索引


骸骨(がいこつ)

  • 登場作品:晦,,特
  • 関連人物:《》,岡本のり子《魅了》
  • 関連用語:髑髏,わらし様
 人間の骨、それも体の各部がそろっている状態の物を指す。頭だけの場合は髑髏(どくろ)、パーツのみの場合は「人骨」とわけられている。
 髑髏などと同じく人間の死後の姿として、悪霊や悪魔、死神の姿を表現するのに用いられている。

 学校の怪談としては「理科室の骨格標本が動く」、「実は模型でなく本物の人骨」などと言った噂が囁かれることもあり、その遺伝子を汲むシリーズにとっても無視できない存在である。
 [ところで、某大学の教授の話によると後者の噂は真実であると言う。そもそも時代を遡れば幾らでも見られることだから殊更に騒ぎ立てることではなかった。問題は古い模型が今でも現役であるかどうかだが……。
 ちなみに、戦前はインド産の物が現役だったらしい。母なるガンジス川への散骨の風習があるインドでそれは疑問が残るが、人骨の輸出が当該のインドでは禁止されていなかったと言うのが原因だったとか。]

髑髏(どくろ)

⇒「髑髏


顔型の染み(かおがたのしみ)

  • 登場作品:学怖,学怖S,四八,探偵局,ドラマCD
  • 関連人物:細田友晴,黒木先生《噂》,比田先生,若月先生《取引,犠牲者》,富田,西条陽子,米山先生《犠牲者》,芦村先生《復讐》,新田かおり《正体》
  • 関連用語:トイレ,旧校舎《出没》,悪魔《正体?》,心霊写真,髑髏
 細田二、六、七話に登場。
 「心霊写真」でもお馴染みだが、むしろ木の木目や壁の染みが人の顔に見える現象、特にそこに宿った怪異そのものを指す。

 科学的説明によると「シミュラクラ現象(類像現象)」と言う噛みそうな正式名称(SF作家フィリップ・K・ディックの同名小説に由来)が付く。
 三つの点が構成する逆三角形が人間の顔のように見える、一種の錯覚によって片付けられる現象である。


 しかし、細田が二話冒頭で述べている通り、大多数は偶然で片付けられても中にはどうしようもなく気になってしまうものは確かに存在する。
 彼はそれが霊の宿っており、自分に呼びかけているためと判断するが、だからと言ってその解釈を押し付けることはない。ただ、自分自身が"見た"ものを信じ、それに従うことを己の哲学とする言葉は紛れもなく細田にとっての名言のひとつであろう。

 例のごとく、ここから題材を採った話も単なる噂もしくは錯覚として片付けることは出来ないのだが。現実の脅威として立ち向かわなければならず、見るどころではないのが難点だろう。ちなみに校内には細田が確認したものだけで霊が宿ったものが何ヶ所か存在するが、特に「旧校舎」に多いらしい。


 細田二話「女子トイレの壁の染み」に登場。
 特に強力なものでかつ知名度が高いものと言えば、新校舎の一階東側女子トイレ、窓側の端の個室に存在するものだろう。
 ここにある顔型の染みを、女生徒達から調査を頼まれて話は始まる。『学怖』では楕円形の黒丸が三つあってなんとなく顔に見える程度であったが、『学怖S』では役者の顔をモデリングしたのか、人間の顔そのものの染みである。
 この話では「富田」、「西条陽子」、「新田かおり」などの生徒もさることながら「比田」「芦村」「若月」「米山」と言った四人もの先生が関わっており、一つの話に関わる人の数で言えばトップクラスである。


 細田六話「取り残された旧校舎の補習授業」に登場。
 知名度で言えば前者に劣るが髑髏の染みが二ヶ所に渡って存在する。
 一つは壁掛け時計の裏。あくまでただの染みであるが、ここの選択肢が細田を変貌させるかどうかのトリガーになっているので注意が必要である。
 もう一つは細田さんの制止を振り切ってトイレに行くと見ることが出来る髑髏にも似た顔型の染み。『学怖S』では唐突にアニメーションが流れるので心臓に悪いが、本筋には関係ない驚かしの演出のためバッドエンドと言うこともない。

 『ドラマCD』Disc.10「シミケン」に登場。
 このシナリオは上記細田二話のリファインである。
 ただし、細田本人がいじめっ子として受けた体験談であること、また「顔型の染み」そのものの人格に注目した点で異なる。


鏡(かがみ)

  • 登場作品:学怖,晦,学怖S,探偵局,学恋2,極
  • 種族:アイテム
  • 関連用語:旧校舎の照魔鏡,鏡の国シリーズ,赤い鏡,予知,異次元,パラレル・ワールド
 ガラス板にアルミなどの金属を蒸着したもの。
 映ったものは「鏡像」とも呼ばれ、左右が逆転している。全身が写せるほどに大きな物は「姿見」と呼ばれる。
 こと怪談に置いては使われやすいアイテムであり、旧校舎の踊り場にある鏡、「占い」や「まじない」に使われる物などが登場する。
 合わせ鏡にすると無限に反射した鏡像から己の死に顔がわかったり、悪魔が出てきたりする他、鏡の中の世界などもネタにされる。


鏡の国シリーズ(かがみのくに-)

  • 登場作品:探偵局
  • 種族:アイテム
  • 関連人物:久多良善内《著者》,深尾華穂子
  • 関連用語:赤い鏡
 少女小説家・新芽衣夢(あらため いむ)こと久多良善内教授が執筆している少女向け小説。最低でも1995年から2007年まで十年以上続いている長寿シリーズで、教授にとっては大して稼げない本業を差し置いて実入りはかなりいいらしい。

 あらすじは……
 主人公・夢崎イオ(ゆめざき-)は十六歳の誕生日の夜、手鏡の中から現れた薄い紫の瞳が印象的な美少年・シリウスと出会う。
 シリウスは鏡の国からイオを護るために遣わされた騎士であり、実はイオは鏡の国の王女であった。そして、イオはシリウスと共に鏡の国に繋がる世界の均衡を護るため、数々の世界を旅するというものである。

 と言う少女小説の王道を行くもの。なんとなく、コ○ルト系な気がする。
 鳴神ではシンババこと深尾先生が大ファンで読書感想文の推薦図書にこっそり忍ばせるほどだった。公私混合にも程がある。そうでなくても、柴田の姉をはじめとした少女達の中では割りと浸透しているようだが。
 また、シンババの言によると「鏡の世界」をはじめとし、果てはそこから繋がる他の世界を支配しようと目論む「魔の世界」なる敵役が登場するらしい。

