き
索引
記憶喪失(きおくそうしつ)
- 登場作品:学怖,晦,学怖S,四八,学恋2,男怖,極,荒井
- 種族:現象
- 関連人物:中山,園浦智子
- 関連用語:夢オチ,首吊り桜
記憶喪失とは文字通り記憶を失うこと。俗にいう物忘れはこの定義には入らない。
創作文化上で用いられる際には厳密な医学的分類に基づく考察が働いたり、働かなかったりさまざまである。
主に自分自身の生い立ちをはじめとする過去などの「エピソード記憶」を忘却し、思い出せなくなることを指すことが多い。
一過性のものから長期にわたって忘却し続ける例や短期間か長期間かといった具合で症例の度合いもこれまたさまざまである。
「エピソード記憶」はピアノの演奏など俗にいう体で覚える「手続き記憶」や母国語などの「意味記憶」とは司る脳の部位から言っても一線を画する。今までの関係性から切り離されることを考慮に入れなければ、日常生活を営む上で支障はないとされる。
実在の人物では真偽については諸説あるが、2005年に記憶喪失の状態で発見された「ピアノマン」などが有名である。
シリーズ中では一つの事件にまつわる記憶が第三者から証拠隠滅のために抹消されたり、あまりにも辛い過去を背負った霊が自分の記憶に蓋をしたり(自分の死に気づいていないなどはわかりやすい例だろう)、といったことも主な事例として挙げられる。
果ては人外の手によって世界から特定の存在が抹消されることで世界中(少なくとも故人の関係性のある)の誰しもからも忘れ去られたりといったダイナミックな案件も存在したりする。この場合は語る側が知っている理由をセットで説明されることも。
『学怖(S)』新堂三話、細田二話、隠しシナリオに登場。
新堂三話「
バスケット部の秘密のノート」
サイコ野郎「
田所芳樹」は自身が部長を務めるバスケット部に身の置き場がなくなり、辞めようとする。そこで部室を漁っていたところ、過去のバスケ部員が部室に残した悪魔を呼び出す方法が書かれたノートを発見する。
田所はこの方法で呼び出せるという記憶を司る悪魔と取引を行い、自分が行った数々の悪行を関係者の頭の中から消し去ってもらおうとする。
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細田二話「
流れないトイレの悲しげな霊魂」。
トイレに縛り付けられている男子生徒の霊「
井上良法」は、ある男のことを探しているという一点の記憶のみを残して当初は自分がいったい誰なのか、なんという名前なのかすらわからない状態だった。
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隠しシナリオ「
真説・桜の木の伝説」。
このシナリオの中で岩下さんの口からいわくつきの桜の木の正体として語られる「
首吊り桜」は生贄を求めており、しかも生贄にされた本人の肉体は元より、存在すら消却してしまうというとんでもない存在である。
詳細は語られていないものの、生贄にされた人間のことは誰も覚えていないという話なので関係者の記憶は元より各種文書まで影響は及ぶと考えた方がよいかもしれない。
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『四八』千葉シナリオ「学校であった怖い噂」に登場。
壁新聞を作るに当たってネットを介して全国から怖い話を募集した坂上くんだったが、怖い話に見せかけた笑い話を集めた場合、やっぱりというべき風間さんが現れる。しかしなぜだか坂上くんの目の前に現れた風間さんは記憶を失っていることがある。
(執筆者募集中)
『学恋2』「風間編」に登場。
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『男怖』「謎の研究施設」ほかに登場。
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喫茶店(きっさてん)
- 登場作品:探偵局,AMC1,レンタル,送り犬,男怖
- 種族:スポット
喫茶店とはコーヒーなどの飲料とケーキなどの軽食を提供する飲食店。相談事や会議などの舞台としてよく登場する。
