ヒロインがヤンデレのギャルゲみんなで作ろうぜ!

病める2人暮らしな先輩宅

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匿名ユーザー

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だれでも歓迎! 編集
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注意

性的表現を連想させたり、性的表現そのものが含まれる作品です
これらに苦手意識や嫌悪感を抱く方が見るのはお勧めしませんが、文章なので18禁ではありません

病める2人暮らしな先輩宅



病める2人暮らしな先輩宅1

稔「先輩…今日は帰らせてください!」
早紀「なんで?」
稔「た、確かに俺たちは付き合ってますけど、俺はまだ高校生の分際でもう2週間家に帰ってないんですよ?」
早紀「なに言ってるの。着替えも歯ブラシもお布団もなんでもあるし、このマンションはもう十分あたしと稔くんの家だよ」
稔「いやあの…ほらここは実家ではないというか…えーと…そう!実家にいる姉さんも心配してるだろうし!」
早紀「だいじょうぶ!ひめっちには言ってあるから」
稔(…一方的に言っただけっしょ)
早紀「それともあたしといるのが嫌なの?」
稔「いやそうじゃなくて…」
早紀「あーあ、好きだって、一生大事にするって言ってくれたのに」
稔「う…」
早紀「ひどいよ稔くん、あれだけセックスしてくれたのに飽きたらゴミみたいに捨てちゃうんだね」
稔「いやその…」
早紀「あたし、あの時が初めてだったのに」
稔「…」
早紀「いいよ、帰っても。あたし稔くんを縛りたくないから。好きにしていいよ」
稔「ああもう!分かりましたよ!泊まりますよ!」
早紀「いいよ、そんなに嫌そうに言われてもあたしが辛いだけだもん」
稔「あの!俺は!先輩とずっと一緒にいたいんです!」
早紀「…うん!稔くんならそう言ってくれると思ってた!」
稔「はぁ…言っちまった」
早紀「あ、泊まるならYシャツ洗っちゃうから脱いで?」
稔「あ、はい」
早紀「それと…ついでにしちゃおっか?」

病める二人暮らしな先輩宅2

―学校のお昼休み
稔「はぁ」
伊万里「みーのーりん?」
稔「なんだいまりん」
伊万里「最近朝見ないね、どうしたの?」
稔「いや…まあちょっとな」
稔(そうか、俺が先輩と付き合ってんのも泊まってるのも、姉さん以外知らないんだったな)
伊万里「まあいっか。お昼ごはん一緒に食べよ?」
稔「ああ、いいぜ」
伊万里「あれ?今日はお弁当なんだ?みのりんいっつもめんどくさがって作らないのに」
稔「ん?あ、ああ今日は先ぱ……ね、姉さんが作ってくれたんだ…」
伊万里「ふうん、珍しいね。中身は?」
稔「えっと…」
パカッ
稔「でっかい!」
伊万里「海苔のハートマーク!」
稔「なんじゃこりゃあああ!?」
伊万里「み、みのりんこれは…?」
稔「あ…ね、姉さんも人が悪いよな、今日に限ってたまたま作ってきたと思ったら俺をからかってんのかなあはは…」
伊万里「そ、そうなんだ、へえ…」
稔(帰ったら説教だな!)

でも残さずいただきました。

病める二人暮らしな先輩宅3

ちゃぽん…
稔「あぁ…」
早紀「フンフンフフフン♪」
稔「…こんな風呂の中で…2つの柔らかいメロンがふわふわと浮かんでるなんて今でも信じられねえ…」
早紀「えー、なぁに?」
稔「あ、いや…先輩と風呂に入ってるなんて今でも信じられないって言ったんですよ」
早紀「そお?でもそれなら毎日が刺激的でしょ?」
稔「…体の一部が疲れてしょうがないっすよ」
早紀「じゃあマッサージしてあげるね」
稔「か、勘弁してください!」


早紀「らんらんららら♪」
稔「20日目、か」
早紀「なにが?」
稔「俺が家に帰らなくなってからですよ」
早紀「だーかーらー、ここはもう稔くんの家だよ?」
稔「そうっすけど…やっぱあの家の匂いとか、ベッドの感触とか、何もかもに慣れ過ぎてて。どう飾ってもあそことここは別物なんですよ」
早紀「…」
稔「朝に目が覚めると違和感があり過ぎるんですよ。天井の高さが違って、部屋の明るさが違って…姉さんがいなくて」
早紀「それで?」
稔「なんていうか、俺はまだこの環境に順応してないんだなって。はあ、いつ慣れるんだろうな…」
早紀「そっか、だから帰りたいんだね?」
稔「そうじゃないっすよ! だって俺は…」
早紀「なによ?」
稔「先輩を愛してるから。ずっと一緒にいたいから」
早紀「稔くん…」
稔「…確かにたまに帰りたいです。でもここにもいたいんです」
早紀「…」
稔「そ、そういうの分かりませんか?ほら、たまに家に帰りたいとか?」
早紀「思わないよ」
稔「え?」
早紀「だってあたしの家はここだけだから」
稔「あ…」
稔(そっか、先輩は…)
早紀「あたしにはそういうの分かんない。けど稔くんの気持ち、できるだけ分かってあげたいって思うの」
稔「…」
早紀「だから何度も言うけど家に帰りたかったらいつでも帰っていいんだよ?脅しとかじゃなくてさ」
稔「せ、先輩…」
早紀「その代わりあたしだって帰ってほしくないから思いっきり引き留めちゃうからね」
稔「…そっすか」
俺が実家に帰れる日は来るんだろうか。

