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キンコンカンコーン。 昼休みのチャイムが鳴る、学校で唯一のくつろぎの時間だ。
ボクは大きく伸びをして弁当を取り出した。
「きゃああ。」「いや~、何この蛾!」「うわ、デカっ。」
何ザワついてるんだと思ったら、どこから入ってきたのか大きな蛾が教室を飛び回っている、
マズイっと思いA子の姿を探す。
グシャ!!
「あ・・・。 A子・・・。」」
遅かったようだ、A子は蛾を素手で握りつぶしていた。 そう、彼女は虫が大嫌いなのだ。
一般的に虫が嫌いな女子というのは、ただキャーっと虫を怖がるだけだがA子は違う・・・
『殺したいくらい虫が嫌いな女』なんだ。
そしてスタスタを教室を出て行くA子、静まり返る教室。
「あはは、アイツ。 度胸だけはすごいんだ。」 とフォローにならないフォローを入れ僕はA子をおった。
「おい、教室でアレはマズイだろ。」
A子においつき、僕は呆れ顔で言う。 彼女とはいわゆる幼馴染だ、だから知っていた・・・彼女に虫はタブーなんだ。
「う~ん、だってキライなんだもん。
『虫』と名が付くものは皆私が殺すわ、そうデンデン虫とか蛆虫とか・・・――とか。」
「え?」
理解ができず思わず僕は聞き返した、
彼女はニコッと笑うと「私、購買だから。」と言い残してさっさと階段を下りた。
「泣き虫・・・弱虫・・・って・・・。 あ、いけねっ! 屋上で先輩が待ってる。」
僕は急いで階段を駆け上り、屋上のドアを開けた。
ボクは大きく伸びをして弁当を取り出した。
「きゃああ。」「いや~、何この蛾!」「うわ、デカっ。」
何ザワついてるんだと思ったら、どこから入ってきたのか大きな蛾が教室を飛び回っている、
マズイっと思いA子の姿を探す。
グシャ!!
「あ・・・。 A子・・・。」」
遅かったようだ、A子は蛾を素手で握りつぶしていた。 そう、彼女は虫が大嫌いなのだ。
一般的に虫が嫌いな女子というのは、ただキャーっと虫を怖がるだけだがA子は違う・・・
『殺したいくらい虫が嫌いな女』なんだ。
そしてスタスタを教室を出て行くA子、静まり返る教室。
「あはは、アイツ。 度胸だけはすごいんだ。」 とフォローにならないフォローを入れ僕はA子をおった。
「おい、教室でアレはマズイだろ。」
A子においつき、僕は呆れ顔で言う。 彼女とはいわゆる幼馴染だ、だから知っていた・・・彼女に虫はタブーなんだ。
「う~ん、だってキライなんだもん。
『虫』と名が付くものは皆私が殺すわ、そうデンデン虫とか蛆虫とか・・・――とか。」
「え?」
理解ができず思わず僕は聞き返した、
彼女はニコッと笑うと「私、購買だから。」と言い残してさっさと階段を下りた。
「泣き虫・・・弱虫・・・って・・・。 あ、いけねっ! 屋上で先輩が待ってる。」
僕は急いで階段を駆け上り、屋上のドアを開けた。
「先輩、おまたせしました。」
屋上の隅に座る彼女、一年上の先輩、B美さんだ。 ここで一緒にお弁当を食べるのが日課になっていた。
いつみてもキレイな人だ、思わず見ほれてしまう。
お弁当を広げオカズを交換しあう、今日は僕のために先輩がお弁当を作ってきてくれた。
「どう? おいしい?」
・・・マズイ・・・先輩は料理が本当に下手な人だ・・・でも、ここはおいしいと返事をしないと・・・。
うんぐ! しまった、ノドに詰まってしまった。
何も言わない僕に対し、先輩の目が大きく開かれる。
「ねぇ? おいしい!? わたしの料理! おいしいの!?」
コクコクとうなづき、僕はお茶を流し込んだ。 コレがなければなぁ、本当にキレイな人なのに・・・。
食事が終わり、先輩との会話に花を咲かせていると、突然。
「実はねぇ、私。 整形手術受けてるの。」
あまりに唐突に衝撃的な事実が告げられる。
「え・・・まさか、そんな・・・先輩が!?」
「うん、もうすぐねアゴと口の整形するんだ。」
「そんな・・・。 先輩はとっても素敵じゃないですか。」
「うふふ、それでねこの間の定期健診でお医者様が『好きな男でもいるのかい?』とか言って来るのよ。」
え、それってもしかして僕かな? あはは・・・そうだったらちょっと嬉しいけど。
「だから私は、口が裂けても言いませんよ。って言い返しちゃった。
そしたら『んじゃ、本当に耳まで口を裂いちゃおうかな』とか言うのよ、ひどい医者よね。」
なんだ・・・でも、気になるな。 先輩がクスクスと笑う。 あ、もうすぐ委員会の時間だ。
僕は先輩に用事を伝え屋上のドアに手を掛けた・・・その時。
「ねえ・・・。」
先輩が呼び止める、振り向くと春の日差しに虚ろな淡い笑顔で先輩が口を開いた。
―――ワタシ キレイ?――
「うん、キレイだよ。」
僕はできる限りの笑顔で応えた。
屋上の隅に座る彼女、一年上の先輩、B美さんだ。 ここで一緒にお弁当を食べるのが日課になっていた。
