踊ってみる」が頻出するなど、まさにカオス。もう……、「学校」でも「怖い話」でも、何でもないよ……。

 ただ、基本ギャグとして捉えられ、実際そうとしか受け取れない両シナリオだが、それだけでこの宇宙人が作品を跨ぎ語り継がれる存在となるほど甘くはないだろう。
 彼ら(風間さん)を甘く見ると痛い目を見る。ブラックジョークが各所に挿入され、遂には身の毛のよだつような結末にも辿りつくなど、実際はホラー的観点でも名シナリオである。

その実態

 彼らの実態は謎に包まれているが、その数少ないものを以下に並べよう。
 体液は緑色で雌雄の区別がないなど、地球人類とは異なる独特の生態を持つ。
 外見上で外せない一番の特徴はアンモナイトのような頭足類に似た形状の巨大な頭部を持つ点だろう。後頭部には殻の名残らしき渦巻型が残る。ちなみにこのグラフィックは紙粘土製らしい。

 そして、その口元からはわさわさとした触手が沢山伸びる。
 全体はエメラルドグリーンの色彩に包まれ、目は意外とつぶらだと思う。
 [誰も指摘しようとないが、海産物満載なクトゥルー神話を連想した自分がいる。]

 見たままに首から下は地球人と同じくヒューマノイドタイプと思われる。
 ただし、風間さんはともかく長官は宇宙服らしきものを着込んでいたので、実際どんな姿をしているかは不明である。危機が迫った際、筋骨隆々の戦闘体型に変化したことなどから、案外地球人に似通った体の構造をしているのかも知れないが。

 一方で、どこぞの特撮に登場した宇宙人よろしく同胞の死体を吸収したり、合体することによって2㍍ほどに巨大化すると言う離れ業も見せている。
 余談ながら地球人を乗っ取ったという発言、それに風間さんの落とされた首を被った主人公がそれといつのまにか同化してしまったという状況を見ると、スンバラリアとは寄生型の宇宙人で頭部こそが本体であると言う仮説も捨てきれないが……?

 地球人とは生物的・文化的に全く異なった種族のため、向こうから合わせてくれない限り言語も通じない。
 宇宙人全般に言えることだが彼らの言語は口頭ではアルファベットや記号の意味不明な羅列(『学怖S』では独自の記号)で表記されている。
 これは文字通り耳にした発音が理解不能であることを示しているのだろう。

 ……ちなみに一部界隈では「『学怖』の坂上が風間の頭をかぶったまま警察へ行くシーン」にあるセリフの一部「OKJK」が特に有名であり、飯島氏もブログでネタにしている。

 ただどちらにせよ、実は仰々しく生えている触手こそが弱点であり、引っ張るだけで倒せたりする。……、弱い……。しまえよ、そんなわかりやすい弱点……。

その技術
 高い技術力を持ち、風間五話や『学怖S』OPなどではオーソドックスなアダムスキー型UFOが登場するが、おそらくは乗船だと思われる。イメージしてみてください、UFOから伸びる光(トラクタービーム?)によって連れ去られるお馴染みの風景を――。
 他にも生物だけを消滅させる爆弾、通信機と翻訳機を兼ねるワッペン型の装置、お馴染みの光線銃(主人公の推測では当たっただけで消滅)など、彼らが有する科学技術は地球人を赤子扱いするほどのものである。

 また、『学怖(S)』の数あるEDの中でも人類を滅亡させたのは彼らのみである。
 世界各地に生物だけを瞬時に消滅させる爆弾を仕掛け、もしくは生物のみならず地球そのものにまで作用する寄生植物を散布し、人類全てを文字通り食料に変えてしまった。
 その手回しの良さは集団ゆえと考えても驚嘆に値する。

 「七不思議の集会」を吹っ飛ばして全世界にまで波及するとは何ともやり過ぎだが、もはや詳しく論じるまでもなくシリーズ最強の座は宇宙人連中に渡ったと考えて良いだろう。宇宙(マクロコスモス)の視点と人間(ミクロコスモス)の視点では異なるにせよ。