病める二人暮らしな先輩宅4

ピンポーン
早紀「はーい?」
??「ひめ…だけど」
早紀「あ、ひめっち!?今開けるね!」
ガチャ
早紀「久しぶり!」
ひめ「うん」
早紀「さ、中に入ってよ!外は寒かったでしょ?」
ひめ「…」

早紀「お茶用意するね」
ひめ「べつにいい」
早紀「そう? それで、今日はどうしたの?」
ひめ「分かってるくせに…」
早紀「?」
ひめ「稔くん、最近おうちに帰ってきてない、ずっと」
早紀「あ、そうそう、稔くんはあたしの家に泊まって・・」
ひめ「そんなの知ってるよっ!!」
早紀「ど、どうしたの急に怒鳴って?」
ひめ「稔くん、おうちに帰りたがってる。でも早紀が帰らせてくれない!だから稔くんはずっと帰ってこれない!」
早紀「やだなひめっち。稔くんがそう言ってたの?」
ひめ「言って…ないけど」
早紀「あたしはちゃんと帰ってもいいって言ってるよ。稔くんに聞いてみたら?」
ひめ「…」
早紀「ていうかあたしと稔くんは恋人同士なんだよね。だから家に泊まってくのはぜんぜん普通のことだよ。まあ…ひめっちには分からないかもしれないけど」
ひめ「っ!! わ・・・分かるよ! でも高校生が何日も他人の家に泊まるなんて普通じゃない!」
早紀「他人じゃないよ、恋人同士だもの」
ひめ「そんなの…」
早紀「あ、そうだなー、そのうち赤ちゃんできちゃうかも。そしたら立派な家族かな? あはは!」
ひめ「…稔くんと早紀が…家族」
早紀「そしたらあたしひめお姉ちゃんって呼ばなきゃいけないのかなー?」
ひめ「ば…バカにしないでっ!」
早紀「だいたいさ、稔くんは単に好きな人と一緒に居たいだけなんだよ。だってそうじゃない?好きな人とは一秒でも長く居たいでしょ?違う?」
ひめ「…」
早紀「稔くんが家に帰っても好きな人はいないの。ここにしか稔くんの好きな人は居ないの。だから稔くんはここにいる。ここで暮らしてる」
ひめ「…」
早紀「あたしとしては稔くんの好きにさせてあげてる。だからね、ひめっちも自分勝手ばっかり言わないで稔くんの好きにさせてあげたら?」
ひめ「…」


ガチャ
早紀「お帰りなさい稔くん!今日は早かったね」
稔「あ、うん…」
早紀「どうしたの?」
稔「いや…お帰りなさいって言われるの、本当は変なんだけどすごく自然に感じちゃったから」
早紀「あは、良いことだよ」
稔「…そう、だね」

―晩御飯
稔「いっただきまーす」
早紀「めしあがれ?」
稔「もぐもぐ…相変わらずうまいなぁ、先輩のご飯は」
早紀「よかった喜んでくれて!家に居たらこんなの食べられないでしょ?」
稔「まあね」
早紀「そういえば今日家にひめっちが来たよ」
稔「ね、姉さんが!?いつ!?」
早紀「えと、お昼だったかなぁ?」
稔「そ、それで?」
早紀「うん、稔くんのこと心配してたけど、ちゃんとふたりで仲良くやってるって言ったら帰って行ったよ」
稔「…そうっすか」
早紀「ひめっちも心配なのは分かるけどそろそろ弟離れしないとね。姉弟いつまでも一緒にいるわけにはいかないんだから」
稔「…そうっすね」

―夜中
早紀「ん…あっ……」
稔「ハァ、ハァ」
早紀「っ……みの…くぅん、ゆっくり…」
稔「ごめん早紀、無理!」
早紀「あっ…んっ……っ!!」

稔「ぐぁ、腰いて…」
早紀「稔くん今日も凄かったね…」
稔「そりゃ先輩を目の前にしたら当たり前っすよ」
早紀「あは、そう言ってくれると嬉しいよ」
稔「先輩は?」
早紀「んー、良いんだけどあたしとしてはもっと激しくしてくれてもいいかなー、なんてね」
稔「そんな無茶な…」
早紀「ふふ、あのね、本当言うとね…」
ボソッ
早紀「今盗聴器仕掛けられてるんだ」
稔「!!」
早紀「たぶんひめっちだろーな、家に来たときに仕掛けたんだよ」
稔「な、なんで外さないんすか!!」
早紀「だって、あの子いろいろ疑ってたから。だからちゃんとあたし達が愛し合ってるんだ、って所を聞かせてあげたかったの」
稔「そ、そんなバカやってないで気付いてるなら外しましょうよ!」
早紀「だから明日は激しくしてね?」
稔「絶対無理!つうかやらない!」
早紀「ふふ、冗談だよ。明日は外しておくから」
稔「…」