赤い鏡(あかいかがみ)
  • 登場作品:探偵局
⇒「赤い鏡

旧校舎の照魔鏡

  • 登場作品:学怖,学怖S,学恋2,特,極,稲in


覚醒(かくせい)

 普段はおとなしく天然な少年である坂上修一だが、時折性格が豹変することがある。この状態がいわゆる「覚醒」であり、この時の坂上が俗に「覚醒坂上」と呼ばれる。
 ちなみにこの状態に移行した際、なぜか坂上の瞳が赤くなることが多い。
 本当に瞳が赤くなっているならその事を指摘する他の登場人物が存在しようものだが、こと皆無である。単なる演出か、劇中のキャラクターが坂上の目の色に全く気付かないのか真相は不明。

 発祥は本スレ第四版から誰とも知れず言いだした発言が元である。
 そこから某動画サイトなどに移入する形で一部ユーザー間に定着した。いわゆるネット発のスラングであり、公式に言及されたものではないので注意。
 ……強いて言えば、『最終版』の「立ち絵切替機能」には坂上の表情に「覚醒」という項目がある。
 「覚醒」という表現が公式のものになった!!……と思いきや、デフォルトの設定がズレていて、「一括変更」というコマンドだけでは「覚醒」に赤目状態の表情が来ない(「個別変更」で地道に設定する必要がある)。
 その為、大手を振って赤目状態を「覚醒」と呼んでいいかはまだ微妙なところ。

 この現象自体はシリーズ立ち上げから発生したものだが、『学怖(S)』における殺人クラブメンバーとの対決時、その一幕からその片鱗を垣間見ることが出来た。
 例を挙げると首を締め上げられても強気な態度を崩さない風間をガラス棚にぶつけ「殺すぞ」と脅したり、(正当防衛であるが)ガラスの破片で細田の耳を切り落とし、痛みで転がる細田の脇腹を蹴り上げ「泣くんじゃねぇっ!」「これ以上泣くと、もう片方の耳もそぎ落としちまうぜっ!」と凄むなど。

 正直、相手が正真正銘クズと言え普段の彼の姿からはまるで想像できない。少々乱暴に言ってしまえば、俗に言う「覚醒」の本質とは通常時とのギャップに他ならない。それはリアルとコミカルのどちらに寄っていても言えることである。


 [この種の状態の大元は『新世紀エヴァンゲリオン』の作中で敵である第14使徒・ゼルエル戦にて初号機が暴走、相手を無惨に喰い殺すという決着をしたことから。
 この様を赤城リツコが「目覚めたの、彼女が?」と発言しており、アニメ雑誌などはこれを「初号機の覚醒」として取り上げた。これ以降、内向的な主人公が何らかのきっかけで豹変して別人の様に振る舞う様を「覚醒」という単語で表すようになった。

 同時にそういった二次創作作品も増加するようになり、シリーズもそれを受けての採用であろう。もっとも、単純なパロディだけではなく『学怖』時代から坂上が隠していた属性をややデフォルメして強調したと言う解釈の方が有力であるが。
 なお、元ネタの方は主人公のシンジ君が「覚醒」して大暴れしたということでは無い。

 余談だが、『学怖S』サントラに収録されたミニドラマに起用された声優陣が(現在の感覚で見れば)やたら豪華であった。しかもカヲル君がアレな役で出ていたりする。
 ただ、肝心の坂上は倉田に先を越され、声を当てられなかった。
 そのため、あの声優陣と釣り合うキャストもしくは先に述べたキャライメージの連想か、今となって主人公「坂上修一」の声のイメージに『エヴァ』の主役を務めた「緒方恵美」を推す声が一定数ではあるが存在していたりする。]


 また単純に「覚醒」と言っても大別して三つに分けられる。

Case1.過度の自己防衛本能
 俗に言う「覚醒坂上」とはこのパターンを指す。
 この状態になった彼は普段からは考えられないほど暴力行為に厭わなくなる。

 それは追い詰められた野生の猛獣さながらであり、自己防衛のためなら殺人すら無意識のうちに行ってみせる。
 ここで一番有名な『AMC1』「本編」ルートにおける一件を取る。
 そのEDは体験版でも見ることが出来、演出も非常に気合の入ったものであるなど、ぶっちゃけ印象に残る。これぞ覚醒ッ! と思う人も多いだろう。

 殺人クラブにより人が次々殺されていくという目の前の非現実的な光景で神経がおかしくなった彼は―――。
 特に身体能力が上がったような描写はないが、その強さは武器を持った六人の殺人クラブメンバー達を瞬く間に日本刀で殺戮してしまうほど。
 その後、彼は警察に捕まるのだが鉄格子を曲げて脱獄している。


 現段階でこの坂上が殺されるEDは一つも存在せず、ある意味シリーズ最強のキャラと言える。
 ところが、そのジョーカー的汎用性とギャグっぽさは諸刃の刃。通常の坂上をこの範疇に入れようとするのは荒れる元になるので注意が必要となる。

 全体的な傾向として、普段の彼はこの状態にある坂上のことに気付いていない描写が多い。現に前述の殺人クラブの一件において、元に戻った彼は自分の凶行を覚えていなかった。

 『学恋』攻略本で彼が覚醒状態について尋ねられた際も「なんですか、それ?」と答えている。


Case2.日常の延長線上にある狂気
 異論はあるが「旧作」で殺人クラブに挑んだ主人公「坂上修一」はこのカテゴリに容れられる。無論、性質は異なるため混同には心を配るべきであるが。同時に「旧作」の坂上を指して「覚醒」と表すことなど絶無に等しい。
 代表的な例は『AMC1』「付き添い」ルートなど。このルートは主人公「倉田恵美」の性格などと合わせ、暴走気味の『AMC1』の中では「旧作」に近いテイストであった。

 この坂上は場の空気が殺し殺され上等の異空間に移行していることを素早く察知し、適応・決断することが出来る能力を持っている。単純に「主人公属性」や「カッコイイ坂上」と言い換えてもよいかも知れない。
 ただし、この定義だと我が身可愛さに自滅する小市民的結末をも含んでおり、実に様々な可能性を孕んでいることになる。さしずめ「切れた坂上」か?
 また、他のケースが我が身可愛さに「エゴイスト」っぷりを方向性こそ違え、単に戯画化しただけと考えてしまえば、最も勢力を持つことになる。多いは強い。「普通の坂上(≒多数の坂上)」に近いこのケースを知らずして坂上を語ること勿れ。
 またこの種の彼は覚醒坂上の象徴たる「赤眼」や怪力とはまさしく無縁の存在となっている。


