ヒロインがヤンデレのギャルゲみんなで作ろうぜ!
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ヒロインがヤンデレのギャルゲみんなで作ろうぜ!
ja
2016-08-12T23:32:23+09:00
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長編その2:みずき視点
https://w.atwiki.jp/yan-dere/pages/334.html
稔と別れて、1年生の教室に向かう。
この時間は憂鬱だ。
稔とは出来れば傍にいたい…だけど叶わない事だ。
だから朝だけは一緒にいようと決めている。
稔の行動は把握済みだから、後はあたしが合わせればいい。
教室に入るとクラスメイトが声を掛けてくる。
この1年で仲良くなった子達だ。
あたしも笑顔で返す。
だけどそういう子ばかりでは無い。
1歳年上のあたしを色物で見る子もいる。
今まではお互いに腫れものに触らずという感じでやり過ごしてきた。
ここにあたしの居場所は無い…。
来年度はまだいい、稔達もいるから。
だけどその先は…考えるのが苦痛になり頭の片隅に追いやった。
今はまだいい、今はまだ…。
移動教室の時に稔を見かけた。
つい嬉しくなって声を掛けようとしたら…
稔の隣に誰かいた。
伊万里じゃない。
ドクオ君やジョルジュ君でもない。
あれは…あの女はダレ?
下校時刻になり生徒が帰り始める。
それ以外の生徒も部活に勤しんでまだグラウンドも騒がしい。
あたしは玄関口で稔を待ち構えていた。
あの女が誰なのか確かめたかった。
2月はまだ日が落ちるのが早い。
部活の生徒の声も聞こえなくなり、夜が辺りを包みかけていた。
「稔、遅いな…」
寒さに堪えながら待っていると聞き親しんだ声が聞こえた。
稔だ!!
飛び出そうと思ったが、別の声も聞こえた。
慌てて身を隠す。
闇に紛れて伺うと稔と…あの女!!
2人は楽しそうに話しながら校門に向かっていった。
まるで恋人同士だ。
恋人…?
稔に恋人…
隣にいるのはあたしでも無く…伊万里でも無く…
稔…嫌だよ、あたしを…ひとりぼっちにしないで…
溢れてきた涙を拭い、そのまま後を追う。
街灯の間、影に身を隠して2人を見つめた。
嗚咽は出さなかった。
あの女には気付かれたくない。
でももし出せば…稔は気付いてくれるかな…
しばらくして十字路で二人は別れた。
稔はいつも通りの道で帰宅するようだ。
今、声を掛ければ稔は振り向いてくれる…
でも、何て言えばいい?
これじゃ二人の後を尾けてきたことがバレちゃう。
そのまま一定の距離を保ち歩き続けた。
どうしよう…
2016-08-12T23:32:23+09:00
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長編その1:稔視点
https://w.atwiki.jp/yan-dere/pages/333.html
2月はまだ寒い時期だ。
春の足音は遠い。
「藤宮君、資料整理の手伝いありがとう」
「ああ、委員長。いつも”世話”になってるからこれくらいは協力するよ」
隣にいるのはクラス委員長の黒川百合。
世話になっている事とは授業中のノートの事だ。
居眠りしている時は勿論、数学教師の九暮の授業はスピードが早すぎて付いていけない。
そんな時に助けてくれるのが委員長だ。
夕方のオレンジ色が教室内を染める。
意識する間も無く夜になるだろう。
「藤宮君は自堕落が過ぎます。少しは意識してみては?」
澄ました顔で毒づく委員長。
まさにグゥの音も出ない。
「悪かったよ。でも、もしもの時はまたよろしく♪」
「またそう言うことを…」
「ラーメン奢るからさ」
「!?…そうですね、困った時はお互い様と言いますからね」
「ハァ…、ここのラーメンはやっぱり最高ですね」
「…」
目の前にあるのは某ラーメン店のラーメン。
店の名誉のために名前は伏せさせてもらう。
と、いうのもここのラーメンは壊滅的にマズイのだ…
「んー♪」
委員長は至福の顔でラーメンを平らげていく。
一体どういう味覚をしているんだ?