[一昔前は学校帰りの学生さんが喫茶店に集まって~という光景があったものだが、昨今ではそういう風潮もなくなっている。また七不思議の集会と学校内でほぼ世界が完結している『学怖(S)』内での登場はほとんどない。]
『レンタル』においては出会いを演出する場として喫茶店が度々使用されている。
(執筆者募集中)
クリスティナ
『探偵局』第六話「
フレンドシップ」に登場。
柴田をはじめ、鳴神の生徒にも大人気な駅前店。
この店で
賽臥が友人の「
柴田浩次」から相談を受けたことが話のきっかけとなる。
二階建ての小洒落た建物で雰囲気も悪くないようだが、人気店のためいつも混雑しているようだ。
名物メニューはシナモンロール、他にカフェラテなど。
よって、甘党っぽい柴田にとってはお気に入りでも甘いものも嫌いな賽臥(嫌いな物多いな、この主人公)にとってはただ煩わしいだけの場所だった。
『AMC2』によると、最近(2007年6月)新製品が出たらしい。
トリスタン
- 登場作品:レンタル
- 関連人物:久我山,間山久恵,佐藤一郎,湯川加奈子
- 関連用語:
『レンタル家族』「
はんぶんつ」に登場。
「
久我山」さんと「
間山久恵」の出会いの場となった全国展開のチェーン店。
久恵が勤めているのはとあるオフィスビルの一階に店舗を構える。従業員達の息が合っているのか常連さんも多い。
主なメニューはブレンドコーヒー、ホットミルク、チーズトースト、ホットドックなど。
記念日ちゃん(きねんび-)
- 登場作品:新生,ドラマCD,鳴七
- 種族:ニックネーム他
- 関連人物:剣持京華
「記念日ちゃん」とは、「
剣持京華」のあだ名の一つ。
または彼女をメインに据えたシナリオの名称でもある。
後者は過去の飯島氏のブログにて、
逆殺人クラブを描く『月下美人の章』で「
風間望」が語る話として予告されたのが初出と思われる。
その先駆けとして、『新生』には「
元木早苗」もとい「
綾小路行人」の語る「記念日ちゃん」が収録されている。
『月下』の「記念日ちゃん」は『新生』とはまた別角度から剣持さんを掘り下げる内容と予想されるが、2023年現在まだ日の目を見ておらず、今後の展開が期待される。
逆殺人クラブ(ぎゃくさつじん-)
逆殺人クラブとは『学怖』で採用されることなく葬られた幻のシナリオを指す通称。
主人公が実は殺人鬼であった語り部達に追われる「殺人クラブ」とは逆に実は復讐鬼であった主人公が仇である語り部たちを追い詰めていくと言うプロットが語られたことからこの名称が付いた。
この話では「七人目は主人公であり、七不思議の集会は語り部達を誘き寄せるための狂言ということが明かされる。そして主人公がおもむろにロッカーを開くと、日野先輩の死体が転がる」と言う衝撃的な導入部、発端が描かれるのだ。
詳細については想像に任されているが、飯島氏の口からは度々上がり、コアなユーザー間では伝説的シナリオとなっていた。
このシナリオについて最新の発言は「応援本」、このシナリオを思わせる短編小説『ドラゴンナイツであった怖い話』は「応援本2」で見ることが出来る。小説によれば、一部を除く語り部達は全員坂上の妹「美由紀」の死に関わっていたらしい。
ちなみに没シナリオにならなかった場合、福沢玲子を六人目に選んだ後の七話目に発生するはずだった。
しかし、バンプレストサイドが主人公を殺人鬼とすることに難色を示したため製品版に収録されることはなかった。
現在見ることが出来る福沢七話はご存知の通り、黒木先生が食人鬼であったと言うもので、急遽差し替えられた都合上、一瞬で終わるものになっている。
なお、『学怖(S)』では主人公が意図せずとも殺人を犯してしまう展開はすべてバッドエンドとして扱われており、進行の都合もあろうがコンシューマーの限界を感じさせてくれる。⇒「
そしてすべてが終った」
それでも、今のアパシー・シリーズにおいては黒木食人鬼設定が幅を利かせているところを見ると、まさに縁とは珍妙不可思議なものである。
しかし、飯島氏が後悔している通り、製品版福沢七話のせいで『学怖』というゲームが大きく誤解されたことは確かである。これには、福沢が一番下に配置された語り部選択画面の仕様も関係する。
多くのプレイヤーにとって、ほとんど何の知識もない状態での初回プレイなら上から順に選択することが心理的にも常道である。ゆえに、普通に初回プレイをした場合、高確率で福沢七話に突入してしまうのだ。
