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索引


ボウガン

 ボウガンは正確には企業名と商品名であり、正確には「クロスボウ」という。
 が、「ボウガン」の方が知名度が高いのでそのまま進める。

 銃の様な台座に弓を乗せた様な形をしており、あらかじめ弦である板バネを引いておいて固定、矢を乗せた後で引き金を引いて発射する。弓矢に比べ「弦を引く」「狙いを定める」などの行程が簡略化されており、威力も弦を強固にすることで高めることが容易である。
 しかし矢自体に短い物を使うので長射程での威力や照準が付けにくいことや、弦を引くためには相応の力か専用の滑車が必要であることなどが弱点。

 『AMC1』「本編」ルート、「旧校舎探索」ルート、「倉田家襲撃」ルートに登場。
 初登場作品。
 殺人クラブ部員「福沢玲子」が使用する武器として「ゴルフクラブ」と並んで印象的な活躍をみせる。
 旧作時代のシャープペンシルからすれば一気に殺意が跳ね上がっている通り、実際のキルスコアも高い。
 反面、とっさの取り回しや携帯の難しさから不意の遭遇戦には向かないようで活躍する場所も選ぶ傾向にあるようだ。

 「本編」ルート。
 下校間際の倉田を狙撃するも、思いっきり違った目標(細田とか)に命中。彼女のせいで人気も引かないうちに教師含む三名がさっそく死んでしまう。隠蔽は無理と判断した一同は目撃者の皆殺しを敢行、大虐殺の引き金を引いたのは彼女の仕業といえる。
 本来のターゲットを逃していることをさておけば、相当数を殺していることは確かであり命中率自体は高いの……だろうか?

 「旧校舎探索」ルート。
 仔細は省くが、窮地に陥った日野部長を援護すべく 福沢玲子はボウガンから矢を放つ。
 が、首元に噛みついている対象を狙い撃つというのはさすがに無理があったのか、日野にトドメの一撃を食らわせてしまうのだった。

 「倉田家襲撃」ルート。
 このルートで福沢は二階へ通じる階段の上側という好立地に陣取っている。
 突破に必要なフラグの多さも相まって、ここで彼女に射殺されるプレイヤーも多かったことであろう。
 しかし矢自体は狩猟用なのか殺傷能力が高いが、「おなべのふた」という低威力の盾でも防がれてしまうこともあって弦や本体は市販の貧弱な物のようである。(その分リロードも早いようではある)

 『特別編』「狂気の夜」に登場。
 射手はまたしても福沢さんである。岩下さんと共に下校していた坂上くんを「屋上」から狙撃、両者のことを射殺している。
 普通の高校生とは思えない腕前と、福沢自身のヤンデレ属性を見せつけた。

 『男怖』「予期せぬ襲撃」ルートに登場。
 クリーチャーを倒すために「吉村賢太郎」が使用した武器。吉村に声を掛けるとクリーチャーに安定したダメージを与えてくれる。

 『レトin』選択肢「殺したのはあなたですか?」に登場。
 「日野貞夫」がでっち上げの記事を書いたときに「荒井昭二」が老人に向けて撃ったことにされていた。

 『アパ殺』に登場。


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ポエッター(Poetter)

  • 登場作品:極,新生2,秘密,荒井
  • 種族:商品(サービス)
  • 関連人物:志田直子,玉井佳子ほか
  • 関連用語:携帯電話
 「アパシー・シリーズ」のうち「年代不明の現代」を舞台にした作品中に登場するSNS(ソーシャル・ネットワーク・サービス)。
 現実世界における「Twitter(ツイッター)」に類似した性質を持っているようで、不特定多数のユーザーから投稿された無数の短文の集積を共有し合うコミュニケーションツールである点がまず特徴のひとつとして挙げられる。

 サービス開始に際しては「アカウント」と呼ばれるサービス中での住所/アバターが紐づいており、承認(フォロー)することでアカウントの投稿を定期購読する機能もまた現実ではお馴染みであろう。
 「フォロワー数」はアカウント個人/法人の影響力の目安として機能している。