 工作員である風間さんは普段、特殊なマスクを付けることによって地球人に擬態しているようで、実際に主人公は彼がマスクを外すまで彼が普通の地球人類だと思っていた。
 単なる与太話、頭のおかしい人の戯言だと現実逃避するのは余計だが。

 まぁ、風間さんの性格もあるのだろうが、主人公が地球人であったとしても、誤解と分かり実害もなければ知的生物らしく紳士的な対応をしてくれた。
 意外なようだが、人類とは全く違った存在であることを自覚すれば普段の風間さんよりマトモなお付き合いが出来そうである。地球侵略の目的はアレだが。

その風習
 独特な風習を持ち、面前に向かって大笑いすることが愛の告白を意味する。雌雄の区別が無いのに結婚と言う社会システムは機能しているらしい。
 『学怖S』では規制か、決闘の申し込みとなっているが、この際主人公が次期国王の候補者と勘違いされたことから「王制」を敷いている事が判明した。スンバラリア星が惑星国家としても、その王制が星全域を掌握しているかは不明だが。一か全か?

 また、高度な文明を築いている割には宣伝方式がたれ幕だったり、と妙なところも。
 それはそれとして事前に地球人が食用に適さないことを調べていなかったり、と結構いい加減なところもよく見せる。地球人の食料化が最大の目的なのにとんだ落とし穴……ってそれじゃ全滅した地球人が報われないっつの。
 地球でもよくあるトンチ(直接触れずに十円玉を落とす)が宇宙人か否かを見分ける方法っだったりと、それはどーよ? と思わせるところも結構あったりする。

 地球の常識を知らなかった事情があったにせよ、霊界や有りもしない撤退命令を鵜呑みにして全く無防備な姿をさらしたりと、隙はあまりに多い。てか、風間さんのせい?
 てか、英雄の赴任地くらい母船から把握しとけよ……。本来全く適うはずの無い地球とのレベル差を考えると、彼らの迂闊さには感謝するしか無いのだろうが……。

その踊り
 文化的な制約か、肉体に由来する問題かはわからないが踊ることが出来ない。
 が、別分岐ではスンバラリアの中でも勇敢な部族「コッペッポの民」は昔から伝わる踊り(※見た目はフォークダンス)を持つことが明らかになる。
 この真偽は置いておいて、民謡を踊りだした主人公の事をなぜか高く評価し、踊り続けるまま固定した姿で博物館に寄贈してしまったり、「スンバラリアダンサーブラザーズ」を組織するなど、主人公もそうだが、スンバラリア星人が見せる踊りへの情熱は強い。

 ちなみに「スンバラリア(以下略)」は構成員を様々な星から集め、スンバラリア星を起点に星々を巡業して回る宇宙でも有名な舞踏家集団である。主人公はフラメンコorコサックダンスの腕を見込まれ入団することもあるが……。
 場合によっては、長官を殺したことさえスルーしてスカウトされる。――おいおい。

 泰明一話、由香里六話および隠しシナリオ「風間の世界」に登場。
 『晦』全編について言及すると、スンバラリアという種族に所属していた「風間一族」の出番こそ多かった。
 ただしライターの興味が「風間望」の強烈なキャラに移ってしまったためか、スンバラリア星人という種族の特徴と「風間」本人の性格を混在させている部分は多い。そのため、宇宙人の一種族として語る上での資料的価値はかなり落ちる。

 泰明一話「絵画に隠された謎」。
 そのものではなく、ADの風間さんが頭部を模したマスクをかぶっての形での出現となる。
 ただ、風間さん本人の言う通りだとしても前後に脈絡があまりにもなさすぎる(=悪戯に仮装する意味がない)ため、この風間さんも自覚なきスンバラリア星人だった可能性は存在する。