病める二人暮らしな先輩宅5

ドクオ「稔ぅ、今日ゲーセン寄ってかね?」
稔「いや遠慮しておく」
ドクオ「じゃあモフバーガー行かね?」
稔「いや遠慮しておく」
ドクオ「俺のおごりでオッパブ行かね?」
稔「いや遠慮しておく」
ドクオ「お前付き合い悪いなー、最近」
稔「…悪いな」
ドクオ「家でなにしてんの?」
稔「洗脳されてる」
ドクオ「…それはお前を見ればなんとなく分かるけど」
稔「すまん、そういうわけだから」
ドクオ「まあ何かゲームにでもハマってるんだかわからんけど、テスト近いんだから自重しろよ」
稔「そこは超優秀な家庭教師がいるから大丈夫だ」
ドクオ「ああん?そうかよ。じゃあまた明日な」
稔「おう」

―先輩宅
稔「ただいま」
早紀「お帰りなさーい」
稔「ふう、今日も学校疲れたな…」
早紀「どうしたの?溜め息なんかついて。テスト近いんだし勉強しよ?」
稔「う、うん」
早紀「それでご飯食べて、終わったら……ね?」
稔「う、うん…」

病める二人暮らしな先輩宅6

ぱふんっ
稔「ふあ…布団がふっかふかで気持ちいいな…」
早紀「今日は晴れてたから干したんだよ?」
稔「さすが先輩…じゃあこの気持ちいいまま寝ましょうか」
早紀「あれ?今日は襲わないの?」
稔「そんな毎日無理やり襲ってるような言い方はやめてください」
早紀「…実家に帰りたがってるくせに布団に入ればいっつもおっぱい揉んでくるのはだーれ?」
稔「…」
早紀「そのまま下着の中に手を入れてくるのはだーれ?」
稔「…」
早紀「息ができないぐらいキスしてくれるのだーれ?」
稔「すんませんでした、僕がすべて悪かったです」
早紀「ん、分かればよろしい!」
稔「でも今日はほんと…体育で長距離走ってもうクタクタでする気が起きないです」
早紀「ふうん…よし、ならマッサージしてあげるか」
稔「え?い、いやほんと今日はそういう気分じゃないんで!!勘弁してください!!」
早紀「大丈夫だってば!ちゃんと普通のマッサージしてあげるだけだから!」

稔「ふおお、ふくらはぎキモチエエ…」
早紀「ここが疲れの取れるツボなんだって」
稔「うわ…それすげえ来る…」
早紀「んしょ、んしょっと」
稔「…いやあすまないねえ早紀さんや」
早紀「いえいえ」
稔「ふあ…極楽じゃい」
早紀「ふふ、なんかこうしてると本当に夫婦みたいだね」
稔「そうなのかな?」
早紀「…あーあ、結婚したいなー、このまま」
稔「そりゃ俺だってしたいっすよ、早紀先輩と」
早紀「あは、嬉しいなー、好きな人が同じこと考えてくれてるって。今すっごく幸せだよあたし?」
稔「…俺だって」
早紀「稔くんはこのまま普通に高校を卒業して、普通の大学行って、普通の企業に就職して…。そしてあたしと結婚するの」
稔「普通普通って…俺どんだけ期待されてないんすか」
早紀「だってあたしにとっては稔くんが稔くんでいてくれることが大事なだけで、他に何もいらない。ただ一緒にいてくれればいいから。それだけであたしには十分なんだ」
稔「なんかこのいたいけな少女のために頑張らなきゃいけない気がしてきた」

早紀「それでね、結婚したらあたしは主婦になって家で稔くんの帰りを待つの」
稔「じゃあ子供は何人欲しいっすか?」
早紀「子供は……んー、いらないかな」
稔「え、なんで?」
早紀「ずっと稔くんと二人でいたいから」
稔「あー」
稔(そういう考えの人っているんだな)
早紀「稔くんは子供ほしい?」
稔「まあ…先輩がそう言うならどっちでもいいかな。出来たら出来たで可愛がるだろうし」
早紀「あたしも出来ちゃったら産むだろうけどさ、でもやっぱり稔くんと二人きりがいいな」
稔「…」
早紀「それに稔くんがあたしより子供を好きになったらいやだし」
先輩は笑いながら言ったけど、目は本気だった。