 ほか、現実の「RT(リツイート)/RP(リポスト)」に対応するワンボタンでの拡散機能も実装されており、リアルタイムで情報共有を図るには打ってつけのサービスといえる。
 ただし、拡散力の高さは使い方を間違えれば大火傷にもつながりかねない面もあるので楽しいネットライフを送るうえでは注意を払う必要があるだろう。

 なお、現実世界において元ネタの「Twitter」は世界的大富豪イーロン・マスク氏の手によって「X(エックス)」に改名された。 
 シリーズ中におけるポエッターのサービスが改名されるか否か、または別のサービスにパロディとしての材を得るかについて今後の推移に注目したいところである。

 『極』「SNS怪談」に登場。
 アイドルデビューを狙って知名度向上を目論む「志田直子」さん。
 そして、志田さんのアカウントの管理人――いわゆる中の人として彼女の代わりに「ポエッター」の文面を介して理想的な人格を演じる「玉井佳子」の独特な二人三脚の関係性が描かれる。

 要はネット社会特有の匿名性を活かし、「顔」と「内面」に担当を分けた分業体制を敷いていたわけだが、そんな彼女たちの協力体制は玉井さんの献身あってこそのものであり、志田さんの性格の悪さをきっかけにとうとう破綻してしまう。

 どちらが死んでどちらが追い詰められるかは展開によって違うものの、このSNS「ポエッター」が死者から生き残った側に向けた糾弾のメッセージとして機能することに変わりはない。
 SNS上に投稿された情報(写真や文章など)は不特定多数の目に触れるよう即座に反映される。

 投稿内容が誰に見られていてもおかしくないという性質はメールやコミュニケーションアプリなどの、承認し合った閉じた間柄でしか互いに見ることが出来ない情報とはわけが違う。
 「もしかしたら誰かに気づかれたかもしれない」という言外の圧力として加害者の下にやってくるのだ。

 また、リアルタイムで投稿が反映されるという性質は段々なにかが近づいてくる演出などとしても効果的に用いられている。
 古くは写真や電話と知ったテクノロジーに宿った怪談は最先端の電子情報、そのやり取りの渦中にも霊というユーザーを取り込み、怖い話として成立させたようである、

 『新生2』「赤い靴下」「正義のゴネシエーター」に登場。

 「赤い靴下」。
 サービス名は登場しないが、上記の特性を持つSNSとして取り上げられたのでここで記述する。

 こちらの題材はどうとでも取れる投稿を不定期に重ねていただけなのに、いつの間にか不特定多数の鳴神学園在校生の負の方向性による祀り上げが行われ、呪いのアカウントと化した「山下黒江」。
 なお「呪い」の正体については、作中で事細かに語られているので詳細に触れることはしない。

 補記すると作中で触れられた通り「山下黒江の投稿を見たから体調を崩したり怪我をした」という因果関係は実証されていない。偶然を「山下黒江」のせいにしたと言えばそれまでである。
 ただし、そこから事態が動くに当たって黒幕の有無はともかく、特定の扇動者がいるのかいないかという論点に立てば間違いなく「いる」と断言できる。

 呪いが実在するという不安に続き、「Iさん」という実在人物が「山下黒江」の正体だという特定(したという扇動)に乗っかってSNS上の悪意が罵詈雑言という形で方向性を持ち始めたのだ。
 現状では、根拠不明瞭のこじつけを信じた誰かが実際にIさんに危害を加えかねないという危惧を事態を注視している綾小路に抱かせるまでにその界隈の雰囲気は悪化しているようである。

 ネットの海は広大といっても、交流の幅は選ぶことが出来る。
 そして巨大なSNSの一角に誰かの意見に同調する小コミュニティーが発生し、疑うこともない同調者たちの間で意見が巡った結果、先鋭化・過激化した集団が発生してしまう……。
 それもまた、ネット社会における負の側面の体現のひとつといえるだろうか。

 「正義のゴネシエーター」。
 岩下さんのクラスメート「大篭哀子」さんと「高洞由利」さんはポエッターを愛用している。
 大篭さんは人並みに趣味の創作の発表の場として、高洞さんはクラスメートを陥れるための謀略の場として。