Case3.心に闇を飼っている
 『AMC1』「新宿二丁目」から現出した坂上の本性。
 とある異常な嗜好を持つ人達向けの店を構えている謎のイトコとの関わりで描かれており、「覚醒」三パターンの中で最も巧妙で陰惨な性格を持つ。
 実はこの坂上は裏社会と繋がっているらしく、十五にして既に人を殺めることを家業としているようで、自身もカニバリズムを嗜んでいたりする。真正のサディストである。

 なお、この状態は1の場合とやや複合することもある。その場合に野生の獣じみた怪力が発揮されることもあるが、逆にしっかり知性は生きているため始末が負えない。
 彼の危険な姿が単なる別人格か、それとも本性であるかには議論の余地があるだろう。補完するわけではないが、『学恋』の黒木EDでは覚醒坂上こそ本性であるかのような描写もされている。
 同じく『学恋』の細田の夜イベント4ではこちらの設定を取っているようで「黒髪豚野郎の素揚げ」だの「そっち系の客に意外と受けたりしてな」など、上記の黒木EDや『AMC1』の新宿ルートを彷彿とさせる発言が目立つ。細田の夜イベント1~3を通過しないと発生しないため、意外と見落としやすいシーンである。

 ただし、単純に3の場合なら日常の平凡な少年としての姿はまさしく周囲を欺くための仮面と言うことになる。殺人快楽集団「殺人クラブ」ですら気付けないほどに使い分けていると考えれば、最も油断がならない。
 主人公が一番危ないと言う看板に偽り無しと言えるか。

 [『学恋』で荒井さんが坂上君に「二重人格の症例と対処法」という本を渡す場面はなかなか印象深い。]



影男(かげおとこ)

  • 登場作品:追加,男怖,鳴七
  • 種族:
  • 関連人物:荒井昭二,
  • 関連用語:狭間の部屋
 シリーズには二種類の影男が存在する。
 それらは異なる存在でありながら「影」と言う同じ特性から発想されているだけあり、よく似重なる部分を持つ不思議な存在である。

 『追加版』荒井シナリオ「影男」に登場。
 サッカー部に在籍し、努力を重ねるも紙一重の差で一軍補欠の座を勝ち取れず、ひとりやりきれない思いを抱えて黄昏る荒井さんの背後に立った謎の影。
 荒井さんは鬱屈した自分の気持ちを彼にひとりごちる。
 そして、その交流の中で荒井さんは癒しを得ていくが、けして彼自身は回り込んで姿を見せることはせず荒井さんもなぜか振り返って確認することを出来ずにいた。

 その正体は人間誰しもが持つ最も触れられたくない自身の一部分であり、黄昏時に背後に立つ影の姿を借りて現れた存在しない存在。振り返ってみても誰もいないのも当然の話である。
 荒井さんの場合は「自己肯定」の感情と対峙したわけであり、自己との対話の中ですっきりと自分の気持ちと向き合えるようになった青春の一ページと言える。

 だが、もし影との対話の中で それに負けた時
 人は内側から食い破られてしまう。荒井さんの体は血の代わりに影が流れる異形のモノになってしまったのである。

 荒井さんは卑屈で嫉妬と妄想に満ちた己を


 (執筆者募集中) 


 [これはズバリ、心理学者ユングの提唱した影(シャドウ)そのものである。
 表層に出した人格「仮面(ペルソナ)」からは受け入れがたいネガティブな側面「シャドウ」は切り離されはしても、けして消し去ることは出来ない。無意識の海に潜り、抑圧に負けた人格に働きかけていく。

 そして、このシャドウと向き合って受け入れ、かけがえのない自分自身だと認めた時、
 ~自分自身と向き合える強い心が、"力"へと変わる。困難に立ち向かうための人格の鎧「
 ――ストップ! ふー、あぶないあぶない。危うく別のゲームになるところだった。

 実際、シャドウは必ずしも"悪"なる一面と言うわけではなく、時に自己との対話を行うことは大切な行為である。むしろ新たな自分の可能性を切り開くためには必須のプロセスと言える。
 光あるところに影はあり、影あるところに光はあったのだから。]


 『男怖』「影の住む町」に登場。
 「狭間の部屋」からつながる異界「影の町」に囚われた人々の呼称である。
 女性の場合は影女と呼ばれている[ため、総じて「影人間」としても良いかも知れない。]が。

 「影の町」は我々の世界、守山達が住む町とは瓜二つだが、ただひとつ異なるのはそこがすべての色彩を失ったモノトーンの世界であり、住む人間も輪郭と赤い対の目を残して黒く染まっている。
 そこに住まう人間も元は普通の人間だったが、その世界でも上る黒い太陽が日没を迎えるまでに脱出することが出来なかったために影の姿になってしまったらしい。
 そうなるともはや元の世界に戻ることは出来ず、また出ようとする気持ちも失ってしまう。

 それはというもの「影の世界」は一種のユートピア(理想郷)であり、影男は   
 欲望に忠実な


 (執筆者募集中) 



語り部(かたりべ)

  • 登場作品:学怖,学怖S,VNV,AMC1,AMC2,学恋,学恋2,特,学恋V,新生,月下美人,ドラマCD,鳴七
⇒「語り部


花壇(かだん)

  • 登場作品:学怖,晦,学怖S,探偵局
  • 種族:スポット
  • 関連人物:早坂桃子,宗一郎《出没》,依木鈴子,奥沼美里
  • 関連用語:園芸部,紫陽花,地縛霊,嬰児,人食い向日葵
 花壇とは土をレンガなどで囲い、その中に植物(主に花を付ける物)を植える造園方法。学校では「園芸部」と共に存在していることが多いが、肥料や水やりなどの手間が多く、手入れが行き届かずに無惨な姿をさらしている場合も。


 荒井一話「校内に巣くう地縛霊」、四話「懐かしい兄・宗一郎の思い出」、由香里三話「自殺した人々」に登場。

 第一体育館裏にひっそりと存在する学園の怪奇スポットのひとつ。
 メジャーな施設であるわりには綺麗な花を咲かせる華やかなイメージや園芸部のテリトリーであることもあり、鳴神に点在する怪しげな箇所と比較すると、ここで犠牲になっている者は比較的少ない。人食い向日葵にはあえて眼を瞑りましょうか。