 由香里六話「結婚にまつわるできごと」。
 なんでも宇宙に侵略を開始した頃から人口が減る一方で、他の星から花嫁を迎えようとする計画を実行しようとしたらしい。
 遺伝子の問題をどう解決するつもりかは不明の上、クローニング等のSF的手法を用いれば異人種に頼る必要もなさそうだが、それより用意できた地球人の顔が風間一択の方が大きな間違いに思える。
 結果、地球人の新婦を迎えた結婚式場は老若男の風間が踊り狂うと言う惨状になってしまった。同じ顔でしかも同じ幼稚な性格じゃ花嫁もそりゃ逃げるというもので――、失敗。

 雌雄の区別が無いと言う大きなアドバンテージを持ちながら、なぜ彼らがこうまで追い詰められているのかは不明だが、現況について想像を働かせることは出来る。以下は戯言;

 [そもそも『晦』作中に登場したスンバラリア星人と呼べる存在は風間のみ
 他の個体は確認できず、ほとんどが「風間」と呼ばれる群体に成り代わられている。
 このことから本来のスンバラリア星人は何らかの原因で既に滅亡しており、その中の一部グループもしくは個人の「風間」が残るのみと仮定する。 
 現に彼は「滅亡寸前の我が一族」と作中で述べており、前田一族を乗っ取ってしまった。最終的には人類を全て風間顔にするつもりのようである。

 これがどのような仕組みに則っているかは不明だが、作中の描写から鑑みるに霊的に地球人の乗っ取りをかけ成り代わろうとしているように見える。
 確かにスンバラリア星が他の宇宙人の攻撃を受け壊滅する結末が『学怖(S)』に存在しており、滅亡の未来と多量の霊の発生が可能性として存在してもおかしくないだろう。
 「死者の蘇り」から最も遠いはずの宇宙人が『晦-つきこもり』の伝承の恩恵を受けるとは何とも皮肉な話だが、これはスンバラリアとしても酷い有様かも知れない。

 何せ、作中では「スンバラリア」の名より「風間」の方がより多く強く語られているのだから。正直、風間星人って名乗りを変えたほうが聞こえが良いような気がする。
 最初のバルタン星人だけが悪かったのかと、そんな問いに頭を悩ませたくもなる。

 もっともそんな考えは杞憂で、スンバラリア星人は健在、風間さんは(親族込みで)能天気に前田一族で遊んでいただけと言う楽観論もなくはないのだが。] 

四八

 熊本県シナリオ「熊本怪奇名所巡り」、東京都シナリオ「犯人は誰だ!」に登場。


 「熊本怪奇名所巡り」。
 直接登場はせず、熊本県民「風間望」の与太話と言う形で言及される。さんざしょーもない観光案内を聞かされた後、五百円と引き換えにここだけの話を教えてくれるのはもはやお約束と言える。もっともこの作品の風間は宇宙人ではなさそうだが。

 Q.「今地球はスンバラリア星人に狙われているんだよ!!」
 A.「な 何だって───!?」

 「犯人は誰だ!」。
 首都東京ではファミ通PS編集部の電波編集者「大蔵詠美(おおくら えみ)」がなぜかスンバラリア星人のことを知っており、ファミ通食堂のカツカレーを食べた者はなぜか擬態した宇宙人が入れ替わっているのだと思い込んでいる。なにそのピンポイント設定。

 彼女は彼女なりに愛する地球を守ろうとしているようだが、下手に近づくとバッドエンド一直線である。この人『四八(仮)』でも上位に入るかなりの美人さんなのだが……。
 どの道、宇宙人云々よりそんな与太話に踊らされるキ○ガイの方がよっぽど恐ろしかったりするのがこのゲーム。頭が怪しい人は他にも出演しているがどれも始末に負える。


アパシー・シリーズ

 風間望の代名詞として定着した感のある緑色の宇宙人だが、案外その再デビューは遅れ、本編に明確に姿を現すのはお祭りソフトの「学恋」シリーズからである。
 無論以前からちょくちょくと影を落とし、変わらぬ健在さをアピールしてきたのだが。