一方の俺は匂いだけで吐き気が出てきた…
冷や汗も止まらない…
自分から来ておいてなんだが、帰りたい…
「藤宮君?食べないのですか?」
「ええと…食欲が無くて…」
「じゃあ、貰ってもいいですか?」
「あ…?あぁどうぞ…」
委員長はもう1杯のラーメンも手を付ける。
「フゥ…、ラーメンの後の口直しの水も最高です」
「(ラーメンが美味ければ、な)」
「藤宮君、失礼なことを考えていません?」
「いやいや。あっ、会計してくるよ」
店を出ると暗闇が辺りに迫ってきていた。
「それじゃあ、御馳走様でした」
「ああ、それじゃ、また明日」
帰宅する頃には夜が身体を包み込んでいた。
「みのりんお帰り~」
「ただいま、って、何で居る?伊万里」
幼馴染の小金沢伊万里が何故か制服にエプロン姿で台所にいた。
「ひめが呼んだのよ、稔君が全然帰ってこないからお腹減って」
次いでやってきたのは、姉である藤宮ひめ。
「ひめ姉さん、自分で作りなさい」
2016-07-18T22:51:43+09:00
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ひめ(873ver)
https://w.atwiki.jp/yan-dere/pages/332.html
**ちび姉
#flash(http://yandere.jpn.org/img/hime_web.swf, height=500)
**紹介文
【名前】藤宮 ひめ
【身長】146cm
【3サイズ】62/54/65
【誕生日】 ? (主人公と同じ)
「こらぁ、稔くん! 姉さんじゃなくて、お姉ちゃんでしょ?」
歳と外見が見事に乖離した、主人公の実姉。
稔を大いに溺愛し、またそれ以上に甘えている。
己の幼さを自覚しているためか、特に主人公に対してはお姉さんぶっているが、そんな態度とは裏腹に普段から
ゴシックロリータな衣装を着こなす、リボンとフリルのお姫様。
至って我が侭な性格だが、人(稔以外)に迷惑を掛けることは希なため、皆に愛されるお姉ちゃん。
外見に反して、好物は何故か甘納豆。
母の手作りハンバーグを毛嫌いしているが、ハンバーグ自体は好物の様である。
髪の色は隔世遺伝による地毛 (祖父or祖母?)
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[[プロット案はこちら>藤宮ひめプロット案]]
【名前】藤宮 ひめ
→鈴蘭【幸福が戻ってくる・謙遜・純潔・純愛・なまめかしさ・乙女の祈り】ごくうすい黄緑(ペールグリーン)
【鈴蘭の別名 「谷間の姫百合」(たにまのひめゆり)】
【主人公との関係】実姉
【家事】Lv,D-(やる気がないだけで本当はA)
【学年】3年
【通学方法】徒歩
【性格】わがまま少女
【イメージカラー】ペールグリーン(ほぼ白)
【身長】146cm
【3サイズ】62/54/65
【誕生日】主人公と同じ
【血液型】O型
【好きな食べ物】甘納豆
【嫌いな食べ物】お母さんの作るハンバーグ
【病ンデレ属性】
外見や振る舞いに反し、姫は意外に精神面では大人です。
なので、わがままを言いつつも、本当に人を困らせたりする事の無いよう、きちんとした線引きをしています。(稔を除く)
しかし、その大人な精神が彼女の恋路を、倫理という盾で邪魔しつづけてきたため、彼女には人知れぬ不満や欲望が非常に多く蓄積されています。
その不満や欲望の蓄積が爆発することで、ひめのヤンデレ属性は開花します。
また、非常に独占欲が強く、それに比例して嫉
2011-12-31T04:17:40+09:00
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早紀(873ver)
https://w.atwiki.jp/yan-dere/pages/331.html
#flash(http://yandere.jpn.org/img/saki_web.swf, height=540)
**紹介文
「んー? 手伝ってあげようか?」
