春
…シャリ
薄く雪の積もった校庭に俺の靴音だけがいやに響く。
思えば高校時代、いろいろ大変な目にあったものだ。
俺はほとんど散ってしまった桜の木の下で目を閉じた。
薄く雪の積もった校庭に俺の靴音だけがいやに響く。
思えば高校時代、いろいろ大変な目にあったものだ。
俺はほとんど散ってしまった桜の木の下で目を閉じた。
「人間努力すればなんでもできるんですよ。」
委員長は笑いながらそう言った。
委員長は笑いながらそう言った。
「おっけーおっけー。 あたしに任せておきなさいッ!」
人のよいうさぎ娘はそう言いながら仕事を引き受けた。
人のよいうさぎ娘はそう言いながら仕事を引き受けた。
「んー? 手伝ってあげようか?」
ふくよかな先輩は断るということを知らなかった。
ふくよかな先輩は断るということを知らなかった。
「こらぁ、稔君! 姉さんじゃなくて、お姉ちゃんでしょ?」
わがままな姉にそう言われよく困ったっけか。
わがままな姉にそう言われよく困ったっけか。
…ふー
ひとつ軽いため息をつきながら目を開けた。
卒業式後の静寂のなか、校門に一人の人影が立っていた。
ひとつ軽いため息をつきながら目を開けた。
卒業式後の静寂のなか、校門に一人の人影が立っていた。
「おう分かった、今行く。」
そう俺は人影に語りかけ、校門に向かって走り出した。
~END~