まあ未来なんて分からないものだけどさ。
でも、この人がそう望むなら、そうであろう、と思った。
ずっと、好きでいよう。

病める二人暮らしな先輩宅7

―学校
稔「おし、今日も真面目に勉強するか!」
百合「藤宮くん、今日は元気ですね」
稔「ああ委員長、今日はすこぶる元気なんだよ!」
百合「よかった…元気になってくれて」
稔「なんで?俺そんなに元気無かった?」
百合「ええ。最近の藤宮くん、すごく疲れてるように見えたから」
稔「…そ、そう?そんなことないと思うけど?」
百合「言わなくても理由は大体分かります。藤宮くんも大変でしょうね」
稔「あはは、やっぱり分かっちゃうかー?うーん、バレちゃあしょうがないなあ、実はゲームやり過ぎて…」
百合「藤宮くん、首筋から毎日同じ女の人の匂いしてますよ」
稔「…え」
百合「服の匂いも違う、いつもと帰る方向も違う。それでなんとなく推測はつきました」
稔「ちょ、ま…」
百合「毎日頑張るのも結構ですけど、たまには休むことも必要ですよね」
稔「な、え?え?ほんとに分かるの!?」
百合「はい」
稔「…ま、マジで?誰にも言ってないのに!?」
百合「はい」
稔「…」
百合「安心してください。たぶん知ってる人なんてほとんどいませんし私は誰にも言うつもりはないです」
稔「…あ、ああ、ありがと」
稔(こえーよ、この人…)
稔「そ、そういえばさ、委員長は今ほとんど、って言ったじゃん?」
百合「はい、このことを知ってる人はほとんどいないと思います」
稔「ほかにも誰か知ってるってこと?」
百合「…はい、それも稔くんのごく近くにいる人です」
稔「ね、姉さんはもちろん知ってるよ?」
百合「そうでしょうね」
稔「じゃあ…伊万里?ドクオ?ジョルジュ?もしかして先生とか?」
百合「もし知っていたら目の色が変わってそうですね」
稔「ちょ、誰だよ!?分からねえよ!」
百合「まあ気にすることはないと思いますよ」
稔「そう言われてもさ…」
百合「もし彼女が先輩に危害を加わえようとしても……私が守りますから」
稔「かの……じょ?」
百合「藤宮くんは今の生活を続ければいんですよ」
稔「…あ、ああ」
彼女とは誰のことかは分からなかったし何が言いたいかも分からなかった。
が、とりあえず、この人は俺と先輩との関係を知っているようだ。

しっかし…なんで先輩だって分かったんだろ。

病める2人暮らしな先輩宅8

稔「くっ」
早紀「んっ!」
稔「…はあはあ」
早紀「はっ…はっ…」
稔「だ、大丈夫?」
早紀「ん…ちゅ」
稔「ん……大丈夫そうっすね」

毎日同じベッドで寝て、朝まで過ごす。
高校生ながらこんなただれた生活を送って結構経った。

早紀「すぅ…すぅ」
稔「…寝ちゃったか」
早紀「…く…ふう」
稔「はぁ……本当になにしてんだろうなぁ俺は…」
手を伸ばしてカーテンをちょっと開ける。
月明かりが先輩の顔を照らした。
稔「…この腕の中にいる寝顔も、ぜんぶ、なにもかも俺のものなんだな」

早紀「ん…」
稔「先輩…」
早紀「…むうぅ」
稔「うわ、俺の腕によだれ垂らしやがった!!」
早紀「んん…くふふ…」
稔「ったく、笑ってやがらあ」
早紀「すぅ…」
稔「はぁ…なんで俺なんか好きになっちゃったんだろうなあ、あんたは」
早紀「…」
稔「あのさ、明日金曜日だけど、俺一回実家に帰るよ」
稔「やっぱり良くないんだよ、ありえないんだよ、こんなの」
早紀「…」
稔「勉強も見てもらって、ご飯も食べさせてもらって、優しくしてくれて」
稔「良い生活送らせてもらってる。すごく嬉しいよ。このままずっとここにいたい。この心地よい生活を続けたい」
稔「なにより…先輩のことが好きだしさ」
早紀「ん…」

稔「でも…俺はまだ子どもなんだ。こんなの、許されないんだよ」
稔「だからさ、やっぱ元の生活に戻る。明日はここに戻ってこない。なに言われたって絶対に帰るから!」
早紀「…」
稔「…よし、決意表明完了!おやすみ、先輩!」
早紀「…」
稔「ふあーあ……」
早紀「…」
稔「すう…」
早紀「…」
早紀「…………うん」

病める二人暮らしな先輩宅9

―学校

ドクオ「おっす稔!今から帰りだよな?」
稔「ああ」
ドクオ「オラすっげえゲーセン行きたいぞ!」
稔「そっか、行ってくるといいぞ」
ドクオ「なんだよ、またお前なんかゲームにハマってんの?何歳だよ」
稔「違うって、今日は普通に帰りたいの。普通にな」
ドクオ「はぁ?今まで普通じゃないのかよ?」
稔「あ、いや…じゃあな!また明日!」
ドクオ「お、おい!」
ダッ