稔のひとつ先輩でひめの同級生。常に笑顔を絶やさない頼れる先輩。
基本的に頼まれた仕事は断らずに、そつなく仕事をこなすので困ったときの早紀ちゃんはクラスの合言葉。
先生からも生徒からも信頼され、休憩時間などはよく廊下を行ったり来たりしている。
現在は一人暮らしをしており炊事洗濯なども難なくこなす模様。
性格は楽天的だが、まじめに締めるところは締める。そんなお姉さん。
【名前】蓬山 早紀(よもやま さき)→蓬【決して離れない】 緑
【主人公との関係】先輩
【家事】Lv,S 一人暮らしなので万能
【学年】3年
【イメージカラー】オリーブグリーン
【身長】 158
【3サイズ】 D89 56 88
【誕生日】9月19日 (おとめ座)
【血液型】A
【好きな食べ物】 桃 栗 柿
【嫌いな食べ物】ピーマン、ナス
【病ンデレ属性】 自虐 監禁されたい頃されたい
【髪型】ウエーブかけたロング
【服装】おしとやか+大人っぽさ ロングスカート
【口癖】
【一人称】&color(red){私}
【友人関係】&color(red){学園のマドンナであり羨望の的。品行方正で人望が厚く、生徒会長を努めていたこともあり、}ネットワークは広範囲に及ぶ
【性格】&color(red){桐生夏生『グロテスク』の妹(ユリコ)をもう少し緩めたようなキャラ。&br() 小6~中2までの異常性愛経験から、自分の性を持って愛情を『買う』ことを当然のことだと考えている。&br() 非常に計算高く、自分の商品価値を認識していて、それを上手に使う。周囲をコントロールするのがうまい。&br() 一方で、非常に純粋で潔癖(←母親の影響)。自分を守るために父を殺して投獄された母親に一定の感謝の念を抱いているため、貞操観念は強く、父親以外に体を許したことはない。(ただし父親を愛していたため、母親に対して一定の憎悪も抱いている)&br() 父親のせいで性的行為を通さないと愛情を感じられない性質になってしまったが、母親由来の貞操観念が鎖となって、自分を解放するこ
2011-12-04T11:23:12+09:00
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伊万里(873ver)
https://w.atwiki.jp/yan-dere/pages/330.html
**幼馴染
#flash(http://yandere.jpn.org/img/imar_web.swf, height=480)
【名前】小金沢 伊万里(こがねざわ いまり)→マリーゴールド 【嫉妬、悪を挫くなど】 黄・橙
【主人公との関係】 幼馴染
【家事】&color(red){Lv,C 基本的に母親(専業主婦)に任せきり}
【学年】2年
【通学方法】徒歩
【性格】活発でいじられキャラ。
ネタには適度に反応するが、下ネタを聞くと顔を真っ赤にして怒る(手がでることがある)
【イメージカラー】 オレンジ (髪の色もオレンジ系)
【身長】 160
【3サイズ】 &color(red){B82(Bカップ) W57 H84}
【誕生日】 7月18日
【血液型】 O
【好きな食べ物】 寿司(特に稲荷寿司)
【嫌いな食べ物】 貝類
【友人関係】基本的に多い &color(red){男女の隔てなく広く打ちとける}
【クラス】&color(red){2年B組(主人公・毒男と同じクラス)}
【病ンデレ属性】 なし。純情っ娘。可哀そうな子。
【髪型】 ショート(もみあげだけ長い)
【服装】 &color(red){巻きスカート} チュニック ブーツ
コートは腰よりちょっと長いくらい(ハーフコートって言うのか? チュニックの裾が見えてて欲しい)
【口癖】 「ええええっ!? 無視するの!?」「ボクにはくれないんだ……」
【一人称】 ボク
【特記事項】みずきシナリオでキーパーソン。ニックネームは寿司、あるいはいらない子(こっちはスレ限定)。
【主人公の呼び方】みのりん
【得物の種類】素手