 とはいえ、存在が言及される機会こそ多いものの、実際に姿を現すことは案外珍しかったりもする。

VNV

 「恵美ちゃんの坂上君観察日記」に登場。
 出番は風間のセリフと言う小ネタに限られたものの新堂の「ウンタマル」発言と共にオールドユーザーをニヤリとさせた。そして、続くリメイク版の「新装版」において姿を現す。

 本編と関係の無いオマケ要素でこそあるが、その愛嬌ある姿は怖い話に疲れたユーザー達にとって心のオアシスになったことは言うまでもない。

学恋

 坂上編にブペキッポ人大天使マザーカと言った風間の著名な正体が登場。
 よって、風間の正体にとって目玉とも言えるスンバラリア星人もやはり登場する。
 ただし、正体を見せるリスクを冒してくれる(立ち絵登場)のは倉田編のみである。

 町のチンピラに絡まれて困ってる恵美ちゃんを助けるべく、彼女に目を瞑るように指示をし、怪しいSE(RPG風)と共に瞬時に彼らを叩きのめしてしまった。
 ただ、このことが判明するのは「目を開いた場合=バッドエンド」に他ならない。
 流石に実体を見てしまっては堪忍できぬと、恵美ちゃんはアブダクションされてしまう。しかし「旧作」から風間さんは殺害率より拉致率の方が高いような……。

 また、この設定であると直接確認が取れたわけではないが、恵美ちゃん特製の毒入りクッキーを食べても美味と言ってのけ、彼女をあっさりと自滅させたことも。
 やはり、地球人とは体の構造自体(毒物や味覚)から異なるのだろうか?

 他には、同じく倉田編「夜イベント」にて風間さんが屋上でスンバラリア星人の姿になって、触手でハチミツなめていた!? と、いう目撃証言を早苗ちゃんが残していたりする。
 アフターストーリーでのオマケ要素では相も変わらずスンバラリア姿の正装?で登場するが、他の面々が予測不可能なだけに逆にお約束として安心できるかもしれない。

 などと、割とのんびりとした日常を送っている『学恋』だが、そんな地球人達に情が移ったのか、何と風間さん自らスンバラリア星がどこにあるのかを教えてくれる。 
 その『学恋』攻略本のインタビューによると「地球から1760万光年離れたところを右に曲がって、さらに3397光年離れたところにある星の、隣の隣の斜め前」だとか。
 ――現代の技術ではもちろん行こうと思っても行けないが、後半アバウト過ぎだろうとか突っ込んではいけない。きっと、宇宙開発予算をケチってきた地球人が悪いのだから。

学恋2

 そして、『学恋2』風間編において遂に今まで「アパシー」でありそうでもなかった――「風間望=スンバラリア星人」設定の上で作品が展開されることになった。
 こちらでは星の大海に独立した勢力を持った住人として描かれ、風間を一個人とした設定で通されているため、『晦』のように暴走することも無く、資料的価値も高い。
 明らかにされた彼らの実態について列挙する。

スンバラリア星人の身体について
 スンバラリアの工作員である風間さんは普段は地球人の姿に擬態しているが、これは本来の姿と比べてリミッターがかかった状態らしい。
 変身ヒーローのジレンマではないが、正体を明かせず窮地に陥った場面もあった。
 ただ、風間さん自体はその辺に拘泥しない変人と言うこともあり、作中では結構柔軟に対処していたが。擬態の解除自体は瞬時の内に行えるらしい。

 ただ、擬態している時でさえ屋上から落とされても頭蓋骨が割れるくらいで済む程度。
 ……普通なら無事とは行かないが、風間自体には応えていないようである。
 他にも焼却炉でこんがりローストされたり、階段から突き落とされて首があらぬ方向に折れたりしても一瞬で直るなど、地球人の姿であっても高い治癒能力を持つ。
 本来の姿を晒している時にこの再生能力を発揮している様子はないため、地球人の姿は生命維持とは全く関係ない単なる飾りとも取れるが、実のところ不明。ただ、作中では弱点以外で風間さんが致命傷を負う事自体少なかった。

 また、劇中では「長官」を見れば一発で確認出来るが、スンバラリア星人の本来の姿はほとんど頭部のみであり、宇宙船内部では培養液のようなものに浸っていた。あの容積の大半は何だろう?[あの強さはパワードスーツ的なもの?]