伊万里「あ、みのりん」
稔「おう伊万里、これから帰りか?」
伊万里「うん」
稔「じゃあ一緒に帰るか?」
伊万里「え! う、うん、いいけど…」
稔「けど…?」
伊万里「な、なんでもない、かえろっか!」

てくてく
伊万里「えへへ」
稔「なんだよニヤけて」
伊万里「そ、そんなことないよ?」
稔「ふうん…」
伊万里「そ、そういえばみのりんと帰るの久しぶりだね!」
稔「ああ、そうだな。最近早く家に帰ってたからな俺」
伊万里「なんで早く帰ってたの?」
稔「なんとなくな。帰りたかったんだ」
伊万里「そうなんだ、ほんとに?」
稔「ああ」
伊万里「…ねえみのりん、ちょっと聞いてもいい?」
稔「なんだ」
伊万里「最近ちゃんと家に帰ってた?」
稔「…え?」
伊万里「みのりんの部屋の電気、最近ずっとついてなかったから」

稔「え…あ…ああ、節電してたんだ、最近電気代がヤバくてさ…」
伊万里「それほんとなの?」
稔「ほ、ほんとほんと!」
伊万里「じーっ」
稔「は、ははは…!」
伊万里「そっか…そうだよね、別に隠すようなこともないだろうしさ」
稔「おう、その通りだ!」
伊万里「そういえば昨日みのりんってピザ食べたんだね。宅配の人が来てたよ」
稔「ああ、メシ作るのが面倒で呼んだんだよ」
伊万里「えー、ボクも食べたかったなー、呼んでよぉ!」
稔「まあ今度な、ははは!」
伊万里「いいなー…」
稔「はっはっは!」
伊万里「まあピザ屋さんなんて来てなかったけどね」
稔「は…」
伊万里「…」
稔「…」
伊万里「やっぱり家にいなかったんだ?」
稔「…」

伊万里「なんでウソついたの?」
稔「だってよぉ…」
伊万里「…」
稔「ハァ…まあ隠すことじゃねえしお前にだけは言うけどさ…」
伊万里「うん」
稔「俺、早紀先輩と付き合ってんだよ」
伊万里「!!」
稔「まあ言いにくいんだけどさ、それで勉強とか見てもらうために何日か泊まってたんだ」
伊万里「そう…なんだ」
稔「あんまり人に知られていいことじゃないんだから誰にも言うなよ?」
伊万里「…うん」
稔「まあ伊万里ならそんなこと言わなくても…」
伊万里「ねえみのりん、ボクちょっと寄るところがあるから先に行くね、じゃあね!」
稔「あ、おい!?」
稔「行っちまった…」

病める先輩宅10

―家

ひめ「…」
ひめ「あ…そろそろ稔くんが帰ってくる時間だ…」
ひめ「玄関で…待ってないと…」
ひめ「っ!」
ドタンッ!
ひめ「はぁはぁ、足が…足が動いてくれないよ稔くん…」
ひめ「っ……みのる…くん…」
ひめ「ぅ……っ」
ひめ「ごはん作ってよ……、お掃除してよ…、お洗濯してよ…」
ひめ「ひめと遊んでよぉ…」
ひめ「稔くん…一人で寝れないよ…一緒に寝ようよぉ…」
ひめ「…稔くん」
ひめ「あはは…ひめって……だめなお姉ちゃんだね……稔くんがいないと何もできないんだ…」
ひめ「…」
ひめ「帰ってきてよぉ…」

―玄関
稔「ふう…久しぶりに帰ってくるな…」
稔「姉さん怒ってるだろうなあ…」
稔「一応高級プリンなんか買ってきたけど…こんなんじゃ買収できねえよなさすがに…」
稔「…ええい、考えてもしかたねえ!後悔したら先輩に失礼だ!」
ガチャ
稔「ただいま!そしてごめん姉さん!」
ひめ「あはは…お帰り…みのるくん…」
稔「ね、姉さん!?」
ひめ「帰ってきてくれたんだ…」
稔「な、なんで倒れてんの!?」
ひめ「…足が動かないの」
稔「家もこんなに散らかって…」
稔「っ…!ねえ姉さん、風呂入ってた!?髪の毛もボサボサでなんか臭うよ!?」
ひめ「ごめんね…お姉ちゃん汚くて…」
稔「とりあえず部屋まで運ぶ!話はそれから!」
ひめ「ごめんね…」
稔「…」

―ひめの部屋
ひめ「…えへへ…稔くんだ…」
稔「ああ、俺だよ」
稔(こんなにやつれて…何も食べてなかったんだ)
稔「あ、あのさ、プリンあるんだけど食べる?」
ひめ「うん、食べる」
稔「はい、これ」
ひめ「…あーんして」
稔「はいはい…あーん」
ひめ「ん…」
稔「どう、おいしい?」
ひめ「うん…稔くんおいしい…」
稔「…」
稔(姉さん…なんで…)
ひめ「ねえ…もっとちょうだい」
稔「あ、ああ」

