日時 | 2012年6月8日(金) |
場所 | 横浜駅近郊のとある居酒屋 |
参加人数 | 8人 |
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読書会参加者のレポートを紹介します。未読の方はご注意ください。
・tkdさんのレポート
・岡本のレポート
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▼邦題について
(1)原題は"City of Thieves"ですが、『卵をめぐる祖父の戦争』というすてきに購読心を刺激する邦題はどこから浮かんだのでしょうか? これに決まった理由はありますか?
(2)他に候補になった題はありましたか?
▼登場人物などについて
(3)「どろぼうたち」というのは、誰のことと思われますか?
(4)実際、コーリャはいったい何者だったのでしょうか?
(5)主人公の一人称が「わし」でしたが、あえてこの一人称にしたのには理由があるのでしょうか?
(6)作中に「図書館キャンディー」なるものが登場しますが、田口さんはどのようなものかご存知でしょうか?
実物をご覧になったことはありますか?
▼作品刊行の経緯、刊行後の反響について
(7)前二作は新潮社からだったのに、この作品はハヤカワ、しかもポケミスからの出版となった経緯について、差支えなければお聞かせください。(無粋な質問ですみません)
(8)今作は、状況は『25時』よりずっと過酷であるにもかかわらず登場人物が(というかコーリャが)おちゃらけていて明るく、これほどの死と悲惨とに囲まれながらおどろくほど生き生きと描かれて、読みやすさは『25時』以上だったと思います。
実際のところ、『卵を――』のほうが反響は大きかったのでしょうか。
▼参加者からのメッセージ
『25時』『99999』と映画『ステイ』も気に入っていたので、今作も期待を込めて読みました。
その期待は報われたうえ、今回こうして田口さんに質問を送らせていただけるとは、光栄のいたりです。
『25時』のあとがきで田口さんが作品を「微温的」と評してらしたのが印象に残っていて、
この『卵を――』もまた、戦時中なのに、戦争と全然関係ない「任務」のために奔走することになるあたり、どこかなまぬるく…… しかしそうした滑稽さ、理不尽、馬鹿馬鹿しいことのつみ重ねこそが戦争なんだろうか、あの愛すべきコーリャの死にざまときては。 全くの無駄、全くの無意味、必然性のなさ。それこそが戦争なのだろうか。 などと、おそらく偉大な英雄を描いた作品からは得られないであろうようなものを、ベニオフは与えてくれるよなあ。と、思いました。
ベニオフが映画の人になってしまわないで、これからも小説を書いてくれるように願っております。
そしてそれらも田口さんが翻訳して下さるものと、期待しております。
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