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 『秘密』「差出人を探そう」ルートに登場。
 差出人不明の手紙の手がかりを求めて二年の教室に向かった「坂上」くんが「細田」さんと出会い、行きがかった縁から相談を持ち掛けた際に手紙と似たような話をポエッター上で見たことがあると話される。

 ふたりはその体験をしたという「ラブ」というアカウント名の推定女性相手に、突っ込んだ話をしてみるのだが、どうも肝心なところは話されないままはぐらかされてしまう。
 その上で、なにかあると見込んだ坂上は引かず強めの言葉をぶつけるが、それが祟って向こう側からブロックされてしまう。

 結局のところ、匿名のやり取りというのはお互いに言葉を交わしてよほど信頼関係を深めるか、直接会った経緯などをなくしては、まともな返答が期待できるものではない。
 それでもラブちゃんはほとんど見ず知らずのフォロー相手に親身になってくれたハズである。

 ただ、SNSに疎かった坂上は「人によっては話せないことだってある」という一点を取り違えた上、深読みしてしまいラブちゃんの企図したところからは正反対のところに向かってしまうのだった。

 『荒井』「牧場を探索する」ルートに登場。
 夏休みに青森の牧場にアルバイトに赴いた荒井さんだったが、好奇心を出して封鎖区域に侵入したことによって遊女の霊に半ば以上取り憑かれてしまう。ついでに遊女の霊に導かれて、彼女の無念を晴らすために色々と動くことになる。
 そして荒井さんはその過程で発見した「炭鉱絵」をより多くの人の目に触れさせることで供養にしようと試みるのだった。

 その際に用いられたのが、不特定多数の目に触れさせるには格好のツールである、この「ポエッター」に他ならない。
 荒井さんにとってはネットの集合知に頼ることで匿名の誰かに解決策を模索してもらう意図も含んでの投稿だった。
 結果としてはネット空間を通して不特定多数に遊女の霊の目撃や霊障などの怪奇現象が続発したものの、彼女が気づいてほしかった情報に集合知を介して辿り着けたことによって収束を迎えたようである。経過はどうあれ、成功ということになる。

 この際に荒井さんはネット空間と霊の親和性について軽く触れているのだが、万人が一聴に値する意見かもしれない。

 [上述の通り、問題が起こることも多々あるSNSサービスではあるが、日々を過ごす中で窮屈に感じた時に拠り所にしたことはないだろうか。例え日常生活が味気なくても、SNS上で多くの人とつながりを持つことで毎日が彩るなら最高のツールであることに違いはない。SNSの存在が人を救う場合もあるのだ。

 しかし自由につぶやくことができる以上、嘘も溢れかえっているのは事実である。ただ、一介の日常の呟きがたとえ創作だったとしても、多くの人間は気にしないだろう。実際に誰かに被害が及ばない限りは……。]


ボクシング部

  • 登場作品:学怖,学怖S,学恋2,特,学恋V,ドラマCD,月下美人,極,鳴七
  • 種族:部活(公認)
  • 活動日:毎週 月~土
  • 活動場所:武道館二階のボクシング場
  • 関連人物:赤坂陽介,畑中亨,新堂誠,鬼島武,新谷健也《所属》,植野裕樹《顧問》
  • 関連用語:いじめ,うさぎ跳びせんかい!,天外神社
 拳に保護用、安全確保のためのグローブを着用し、一定の時間(ラウンド)内で一対一で殴り合って勝敗を決する格闘技。
 その歴史は古く、古代から行われてきたが18世紀のイギリスから興行としての近代ボクシングの萌芽が起こり、それから怪我の抑止の観点から様々なルールの整備が進んでいき現代に至る。
 名作漫画『あしたのジョー』等でも、血塗られた殺し合いが紳士のスポーツへと変化していった歴史について触れられている。

 「アパシー・シリーズ」立ち上げに従って語り部のひとり「新堂誠」にボクシング部の部長という肩書が加わる。
 元々の精悍な印象から新堂誠自身も優秀な選手であることも示唆されており、その実績を誇示する展開も結構多かったりする。
 ただ、この肩書は新堂誠の社交性や人の上に立つ者としての風格を高めた一方、暴力性を暗示するための二面性とも取れる。