 荒井四話では旧校舎の縁に使われなくなった花壇の跡が放置されていることが明らかになる。宗一郎兄さんが落下した曰く付きの場所となれば、当然でしょうが。

 最近(アパシー)では時々生首が埋まっていると言う噂も……。




学校であった怖い話(がっこうであったこわいはなし)①

  • 登場作品:学怖


学校であった怖い話(がっこうであったこわいはなし)②

 学校で起こった怪談話。
 「学校の七不思議」とも呼ばれ、七つ全部を知ると不幸になるとも伝えられるが、マンモス学校である鳴神学園では七つどころか無数の怪談が存在している。
 80年代90年代のオカルトブーム、特に映画『学校の怪談』シリーズのヒットによってこの手の話(ジャンル)が定着することになる。
 定番のネタとしては「トイレの花子さん」「理科室の踊る人体模型」「目が動く肖像画」などであるが、大抵は「夜中の学校で人知れず起きている怪異」である。
 当然確認するには夜中の学校に忍び込まなければならないが、大抵は宿直の先生警備員に見つかってこっぴどく叱られるか、何も見つからなかったというオチに終わる。
 昨今では学校警備は電子化や警備会社への委託が進み、更に困難となっている。


 ……と、ここまでが一般に想像される「学校であった怖い話」の意味であろうが、実はそれだけが全てではない。すると定番から外れた怪談の多くや語り部の暴走の多くが容認できない概念になってしまうことからもわかる。
 極端かつわかりやすい例を取り上げれば、当時(1995年)小説版として発刊された『VNV』では辛うじて学校内で起こったと取れる話が半数も存在しない。
 「学校であった怖い話」=「学校の怪談」と言うわけではないことを知らしめてくれる。

 それもそのはず原作者「飯島多紀哉」が本来意図した意味は「学校で(七不思議の集会をやったら)遭遇してしまった怖い話」であり、けして「学校で発生した怖い話」のことではない。また、あくまで「話」であり「噂」でないことにも着目すべきだろう。
 [であった=で「あった」と出会ったのダブルミーニングとするのはやや穿ち過ぎだろうか。]
 とにかく、単なる怪談話と最初侮る主人公=プレイヤーには間違うことなく、現実の脅威となって怪異が襲いかかることになる。一見、子ども向けに思われがちなシンプルなパッケージやタイトルそのものが一種の心理トラップとして機能したことになる。


 このタイトルがSFC版に在庫を築く一因となったことは否定しないが、一方で入手を容易として、後に続くファンの裾野を広げたことは大きいだろう。


「学校であった怖い話」の怖い話(-こわいはなし)
  • 種族:攻略本(商業)
  • 発売日:1995年8月31日
  • 価格:980円(税込)
  • ページ数:145P
 (株)アスペクトより発刊された攻略本だが……、はじめの挨拶で「実用書という意味でのゲーム攻略本の責任を放棄している」と言ったトンでもない断りを入れてくる。
 実際、この書は攻略本としての体裁は取っておらず、副読本といった趣が強い。一応、システムと語り部の紹介は義務とばかりにしてくれるが、それ以外は投げっぱなしジャーマンである。
 メインの記事はオープニングをそのまま掲載したり、隠しを除く通常四十二話を一分岐ずつ抽出し、再構成して紹介することで確かに独特ではある。ゲームを別視点から楽しむ一助になることは確かであるが。

 特別企画として原作者「飯島健男」のインタビューを収録しており、内容は現在に至るまで脈々と受け継がれてきた氏のホラーとしての遺伝子を濃密に凝縮した。さしずめ「ホラー作家・飯島健男が出来るまで」と言った風情となっている。
 巻末には知る人ぞ知るカルト作を大量に紹介しており、ムック本としての属性も強い。当然と言えば当然か、この中には後に『四八』にも参加することになる、つのだじろうや伊藤潤二と言った著名な作家も含まれている。

 表紙からして赤一色という意欲的なデザインに、章の合間に作品とはまるで無関係な恐怖画像を散りばめるといった奇妙な構成を採用しており、ある意味作品そのものを理解した革新的読本と言えよう。
 表紙をめくるといきなり飛び込む御札の画像と、御祓い済みなので安心して下さいと言う注意書きも中々にシュール。


学校の怪談(がっこうのかいだん)

⇒「学校の怪談


カッコマン

  • 登場作品:学怖,学怖S,特
  • 種族:セリフ(迷言)
  • 関連人物:風間望,倉田恵美《迷言》
  • 関連用語:
 自分が「カッコいい男(マン)」であることを表わす名詞。(男)やら(man)などと表記してもいいかもしれない。
 が、何気なくファンの間で使われているこの形容であるが実は元ネタが存在する。 
 1975年に発表されたダウン・タウン・ブギウギ・バンドの『カッコマン・ブギ』がそれである。


合唱部(がっしょうぶ)

  • 登場作品:ドラマCD,鳴七
  • 種族:部活(公認)
  • 関連人物:不知火美鶴,君沢麗巳,金木まどか《所属》
 声楽による音楽活動を行う部活動。コーラス部などとも。
 男子コーラスが強い高校も存在するが、基本的には女所帯のイメージが強く「鳴神学園」もそちらを踏襲している。

 一見華やかな印象が強いが、相応の肺活量を求められることから筋力トレーニングが必須である。
 吹奏楽部や「演劇部」などにも言えることだが、文化系の中での運動部と称される部活動のひとつでもある。
 また、音楽という共通点を有することから先に挙げた部活動とは連携して催事を行うことも多い。

 『ドラマCD』Disc.10「フクさん」に登場。
 学内でもエンジェル・ボイスと評判の「不知火美鶴」が七人目として現れ、中立的(?)な視点からソプラノ派とアルト派に二分された少し前の合唱部の現状を教えてくれた。
 なんでも彼女のパートである「メゾソプラノ」は自称、中途半端な立ち位置だそうである。
 また、男子部員も在籍しているが、基本的には女子部員が主導権を握っている部活のようである。

 両派閥は「君沢麗巳」と「金木まどか」というリーダー間で温度差こそあったものの激しく対立していたが、その両名がなんらかの事件に遭って命を落としてしまう。
 詳細は外部に漏れることはなかったが、部活の存続すら危ぶまれる現状に追い込まれてしまっているようだ。 