&color(red){【性格】自然体 天然 単純 三枚目 外見は上の下 キャラクターがあいまって人気者 頭は文系 めんどくさがり 直感勝負 ずばっとモノの本質を言い当てたりする 物事を深く考えるのが苦手で、すぐパニックに陥り頭が真っ白になる ふざけて怒ったふりをすることはあるが基本滅多に腹を立てない オープンマインド 人の気持ちを汲み取るのがうまい 他人と比べない 気にしない}
&color(red){【得意科目】体育・国語 不得意:数学・理科系。基本的にお馬鹿な子。稔と同じ高校に入るために
2011-11-24T21:36:17+09:00
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みずき(873ver)
https://w.atwiki.jp/yan-dere/pages/329.html
#flash(http://yandere.jpn.org/img/mizu_web.swf,height=540)
**紹介文
如月 みずき
【身長】&color(red){153cm}
【3サイズ】&color(red){C87・W56・H88}
【誕生日】2月22日
「おっけーおっけー。あたしに任せておきなさいっ!」
「あ、あたしがいないとっ! ……ダメだって、言ったじゃん」
稔の一学年下の後輩だが実際には同い年。高一の時に長期入院をした為留年している。
稔たち姉弟とは小学校のころに付き合いがあり、よく家に遊びに来ていた。また伊万里とは親友同士である。
&color(red){中学校は別学区であったため一時的に交流が途絶えていたが、高校で再会した。}
面倒見が良く、困っている人がいると放っておけない性格で、&color(red){かつての同級生達}からは男女問わず慕われている。
&color(red){しかし現在の学年では留年生ということで距離を置かれ、馴染むことが出来ていない。}
&color(red){みずきは当初は仲良くなろうと必死だったが、最近では少し諦め気味で、稔たちの教室によく入り浸るように}
&color(red){なった。そのことが余計同学年からの反感を買い、ますます孤立を深めている。}
本人もそれは自覚しつつあり、自分の居場所がなくなることに怯えている。
(稔と伊万里は自分より先に卒業してしまうため)
稔と初めて会ったとき、みずきは今と違って内気で人見知りだが、優しい性格だった。
稔だけにしか心を開かず、稔だけに尽くし、稔の喜ぶ顔を見るのが、その頃のみずきの生きがいだった。
伊万里が親友になったことで他人に尽くす喜びを知り、現在に至る。
ゆえに特に稔に対しては面倒見過剰といった感じで、服装の乱れなど気づいた点は即指摘している。
稔もその指摘がいちいち的確である為、中学に上がる頃にはハイハイと言うことを聞くようになった。
みずきも余り強く注意したりはしない為、上手くバランスが取れているようである。
かなりの負けず嫌いで、ひめなどに言い負かされると捨てゼリフをはいて逃げていく。
「ちょっとだけコーラこぼして手べたべたになっちゃえええええ!!」
**設定
2011-12-04T11:21:36+09:00
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873ver
https://w.atwiki.jp/yan-dere/pages/328.html
いつも当企画のwikiを閲覧頂き、ありがとうございます。
#ref(s110928.jpg)
↑最新スクリーンショット(2011/09/28)
*夜明けを待つ君へ-873ver. について
250 :すくりぷた ◆ZXJ5.HCw1Bq/ [sage]:2011/03/22(火) 22:25:19.86 ID:UVBsd331o
何日もスレで音沙汰無くてすいません
実は元スタッフさんから連絡が入り、素材の使用について方針を変える必要が出てきたので
スタッフの間で話し合いをしていました