 ちなみに「旧作」で新堂さんは何かしらスポーツを齧っていると自己申告しているが、具体的にどんな部活に入っているか明言はしていない。『学怖(S)』で彼が語った運動部の怪談も「バスケット」、バレーボール、そしてボクシングの三種と実は少ない。
 『学怖S』を含めた場合、如何にも文化系な「荒井昭二」とタメを張ると言えば、わかりやすいだろうか。実に意外である。

 とは言え、最後のボクシング部についての話は気概が込められており、色んな意味で嬉しそうに語っている。
 新堂誠が所属することになったのは「畑中亨」を抜きにしてもある意味で必然だろう。
 なにせ前二つの部活は単なる噂として触れるに過ぎないか、危険なためスポーツマンとしても距離を置いた語りであるため。

 新堂四話「ボクシング部の地獄の合宿」に登場。
 初登場作品。
 鳴神学園に存在する運動部の一つで、かつては全国にも通用する屈強な選手達を輩出していた。
 しかし今は見る影もなく落ちぶれてしまっている。時に、かつての強さの秘密はしごきを通り越して「いじめ」とも言える様な厳しい特訓にあり、その最高峰が新堂四話の舞台となった「地獄の合宿」である。
 その合宿でついに死人が出てしまい、皮肉にも栄光を生み出してきたいじめ紛いの特訓そのものが凋落の原因となったと語られる。

 ちなみにこの不祥事と、それに付属する死者の怨念は一部展開を除き当時の一年生部員「赤坂陽介」の死に起因する。
 そのため、新堂さんと言う有力者が入部して今も盛況とされている未来(「アパシー・シリーズ」)ではそもそもこの事件が起こらないか、もしくは致命傷をギリギリ避けて衰退を免れたということになる。
 要は得意のパラレル設定である。

 『ドラマCD』Disc.2 「ボクシング部のしごき」に登場。
 被害者・赤坂と加害者・畑中を中心とするリンチ事件が発生し、赤坂をはじめとした死者多数の惨劇になったという上記作品の経緯を踏まえた展開になっている。ただし現在は盛り返している。詳細は「赤坂陽介」の項を参照のこと。

 『学恋2』「新堂編」に登場。
 本作で新堂誠がボクシング部部長であり、将来はプロボクサーを目標としているという基本設定が広く公言された。
 勝利のためなら汚い手を使うことも厭わない他校のライバル「鬼島武」との対決を控え、特訓を重ねるというプロットになっており、勝敗によってエンディングが分岐する。

 なお、こちらの未来で赤坂陽介は生存しており、頼れる先輩として電話越しのアドバイスを新堂さんにくれる。ボクシング部は赤坂が最後になった「地獄の合宿」で起こったトラブルのために一時期は衰えを見せたものの、なんとか立ち直ったらしい。

 『特別編』新堂シナリオ「ゴングが鳴って」に登場。
 今回は少なく見積もって十年以上の前の話ではなく、新堂さんも見知った最近のボクシング部にまつわる悲劇が語られる。
 いじめられっ子だった「新谷健也」とボクシング部顧問教師「植野祐樹」の間に繰り広げられた強さと弱さ、激励のかけ違いが招いてしまった血の惨劇を語る新堂さんの表情は苦い。 

 ちなみに前置きの会話中に「ボクシング部=人を殴るために入る」という暴言を坂上がした場合はしっかり激怒される。前述した通りボクシングは単に人を殴るという暴力的なものではなく、テクニックや礼儀もしっかりとした紳士のスポーツなのである。

 『学恋V』


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 『月下美人』第一巻に登場。
 冒頭の新堂誠が心中で行う独白は、自身がボクシングを嗜むスポーツマンということより嗜虐を楽しむ殺人鬼であることを告白するものになっている。人を殴るのが楽しいという動機で入部して上り詰めたようだ。
 直近の試合で暴力沙汰を起こして問題になったことに腐ってはいる。ただし反省する気持ちは微塵も見えない。

