ヒロインがヤンデレのギャルゲみんなで作ろうぜ!

シナリオ案

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匿名ユーザー

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マゾ


 ゆらゆらと。
 細かく震動を続ける座席で、
 俺はただ、流れていく景色を眺めていた。

 ああ、またこの夢か。頭の隅、冷静な部分がそう判断する。
 正直、何度目になるのだろう。
 中学生になる頃には、もうこの夢に飽き飽きしていたような気もする。

夢父「さあ、もうすぐ新しい家に着くぞ」

 振り向きもせず運転席に座った俺の親父が言った。
 はーい、と生返事をして、また俺は窓に向かう。

 別段、面白い景色でもなかった。
 今となっては夢でも現実でも見飽きたような景色だ。
 当時の小さかった俺でさえ、そんなに珍しいとも思ってなかった気がする。

幼ひ「ねえねえみのくん。新しい家ってどんなとこかな?」

 隣でそう言ったのは、姉の藤宮ひめ。
 この時は小学校3年生だっただろうか。幼い瞳が俺を覗きこむ。

幼稔「んっとね……広いとこだったらいいな……」

 俺は――正確には幼かった記憶の中の俺はそう言った。
 その言葉に、姉さんはパッと顔を輝かせた。
 そんな大層な所じゃありませんよ。普通の一軒家、普通過ぎるほどの一軒家。

 退屈で、退屈で、ひたすら退屈な車内。
 ああ、早く目を覚ませばいいのに――――


 眩しい陽光が部屋いっぱいに差し込む。

ひ「ほらみのくん、起きて?」

 穏やかな口調で、彼女の声が聞こえる。
 閉じた目を開くと、そこには姉さんが俺を覗きこむように見ていて。

稔「………」
ひ「おはよう、みのくん♪」
稔「………」

 俺は再び目を閉じた。

ひ「ちょっとみのくんっ!
  寝ちゃダメだから!! 起きてよっ!」

 ああ、目を閉じればそこは素晴らしき睡眠世界。
 ファンシーなうさぎさんとパンダくんが
 笛を吹きながらこっちへおいでと誘っている。

 現実世界の雑音なんて聞こえない。ああ全く聞こえないともさ。

 わあキレイな空。アハハー、幸せだなぁ。
 うさぎさん、パンダくんっ。今からそっちへ飛んでいくよ――

 痺れを切らした姉さんに、通学用の鞄で殴られた。
 そっちへ飛んでいくどころか、あっちへ飛んで逝きそうになった。
 新学期早々、最悪の目覚めだった。


毒「で、それなんてエロゲ?」
稔「人生シリーズ【THE 現実】だよ馬鹿」

 友達の毒尾のからかいに応じながら、俺は冷えた手に息を吹きかけた。
 通学路の、無駄に広くて長い並木道。俺と毒尾と姉さんで、並んで歩く。

毒「まあ寒いから朝辛いのは認めるがね……。せめて7時にゃ起きろ」
稔「そんな無茶な……
  30分もありゃ学校に着くんだからもう少し遅くても……8時とか」
ひ「それじゃあギリギリだよみのくん……ご飯食べる時間もないじゃない」
稔「朝メシ抜きだっていいじゃない にんげんだもの みのる」
毒「お前な……だから少しは自律性というものを――」

 毒尾とは、中学からの付き合いだ。
 長いことつるんでるが、
 こいつの性格は未だに把握しきれてない。

 何を考えているのか、読めないのだ。
 髪は染めない、携帯も持たない、浮いた話の1つもない。

 だからって女子に人気が無いわけでもない。
 そして何より、次に何をするかが読めない。

 街でカツアゲされそうになった時、
 懐からマグネシウム閃光瓶を炸裂させ、
 黒色火薬で相手を撃退した中学生なんて他にいるだろうか。

 いてたまるか。

毒「――おい、聞いてたか?」
稔「え? ああ聞いてたぜ。
  ナポリタンは高速移動しているか否かだろ?」
毒「……まあ予想はしていたが」
ひ「みのくん、人の話はちゃんと聞かないとダメだぞ?」
稔「いやまぁ。――っと、よう伊万里っ」