稔「まだなんか食べたい?」
ひめ「ううん、いい」
稔「そっか、他に何かしてほしいことある?」
ひめ「…」
稔「無ければ夕飯の買い物と、あと掃除したいんだけど」
ひめ「…おふろ」
稔「え?」
ひめ「ひめ、さっき臭いって言われたの…」
稔「あ、ああ」
ひめ「だから…おふろに入りたい」
稔「分かったけど俺は外で待ってるよ?」
ひめ「ひめね、今あんまり体動かないから…稔くんに洗ってほしい」
稔「いやでも」
ひめ「お願い稔くん…」
稔「…」

―風呂
稔「じゃあ…背中洗うよ」
ゴシゴシ…
稔「どう?」
ひめ「スポンジきもちいい」
稔「そっか…昔はよく洗いっこしたよね」
ひめ「ん」
稔「…」
ひめ「…」
稔(姉とはいえこりゃ目の毒だな…前なんか洗えねえよ)
稔「よし、腕上げて?腕、洗うから」
ひめ「ん…」
ゴシゴシ
稔「…」
稔「…細いね、腕」
ひめ「…早紀と比べて?」
稔「そっ、そうじゃなくて…」
ひめ「いいよ、早紀より胸もちっちゃいし背も低いもん」
稔「…そんなこと」
ひめ「…」
稔「…」

ひめ「ねえ、稔くんも服脱いで」
稔「な、なんでさ?」
ひめ「お姉ちゃん洗ってもらったから、稔くんにも洗ってあげたい」
稔「お、俺はいいよ、あとで入るから」
ひめ「お願い…稔くんを綺麗にしたい…」
稔「いやいいよ、俺は」
ひめ「稔くん!」
ガバッ!!
稔「ちょ、姉さん!いきなり、危ないよ!」
ひめ「首にキスマークついてる…」
稔「っ!」
ペロッ
稔(舐め…た?)
ひめ「早紀の匂いがする」
稔「…」

ひめ「ひくっ…やだよお…稔くんが、汚れたよぉ…」
稔「そんなこと言われても…」
ひめ「ひめの、みのるくんが汚れたよぉ……」
稔「…」
ひめ「っ・・・今ね、ひめが綺麗にしてあげるからね…」
稔「こんなことやめてよ、姉さん、俺…」
ひめ「やだよっ、だってひめは稔くんのことが好きなんだもんっ!!」
稔「…っ」

俺はずっと知っていた。
ずっと、この人が、俺を弟以上に想ってくれてるってことを。

ひめ「稔くんも…ひめのこと好きでしょ?」
稔「好きだけどそんなの」
ひめ「抱いてよ…」
稔「え?」
ひめ「早紀としてるみたいにセックスしてよ!!」
稔「だって俺たちは姉弟なんだよ…」
ひめ「好きなら関係ないもん!」
稔「…」
ひめ「好きな気持ち抑えたくないもん!」
ひめ「稔くん…」
稔「…」

ああそうか。
先輩の家に居て何かが足りなかった。
ベッドの中の先輩の柔らかさも温かさも好きだけど、何かが違ったんだ。
俺が欲しかったのは夜中にベッドにこっそり入ってくる、この人の温かさだ。
だからずっと帰りたかったんだ。
この人が待つ、この家に。

稔「ごめん、先輩!」
ひめ「あっ…ん…」

病める先輩宅11


チュンチュン…
稔「ん…朝か…」
??「すう…すう…」
稔「ん…先輩おはよ…」
??「んー…」
稔「へへへ、せんぱーい」
モミモミ
??「あ…ん…」
稔「あれ…なんか前よりおっぱいがしぼんで」
ひめ「…んー稔くぅん…」
稔「…」
稔「う、うわあああああああああああああああ!!!」


ひめ「おはよ…どうしたの稔くん?」
稔(そうだった俺は長年愛し愛され続けた実の姉弟という垣根を越えてついに禁断の関係になってしまったというかいや待てそもそもそれは法律上の問題であって好きなら関係ないと言われて納得した俺のその時の心情はまさに推し測ることのできない等身大の俺であって禁忌さえ侵す覚悟だったと言わざるを得ないがあれだけ好きだった俺の気持ちをどこへ昇華すべきかそんなことより先輩が俺のことをあんなにも愛してくれたその気持ちを置き去りにした俺は先輩に恨まれても仕方がないしこの先生きのこることが…)
ひめ「どうしたの稔くん?」
稔「…」
ひめ「稔くん?」
稔「…教会に行ってくる」
ひめ「教会?あ、もしかしてひめと稔くんの結婚式会場?」
稔「教会に行ってくる!!」
ひめ「ま、待ってひめもっ」
稔「来ないでええええええええ!!」