 そして、いざ変身を解くとドラ○ンボールよろしくな戦闘を演じることもでき、悪魔大川と互角に渡り合えるほどの実力を発揮した。しかも必殺技まで持っている。
 「スンバラノヴァ」。画面の上では風間さんが光の塊となって相手に体当たりする技である。ニャリンデベロンダッタと言った強力な宇宙人相手には力不足の感はあったが、風間さんの主な攻撃手段として作中では頑張ってくれた。


 他に特筆すべき点と言えば並外れた視力も挙げられる。風間さんは地球人の姿でも人類の限界とされる3.0(サバンナ等の現地民がそれ以上の数字を叩きだせるのは半ば経験や勘によるもの)、本来の姿なら8.0と言う高い水準の持ち主である。
 そもそもスンバラリア星人に良く似たイカやタコと言った地球の頭足類は身体比から見ても巨大な眼が特徴であり、同時に高い知能と運動能力の持ち主でもある。

 眼球が脳髄から発生した「小さな脳」であると仮定するとして、タコと脊椎動物の眼の構造が類似している事実も鑑みれば、彼らスンバラリアが地球の頭足類に似た種から進化したと考えても何らおかしくないだろう。
 兎角、脊椎動物に代わる知的動物として彼らの星では君臨していることになる。

スンバラリア星人の触手について
 やはり触手を引っ張られると弱い。これは作中でも学術書(?)「おばけのひみつ」に記載されたことなどからわかるように「旧作」「アパシー」に共通して存在する弱点である。
 ただ、上記のスペック(と主人公補正)を考えればたとえ白兵戦だろうが、そう易々とは遅れを取らなくなったと考えて良いだろう。あまり私を怒らせない方がいい
 実際、風間は『学恋2』の三人の主人公の中でも多少なら無茶をしても死ぬことはないと安心できる人だった。だって、ほぼ無敗の岩下様はともかく新堂はほぼ一般人である。

 ただ、触手は彼らにとって最大の弱点であるが、同時に象徴でもある。
 この作品によって単なる飾りでないことも明らかとなった。
 まずは鋭敏な感覚を有しており、負の念もいわゆる電波の形で感じることが出来た。SF畑の住人の癖に……と言うツッコミもあろうが。まぁ、それは次に投げといて。
 どうやら彼らの技術は、オカルトで敗北を喫した「旧作」の反省か、そちら側にまで足を突っ込んでいるようである。

 他に触手は器用に操ることも出来る。日野を拘束したり、光線銃を取り出したりなどと、まるで手足のように用いた。弱点の癖に乱暴に扱ってよいのかは不明だが。
 [構造上、自律して動かせる範囲内でどうなるとも考えにくいが。頭足類の体の構造を考えれば、主要な器官と運動器官の触手が直結していても不自然ではない。]
 これは『VNV』以来、明らかに長大に触手が描かれたデザインが採用されている都合もあるのだろうが。

 鋭敏な感覚はたとえ他星生物形態に変身している時でも同じらしい。
 ある意味当然だが、擬態している時の収納場所は秘密。『学怖(S)』でも指摘されていたが、擬態前後の頭のサイズからしてあからさまに異なっている。

スンバラリア星人の侵略について
 スンバラリア本星は高い科学文明と引き換えに自然物を失った星であり、今となっては自然記念公園などにわずかに名残を残すに留まっている。
 なお、その星も宇宙最凶を目されるデベロンダッタ星人の襲撃によって一度故郷を追われ辿り着いたもので、いわば「第二スンバラリア星」とでも呼ぶべきものらしい。

 かつては水と自然が豊かな美しい星と言われており、侵略の動機は地球と大気の成分が近いこともある。意外でもないが、スンバラリアは地球人と同じ酸素呼吸生物だった。
 よって、地球侵略の動機は本星の住民を移住させる開拓地の確保なのだろう。長官が直接出向していている点からして彼らは地球をそれなりには重視しているようである。