 苦笑いしながら俺は視線を横向きに逸らした。
 その先にいたのは、幼馴染の小金沢伊万里。反射的に声を掛ける。
 俺の声に気付いたのか、伊万里が振り向いた。

伊「あ、おはよー。
  今日は珍しく早いじゃん。どうしたの?」
稔「姉さんに鞄で叩き起こされた」

 俺がそう言うと、伊万里の目がキラーン、と輝いた。
 そして毒尾に向かって親指を立てて見せる。

稔「ちょっと待て伊万里、その『COOL!』みたいなのは何だ」
毒「よくやった孔明」

 毒尾もいつのまにか伊万里に向かって親指を立てている。

ひ「え……どういうこと?
  寝起きに鞄で叩くと、毎日続けるうちに
  自然と起きれるようになるって毒尾くんが――」
稔「毒尾くん? 貴様はなに人の姉に
  妙な大嘘を吹き込んでやがるのですか?」
毒「いやいや嘘じゃないぜ、パブロフの犬と同じ原理だ」
稔「世間一般ではそれを調教と呼ぶんだぜ?」

 謀ったなシャ○!!!



 いやはや、始業式などの学校行事における校長の話というものは、一概してつまらないものが多い。
 うちの学校もその例に漏れず、校長――間曽 賀免の話もつまらないものだった。

校長「我が校の生徒としての誇りを持った生活を――」
 かったるい。ああかったるい、かったるい。
 体育館に整然と並べられたパイプ椅子のうちの一つに腰掛けたまま、退屈感に身を任せて天井を仰いだ。
稔「ねみ……」
 ほんとに眠い。今朝は姉さんに叩き起されたし、その分の睡眠をここで補っておくのも悪くはないかもしれない。
 俺の隣の席は、左が空席。右には学級委員長の黒川さん。真面目ではあるが、決して融通の利かない人物ではない。
 委員長なら、俺が寝ててもそれを担任に報告、なんてせこい事はしないだろう。
 つまり、寝ててもそれによるペナルティはない、ということだ。
 あーでも、いきなり起立、なんてときに寝てると対応できなくて危ないしなー。
 でもやっぱり眠いなー。またうさぎさんとパンダくんの声が聞こえてきたし……。

 …………。
 A、いいや寝てしまえ
 B、いや、せめてお隣と話すとかで意識を保つんだ
 C、うさぎさんとパンダくんの所に遊びに行く



 A,Cルート

稔「――んあ?」
 くいくいと、袖を引っ張られる感触。ん、どうしたんだよパンダくん……
黒「藤宮君、起きて、校長先生の話、終わったから」
 ……?
 一秒後、そこには眼鏡を掛けた女の子に変身したパンダくんの姿が!
うさぎ「もう2度とパンダくんを整形手術なんてしないよ」

 ……あれ? パンダくんじゃなくて、もしかして委員長?


職員「一同、起立!」
 気合の入った中年のその一言で、俺は反射的に立ち上がっていた。
黒「大丈夫。寝てたの、気付かれなかったみたいだから」
 委員長が小声でささやく。ああ、校長の話が終わる頃にちょうど起こしてくれたのか……。
稔「ありがとう。命拾いしたよ」
 俺も小声でそう返す。
 そうして2人、小さく笑ったのだった。

(委員長好感度ちょっと+)

 Bルート

稔「ねえ」
黒「? 私ですか?」
稔「うん。校長の話ってなんか眠くなんない?」
黒「――そうでも、ないですけど」
 委員長は少し思案するようにうつむいて、
黒「でも、そんなに傾聴するだけの価値があるか、と訊かれたら……」
稔「やっぱり。つまんないよな」
 お互いに少し苦笑。
黒「そうですよね…。あの人、一体何回塞翁が馬の話をするつもりなんでしょう」
稔「塞翁が馬ってなんだっけ? 聞いたことあるような気はするんだけど…忘れた」
黒「えっとですね、簡単に説明すると――」
 委員長の説明はわかりやすかった。そりゃもう、校長の話なんて比べ物にならないくらいに。