―教会
稔「ごめんなさい…ごめんなさい…」
神父「おお迷える子羊よ、今日はいかがなされたか?」
稔「懺悔がしたいんです神父さん!」
神父「ふむ、ならば聞くがその前に」
稔「は?」
神父「私は神父と呼ばれるのがとても嫌いだ。だからどうかダ・ディさん、と呼んでほしい」
稔「だ、ダ・ディさん?」
ダ・ディ「うん、よろしい」
稔「で、ダ・ディさん!」
ダ・ディ「はい」
稔「実は俺は美人で優しくて頼りがいのある学校の先輩と付き合っているんです!」
ダ・ディ「ふむ、それは自慢かな?」
稔「あ、いえ…それで『このまま卒業したら同じ大学に行こうね』とか『このまま結婚したいね、あはは!』とか『子供はどうする?ううん、ずっと二人がいいね!』とかいろいろ考えてたんです」
ダ・ディ「ピキ…」
稔「彼女になんの不満もないんです!そもそも俺なんかがあの人に不満を持ってはいけないんです!」
ダ・ディ「そ、そうか。なら言わせてもらうと実は私も…」
稔「ええ、言わなくても分かってます!!このまま彼女のことだけを考え続けていられればどれだけ楽だったか!」
ダ・ディ「いや、え?」

稔「そうなんです!俺は別の女の人を、いや、好きになってはいけない人を好きになってしまったんです!」
ダ・ディ「そ、そうか。まあ落ち着こう、少し私の話をするとだね…」
稔「その人は俺がいないとご飯も作れないし掃除もできないし1人ですら寝れなくて…ちょっと目を離したらすぐに弱ってしまう、そういう人なんです」
ダ・ディ「あの、これは私の昔の話なんだが…」
稔「その人は喧嘩してるのに夜になると布団に潜り込んで来て、抱きついて来て。朝になれば昨日の喧嘩なんて忘れていつものあの人に戻ってる…初めは気付かなかったけど、そういうコロコロっとしたところが可愛くて、だからいつのまにか好きになったんだと思います、はは」
ダ・ディ「あの…」
稔「それでも好きになってはいけないと思って、気持ちを抑えてたんです。でもその人に『好きな気持ちを抑えたくない』って言われたときにこう…俺の中の何かが弾けて…」
ダ・ディ「…」
稔「ああもう、なんで二人とも俺なんかを好きになっちまったんだよ!?ねえダ・ディさん、俺はどうしたらいいんですか!?」
ダ・ディ「…ねばいいと思うよ」
稔「え?」
ダ・ディ「帰れこのクソガキがああああああああああああ!!」
稔「ええええええええ!?」

病める先輩宅12

―先輩宅
早紀「はぁ・・・結局昨日は帰ってこなかったな、稔くん」
早紀「電話…しよっかな」
早紀「ううん、あたしはあの時引き留めることができたんだ。でも、帰らせた」
早紀「だから今さら帰ってきてほしい、なんて女々しいことしたくない」
早紀「あたしはそんな女じゃない」
早紀「…」
早紀「うん、稔くんの家はここなんだ。絶対、帰って来てくれるよ!」


―同時刻、公園のベンチ―
稔「ふう」
稔「…」
稔「俺はいったいどうしたらええねん…」
百合「あれ?藤宮くん?」
稔「委員長?どうしたの土曜日の昼下がりに1人で公園なんかに来て?」
百合「それはこっちのセリフでもありますよ」
稔「ま、そう言われればそうか」
百合「ふふ、隣座っていいですか?」
稔「ああ、好きにしなよ」
百合「では」
スッ
百合「それで、どうしたんですかこんなところで」
稔「別に、ちょっと感傷に浸りたい気分だっただけだよ」
百合「そうなんですか」
稔「委員長こそどうしたの?」
百合「え?いや別に単なる散歩です」

稔「ふうん…委員長って休みの日はポニーテールなんだね」
百合「あ…休日は三つ編みが面倒なので。やっぱり変ですか?」
稔「ううん、かわいいよ」
百合「か、かわいいなんてそんな……私そんなこと言われると…」
稔「あ、いやそのー……」
百合「ぽっ…」
稔「うーん…あ、あれ委員長?」
百合「は、はい!」
稔「手怪我してる。どうしたの?」
百合「え、あ、その、昨日はいつにもまして手強かったので…」
稔「て、手強かった?なにが?」
百合「あ、ご、ごめんなさい!なんでも無いんです!忘れてください!」
稔「?」
百合「それより!くんくん…藤宮くん、また女の人の匂いがしますよ、しかもこれは藤宮くんの…お姉さんの…」
稔「!! あ、こ、これは!!」
百合「はぁ。ついにですか」
稔「ついにって…」