 彼が「殺人クラブ」の一員であるという事前知識の有無を差し引いたとする。
 それでもこの作品における新堂誠が同情に値しない鬼畜外道、という評価はプレイした万人に届くことだろう。

 『極』「百点塾」に登場。
 島根県に居を構えている設定になっても「新堂誠」が青春をボクシングに打ち込む強者であることは変わらない。
 しかし、それと同時に新堂さんの学業成績が振るわないことにも変わりはなかった。

 というわけで赤点によって大会に出られなくなってはたまらないということで新堂さんはクラスメートの「吉田達夫」が紹介した「百点塾」に参加することにした。
 そんなわけで百点塾を介して新堂さんは「南極?」に飛ばされたりでボクシングどころではない強烈な体験を味わうこともあるが、数学限定とはいえ成績向上の効果が見込める展開に恵まれることはそれなりにあったりする。

 が、「超能力」の実験体に選ばれてしまうと、好きなボクシング活動に影を落とすこともある。


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 『鳴七』「ゴングが鳴って」ほかに登場。


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 「ゴングが鳴って」。
 基本的に『特別編』版とシナリオに相違はない。


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 「殺人クラブ」。


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北聖大学(ほくせいだいがく)

  • 登場作品:探偵局,AMC1,送り犬,レンタル
  • 関連人物:神ヶ崎翔,久多良善内,財部美穂,白井まどか,山崎剛史,阿部弘幸
 かなり難関の部類に入るらしい国立大学。
 都の西北と言えば早稲田大学だが、それとは多分関係ないだろう。


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僕は120ポイントのダメージを受けた!

  • 登場作品:学怖,学怖S,鳴七
  • 種族:セリフ(迷言)
  • 関連人物:坂上修一《迷言》,岩下明美《言わした》
  • 関連用語:RPG
 『学怖(S)』岩下一話「悪霊に魅入られた少年」『鳴七』「悪霊のいたずら」に登場。
 この話を語る岩下さんは「主人公(坂上修一)」と同じクラスの「内山浩太」くんがいじめられているという話をしたうえで、そのことを知っているのに見て見ぬふりをしたこと、内山くんがみんなに「悪霊」が取り憑いているという話をしてもみんなからは一笑に付したということ。以上三点からなる話の前提を置いたあと……。

 本題として、内山くんには好きな人がいてそれは今目の前にいるあなた! という話の運び方をすることがある。
 岩下さんの話があまりに衝撃的だったのか、ありったけの声でやめてくれるよう「主人公(坂上修一)」は叫ぶのだが、岩下さんはやめず追撃の言葉を投げかけた結果、追加で250ポイントのダメージを受けた結果として僕は死んでしまうのだった……。

 ――というのは、「主人公(坂上修一)」の現実逃避からなる地の文による妄想である。
 実際の「主人公(坂上修一)」のヒットポイントと岩下さんの攻撃力がここから算定できるわけがない。[あってたまるか。]

 とにかく時と場所にそぐわないにもかかわらず笑ってしまうというのは人間の心理上あり得る話ではあるが、この場合よほど岩下さんからのプレッシャーが強かったのだと考えられる。そうと限らず「主人公(坂上修一)」にとってはよくある現象のようだが。
 なお、好きになった実態としては「BL」どうこうの話ではなく、悪霊からの呼びかけによって「主人公(坂上修一)」の犠牲と引き換えに内山くんは自分が救われると思ったというもので茶化しの入らない真面目な理由からである。

 また、悪霊そのものが存在するかどうかの実態はどうであれ岩下さんはまだ力になってくれそうな「主人公(坂上修一)」に脅し込みで声をかけたというのが真相だろう。岩下さんの意見としてはなにかのせいにするのは筋違いという仰せである。
 この展開における内山くんはまだ毎日登校していることからもわかるように、手遅れになっていないというのが大きいようだ。

 それはそれとして、真面目な話の中で唐突にジャンル違いの「RPG」のパロディが入るのだから不謹慎にも笑ってしまったプレイヤーは少なくないと思いたいところである。


ポケベル

 主に数字情報を送受信する「無線呼出しサービス」において手のひらサイズで収まる電子端末として流通した機器「ポケットベル」の略称であり愛称。
 同サービス自体の歴史は長く1968年から2019年までと約五十年という長期にわたってサービスが提供されてきた。