簡潔に書くと、今残っている立ち絵素材をそのまま使わずに、別の絵師さんに描いてもらうことになります
今後の方針については詳しく後日スレで報告します
----
ということで、これまでの立ち絵素材が使えなくなりました。
この件が企画に与えたダメージは大きく、それまでかろうじて残っていたスタッフも企画を去りました。
どうせ一度死んだ企画ならば、自分が好き勝手やってもいいかな、と始めたのが本企画です。
設定はほとんど引き継ぎますが、シナリオは全面的に書きなおす予定です。
また立ち絵含むイラスト素材は、全て描き直しになります。
BGMはそのまま使わせていただこうと思います。
スクリプト類は、私のPC内にそのまま残っているのですが(私は旧スクリプタです)
吉里吉里からFlashに乗り換えようと考えているため、一切を破棄する予定です。
私は一スクリプタだったので、当企画の本流を名乗るのは気が引けるため
873ver.として、スピンアウト企画のような感じにしようかと思っています。
避難所の方で細々と進捗報告を行っておりますが、wikiにもちょこちょこ情報をUPしていきます。
どうか今後とも見守って頂けましたらうれしいです。
*キャラ設定
- [[如月 みずき>みずき(873ver)]]
- [[小金沢 伊万里>伊万里(873ver)]]
- [[蓬山 早紀>早紀(873ver)]]
- [[藤宮 ひめ>ひめ(873ver)]]
*今後の予定
- 立ち絵素材(みずき・伊万里・毒男・ググレ)作成
- 体験版範囲のスチル作成
- みずきルート前半(2/1~2/8)を体験版としてリリース
- 立
2011-11-20T01:41:57+09:00
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イベント情報
https://w.atwiki.jp/yan-dere/pages/327.html
**やみなべ祀弐(ごちゃフェス)に参加します!
2月28日(日)サンシャインシティ 展示ホールA1 やん-01b
頒布予定物
・夜明けを待つ君へ-LunaticLovers- 体験版 価格:無料 持込予定:100部。
完成するまでが体験版、という。出来上がっているところまで詰め込みます。同内容はイベント後にサイトで配信します。
・夜明けを待つ君へ-LunaticLovers- 販促ポストカード 価格:無料 持込予定:300部+α
ゲームの魅力を1枚のL版に凝縮した雑誌の記事風ポストカード。を、多分持ち込みます。
・夜明けを待つ君へ-LunaticLovers- 夜明け前情報局Vol.1 価格:200円 持込:120部ぐらい。
昔作ったキャラ紹介本。在庫たっぷりめ。
まぁいつものセットですね。
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他、参加したイベント
コミケ77
病み鍋PARTY2
みみけっと18(委託)
病み鍋祀
名古屋メンコミ41
コミティア85
やみなべパーティー氏
2010-02-13T22:52:38+09:00
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3/4日 不用意発言SS
https://w.atwiki.jp/yan-dere/pages/326.html
< 【[[back>「かみあわない話」]]】
// 【[[next>]]】 >
*3/4日(日) みのさんが先輩になんか不用意な発言するSS
ここは俺の心の中の世界。
ジョルジュの心とつながる世界。
毒男の心とつながる世界。
向日先生の心とつながる世界。
白水の心とつながる世界。
伊万里の心とつながる世界。
みずきの心とつながる世界。
姉さんの心とつながる世界。
委員長の心とつながる世界。
大勢の人の心とつながる世界。
そして、先輩の心とつながる世界。
*
稔くんはあたしとずっと一緒にいられたら、嬉しい?
