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向日葵先生

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向日葵先生


「つまり、この寒さは宇宙人の侵攻なのよ!」
 また何か意味の分からない事を言ってる程度にしか感じないのは俺が先生に慣れてきたからなんだろうな。
「この寒さは冬だから当たり前だと思いますが?」
「甘い、甘いは稔くん!そう思わせるのがやつらの策略なのよ」
 ストーブに張り付いて豊かな双房を抱えるようにして震えてる。
 寒いなら上に何か着ればいいのに。
「やつらは徐々に気温を下げてこの地球を氷河期にするつもりなのよ」
「そんな気の長い侵攻があるんですかね」
 いつもは暖かい物理準備室が何故寒いのかと言うと簡単な事だ、この電波先生がストーブをつけ忘れてたから。
「いや、まさか私が寒さで動けない間に人類にマインドコントロールをしているのかも」
 彼女があーでもないこーでもないと妄想している間に俺は棚からアルコールランプとビーカー、ビーカーを置く台を取り出す。
「稔くん何をする気?」
「あんまり寒そうなんで紅茶でも煎れようかと」
 前にここでコーヒーをご馳走になったことが何度かあるので今日もあるだろうと踏んだ訳だ。
 ビーカーを軽く洗い水を入れる。
「流石稔くん、確かに暖かいコーヒーを飲んだら体が温まる
 体が温まれば私もすぐに動けるようになるものね」
 喜んでくれているようで何よりだ。
 ランプに火を点けビーカーをセットした台の下に置く。

「あ、ティーパックはそこの棚に入ってるから、砂糖とミルクも」
 先生は指を差すだけでストーブの前から動こうとしない。
 別に分かってた事なので文句は言わない。
 棚からティーパック、シュガースティック、ミルクを取り出す。
「先生コーヒーにミルクと砂糖入れますよね」
「えぇ、二個ずつね」
「あんまり糖分を取ると太りますよ」
「な、何を!?これでも結構気をつけてるのよ!」
 まぁ先生の場合は肉が胸に行くんだろうな、これは思うだけで口にはしない。
 先生は糖分は頭の働きを良くするとか、精神的なストレスを軽減するとか言い訳をしている。
 慌てて体重のことを話すその様はは普通の女の人と変わりが無い。
 こうやっていればとても美人なのに勿体無いな。
 そんな可愛い先生をボーっと眺めていたらどうやら水が沸騰したらしい。
「コップ、どっちですか?」
「だから甘いものを取る事で新陳代謝を良くして…って、え?あぁ黄色の使っていいわよ」
「はいはい」
 棚には茶色と黄色の二つのコップがあり取り出しティーパックを入れてお湯を注ぐ。
 お湯を注いでる最中先生が笑ってた気がするが、何か面白い妄想でもしているのだろう。
 しばらくそのまま放置してからまだストーブの前にいる先生に声をかけた。
「いつまでもそこにいないで紅茶飲みましょう」
 名残惜しいといった感じでストーブから離れて黒塗りのテーブルにつく。
「寒い……」
「まぁまぁ、これを飲んだら暖まりますから」
 一番ストーブに近いところに座る先生の前にコップを置く。
 俺もその隣りに座る。
 先生の前には茶色俺の前には黄色のコップ。
 まだ熱いそれを俺は何も入れずに飲み始める。
 先生はスティック1本とミルクを1つ入れてから飲む。
 どうやら俺に言われて変えたらしい。

「それ、私が普段使ってるコップなのよ」
「ッ!ゲホゲホ」
 急にそんなことを言われて紅茶が肺に入った。
 当の本人は悪戯が成功した子供のように笑ってる。
「何、言い出すんですか」
「さっきからかってくれたお礼よ」
 どうやらさっきの太ると言った事に対して言ってるようだ。
 だからってなんでこんな事をしたのやら。
「ふふふ、赤くなってる」
「せ、咳き込んだからです!」
 語尾が荒くなったのも咳き込んだからだ。
 けしてこの年で間接キスが恥ずかしいというわけではない、絶対。
 さして気にしてないように紅茶に口をつける。
「君もまだまだね」
「からかわないで下さい」
 まだ笑うのをやめない先生。
 もう寒さのことなど頭にないようだ。
 こうやっているとまるで恋人に見える……いや、流石に見えないか。
「君のようなものを守る為にも早く体を温め宇宙人と戦わないと!」
 どうやら紅茶を飲んで元気になったようだ。
 俺の馬鹿な妄想もそこで終わる。
 適当に彼女の妄想を聞き流しながら俺は彼女の普段使っているコップで紅茶を味わった。
 何も入れてないのに甘い気がした。



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