 不知火さんはふたりが死に至った真相についてを「フクさん」という妖怪を軸にして教えてくれたのだが、その説明もまたいささか腑に落ちないものだった。

 その上、集会か解散の運びになった当日に、合唱部の最後のキーパーソンである「不知火美鶴」までもが旧校舎でその後の足取りを絶つことになる。
 因果関係は不明だが、合唱部は命脈をついに絶たれ、同時期に廃部に追い込まれることになる。

 結局、その後も関係者が重い口を開くことはなかった。
 集会で不知火さんが語ったか、もしくはそれ以上に忌まわしい真相が隠れている可能性はあるが、やはり真実は葬られた。
 後日、合唱部は悪魔崇拝を行っていたという噂も流れたか、裏を取ることはできなかったという。


カッターナイフ

 カッターナイフとは薄手の刃を有し、工作や殺人のために用いる文房具である。
 あらかじめ刃に切れ目を入れておき、切れ味が悪くなったら折ることによって、常に刃先を鋭く保つ仕組みを持つ。

 そして、岩下明美の代名詞である。
 実際、彼女は「殺人クラブ」設定であってもなくても、このカッターナイフ一本で人間の喉を掻き切って見せたり、生皮を全て剥ぎ取って見せたりと言った離れ業を見せた。
 意外なことに『学怖』の岩下明美は岩下一話の一部展開(「仮面の少女」に繋がる展開とは言え)、およびそれから派生した「仮面の少女」での『学怖S』追加分岐で使用したのみである。岩下一話で内山浩太が自殺する際に用いたのも「カッター」であり、姉弟のつながりを感じられる。
 が、それだけのはず、はずだった。
 しかし、その一度きりのインパクトがあまりに強かったためか、古くからファン界隈では岩下明美=カッター女王の図式が定着した。早速『学怖S』でも彼女の追加シナリオ(岩下四話)にカッターナイフが登場することも。
 また、『四八』ではカッターを贈られて喜ぶ一幕が用意されていた。

 勘違いされることが多いが、「旧作」の「殺人クラブ」シナリオでの彼女の得物は噛み付きとロープであり、カッターナイフではない。また、「旧作」で彼女がバッドエンドに関わるときは超自然的な呪いに頼ることが多いため、物理的に実力行使することの方が稀。
 ただし、「アパシー」ではカッターナイフにほぼ一本化されていると見てよい。これを安直なキャラ付けと見るか、イメージが現実に重なったと見るかは自由である。どちらにせよ、日常の生活に使われる物品が非日常に顔を出すと言うのもなかなか岩下さんらしくてよろしいのではなくて?

 余談だが、『学怖』と『学怖S』ではカッターを出す際の擬音が異なる。前者が「チキチキチキ」で後者は「キチキチキチ」と逆転しているのである。理由は不明。
 また、やや影は薄いがそれ以外にも『学怖(S)』隠しシナリオ「風間と荒井の対決」や『学怖S』荒井五話(男主人公限定)において荒井昭二がリストカットを図ってカッターナイフを持ち出す場面が存在する。
 さらに細田六話では主人公、細田七話では細田が凶器として持ち出す機会や新堂七話(『学怖S』女主人公限定)新堂さんまでが。
 ……今更何言っても手遅れな気がしないでもないが、本来の用途を忘れないようにしましょう。みなさんも手軽だからって、正直使いすぎっ! 

河童(かっぱ)

  • 登場作品:四八,AMC1
  • 種族:妖怪
  • 関連人物:荒井昭二《比喩》
  • 関連用語:
 河童とは日本各地に見られる水の怪異の総称。
 現代においてもその親しみやすさから妖怪の定番として挙げられている。

 その歴史は古く四、五世紀頃から伝承は見られる。
 ただ、現在の形「頭に皿」「背中に甲羅」と言った外見上の特徴は江戸時代になってから確立され、全国で統一した概念として流布されていった。
 それまで水にまつわる怪異は全国津々浦々に散らばっており、呼び名も姿もてんでバラバラだった。カッパの名も当時は関東地方限定に過ぎない。

 名付けによって「キャラクター」が固まることはあり得る。
 例えば、中国四大奇書のひとつ『西遊記』に登場する沙悟浄が本来中国大陸には存在しないはずの「河童」とされていることからもわかるだろう。
 ちなみに、彼は原著から「河伯(かはく)」と呼ばれているが、ここの「河」は本来流砂の砂漠のことであった。それなのに水の精もしくは神と誤解されることが多かった。それが波及して本邦でも、似通ったであろうモチーフを当てはめたためとなる。
 遥か昔からある、翻案の苦慮、言葉の誤解だろうか? 
 所変われば元の表現や単語に馴染みがないことは往々あることであるが。


 『四八』佐賀シナリオ「河童のミイラ」に登場。
 納期の関係からか、片手間に濁すような形になったと言え、河童自体は全国に散った伝承であることが語られている。
 そして、各地に残る河童のミイラの一体も無事出演している。
 それは伊万里市「松浦酒造」に実在している代物である。
 河童のミイラ自体が怪しげな見世物小屋の定番、『四八』を代表するものと考えれば興味深い。
 良かれ悪しけれ、この作品は猿と魚のキメラのようなものであった。


 『AMC1』「成りすまし」ルートに登場。
 デカい頭や玄人ぶってゲソについて講釈をぶつ姿が気に召したのか風間さんが荒井さんのことを揶揄する言葉として登場している。
 が、深読みすれば、実は単なる悪口として片付けるには惜しかったりもする。


 第一に「河童」の成立経緯を説明するうえで(人外の)大工が作った「式神」とされるものがある。
 そこからやや飛躍して、河童は手が伸び縮みするという属性を持つこともあるが、これは棒切れを使って簡素に組み上げられた「ヒトガタ」から連想されたものと言う意見である。
 ほら、ちょっと腕に当たる棒を動かしてやれば片腕が伸び、もう片腕は縮む。
 ――流石に「荒井昭二」の腕が伸びたりはしないが、既に周知の通り、荒井さんの持つ属性のひとつとして「人形」が挙げられている。風間さんがこれらを知って言ってのけたかと言えば、まず有り得ないだろうが何者かの深慮は感じとれるだろう。