それは、突き刺すような寒さの冬もようやく終わりを迎えつつあり、日ごと暖かさを増す穏やかな春に近づこうかというような時期にしては、不思議なほどに寒く凍えるような日に受けた、不思議なほどに暖かな先輩の一言だった。
有名な少年漫画の実写映画化作品が公開されたと聞いて、ネームバリューにつられて先輩と休日に遊びに出かけたついでに映画館に入って見てみたが、内容そのものは原作を中途半端に再現しただけの上に、三次元で出すには苦しい外見の登場人物を強引に表現し不自然な演技で動かしただけの、一体誰が喜ぶのかと疑問に思うような内容だった。
その退屈な映画の鑑賞を終えて映画館から出た頃には陽が沈みかけていて、夕焼けの空が徐々に藍色へと移り変わり行くまでの、残りわずかな時間に差し掛かっていた。
朝からとても寒さが厳しい。室外の寒気とそれを伴う強い風を避けようと先輩の手を引いて近くの喫茶店に駆け込もうとしたが、なぜか先輩は乗り気ではなかったようで、あえて冷たい風に晒されたままベンチに腰掛けることを選択した。どうしてですかと質問してみたら先輩の答えは少し変わっていた。少し笑いながら「陽が落ちるまで夕焼けが見ていたいの」
なぜそんなに夕焼けにこだわるのだろう。そう考えつつ寒さは耐え難いものだったが俺は頼みを聞き入れることにした。自販機でホット飲料を二本購入してから先輩と体を密着させるように腰を下ろして座り、景色を眺めつつ二人仲良く熱いカフェオレを胃に流し込んだ。そこで唐突に先輩の暖かな声が俺の心の世界の扉を開いた。
「稔くんはあたしとずっと一緒にいら
2009-12-14T22:08:17+09:00
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ひめ17
https://w.atwiki.jp/yan-dere/pages/325.html
< 【[[back>if ひめ]]】
// 【[[next>]]】 >
「みのるくーんっ!一緒にかえろーっ!」
鈴のような声は教室にむなしくチリンと響いた。
「…誰も居ない?」
はてさて、何故誰も居ないのか。せっかく特別講習が終わったのに一緒に帰れないなんて。
寂しさに打ちひしがれた姉は、ふと黒板を見た。
「ほおほお。」
どうやら2年生は普通に7時限目で帰ったらしい。3年生だけ特別講習があるので、帰宅時間がずれるというわけだ。
そういえば2年生の頃は特別講習などなかったなぁとひめは思い返した。
―ふと、目に付いた。それだけだった。
(これは…?)
教室の中に入り、発見したものに近づいて拾ってみる。教科書のようなもの。いや、教科書。
興味本位でパラパラめくる。数学の公式の羅列。新しい紙の匂いが鼻の頭を触る。
「いい匂い…。」
きっとこの教科書の持ち主は天才か馬鹿のどちらかだ。
2年間の授業を脳裏に浮かべてみる。すぐに教科書を閉じた。
テスト期間に教科書を忘れるなんて抜けてるにも程がありすぎる。そう思って裏表紙を見てみる。
「藤宮…みのる…」
思わず額に手を当てる。こんな弟で大丈夫だろうか、とついついため息が出てしまうのはお約束。
出来のいい姉を持ったことを感謝しなさいと思うと同時に、一度彼を再教育する必要がありそうだと考えを巡らせた。
もう一度開く。
右隅には書きかけのパラパラ漫画。
「これが―」
「こ、これが稔君の―」
明日のテストの教科は、確か数学と化学と日本史。3年生は受験真っ只中というだけあって、1年から3年生の内容が満遍なく出題される。
「つまりですね―」
そおっと身をかがめながら、いるであろう相手側から確認されないよう注意を払い廊下を確認する。手にした教科書はもう離さない。
すっかり暗くなった校舎には、人影など見えるはずもなく、沈みかけた紅い光がただただ朦朧と差し込むだけである。
誰も居ない。
今がチャンスだ。
「っ…!」
引き裂く。引き裂く引き裂く引き裂く。
これは勉強だ。料理だ。愛だ。私の全ての一部。いちぶ?
見つかってはいけないのに、見つかってはいけないのに、大きな音を立てながら、裂いていく
2009-12-09T23:24:59+09:00
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