このせいで初回のプレイだけで福沢七話シナリオの展開が全てであると思わせてしまった。現に某ゲーム雑誌のレビュアーもその旨の発言をしている。
福沢を抜きにしても『学怖』は新堂・荒井・風間・細田・岩下・福沢という、席順でも高学年順でもあいうえお順でもないよく分からない並び順となっている。
『学怖S』は六人の順番がプロローグの席順(岩下・新堂・風間・福沢・細田・荒井。ただし六人がこの順番で座った理由自体は不明)になり、荒井が一番最後(右)に来ているため、初見で福沢(六,)七話に当たる可能性は少なくなった。
前期七転び八転がりが決定版として目指したタイトル『完全版』には当時使えなかったプロットを幾つも使用することが宣言されているのだが、「逆殺人クラブ」はその中でも目玉として位置づけられている。今度こそ福沢七話はこのシナリオになるのだろう。
現に、登場人物紹介の項では語り部の順番が上級生順になっていた。
そして、時は流れる。二度目の活動休止から七年を経て「
アパシー・シリーズ」が上げた復活の狼煙『新生』と前後して、頒布形態に悩みつつも新たなプロットの下に「逆殺人クラブ」が単独タイトルとして世に出ることが決定した。
そして、ついに『月下美人の章』という副題を経てリリースが分冊化の下に開始されることに。
本来ならば「殺人クラブ」と同じゲームの中で共存し、表裏一体の関係になるはずだった「逆殺人クラブ」が姿形を変えてプレイヤーの前にお披露目の機会を得ることになったのである。
吸血鬼(きゅうけつき)
- 登場作品:学怖,晦,学怖S,学恋,特,追加,新生,鳴七
- 関連人物:北島なつみ,新田かおり,岩下明美《比喩》,元木早苗,福沢玲子,前田葉子,藤村正美,更紗《正体》
吸血鬼とは人の血を吸う怪物の総称。
概念としては世界各地に見られるが、この項ではその中でも特に有名で、かつもっとも浸透したイメージである「ヴァンパイア(Vampire)」を軸に解説する。
ヴァンパイアとは元はスラヴ圏を中心とした東欧で多くの伝承が見られる名称。
しかし、その姿はぶよぶよした血の塊であったり、西瓜や南瓜が動き出したものを怪物と呼んだりと、今日日連想される像とは大きく異なる。
さまざまな民俗伝承が現在のような統一されたモンスター像に集約されていったのはブラム・ストーカー著の『吸血鬼ドラキュラ』の影響が大きい。
もっとも、元祖ドラキュラは赤ら顔で髭を乱雑に生やした野性味溢れる男として描かれている。
襟を立てた燕尾服を着、青白い顔をした貴公子然とした男と言う外見は後世の舞台や映画で形作られたものである。
そのような吸血鬼の特徴として一般に指摘されるのは以下の通り;
太陽の光を浴びると灰になる・たまに克服しているの(デイウォーカー)がいたりする・流水を渡れない・十字架や聖別された武器、もしくは銀製の武器に弱い
大蒜や葱などの香草に弱い・招かれなければ家の中に入れない・鏡に姿が映らない・心臓に白木の杭を打ち込まないと殺せない・炒った豆に弱い・だけど納豆は好き・主に魅了の邪視の持ち主・時を止められる
吸血鬼に血を吸われた者は吸血鬼になる・眷属は「真祖」とも言う親元に逆らえない・なれるのは処女もしくは童貞限定・そもそも死者でなく、独自に進化を遂げた生命体
不老不死・中世貴族を思わせるコミュニティを築いている・美男美女が多い・ついでに幼女も多い・驚異的な怪力と再生能力を誇る・身体を霧や蝙蝠に変えることが出来る・人間との間に子どもを作ってたりする・ハーフはダンピールと言い、双方の利点を持つ
などの弱点や利点は後世になるにつれ付与されていったり時々無視されていったりする属性であり、一概に語ることはできない。
いずれにせよ、「吸血鬼」と言う題材は現在までに多くの人間を魅了し、数々の人間を魅了してきた。小説から端を発し、映画・漫画・アニメ・ゲームなど様々なジャンルにおいて今も多くの作品が続々と送り出されている。
先に述べた特徴にある通り、最大の魅力は弱点があまりに多いことだろう。
「夜の(女)王」として傲慢に永遠性を謳歌しつつも、裏腹にある様式美ととも取れる儚さは特に日本人の心の琴線を刺激した。「吸血」という目に見える行為の酷薄さと美麗さも大きく、結果サブカルチャーの王様として君臨している。