 単純にキャラのイメージとして可愛いのか、「学恋」シリーズで荒井さん攻略中のステータスウィンドウにも「イカ」と並んで「カッパ」が採用されている。



カニバリズム

  • 登場作品:学怖,晦,学怖S,AMC1,学恋,学恋V,流神A,男怖,極,新生2
  • 関連人物:黒木源造,福沢玲子,岡本のり子,財部美穂,仙田秋成《嗜好》,飴玉ばあさん
  • 関連用語:ネクロフィリア,ラーメン,麻薬
 人肉食、共食いなどの行為、もしくはそれを嗜好とする人々。
 シリーズでは黒木先生こと黒木源造が特に有名である。
 殺人に加え、その肉を食すということでタブー視されているが、これをモチーフにした作品は多い。
 また史実としても飢饉や遭難などに絡んでたびたび発生しているが、単に嗜好として食人行為を行った実在の殺人鬼も多数存在する。そちらではジェフリー・ダーマーや佐川一政などが有名。

 食品の入手経路や安全が危惧されがちな現代においては、異物混入などの恐怖からか、意図せぬ食人は都市伝説の定番として扱われることも多い。
 飴玉ばあさんの「飴玉」、岡本のり子の「骨フリカケ」、ラーメン屋台の「人肉をダシにしたラーメン」などがそれらの代表格と言えるだろう。

 一般的に考えるとかなり歪んだ表現だろうが、愛を示すために恋人の肉を食すると言うことも行われている。
 こちらは愛する相手と本当の意味でひとつになりたいと言う願望である。
 また、打ち負かした相手の肉を喰らうことでその者の強さを身の内に取り込むという発想は古今に限らず、多くの地域にみられる。

 『AMC1』「」ルート、「」ルート、「」ルートに登場。
 財部美穂仙田秋成と言う「送り犬」の狂った恋人たちはあくまで愛を表出する手段としてこれを用いている。

 また、単純に行き過ぎた美食の追求として人肉食が行われることも。
 こちらも展開によっては財部さんが手に染めている節がある。

 『流神A』「紅女」に登場。


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 『男怖』「異形のものたち」に登場。


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 『極』「人肉食堂」に登場。
 本筋では呪術的な意味で「人肉食」を変則的な形で、派生ルートでは行き過ぎた美食の追求の結果として行っており、タイトルに恥じない展開が多くみられる。  



我慢クラブ(がまん-)

  • 登場作品:AMC2,追加,月下美人
  • 種族:部活(非公認)
  • 関連人物:細田友晴《噂,所属》,黒川茂,横峰佐登司,荻島貫,菊池信彦《所属》,及川由紀《所属?》
  • 関連用語:トイレ,自殺,黒百合総合病院,地獄屋敷
 あらゆる我慢をすることによって心身の鍛錬を目指すことを活動の趣旨とする部活動。
 初登場時は部長「黒川茂」のカリスマによるワンマン体制によって他の部員(部長含め五名)を束ねる体制を取っていたが、『月下美人』で再登場した際に、外見の激変を含め高圧的で癖のある性格となった黒川部長を周囲の部員たちがなだめ、盛り立てる集団指導体制に近いものになっている。

 前者は苦痛と快楽の相関関係によって、ほとんど拷問にしか思えない苦痛を耐えることやその究極形として「死への渇望(タナトス)」を我慢することで究極の快楽を得ようとするさまが描かれた。
 後者はそこまでは突き進んではおらず、我慢内容もライト目で健康を害するほどではない、むしろ内輪向けの和気藹々とした学生サークルとしての側面が強く描かれている。

 『AMC2』「我慢クラブ」『追加版』「我慢クラブ(改訂)」「旧校舎探訪-脱出-」に登場。

 「我慢クラブ」「我慢クラブ(改訂)
 主な活動場所は旧校舎のトイレ。
 作中では便意を我慢することにはじまり、「歓迎会」と称してゴキブリやゲジゲジなどの不快害虫を食するなど、不健全な活動の一端を明らかにした。他の部員に中田など。

 体験者である細田さんの語りによれば、深く彼らの活動に関われなかった場合には好意的だったりすることもあるが、実際は様々な苦行を経て妙な選民主義を抱いた彼らの価値観は病的でもある。
 退部希望者に制裁じみたリンチを加えていたことが分岐によっては明らかになったりと、成立時期は不明ながら社会から隔絶した我慢を行い続けることでほとんどカルトじみた団体に成長している。

 ただし、その後の経緯として真相はわからず仕舞いだが全員飛び降り自殺をしてしまう。
 その場合は死んだ後も彼らは繰り返し三階の窓から飛び降りては、終わることの無い快楽を楽しんでいるらしい。

 もしくは自殺誘発薬「アポトーシス」の誘惑に負けた部長が派手に自殺。
 死と快楽を等価交換する部長の勇姿(?)にモラルブレイクしてしまい、現場の黒百合病院から逃亡したその他の部員たちがまだ我慢クラブを続けられたかは定かではない。

 いずれにせよ皮肉なもので、我慢によって快楽を得ようという試みは実行に移した際に生まれる快楽には勝てなかったようだ。行き着くのは「死」のみで彼らの活動は発展することなく完結する。

 「旧校舎探訪-脱出-
 部活に殉じた部員「児島篤紀」の霊から生前の「我慢クラブ」の活動について語られる。
 いじめによって追い詰められていた一生徒にとって我慢クラブの活動は救いになっていた、けれど死んでしまってはどうしようもないという、好意的だが中立的な意見が述べられている。

 『月下美人』第一巻「地獄屋敷」に登場。
 一年前まで存在していたやはり非公認系の部活動。細田が自信を持つきっかけとしてこの部での体験が語られている。
 部室棟一階のトイレで我慢をしていたメンバーの「横峰佐登司」に勧誘された細田は短い間だったが、ここでお世話になった。

 廃部になった「ラジオ研究会」の部室を同じ非公認の部活とシェアして水曜限定で使用していた。


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紙袋(かみぶくろ)

  • 登場作品:追加,秘密
  • 種族:アイテム
  • 関連人物:桃瀬毬絵,塩山啓太,モモ
  • 関連用語:
 『追加版』「紙袋の中身」、「モモのいた学校」、「素顔の見えない来訪者」に登場。 
 地中海、坂道、オレンジ、触れ合う手と手、出会い。
 もしくはパリジェンヌが抱えていてバケットが覗く。
 そんな平和な使い方を試みられる紙袋は普通手に持つ。頭に被るなどという事はまず不審者の発想である。[電波電波電波電波電波 でんぱっぱ]

 「紙袋の中身」。
 1980年に公開された傑作映画『エレファント・マン』をご存知だろうか?