百合「私は不潔な下衆野郎ぐらいにしか思いませんけど、そんな体たらくではいつか自分の身を滅ぼすことになりますよ」
稔「ごめんなさい…」
百合「あ、もしかしてそれでこんな場所で悩んでいたのですか?」
稔「まあそんなところっす。俺は家に帰るって決めたけど先輩を裏切っってしまった。だから姉さんと一緒にいることに罪悪感を感じて帰るに帰れなくて」
稔「俺はこれからどうすればいいんだろうって」
百合「なるほど、ね」
稔「はぁ、なんで二人とも俺なんか好きになっちまったんだろうなあ…」
百合「先輩には話したんですか?」
稔「いつか言わなきゃいけないけど…なんて言えばいいか…」
百合「今、携帯電話持ってますか?」
稔「家に置いてきたけど」
百合「あー…それなら言わなくてもたぶん今頃は知ってると思いますよ、それも最悪な形で」
稔「な、なんで?」
百合「お姉さんの行動パターンからすると…」

―同時刻、先輩宅

早紀「ああやっぱり電話しよっかな…」
早紀「ううん、あたしは黙って帰りを待つの!」
早紀「ああでも…」
早紀「あ、携帯が鳴ってる…稔くんからメールだ!」
早紀「あれ…写メが添付されてる?」
早紀「な、なにこの写真……ひめっちと稔くんが裸で抱き合ってる!?」
早紀「どういうこと…?」


百合「…と予測されます」
稔「写真なんていつ撮ったの!?」
百合「藤宮君が寝てる間にでも」
稔「…」
百合「で、そのあと―」


―同時刻、先輩宅
ティーティリリリー♪
早紀「稔くんからの着信だ…!」
ピッ
早紀「もしもし稔くん!?」
ひめ『やっぽー早紀、写真見てくれた?』
早紀「ひめっち!?」
ひめ『ふふ、ひめと稔くんはそういうことだから、どれだけ待ってももう稔くんはそっちに帰らないと思うよ』
早紀「なんで!?ありえないよ、姉弟でしょ!?」
ひめ『ひめと稔くんの愛はそれを乗り越えたんだよ』
早紀「そんなの…」
ひめ『写真、見たよね』
早紀「…」
ひめ『いくらひめが盗聴器を仕掛けたとはいえ、あの夜から…早紀のあえぎ声聞かされた時から屈辱で一睡もできなかった』
ひめ『ううん、なによりも稔くんが帰ってきてくれないのが苦痛だった。今の早紀になら分かるでしょ?』
早紀「…ひめっち」

ひめ『早紀には一応感謝してるんだー。あのままだったら単なる姉弟だけを続けてたけど、こうして結ばれることができたのも早紀のおかげなんだから!』
早紀「…」
ひめ『あのね、稔くんが奥を突いてくるたびにね、ズン、ズンって脳が響くの』
ひめ『キスをすると息が止まるの。でもそれが気持ちよくって』
ひめ『ああ、これが稔くんなんだ…早紀はこんないい思いをしながら稔くんを独占してたんだ、って思った』
早紀「…」
ひめ『辛い?苦しい?当たり前だよっ!早紀はひめから稔くんを奪ったんだから!』
早紀「あたしは奪ってなんかない!!」
ひめ『ひめが稔くんのこと好きだって知ってたでしょ!ずーっと前から!それでもそんなこと言うの?』
早紀「…」
ひめ『あー、そろそろ稔くんが帰ってくるかもしれないから切るね?』
ひめ『帰ってきたら稔くんにたくさん可愛がってもらおーっと』
早紀「ひめっち!!」
ツー、ツー
早紀「稔くん……」
早紀「稔くん…稔くん…」
早紀「やだよぉ…」

稔「そんなばかな…」
百合「まあ推測ですけど限りなく近いことは起こっていると思いますよ」
稔「そんな…」
百合「それで、今日はどうするつもりなんですか?」
稔「分からないけど…とりあえず俺がいない間に姉さんが体調悪くしてたらしいから。姉さん優先で行動せざるをえない…」
百合「それが治ったら?」
稔「分からない。もしかしたらこれを知った先輩に見放されてるかもしれないし」
稔「そ、そうだ、俺が先輩を好きでも先輩に見捨てたらどうしようもないじゃないか」
稔「そしたら俺は姉さんと…」
百合「情けないですね、自分じゃ何も決められないんですか」
稔「ちがっ…」
百合「違わないです。そうやって選べないからこういう状況になったんじゃないですか」
稔「しょうがねえだろ!!俺は二人とも好きなんだから!!」
百合「…」

稔「俺は二人とも好きなのに二人とも好きだって言ってくれた…だから二人を失いたくない、でも選ばなきゃいけないんだ!あんたに分かるかよこの気持ちが!?」
百合「稔くん…」
稔「もしほんのちょっとでも、どっちかを好きな気持ちが上回ってればきっと…」
稔「いや、わがまま言ってるのは分かってるよ…でも俺には選べないんだ」
稔「…」
百合「…ごめんなさい、藤宮くんの気持ちが分からない私は何も言えないですね…」
稔「いや…」
百合「でも、1つだけ言わせてもらうと」
稔「うん」
百合「もう、違う人を好きにならないでくださいね」



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