モンスターと言えば、筆者自身藤子(A)先生の「怪物くん」を思い起こす世代なのだが、吸血鬼・人狼・
フランケンシュタイン(の怪物)と揃いながらも、随分と差が付いてしまったものだと想起するものである。
元々は漠然とした恐怖にはっきりとした属性を与えることによって、親しみやすいキャラクターに変えると言うのは「
妖怪」にもよく見られた通りの現象である。
なお、吸血鬼の持つ退廃的淫靡さは淫魔の属性が習合した中で付属していったとの説もある。この感覚・美学が何に近いかを、喩えて言うなら「オフィーリア」のように美しい水死体を愛で、欠損を愛する退廃派(デカダンス)だろうか。
ちなみに、吸血は性行為の代替行為とも言われている。
一説には「流水」「香草」「日光」などを弱点とするのは、吸血鬼が元は伝染病から着想されたものと言う説を考えれば納得である。
単なる「ゾンビ」とは一線を画す。ゾンビのイメージが定着したのは相当遅く、よく混同されるアラブ圏の「グール」にせよ全く異なる怪物である。
むしろ、伝承にある吸血鬼像の方がゾンビに近い。
流石に、日本を離れられず、オムニバス形式を多く取っているシリーズではあまり目立つことはない。あえて言うなら、吸血鬼と喩えられることのある
北島なつみのエピソードくらいだろうか。
反面、『晦』では大量と言ってよいほど血を啜る怪物が出現し、上記で言う吸血鬼の登場も稀ではない。
それを受けてか『学怖S』追加分岐においても一部の展開で登場する機会に恵まれている。
(執筆者募集中)
『学恋』倉田編「岩下」ルートに登場。
それそのもの直球で「バンパイア岩下」というタイトルの、乙女の生き血(恵美ちゃん)を入浴剤にしてしまうバッドエンドが存在する。
このスチルはOP兼PVにも使用され、覚醒坂上に跨られる謎の男と共に視聴者の目を釘付けにした。
これの元ネタは古典ホラーの傑作『吸血鬼カーミラ』の着想元となり、ひいては現在の貴族然とした「ヴァンパイア」像の源流のひとつともなった「エリザベート・バートリ」その人だろう。
ちなみに「カーミラ」はドラキュラ以前の作品であり、ドラキュラ像にも大きな影響を与えた。少女の不安定な心理や同性愛を描いた佳作としても名高く、恐怖小説と言うだけで毛嫌いしないで欲しい。是非とも一読をオススメする。
実際、蛋白質(コラーゲン)を含む血は皮膚の新陳代謝を促し、温色であるため、かかりでもすれば色が良く見えもするだろう。
[『学恋』の岩下像の一部はこのバッドEDから逆算して形成されたとも考えられる。
実際、吸血行為は単なる栄養補給と言うより常に淫靡な雰囲気が付きまとう。実際、創作上でも「性行為」に似た求愛のひとつの表現として描かれることもしばしばである。多くは同時に犠牲を伴う冷然たる儀式なのだが。]
(執筆者募集中)
(執筆者募集中)
旧校舎(きゅうこうしゃ)
- 登場作品:学怖,学怖S,VNV,AMC1,AMC2,学恋,学恋2,特,学恋V,追加,最終,極,ドラマCD,秘密,鳴七,稲in
旧校舎の悪魔(-あくま)
- 登場作品:特,鳴七
- 種族:スポット
- 関連人物:美津見,吉島春香,渡瀬
- 関連用語:悪魔
文字通り旧校舎に出没するという願いを叶える悪魔。
ただし、目的を果たすためには相応の代価として死後に自分の魂を差し出す必要がある。ある意味定番であるが、即物主義・刹那主義の多い現代では割と好評のようである。
しかし、実際に悪魔と対面するためには超・心霊スポットに立ち寄れるだろうか? それとも旧校舎は手軽に立ち寄れる利便性という点では最悪の立地だが、人目を避けるという点では非常に都合が良いのかもしれない。
よってか、ひっそりと学園の少女達の間では存在が語られるに留まっている。さながら自ら能動的に動く
綾小路や
大倉とかと受動的に悪魔のアイテムに巻き込まれた者たちとの中間的な位置と言えるだろう。
すっげえ大っぴらにやって、教団設立? まで
行ってしまった人もいるが、そこは流して、と。
ちなみに彼女の場合シナリオ中で実際に悪魔と対面できるのだが、彼が他で登場する「旧校舎の悪魔」と同一の存在であるかは不明である。
他二人は
(執筆者募集中)
旧校舎の照魔鏡(-しょうまきょう)
- 登場作品:学怖,学怖S,学恋2,特,極,鳴七,稲in