 無論、他の見方も可能である。
 [まず、作中に登場した全ての勢力が地球を狙っている点から考慮。
 地球が宇宙地政学(謎)的に重要な立地にある可能性である。軍事的でなくとも単純な領土拡大の野心、もしくは他勢力との競り合いなど様々な動機が考えられる。
 地球人を安価な労働力(奴隷)として活用すると言う線も悪くないが、文化ギャップ(主に教育)が大きい現地民が機械より勝るかと言えば、それも考えにくい。
 大英帝国に対するインド亜大陸のように新たなる市場開拓と言うわけでもないだろう。結局、彼らが地球人に何を求めているかと訊けば「未知数」であろう。]

 資源の調達で考えれば、意外なものが求められているのかもしれない。
 ちなみに「地球人を食料にする」と言うある意味では合理的だが、同時に酷薄な動機はデベロンダッタに取って代わられた。

 作中で地球消滅の危機を作りつつも結果、他勢力の侵攻からある意味無自覚に地球を守ってしまう彼らの姿は存分にトリックスター的と言えよう。 
 先の動機を考えると、二つの種の間には共存の道が開かれたのかも知れない。

スンバラリア星人の工作員について
 共存云々を抜いても彼らが侵略者であるのは間違いないのだが、彼我の力の差から侵攻と言う手段は取る必要すらないようだ。事実、作中では洗脳などをしようと様々な新発明などの珍妙で迂遠(迂闊?)な漫才を繰り広げていた。

 ただ、その前段階として現地に工作員を置くというのは宇宙人にとっても諜報の基本のようである。作中では「マザーカ(以下略)」こと風間さんがそれに当たる。
 ただ、彼は同族の目から見ても変人らしく、上司も持て余して任地を転々としてきた変り種である。そのため、以下の原則は当てはまらない。
 一体どの時点から風間さんが地球人として鳴神に溶け込んでいたかは謎のままになっている。

 通常、他の星に特命を与えた戦士を派遣する際は一端記憶を封印し、現地人としての仮の記憶を埋め込む。同じく偽の記憶を入れた偽の家族と共に戦士は任務の日を待つ。

 その家庭は平凡なものであり、周囲はもちろん本人すら気付かない。
 作中では「(前略)ノイヒ」こと日野さんがそれに当たる。彼は十年以上前から潜伏してきた。これは唐突な設定に見せて「旧作」でも存在したパターンである。

 彼らの同族意識は何だかんだいって強いようで、同胞と会った際は「同士(同志(товарищ)にあらず)」と呼んで親愛の情を持って接している。
 異郷の地で人恋しいのもあるのだろうが、「旧作」含めた風間さんは同士に対して結構スキンシップを取っていたりする。
 これは性差がない故だが、基本的には友情と思われる。

スンバラリア星人の文化・習俗について
 美醜の感覚は地球人と同じか、近いものと考えられる。
 少なくとも岩下さんをはじめとした女性陣を美しいと思える美意識は有している。
 ただ、恵美ちゃんの落書きを見て絵画の巨匠「ベチャラケンナン・ピッカソーダリ・カキモンテンヌ・ルールールー」のタッチと勘違いしたりと、絵心から見れば。正直怪しい。画家の名前から察するに、前衛芸術家……?