いつみてもキレイな人だ、思わず見ほれてしまう。
お弁当を広げオカズを交換しあう、今日は僕のために先輩がお弁当を作ってきてくれた。
「どう? おいしい?」
・・・マズイ・・・先輩は料理が本当に下手な人だ・・・でも、ここはおいしいと返事をしないと・・・。
うんぐ! しまった、ノドに詰まってしまった。
何も言わない僕に対し、先輩の目が大きく開かれる。
「ねぇ? おいしい!? わたしの料理! おいしいの!?」
コクコクとうなづき、僕はお茶を流し込んだ。 コレがなければなぁ、本当にキレイな人なのに・・・。
食事が終わり、先輩との会話に花を咲かせていると、突然。
「実はねぇ、私。 整形手術受けてるの。」
あまりに唐突に衝撃的な事実が告げられる。
「え・・・まさか、そんな・・・先輩が!?」
「うん、もうすぐねアゴと口の整形するんだ。」
「そんな・・・。 先輩はとっても素敵じゃないですか。」
「うふふ、それでねこの間の定期健診でお医者様が『好きな男でもいるのかい?』とか言って来るのよ。」
え、それってもしかして僕かな? あはは・・・そうだったらちょっと嬉しいけど。
「だから私は、口が裂けても言いませんよ。って言い返しちゃった。
そしたら『んじゃ、本当に耳まで口を裂いちゃおうかな』とか言うのよ、ひどい医者よね。」
なんだ・・・でも、気になるな。 先輩がクスクスと笑う。 あ、もうすぐ委員会の時間だ。
僕は先輩に用事を伝え屋上のドアに手を掛けた・・・その時。
「ねえ・・・。」
先輩が呼び止める、振り向くと春の日差しに虚ろな淡い笑顔で先輩が口を開いた。
―――ワタシ キレイ?――
「うん、キレイだよ。」
僕はできる限りの笑顔で応えた。
図書室に入ると同じ図書委員のC代がいつものようにブツブツと独り言を言いながら本の整理をしていた。
正直、不気味だ・・・顔はカワイイのに・・・何なんだろこの子。
耳を済ませて彼女の声を聞く、呪文のような言葉の羅列。
「ね、ねぇ C代さん・・・。」
「ん?」
クルリをこちらを見る彼女、虚空を泳ぐ目、小さい吐息を繰り返す口・・・まるで・・・病人だ・・・。
「つ、次の書籍の購入日なんだけど・・・いつ大丈夫?」
「あ~・・・う~・・・・あぁ~・・・・じゅううううぅぅ~に?」
「あ、12日ね。 うん、わかった。」
これ以降、ほとんど会話を交わすことなく、黙々と委員会の仕事をした。 本当、不思議な娘だ。
正直、不気味だ・・・顔はカワイイのに・・・何なんだろこの子。
耳を済ませて彼女の声を聞く、呪文のような言葉の羅列。
「ね、ねぇ C代さん・・・。」
「ん?」
クルリをこちらを見る彼女、虚空を泳ぐ目、小さい吐息を繰り返す口・・・まるで・・・病人だ・・・。
「つ、次の書籍の購入日なんだけど・・・いつ大丈夫?」
「あ~・・・う~・・・・あぁ~・・・・じゅううううぅぅ~に?」
「あ、12日ね。 うん、わかった。」
これ以降、ほとんど会話を交わすことなく、黙々と委員会の仕事をした。 本当、不思議な娘だ。
キンコンカンコーン。 今日1日が終わる、僕は帰路もついた。
「はぁ・・・。」 疲れた、本当に疲れた さっさと家に帰ろう。
「ただいま~。」
「あ、おにーちゃん。」
妹がパタパタと駆け寄ってきて泣きながら僕に抱きついた。
「こらこら、どうしたんだ?」
「おにーちゃんは私を食べたりしないよね? ね?」
「へ?」
「パパとママがね・・・グスン、私をね・・・ヒックヒック・・・食べちゃいたいって・・・言うの・・・エーン。」
あぁ、なんだそんなことか・・・。 僕は妹の頭をポンと叩いた。
「あはは、それは食べちゃいたいくらいカワイイってことなんだよ。」
「うそ・・・うそよ・・・そんな、食べちゃうなんて・・・。」
困った娘だ、何だって真に受けちゃう子なんだからなぁ・・・。
「はぁ・・・。」 疲れた、本当に疲れた さっさと家に帰ろう。
「ただいま~。」
「あ、おにーちゃん。」
妹がパタパタと駆け寄ってきて泣きながら僕に抱きついた。
「こらこら、どうしたんだ?」
「おにーちゃんは私を食べたりしないよね? ね?」
「へ?」
「パパとママがね・・・グスン、私をね・・・ヒックヒック・・・食べちゃいたいって・・・言うの・・・エーン。」
あぁ、なんだそんなことか・・・。 僕は妹の頭をポンと叩いた。
「あはは、それは食べちゃいたいくらいカワイイってことなんだよ。」
「うそ・・・うそよ・・・そんな、食べちゃうなんて・・・。」
困った娘だ、何だって真に受けちゃう子なんだからなぁ・・・。
僕は頭を抱えながらベッドに入った・・・ふう、今日も疲れた・・・頭痛がひどい。
今日はもう寝よう。
今日はもう寝よう。
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