- 種族:スポット(アイテム)
- 関連人物:新堂誠,吉岡《取引》,目黒啓子
- 関連用語:旧校舎,悪魔,異次元《出没》
「旧校舎」に設置された「魔」に通じる鏡の総称。
項目名は「
芋虫女」らと同様に『鳴神学園霊怪記』のチラシからの引用。「照魔鏡」とは字の通り魔なるものを照らし出しその正体を暴きだす鏡という伝説に由来すると思われる。
ちなみにシリーズにおいて旧校舎に置かれた鏡は、魔を退けるよりむしろ魔なるものをこちら側に引っ張り出すというイメージで語られがちである。
とは言え、旧校舎に置かれた大型の鏡がその前に立った者に応じて超常現象を引き起こすというシチュエーションは事例は違えど頻出する。
よって、名称とは微妙に噛み合わないことを承知の上で、この項目で同様の事例をすべてまとめるものとする。状況によっては項目内容の分割を視野に入れることもご留意いただきたい。
『学怖(S)』新堂一話「
霊界へ続く旧校舎の鏡」に登場。
旧校舎二階上り階段の中腹にある大きな姿見。
夜中の三時三十三分三十三秒に行ってとある行動をすれば何かが起こると言われ、新堂さんは「
吉岡」に相談されて儀式に同行することになる。[階段の途中に寄贈品の大きい姿見がある学校はわりと多い。無論、無い学校も多い。]
ちなみに鏡の前で取る行動は二択に集約され、その先の行動や結果をみればさらに分岐する。
時間ちょうどに両手をつけば「
異次元」に行けるという触れ込みで一緒に実行したものの、恋人の「
目黒啓子」の後を追いかけることになるし――。
合わせ鏡をすれば、死相が見える(=死期が見える)になってしまうか「
悪魔」を呼び出して取引が行えたりする。
なお、普段なら絶対に足を運ばない深夜帯、もしくはゾロ目などの、偶然から時間帯の条件を満たすことがほぼあり得ない儀式は「学校の怪談」では相当に先行例、類似例がみられる。
結果が異次元に連れていかれる、悪魔を呼び出せるなどの要素も同様である。
(執筆者募集中)
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(執筆者募集中)
『稲in』に登場。
(執筆者募集中)
九尾の狐(きゅうびのきつね)
- 登場作品:晦,四八
- 種族:妖怪
- 関連人物:
- 関連用語:こっくりさん
日本三大(悪)妖怪の一角として大人気な妖狐。
各所では引っ張りだこで妖怪物のメディアでの露出度は高い。
最後に名乗った名から「玉藻前(たまものまえ)」とも、白面金毛九尾の狐(はくめんこんもうきゅうびのきつね)。
ちなみに、他二人は「大江山の酒呑童子」と「鈴鹿山の大獄丸」とされるが、後者がマイナーすぎるので代わりに「崇徳院」が入ることもある。
この辺の事情、三大悪女やらの三大○○の三人目と被って何とも切ない。
[まぁ、神として祀られている三大怨霊の一人相手では分が悪いか。]
閑話休題。
『晦』由香里二話「お屋敷にいた子供の話」に登場。
「よっちゃん」のパターンの場合、彼女の話す薀蓄話のひとつとして、この妖怪の話が語られる。
妖異が家(イエ)に入り込むにはどうしたらいいか?
答えは「」
『四八』 県シナリオ「殺生石」に登場。
「那須の殺生石」について、彼女の生涯がフルボイスの語りで聞ける。
知っている人には繰り返しだが、やはりこの狐さんの魅力はワールドワイドに災厄を振りまいてきたスケールの大きなところだろう。
はじめは中国は最古の王朝「殷」において。
次に古くは天竺と呼ばれたインドにおいて。
最後に本邦は平安から鎌倉に移り変わろうとするとき。
三度に渡って名と姿を変えながら時の権力者に取り入り、篭絡することで国に災いをなしてきた大妖もついに日本にて命運尽きることになる――。
が、伝奇/歴史ものが好きな方には何だかんだ言って有名すぎる話、知ってる人には「だから何だ」と言われそうである。
が、ここで考慮すべきは「殺生石」が玄翁和尚によって砕かれ、全国各地に飛散している点だろう。
現に、記者は他県においてそれらしき事件を取材しているほか、このシナリオ内でもフラグらしきものが発見できる。
もしかするともしかしたら、製品版ではカットされた内に「殺生石」にまつわる隠しシナリオが用意されていたのかも知れない。
[具体的には、すべての石を集めると復活する……とか……?