 恋愛観としては雌雄の区別がない事もあり、当然ながら同性愛への禁忌は存在しないが、風間さん個人は例のごとく男性としてのメンタリティを保持しており、普通に女好きである。
 また、長官は他の異星人との星間結婚を目論んでいるため、この二人が極度の変人と仮定してもその辺の感覚は地球人より遥かに進んでいるようだ。

 とりあえず、大川のことを醜いと思える時点で、綾小路と性格はともかく感覚で合致した。ちなみに、風間さんは大川の悪臭を嗅いで「歩くドンベロボリンギ」と評している。

スンバラリア星人の技術について


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パライソハレルヤスンバラリア
 彼(マザーカ)の暴走は止まらない。
 電波ソングで名高い「MOSAIC.WAV」さんが地球人洗脳用にこんなものを作ってしまった。初の学怖キャラ(?)のテーマソングという快挙暴挙である。

参考動画

 『学恋2』攻略本には「パライソハレルヤスンバラリアができるまで」と言う短編まで寄せられている。
 長官、あなたダマされて(?)ますよ……。

流神A

 「渋谷で配られる無料の飴」に登場。
 バッドエンドのひとつにスンバラリア星人による地球侵略と言うパターンが存在する。
 今回も女性の名前が付けられた「UMA」の群を引き連れ、尖兵として風間望がやってくるのだ。

 この風間さんだが、人間体にも関わらず腕利きの警察官である小暮さんの正拳を軽々受け止め、巨体を持ち上げるという離れ業を見せた。宇宙人の面目躍如だろうか。
 なお、この場合だと渋谷で配布されている飴玉の正体はスンバラリア星人が地球人を洗脳するためにひそかにバラまいたものということになっている、意外と腑に落ちる結末なのが悔しい。

 ついでに言えば、なぜ学生ばかりを狙って飴玉を配っているのかという疑問に関しても、風間さんの趣味の一言で解消されるかもしれない。

 また、風間さんの口ぶりからすれば謎の男「道明寺秋彦」とスンバラリア星人はどういった縁か繋がってもいるようだ。
 ただし、その謎が紐解かれる日は来ない。秘密を知り過ぎた小暮さんは風間さんがけしかけたUMAたちに襲われ、口封じとばかりに平らげられてしまうためである。

 宇宙的恐怖を取り扱ったシェアード・ワールド「クトゥルー神話」や宇宙人の影が見え隠れする謎の学習塾の話など、事前情報だけでもこのアンモナイト型宇宙人の出演がちらつく本作であるが、素直だと会えない変なところにいることが多い。
 相変わらず謎の男「風間さん」にとっての代表的な裏の顔として各所ルートに唐突気味に乱入してくる。

 ただし、今回は「七不思議の集会」とは関係ないところで主人公が行動する展開も多い。むしろ風間さんという表の顔を知らない主人公は、風間さんっぽい某スンバラリア星人と接触するという異色のファーストコンタクトを取ることも。

 「人肉食堂」「呪われた旧校舎」「百点塾」「軍人の遺書」に登場。

 「人肉食堂」。
 ニャリン星人による地球侵略を防ぐために主人公がコンタクトを取った。
 例のごとく接触を果たしたのは「マザーカ」。彼の手腕によって地球は侵略の魔の手から逃れることが出来たのは確かだったが……。

 「呪われた旧校舎」。
 1-C教室の黒板を調べると捕まえ方と飼い方がわかったりする(わからなかったりする)。
 少なくとも、ぬるま湯くらいの水温が好きなことはここでわかるようだ。

 ルートのひとつのラストバトル中に「五百円玉」を掲げ、宇宙人とのコンタクトを取る魔術を詠唱すると「ゾ・スンバラリア星人」を名乗る「マザーカ」が緊迫した戦闘のさなかに乱入してきてくれる。
 が、即座に敵をやっつけてもらえるかといえば、そんなことはなく要交渉だったりする。

 なぜか鳴神学園の制服を着ており、言動も思いっきりいつもの風間さんだがこのシナリオにおいて主人公と風間さんに面識はない。
 しかし、ファーストコンタクトにも関わらず息の合ったツッコミを見せるのは気のせいではないのかもしれない。

 ちなみに「ゾ」という形容は同族の中でもエリートである証らしい。
 また、旧支配者の代表格「クトゥルー」との関連性も彼の発言からすると無いようである。

 敵を倒す見返りに五万円を要求するが、一介の高校一年生が急にそんな大金の手持ちがあるわけもなく、用意がないと返すと何をしに来たんだとばかりに帰ってしまった。
 ただし、主人公の行動は観察していたらしく、その中で見せた彼の阿波踊りがお気に召したようだ。

