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委員長の家庭事情 2

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委員長の家庭事情 2


 どうしよう。
 どうしようどうしよう。
 最悪だ。
 放課後担任に呼び出され、何かと思ったら、
「お前、留年するぞ。このままじゃ」
 ときた。
 確かにこの前のテストの結果は良くなかったけど……赤点二つで留年決定って、きついよ……。
「別に学校も留年者を出したいわけじゃないから、再試はするけどな。頑張れ」
 頑張れと言われても、あんなの何度受けても無理なもんは無理だってのに。
 ため息をついて、とぼとぼと夕暮れの道を歩いた。
 ん……そういえば……。
「ここ、委員長の家が近かったな」
 む……。
 うーむ……。
「いきなり行ったらさすがに迷惑かな」
 委員長のことだから、快く勉強を教えてくれることだろう。
 でも、さすがに委員長の厚意に甘えすぎるわけにもいかない。
「しかし……留年……」
 うん、仕方ない。
 人生がかかっているといったら大げさだけど、人生の二十分の一くらいはこの再試にかかってるだろう。
 記憶を頼りに委員長の家を探した。

「勉強を教えて欲しいの?」
「ああ。人生の二十分の一がかかっているんだ」
「うーん……」
 委員長は少し困ったような顔をする。何となく二つ返事で引き受けてくれるものと思っていたので、ちょっとショックだった。
 いや、俺が勝手に期待していただけなんだが。
「ごめん、やっぱり迷惑だったか」
「え? ううん。迷惑なんかじゃないよ。私なんかでよければ教えてあげる」
「本当か!?」
 委員長の部屋で勉強をすることになった。
 家の前まで来たことはあっても、家に、ましてや部屋にあがるのは初めてだ。
「どうぞ」
「こ、ここが委員長の部屋かあ」
 初めて入る、姉さん以外の女の子の部屋。
 ドキドキしながら一歩中に入ると、そこは――
「……」
「適当に座ってね」
「……う、うん」
 そこは、何も無かった。
 部屋の隅には布団が折りたたんで置かれ、少し離れたところにいくらかの衣服がやはりたたんで置かれている。
 床に転がる委員長の学生鞄。
 勉強机なんてものはない。部屋の真ん中に、小さな丸テーブルが置かれているだけだった。
「シ、シンプルな部屋だね」
「そうでしょ」
「いつもここで勉強してるの?」
「うん。集中できるよ」
「まあ、確かに……他にやることがないな、これは」
 それから俺は委員長に教わって二時間ほど勉強をした。


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