それは『流行り神』でもやった話であるが、興味そそられるところ。]
境界(きょうかい)
- 種族:概念
- 関連用語:逢魔ヶ時,校門,つごもり橋,トイレ,古井戸,四辻
境界とは空間と空間の境、時間と時間の境である。
境界はしばしば化外のモノが住まう「異界」と繋がるものと見なされており、非常に不安定な場所である。伝承ではここで怪異と遭遇することが多い。
勘違いされやすいが、「異界」とは特に隔たった場所などではなく、我々の住まう場所(生活空間⇒日常)と隣り合って存在している。
古いムラ社会の時代からは「山や海」、文明の肥大に伴って都市にまつわる「橋や辻」、人の闇が濃くなれば家屋敷の周「門や厠、古井戸」。
これらが古くから境界とされる地点である。
都市生活者が人口の過半を占める現代日本においても「境界」は日々生み出され続けている。むしろ都会の闇は伝説が生きる中近世に比べ悪質かもしれない。
逢魔ヶ時(おうまがどき)
- 登場作品:学怖S,探偵局,特
- 種族:現象
- 関連人物:
- 関連用語:境界,四辻
夕方、日が沈み始めてから完全に暗くなる夜までの時間。
古来日本では昼は生者の時間、夜は死者の時間と考えられており、逢魔ヶ時は両者が入れ替わり交わる時間であるために多くの怪異と出会いやすいと考えられていた。
科学的な観点から見ると、昼間活発な時間帯と夜の眠りに向かう時間の境目であり、光量が落ちて薄暗いところに切り替わりで疲れた脳が幻覚を見てしまう……という見方ができる。
(執筆者募集中)
(執筆者募集中)
校門(こうもん)
- 登場作品:学怖,学怖S,AMC1,,流神A
- 種族:スポット(学校施設)
- 関連人物:飴玉ばあさん,日野貞夫,倉田恵美,野々宮亜由美,今野英俊《出没》
学校の出入り口にあたる場所。校舎本体とはグラウンドを挟んで比較的離れたい位置にあり、夜には当然閉門している。
登下校の際には必ず通る場所であり、学怖内では飴玉ばあさんの出没地点として有名。
また、恐怖渦巻く学園から脱出するに当たって突破しなければならない関門である。とりあえずこの校門を抜ければ、それまでの経過がどうあれ暖かい家庭が待っている家族のもとへ帰路につくことになる(※例外あり)。
『学怖S』では七話目を終了した後に流れるスタッフロール画像が「朽ちた旧校舎の廊下」と「夜明けの光輝く校門」のふたつに分かれていることからも分かるように、後者はグッドエンドと希望の象徴となっている。
昨今の治安意識の変化に合わせ、警備員が配置されるなど部外者が出入りしにくい土壌は作られつつあるようだが、シリーズにおいて脅威になっているのは在校の生徒や教師、様々な魑魅魍魎だったりするので別に話作りに大した支障はないようである。
『学怖(S)』新堂一話、新堂二話、新堂七話、荒井四話、風間二話、細田三話、岩下四話、福沢六話、福沢七話、隠しシナリオに登場。
(執筆者募集中)
古井戸(ふるいど)
- 登場作品:学怖,晦,学怖S,秘密,鳴七
- 種族:スポット
- 関連人物:浅田茂,高野《犠牲者》,中山
- 関連用語:おふるど様,手,前田一族
一般に、地下水を生活用水にするために汲み上げるための施設を井戸という。
しかし、施設の老朽化や水源として役に立たなくなったなどの理由により省みられることのなくなった古井戸も存在している。こう言った古井戸は怪談の温床になる。
神が宿る場所として信仰の対象になっていた井戸は、魂抜きというお祓いの儀式を必要とするほか「息抜き」というパイプを通す施工を必要としたりで手間を要する。単に迷信と思ったのかそうでもないのかはいざ知らず、使われなくなったのに古井戸が埋められていないのは労苦を厭ったのだろうか。
そうしたわけで怪談の舞台としての古井戸だが、たとえば内部に落下し、誰にも発見されないまま孤独な死を迎えた犠牲者の怨念や、中に閉じ込められたナニモノかが「
手」を介して這い出てこようとするイメージが思い浮かぶかもしれない。
くわえて古井戸は人目につきにくい僻地にあることが多い。
事件が起こったとしても必然的に目撃者は乏しいか、それこそ事故の場合は皆無という事例もけして珍しくはない。