 とはいえ、若者文化を語る背景として語られるのはやはり華の九〇年代だろう。
 九〇年代には爆発的に流行し、ルーズソックス、プリクラなどと並ぶ当時の女子高生・ギャル文化を象徴するアイコンだった。
 「1995年」においては人気の絶頂期一歩手前といったところだったが、それから数年後にはより利便性に富む「携帯電話」に置き換わる形でシェアを急速に失い、若者文化を担ったポケベルは急激な世代交代の波にのまれて主役の座から追われることになっていく。

 『特別編』福沢七話「狂気の夜」に登場。
 福沢さんが語り終わり、七人目の訪れる気配もない以上はと声を上げようとした坂上くんを遮ったのは期せずに響き渡った福沢さんのポケベルの音だった。そこから語り部たちのポケベルに対する距離感をうかがい知れる軽いやり取りが繰り広げられることに。
 女の子にお近づきになりたい風間さんがポケベルを所持しているのはともかく、岩下さんまでも限定モデルを手にしているというのは彼女もまた1995年当時を生きる女子高生だということを思い出させてくれる貴重な一幕といえるかもしれない。

 『ドラマCD』Disc.9 エンディング type.B「ワタシ、リカちゃん」に登場。
 このドラマCDにおいての設定年代は「1995年」、先に記述した通りにポケベル全盛期である。
 しかし、唐突に七人目として部室に現れた「筒井里佳」が話の前提として持ち出した通信用電子端末はなんと「スマートフォン(携帯電話)」だった。参考なまでにスマホの走りとされる初代「iPhone」が発売されたのは「2007年」である。

 よってイマドキの女子高生同士同席したにもかかわらず、双方の認識は微妙に埋まらない。
 筒井さんはほかの出席者手持ちのポケベルを目にしたものの、まったく馴染みはないらしく機能を説明されても、スマホと比較しての不便さに困惑の感情を隠せなかった。

 なお、福沢さんはスマホの便利さの一端を目の当たりにして前のめり気味に食いついている。
 その一方で風間さんはドッキリの演出の一環として、あまり気に留めていなかった。

 筒井さんと出席者一同という双方の認識の差がジェネレーションギャップであること。
 そして未来の価値観を知っても受け入れることが難しいということはリスナーだけが知っている。


保健室(ほけんしつ)

  • 登場作品:学怖,学怖S,ドラマCD,秘密,鳴七
  • 種族:スポット(学校施設)
  • 関連人物:岩崎先生,秋山恵利子,葛城美和《職場》,松原さくら
  • 関連用語:
 学校法人に存在する施設のひとつ。
 いわゆる「保健(室)の先生」こと養護教諭が常駐する場所。体調を崩した生徒・児童を休憩させるためのベッドが設置されており、思春期特有の悩みと個々人が向き合うためのカウンセリングが行われたりする場所でもある。
 また、簡易的に消毒、止血等を施す薬品類、身体測定に用いる器材の保管などその役割は多岐に渡っている。

 そんな保健室だが、シリーズ中ではカーテンによる簡易的な間仕切りが施されたベッドの上が主な舞台として扱われる。
 保健室に用があるということはすなわち体調不良を意味する。しかも不利な体勢になりがちな就寝の姿勢だったなら……?
 清潔で安心なリネンのベッドでふかふかと憩ってばかりもいられなかったりするのだ。

 よって疑似的にとはいえ人の目が届かない一室と化したベッドの上はかなり危険である。養護教諭が席を外したタイミングで何者かの凶行が行われる、もしくはその連想が働くなんてシチュエーションは結構ざらにあったりするのだ。

 また、前述した保健の先生の生徒・児童からの人気が高いなんてのはよくある話である。
 そのためバカな男子が入り浸ろうとしたり「いじめ」など問題を抱え先生を頼ってかろうじて保健室登校を行なっている生徒がいたり、かと思えば人目の入らない場所として悪用しようとしたり、と意外や様々な人間模様が見られる場所でもあったりする。