 中国の、塞翁と呼ばれるおっさんの息子が馬に乗って転落して、足を骨折した。
息子「ITEEEEEEEEEE!!!!! 折った! これ絶対足折ったヨ!」
塞翁「ホアーーーッ!! 何するアルかこの馬鹿馬! 下から読んでも馬鹿馬!!」
 おっさんは嘆き、馬を罵る。だがしかし、それからしばらくして戦争が始まり、おっさんの息子が兵役に出されそうになる。
 でも足を骨折してる息子は、兵役を運良く免れることが出来た。という話だそうだ。

黒「――転じて、人生どう転ぶかわからない、という教訓のお話です」
稔「へぇ……すっげえ、物知りなのな、委員長」
黒「――! い、いえ、そんなことは……」
 褒め言葉ぐらい素直に受け取ればいいのに否定して、委員長は顔を背けた。
 あれ、もしかして俺空気読めてないこと言った? ……まあいいか。
(委員長好感度やや+)





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「……きてよぅ…・・・ってばぁ!」

おおう、世界が揺れる。
目の前を染めていた花びらが
ふられたスノードームの雪のように舞い上がる

さて、皆さんが描く天国とはどのようなものだろう?
人それぞれ至福に満ち溢れた世界を創造(誤字じゃないぞ?)するだろうが
俺が描く天国というものは簡単に言うと「平和」だ

何も心配することなく何も考えずぼけーと暮らす
これこそ天国 最高だよな……

……ハッ! 『殺し』を感じる!?

「起きてってばっ!!!」(画面揺れる演出できます?)
「うぉ!!??」

俺は一気に上体を持ち上げる。
目の前にあるのは……部屋の勉強机。
花びらなど一枚も落ちていない。

腹が軽くつり気味だ。
きっと今まで生きてきた中で一番腹筋君を酷使した瞬間だと思う
ごめんよ……

(いったいなんだ?)

急いで持ち上げたことによって痛む頭を無理言わせて振り返させる
するとそこには今まで俺の頭があった場所に
フライパンが刺さっているでないか!!!

(なんと弟を起こすのにフライパンを持ちだす姉がこの世には居るのだ
 今朝はその奇妙な生態をご覧頂グハぁ?!!!!!)

姉ちゃんが左手に持っていたフライ返しがキレイに
俺の頬っぺたハンバーグをひっくり返そうと
摩擦の少ないステンレスが精一杯に頑張っていた

うん痛いね☆

「いてーよ!!! 何するんだよ!」

正直朝起こされることに
コレだけ痛みを伴わなければいけない理由がわからない 
当然の抗議だ

「今何時だと思ってるの!?」
「そうね……だいたいね…・・・ってえええ!!!???」

短針は8を指しかけ 長針は12を指しかけ――AM7:58―― 
このままじゃ遅刻間違いなしだ!

「ほら急いで! はい制服!!!」

冬休み中クリーニングに出されていたらしい
やけに綺麗な学ランを受け取り急いでパジャマのズボンに手を……

「姉ちゃん出て行ってくれね?」
「良いの! 兄弟だから別に気にしない!」

朝、健全な男子のパンツ一丁を見るなんて……
女の人には事の重大性が分からんのです!!!

「ほら良いから良いから!」
「朝ごはんもう出来てるから学校行きながら食べてよ!」

とりあえずなんで気にしないような口調なのに顔真っ赤なんだよ姉ちゃん……

休まず止まらず捕まらず! 全力疾走すれば間に合う
結局家を出れたのはやる気を出すべきか出さぬべきか
そんな中途半端な時間だった

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