時に加害者も兼ねる目撃者がいたとして口をつぐめば最後、何が起こったか気づかれず犠牲者は闇の中に葬られてしまう。たとえ発見されたとしても真相解明に至らず、真実があやふやになるのが古井戸にまつわる怖い話の特徴として挙げられるだろう。
荒井一話「
校内に巣くう地縛霊」に登場。
放置された井戸は単純に物理的に危険であり、そこから生まれた悲劇の一例が語られる。
「
浅田茂」の末路のひとつに、古井戸に落下した挙句無惨な死体になって発見されたという展開が存在する。
誰にも発見されず暗い水に囲まれたまま息絶えた彼の無念を思うと忍びない話である。
『晦』正美一話、良夫一話、良夫二話、隠しシナリオに登場。
インターン時代に彼女を受け持った藤村正美さんは、実際に行ったこともないはずなのにそのような光景を幻視し、それがふと声に漏れてしまう。
それをきっかけに、中山さんから自宅を見に行っても構わないという許可を得るのだが……。
この話の中の古井戸は怪物を閉じ込めるためのものだったようだ。
ただし、同期の「
高野」さんが井戸の中に引きずり込まれて殺されたという点に限っては正美さんの作り話説を取らなければ信頼していいものの……。
いささか不自然な導入にはじまり、正美さんの語りには嘘や悪意や違和感が混じっており信用できない。実際に宅を訪れた彼女たちがどんな行動を取ったか、その先の真相についても謎が残る。
夜の便所に立つのが少し怖かった良夫は同じく立川家に泊まった「
小坂」と一緒に起き出すことにしたのだが、そこに四つん這いで廊下を滑って追いかけてくる「
骸骨」が!
小坂は骸骨によって古井戸に落とされ、良夫はあわやといったところで助かるのだが、翌日になってくだんの古井戸からは二、三百年くらい前の古い骸骨が十体近くも出てきたそうである。
ちなみに小坂は行方不明になったまま発見されなかった。江戸時代になにが起こったのかという謎と合わせ疑問は残るが、それはそうと良夫にとって井戸は拭えないトラウマになったそうである。
(執筆者募集中)
隠しシナリオ「
触れざる儀式の真相」。
上述の由香里二話を踏まえたある展開に派生した場合、葉子ちゃんはいよいよ知るべきことではないことまで知ってしまう。
葉子ちゃんは誰を信じていいのかわからない混迷とした思考の中で
この家が崇める神の名は「お古井戸様」が訛ったものではないかと推測した。
『秘密』「
行かないほうがいい」ルートに登場。
Yチューバ―の活動の一環として、いわゆる映えを求めて「古井戸」に坂上くんは訪れたという。
(執筆者募集中)
おふるど様(-さま)
- 登場作品:晦
- 種族:神(儀式)
- 関連人物:前田良夫
- 関連用語:前田本家
前田本家が祀っている土着の神らしき存在。
どうやら生贄を欲する性質があるらしく、この神がもたらすという富や力に目が曇った前田家の人間たちは「蟲」や小動物にはじまり、犬に果てや人間まで捧げ(ようとし)た。どう考えてもロクでもない神様なのだが、その正体は不明である。
上記の「古井戸」にまつわる展開がさらに進展し、主人公の前田葉子の目の前で取り繕う余地すらなく、これらの真実が暴き出された場合はこの神様の名前が明るみに出る。この神の力に魅入られた一族の者は水面下で醜い争いを繰り広げ生贄の押し付け合いから主導権を握ろうとしていたようだが、こんなヤバい案件が出てきてしまったが最後「すべては闇の中に…」一択である。
これに限らず『晦』は隠された真相を白日に晒したが最後、開かずの間での集いがそれどころでなくなってしまうことが多い。それを避けたいなら納得し切れないものを飲み込みながら、自分をダマすかのようにして集まりを続けるしかないわけである。
それはそうと、この神に選ばれた者は不可思議の力を発揮できるようで前田良夫の場合は手に触れることすらなく由香里姉さんの命を奪うという離れ業を演じている。
この神は自意識を持っており力を貸す人間を選ぶようだが、流れからすると人でなしの心でなければならないようである。
四辻(よつつじ)
『探偵局』第十二話「
四辻」に登場。
四辻とは二つの道が交わる「十字路」のこと。
あちら側とこちら側から来るものが出会う場所、交わる場所、尋ねる場所。
辻は古くから洋の東西を問わず、この世ならぬ異界と化しやすい場所とされる。非常にわかりやすいカタチでの「境界」の体現と言えよう。