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 「モモのいた学校」。
 特殊な呪術によって死んで生き返ったはいいものの、よくわからないものになってしまった猫「モモ」が頭にかぶっている。

 なので、見えている首から下の猫部分はともかく紙袋の下がどんな姿になっているかは不明。
 かぶせた千野さんは故人の目を閉じさせるようなせめての配慮でやったことだが、奇しくも見えないことで掻き立てられる恐怖を目撃者に与えることになった。



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 『秘密』「「先生、好きです」と告白する」ルートに登場。
 養護教諭の「葛城美和」先生のもとに黒い紙袋が送られてきた。
 中身は髪と爪、しかも底には五寸釘が打たれた藁人形まで入っているという徹底っぷりである。

 なぜこのような悪意たっぷりの贈り物が先生のところにやってきたのか、その理由は分岐次第で明らかになる。


空手部(からてぶ)

  • 登場作品:特,鳴七,稲in
  • 種族:部活(公認)
  • 活動日:毎週 月~土
  • 活動場所:第二グラウンド(仮)/武道館一階の空手場
  • 関連人物:有馬健一,有馬健二
 空手部とは鳴神学園に存在する部活動のひとつ。
 空手は相撲や柔道と並ぶ日本にルーツを持つ格闘技であり、発祥は諸説あるが沖縄(琉球)由来というのが有力視されている。
 徒手による打撃格闘という一点ではほぼ貫徹しているものの、国内外では諸派による流派が乱立しており海外から見た日本像として非常に高い知名度を持つにも関わらず、意外なことに統一された(オリンピック)競技としては成立していない。

 部活動としては「鳴神学園校内地図」によれば「剣道部」や「ボクシング部」と共有した武道館の一階に畳張りの空手場を持っている。「弓道部」などの和風の運動部にも共通することだが、神棚を祀っている。
 「鳴神新聞」によると第二グラウンドを活動場所にしているが、(仮)と付いているため五月時点では「柔道部」と並んでなんらかの事情で武道館が使用不能だったなどの事情が考えられる。

 『特別編』新堂シナリオ「痛みを感じない男」に登場。
 鳴神学園の運動部の中では強豪として知られており、非常に厳しい練習で毎年多くの脱落者を出してきた。
 体育会系の負の側面がもろに出たかつての「ボクシング部」のように学年ごとでの扱いの格差も激しいようだ。

 ただし今回新堂さんの話の焦点は数年前に属していた有馬兄弟(兄「健一」、弟「健二」)の間の確執が生んだ悲劇である。
 あるはずのないふたつめの「神棚」が巻き起こしたりそうでなかったりする「痛みを感じない」もしくは「願い(呪い)の代償」という不可解な現象が起こったために、兄弟の思惑はすれ違い共倒れで終わるか、どちらかは確実に命を落としてしまう。

 ちなみに部の体質としては先輩が後輩に課すタスクは多少理不尽だが、犯罪に至るほどではなく健全であるようだ。
 ただし安全対策は施されているとはいえ、空手は間違うことなく格闘技、心のタガが外れた人間が拳を振るえばどういうことになってしまうのか、という意味では表題を裏切らない。血腥くも物悲しいエンディングばかりが並んでいるといえる。

 『稲in』に登場。



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カリギュラ

 『VNV(新装・最終)』「恵美ちゃんの坂上君観察日記」に登場。
 坂上修一が毒入りの「おしるこドリンク」を無理矢理(?)飲ませて日野先輩を殺害するという惨状を目にした倉田恵美が彼目掛けて言い放った罵言のひとつである。

 一般人には何が何だかわからない言葉だが、その本意はローマ帝国三代皇帝「ガイウス帝」の幼名である。倉田は悪政を敷き倒錯した性に耽溺した暴君として知られる彼の面を指し、坂上にこの言葉をぶつけたのだろう。
 カリギュラは即位直後は善政を行ったが、病に臥して快復したことを機に性格を一変させたと言われており、どことなく「覚醒」と似た展開とこじつけられなくもない。ついでに、彼女の持つハードコア嗜好にも……。

 ただし、彼の悪評は史料にはあまり裏付けされていない通俗的なものであり、その点で五代皇帝「ネロ」と同じく後世の歴史家の犠牲者だったのかもしれない。
 キリスト教の敵対者として大きく評価を下げられ、最後は裏切りに沈んだネロは確かに皇帝にあるまじき奇矯な行いによって知られたが、むしろ政策的な失点は少なく、善政を敷いた部分もあると認められている。しかし、一度付けられた泥はなかなか落とせない。
 坂上の本性が何であれ、「ペンは剣より強し」の金言を体現する倉田に敗れるのも仕様のないことであるのかもしれない。 


カレーライス

  • 登場作品:学怖,学怖S,学恋,学恋2,学恋V
  • 種族:アイテム(食品)
  • 関連人物:細田友晴,倉田恵美《嗜好》
 みんな知ってる通りインド外来だが、今やラーメンと並び日本人の国民食として根を下ろしている洋食。市販のルーを使うことによって比較的簡単に調理することが出来、各家庭によって独自の味が出る奥の深い料理である。
 戦隊物で言う黄色役(≒デブ)の好物としてなぜか定着(初代のみの設定がここまでブレイクするとは……)したイメージがある料理であり、安直なキャラ付けかギャグかは知らないが、「旧作」の細田が「殺人クラブ」で細田が坂上を殺そうとした理由はコレだったりする。坂上が直前に購買でこれを食したため、細田の分が売り切れになったことが原因なのである。食い物の恨みは恐ろしい……?

 旧大日本帝国海軍はカレーの普及に大きな影響を及ぼしたとされ、その伝統を引き継いで現在の海上自衛隊も毎週金曜日はカレーの日である。よって、「七不思議の集会」が行われた日もカレーの日である。
 セーラー服……、はっ! ってなことはまずないだろうが、「アパシー」では倉田恵美の好物として設定されている事に、なんか深遠な意図が感じるような気がしないでもない、のはやっぱり気のせいである。
 なお、某H田さんも「鳴神新聞」五月号に学食のオススメ第一位に「カツカレー」を挙げている通り、基本的に嫌いな人はいない料理なのだろう。具材を入れ替えることによって広範な人のユーズにも応えられるしね。
 そんなわけで『学恋2』では細田の好物として登場。辛いものが苦手な新堂さんを悩ませつつも、細田の意外(でもないか)なスキル「料理」を明らかにした。



監禁(かんきん)