 『学怖(S)』新堂七話、荒井四話、岩下一話、福沢一話に登場。

 新堂七話「殺人クラブとの戦い
 殺人クラブとの戦いの幕開けに伴い、主人公が探索に臨むことができる学内の施設のひとつ。
 結論から言えば、クリアに必要な必須フラグのひとつ「アンプルの場所」がメンバーのひとり「細田友晴」の口から聞き出せる。

 細田自身は油断ならないパワーの持ち主だが、ここまで来て覚悟を決めた主人公の敵ではないというのが本当のところ。
 ノー選択肢で一気に追い詰めるところまで持っていけるのであとは手早く問い詰め、ついでに留飲を下げていこう。
 ちなみに施設内ではベッドに薬品棚、戸棚が探索対象となる。木を隠すなら森の中理論に従えば、ここに「アンプル」が隠されていそうなものだが……、そういったプレイヤーの連想が働くのは新聞部部室での戦いを潜り抜けた後になる。

 なお、ここでは風間と細田のカルテを発見して読むことができる。
 その際に意外だったり意外でもなさすぎる彼らの秘密が明らかになったりもする。
 ただし、攻略のヒントでは全くないのでご注意を。「こけし」同様にちょっとした遊び要素なので読む読まないはご自由に。

 荒井四話「宿泊施設にある謎の4番ベッド
 (荒井さん目線では)無礼な言動を取り続けたことで怒りを買った主人公は彼に首を絞められてしまう。そこで意識を失った主人公だが場面は転換し、自分は保健室のベッドの上、目の前には荒井さんとふたりきりというシチュエーションが発生する。
 ほかの出席者は帰ってしまったという話だが、なかなかに不穏な気配がしないでもない。

 さて一転し、にこやかに接してくれるかに見えた荒井さんだが、彼にとっての地雷がまったくわからないことに変わりはなかった。
 主人公は対応を誤り、今度こそ人の目のないタイミングで首を絞められ死を覚悟するのだった。

 いわくつきのベッドにまつわる話を聞いたかと思いきや、直接的な死因ではなく遠因ではあるものの、なんでもないはずのベッドの上で最期を迎えることになった……と考えればなかなかに皮肉な話ではある。

 岩下一話「災いを呼ぶ死の掲示板
 呪われた「死の掲示板」についてとある女子生徒から相談を持ちかけられた保健の先生「秋山恵利子」について語られることがある。
 話の主題は掲示板に絞られているため、保健室は背景情報程度なのだが一応この項目でも取り上げておく。

 福沢一話「同級生・早苗の奇怪な行動」。
 この話の導入で、ある日の「元木早苗」はどういうわけだか顔が真っ青で体育の授業をお休みして保健室に向かったという。
 奇しくも福沢さんも突き指して保健室に向かうのだが、ここに元木さんがいるか否かで話が分岐する。

 ここで元木さんと会えなかった場合は熱を出してベッドで寝ていた知らない男子生徒と人違いしたあげく「岩崎先生」と会える。
 (この男子生徒、福沢さんの口からはまるで死人のような形容で語られている。元木さんだと思ったら、この顔だったギャップもあるのだろうが、本当に具合が悪かったのだろうか。『学怖』では文字通り死相と化した「吉岡」と兼用だからなおさらである。)
 ただし話は元木早苗の真価といえる「エクトプラズム」の方へシフトするため、以後保健室が話題にのぼることはない。

 元木さんがいた場合は彼女がとある儀式を行っていた保健室のベッドが紹介されることがある。
 どういうわけだか保健室のベッドが生きて動きたがっていると感じた元木さんは、その願いに応えるべく特殊な儀式で命を吹き込んでしまったらしい。なんだか要領を得ない話だが、ベッドは具合の悪い人を温めたり涼しくしたりで看護したいんだとか。

 一方で、福沢さんが元木さんをくだんのベッドから連れ出そうとしただけで当のベッドは激しく動きだしたり「ラップ音」を鳴らしたりしている。結果論だが、将来に禍根を残す可能性があるためベッドにそんな力を与えるべきではないのだろう。
 儀式の媒体となった「ケツ」と書かれた紙は今は福沢さんのスカートのポケットに収まっている。