交通事故によって、心ならず命が奪われることも単に見通しの悪さだけでなく、彼岸と此岸の境界が緩んでいるとすれば……。
橋と同じく辻を通る者を神と見立てて言ノ葉を乞うたのは「辻占」と呼ばれる。ホラーを例にとれば、
伊藤潤二の『死びとの恋わずらい』などはとみに有名だろう。
作中で賽臥は逢魔ヶ時に、それも髪の毛の呪物を持っていたと言う最悪のタイミングで四辻を訪れたことで異界に引きずり込まれる羽目になったようである。
お使いを仰せつかった「
高井戸惣」から「四神相応」についての講義を受けていれば「黄昏の淵に住む者」の謎かけを躱すこともできるのだが、正直綱渡りでの生還となった。
謎かけそのものではない。じゅげむ堂の名と天眼の存在がなければ、即座に異界のモノとされてもおかしくなかった。異界を甘く見てはいけない。
主人公が賽臥でなければ帰ってこれなかったハズなのだから。
金色の瞳(きんいろのひとみ)
文字通り金色をした虹彩のことを指す。しかもこの場合発光することが多かったりする。
能面で「金色の瞳」は人外を表す記号であったりする通り、この瞳を持つ者は明らかに人間ではないことをわからせてしまう。
ちなみに人間に見られる瞳の色を正確に並べると、濃い順に濃褐(Brown)>淡褐(Hazel)>琥珀(Unbar)>緑(Green)>灰(Gray)>青(Blue)>青紫(Violet)>赤(Red)の八種と限られる。現実で金は「
猫」などに見られる色である。
『学怖(S)』風間五話、細田二話、隠し02(男)に登場。
風間五話「
謎に満ちた風間の秘密」。
自分は人間ではないと言い出した風間さんだったが、主人公がそんな真偽不明の話に半信半疑ながらに乗っかってみると、証拠らしきものを提示した後に。彼(彼女)は風間さんの瞳が金色に光ったところを目撃するのだった……。
ただし、風間さんが人外であることが確定する結末の中でも宇宙人もしくは妖怪「
ぬらりひょん」である場合に限られている。
[ぬらりひょんはともかく、全体がグリーンなスンバラリア星人がなぜ金色に光るのだろうか……? ちなみに『学怖S』ではスンバラリア星人の瞳は光るものの、金色ではなく
ブルーである。]
それはともかく、異次元の住人であるにもかかわらず普通の地球人と外見上変わりのない「
ヤパーレ人」や目が退化しており義眼でカモフラージュしている「
地底人」にこの人外の符合は当てはまらない、というのも言われてみれば納得かもしれない。
細田二話「
女子トイレの壁の染み」。
新米の「
米山先生」に女子トイレにあるという「
顔型の染み」について相談を持ちかけ、宿直を挟んで一夜明けると……。
先生は黒目の部分をどろりとした金色に光らせる人外に成り果ててしまっていた。
ただし霊感のある人にしか金色の瞳は判別できないらしく、普通の人からは普通の人間の瞳のように見えるらしい。相手からこのことを悟られたと勘づいた細田さんは米山先生のようなものと二人きりになってはいけない……! と戦々恐々なのだそうだ。
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『晦』正美五話「
恭介と更紗の住む家」に登場。
美しき人外の少女「
更紗」とそれを助ける元医師の青年「
恭介」の間の秘密、招かれたことでその秘密を目撃した看護婦の女性という筋立てでお送りするこのシナリオだが、ある種奇をてらわない結末として更紗の正体が「
吸血鬼」というものが存在する。
そして看護婦の某女性が最期に目にしたのが更紗が目を金色に光らせる瞬間だったという。
ちなみに魔眼(邪視)を持っているというのは創作文化上における吸血鬼の特徴のひとつ。女性は更紗と目線を合わせてしまったために意識を瞬時のうちに奪われ、抵抗なくその牙が喉元にかけられた……と考察することができる。
『新生』「
ブラック・アイ・キッズ」に登場。
虹彩が真っ黒な子どもたち「ブラック・アイ・キッズ」のネタ元が映画『光る眼』ではないか? という「
荒井規子」さんの指摘はそっくりそのまま上記の作品における「金色の瞳」に適用できる。
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最終更新:2024年02月19日 11:24