  • 登場作品:晦,AMC1,AMC2,追加,男怖,新生2
  • 種族:犯罪
  • 関連人物:岩下明美,福沢玲子,日野貞夫,曽我秀雄,吉村賢太郎,藤鳥澄子,早乙女麻耶
  • 関連用語:開かずの間,ヤンデレ,人間ダルマ,洗脳
 監禁とは当人の意思を無視し、一定の場所に閉じ込めて自由を奪うこと。
 なお、シリーズにおいて監禁してからごく短期間のうちに殺害、もしくは実験材料にされて自由意志が奪われるような事例はこの項目では取り上げないものとする。ただしシナリオ上で「監禁」そのものに注目した場合は記述の対象とする。

 逃亡をしにくくするために、傷害などの他の犯罪と複合する場合や、被害者が加害者に精神的に依存してしまうなどの例も存在することから非常に発覚しにくい犯罪のひとつにも挙げられている。
 現に十年以上の長期に渡って行われた事例も報告されている。

 『晦』隠しシナリオ「隠された犠牲の真実」に登場。


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 『AMC1』「人間狩り」ルートに登場。


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 『AMC2』『追加版』「正しいフィギュアの作り方」「正しいフィギュアの作り方(改訂)」に登場。


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 『男怖』「敵はすぐそこに」に登場。


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 『新生2』「正義のゴネシエーター」に登場。
 「高洞由利」が「大篭哀子」を洗脳するための拷問、虐待を行うお膳立てとして高洞さんの自宅が監禁場所として用いられている。
 外部との連絡はおろか、ほとんど情報がなく時間感覚すらもわからない密室に閉じ込められた大篭さんの心は速やかに崩されていくことになる。監禁をする側/される側ともに理想的な条件がそろっていたため、発覚する可能性はほぼゼロに近しかったようだ。

 なお、岩下さんが監禁からの洗脳の方法を熟知しておられる(両者の顛末を最初から最後まで語っている)辺り、その後の高洞さんの運命はお察しである。ただ、それを知ったからと言って岩下さんをどうこうできるわけでないことはもはや言うまでもない。


管理人(かんりにん)

  • 登場作品:晦,AMC1,ナポin,
  • 種族:
  • 関連人物:河口,志垣瑠璃,真田泰明,前田葉子
  • 関連用語:開かずの間,桜,夢想荘,洋館
 「アパシー・シリーズ」および関連作品(『晦』、『死者の呼ぶ館』など)の中にはそれ自体が生きており、生贄となる人間を取り込むことで存在し続ける呪われた建造物がいくつか存在する。
 共通してそれら建造物の本質は「植物」のようであり、生贄として取り込まれた犠牲者もまた似た末路を辿ることになる。

 ただし、その犠牲から逃れたり、なんらかの見返りの上で生贄を集めてくる役割を建造物から負わされる人間が存在する。
 それらの表向きの社会地位は館の主人であったり、はたまた不動産管理会社の人間だったりとさまざまのため作品によって呼び名は変わるが、それらの人間を統一してこの項では「管理人」と呼称する。

 管理人がこの役割に収まる理由は前述の通り死から逃れるためというものが多いが、時には何らかの妄執に囚われて常軌を逸した精神の持ち主へと成り果てていることがある。場合によっては管理人自体が人外の域に達していることすらも。

 『晦』泰明六話「洋館に宿った尾岳冬良の魂」に登場。
 プロデューサーの泰明さん以下制作スタッフ(「河口」・「花田」・「吉川」)は大作家「尾岳冬良」の作品を撮影すべく、ロケ地に選んだ「洋館」の下見に訪れ、そこで数々の怪奇現象に遭う。

 そして庭から生け垣の迷路を通じて館からの脱出を目指すと、泰明さんたちは脱出不可能の異常空間に取り込まれて命を落としてしまったようだ。今この場にいる泰明さんは幽霊のようなものだったというオチも付いている。
 ただ、「管理人」が関わる結末として重要になるのは同じく庭からの脱出を目指すものでも生きている生け垣に襲いかかられて血を吸われ、スタッフたちは命を奪われていくというものである。この場合、以前にこの洋館を訪れた河口が屋敷に棲む化け物に殺されそうになったものの、案内人になって身代わりの生贄を差し出すことで助かったという流れとなる。

 泰明さんだけは正当防衛で河口を殺すことで助かったものの、今度は彼自身が案内人になってしまったようだ。
 そして、七回忌から一夜明けて翌日、泰明さんは自分の口車に乗せられて付いてきた前田家の面々を生垣の犠牲にしてしまう。
 唯一葉子ちゃんだけはその累が及ばないテラスの席で眠らされていたが、泰明さんの口ぶりからすると安全圏に置いていたと察することができる。屋敷の化け物とは洋館そのものではなく、それを取り巻く生け垣が本質だったのかもしれない。

 なお、ここからは結末からの逆算になるのでどうしても推測が混じるが容赦されたし。
 泰明さんは案内人として誰かを犠牲にする中で、葉子ちゃんに禍が及ぶことに気づき自ら死ぬことで案内人の座を引き渡そうとしたと考えられる。案内人は同時に一人しかなれず、もしかしたら殺して成り代わるでしか代替わりの方法はないのかもしれない。
 そのため、最終手段として葉子ちゃんを挑発することで自分を殺させたと考えられる。

 きっと、洋館から離れた程度では呪いから逃れることはできない。
 そして、前述の通りここで問題になるのは屋敷本体よりむしろ生垣という植物の方だろう。
 後年に飯島氏の口から出た「管理人」という設定はもちろん『晦』発売時点では影も形もなかったのだが、状況として似通って炒めここで記述するものとする。

 『死者の呼ぶ館』に登場。

 (ネタバレにつき格納)

+ ...
 結論から言ってしまえば、本作の舞台となる謎の洋館の正体は千年以上の時を経た妖怪桜である。
 「管理人」ポジションに就いているのは表向きは館の主人ということになっている「佐倉聡」と「佐倉葵」の佐倉夫妻だが、その扱いには差がある。


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 『AMC1』「柱の傷」に登場。


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 『ナポin』「自殺志願者の鎮魂歌」に登場。


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情報提供・文章の補足、編集方針の動議その他諸々歓迎します。
もし興味を召されたなら下のコメント欄に書き込みなどされると嬉しいです。

  • 参考になりました -- maou (2015-07-31 15:00:16)
  • 「影」、「神」の項目を削除しました。シリーズにおける特筆性もなく、書かれる気配もないので潮時でしょう。 -- 名無しさん (2022-01-13 12:18:15)
  • 「語り部(1995)」、「語り部(2008)」の項目を削除しました。語り部の項目で一貫して記述すべきと判断しました。 -- 名無しさん (2023-06-21 14:11:17)
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最終更新:2024年04月16日 17:59