 そんなわけでただ帰るというのも何なのか、サービスとして体力を全回復してくれる。
 要は回復魔法扱いである。よってクリアやエンディング回収に必須ではなかったりする。
 またこのルートではターン制限がマスクデータとして存在するのだが、その魔法を習得するためにはターンを大きく消費する。

 なので実は罠だったりする。それでも一度はこのおなじみの宇宙人のご尊顔を拝みたいと思うのもファンの心理だろう。
 最速でクリアに必要なフラグ回収をしていけばターンは多く余るのでとりあえず呼んでみるのも悪くない選択かも知れない。

 「百点塾」。


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 「軍人の遺書」。
 このシナリオ中には高確率で集会の続行が不可能になる分岐展開が存在するのだが、その中に存在する『極』屈指のカオスエンド「ようこそナルカミパーク」の中で空気を読まずに乱入してくる。

 この場合だと風間さんは先に一同と面合わせをしているので、彼の正体という形である。この際に急激な温度変化に弱いという、過去作と照らし合わせても納得の弱点が明らかになった。どうも、頭だけでなく腕にも触手があるらしい。
 しかし、展開としては語り部一同が驚愕の正体をあらわにしてくれるのでスンバラリア星人というカオスの権化に関わらず微妙にパンチが弱かったりする……いったいこのシナリオなんの冗談だろうか。

 もっと言うなら、疑問点は無数にあるのだろうが風間さんがなにを思ってこの集会に参加したかはおそらく永遠の謎である。このシナリオを目撃したすべてのプレイヤーたちの頭を悩ませ続ける……かもしれない。

新生2

 「赤い靴下」に登場。


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秘密

 「例の手紙を見せて相談する」、「あの手紙の相手が何か知っているはずだ」、「このままおとなしく成り行きを見守る」に登場。


 (執筆者募集中) 




 (執筆者募集中) 


 「あの手紙の相手が何か知っているはずだ」ルート。
 やはり風間さんの正体にして、数多くの同胞たちが坂上の前に姿を現すこともある。
 ただし、このルートの本質はシリーズおなじみのネタ要素を詰め込んだかと思わせておいて、それらを極めて酷薄かつ冒涜的な存在として解釈されているのが特徴である。そのため、坂上は生きる普通の世界を土台から崩される恐怖を味わうことが多い。

 展開によっては名が体を成す「宇宙人」が手を変え品を変え坂上の前に襲いかかってくるのだが、その中でもスンバラリア星人は比較的マシな存在として挙げられる。


 (執筆者募集中) 


 「このままおとなしく成り行きを見守る」。
 「坂上修一」の精神世界という名のカオス空間での出来事である。ひょんなことから大統領に当選した「中村晃久」をスンバラリア星に連れていくため、二人がかりで登場する。
 世界の支配者であるスンバラリア星の大統領の任期は十年、宇宙中が対象で選出方法もランダムらしい。ちなみにこの時に風間さんから大統領選出時のあれこれについてを聞くことができるが、

(ネタバレにつき格納)

+ ...
 この場面での風間さんはスンバラリア星人ではない。にも関わらず詳しいのはなぜなのか。


鳴七

 「スンバラリア星人」ほかに登場。
 性別のない彼らの出演する各種シナリオについては基本的には『学怖』版の再録だが、加筆修正が施されている。
 具体的には『学恋2』などの設定が移入しているほか、スンバラリア星人を取り巻く「ニャリン星人」など宇宙人同士の関係が変化しているのも特徴として挙げられる。


  (執筆者募集中) 




 (執筆者募集中)




 (執筆者募集中)




 (執筆者募集中)


 「殺人クラブ


 (執筆者募集中)



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  • 大蔵さんの下の名前えいみでは -- ききき (2015-12-01 20:34:38)
  • つ500円 -- スンバラリアバスター (2016-06-09 00:13:45)
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最終更新:2024年02月19日 11:17