 なお事情を知ったうえで見過ごした場合も、福沢さんはあとになってからベッドの危険性に思い至っている。安息の場所であるはずの保健室が危険地帯に化けることもあるよね? という示唆は一話目からしてさっそくこの学校の異常性を物語ったといえよう。

 『ドラマCD』Disc.1 オープニング「カエルですか?ネズミですか?」に登場。
 「アパシー・シリーズ」立ち上げ後では初の登場となった。
 マンモス校である鳴神学園の人数に沿うように設備も充実しており、現状判明しているだけでも白いカーテンで区切られたベッドは十台以上、診察室は三か所設置されている。

 保健室には養護教諭のうちの誰かしらが常駐しておくことになっているが、事件が頻発する鳴神学園では部屋を空にしなければならない事も多かったとか。
 そんなわけで在校時に保健室登校をしていた「松原さくら」さんはお世話になっている「葛城美和」がいないタイミングである恐怖体験と遭遇してしまう。


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 『秘密』「」ほか多数のルートに登場。


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 『鳴七』「カエルですか?ネズミですか?」ほか多数のルートに登場。


 (執筆者募集中) 


 「カエルですか?ネズミですか?」。
 基本的に『ドラマCD』版とシナリオに相違はない。
 とは言え、結末は大いに追加されており、


 (執筆者募集中) 


 「恋愛教」。


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 「殺人クラブ」。
 このシナリオの探索パートでは鳴神学園構内の各施設を見て回ることができ、その中のひとつとして教職員棟に置かれた「保健室」が存在する。
 養護教諭の葛城先生が在室ということもあって彼女から話を聞くことはできるものの、今回見つけなければならないのは「アンプル」ではなく、殺人クラブ部員であるため特に目ぼしい探索スポットというわけではない。

 「秘密」。


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干首(ほしくび)

  • 登場作品:晦,鳴七
⇒「干首


ボッヘリト星人(-せいじん)

  • 登場作品:学怖,学怖S,学恋2,鳴七


ポヒポヒ星人(-せいじん)

  • 登場作品:学怖,学怖S,学恋2


ホラー・ストリーム

  • 登場作品:学恋,学恋V
  • 種族:夜イベント
  • 関連人物:倉田恵美,あなた
  • 関連用語:送り犬,夢想荘
 『学恋』『学恋V』夜イベントに登場。
 倉田恵美、あなた(女)などが好んで視聴している深夜ラジオ番組である。
 例のごとく不可思議な現象が発生して主人公は恐怖におののく羽目になるが、翌朝目が覚めると元通りになっている。

 「夜イベント」の常に漏れずな、いつも通りの「夢オチ」現象といえるだろう。
 内容は死神「送り犬」が襲来してきたり、


 (執筆者募集中) 


 実は謎に包まれた「夢想荘」の秘密の一端や「秘密の地下室」ついて触れた最初の機会であったりする。
 情報通を気取るなら、情報番組をチェックするに越したことはないだろう。

 実はこの番組、「携帯の小夜子さん」と同様に『四八』から移入したプロットであったりする。
 そこには意味深な雰囲気と謎過ぎる名を併せ持ちながら、結局一シナリオのみの出演に留まった男「鯖徒瑠 陀吏雄(さばとる だりお)」が関わっていたらしい。
 『四八』は都道府県シナリオを攻略する傍ら、挿入される「あなたシナリオ」を進行させてゲーム自体の謎を解き明かして行くと言う構成を取る。
 そして、そこで大きな役割を果たしたのが鯖徒瑠の するラジオ番組「ホラー・ストリーム」だった。
 メタ構造を取った「あなたシナリオ」の中で


 (執筆者募集中) 




情報提供・文章の補足、編集方針の動議その他諸々歓迎します。
もし興味を召されたなら下のコメント欄に書き込みなどされると嬉しいです。

  • 僭越ながら書式を整えさせていただきました。編集のほど、ありがとうございます。 -- 名無しさん (2021-07-31 19:06:12)
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最終更新:2024年04月26日 16:23