ヒロインがヤンデレのギャルゲみんなで作ろうぜ!

みずきSS05

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みずき視点SS

 ある日の夜、百合は近道を通り最寄り駅へ向かっていた。その道は暗く、雲の切れ目からのぞく月が足元を照らした。
 足元を気にしつつうつむきながら歩く百合を後方からうかがう影があった。
「あのメガネ… よくもあたしのみのるを…」
 思っている言葉が出てしまった。だけどそんなことは関係ない。この時間に人通りが無いのは知っている。大丈夫…
 あたしは百合より大きく歩幅をとって、歩くリズムをそろえながら距離を縮めていった。
 差は徐々に縮まり、後もう少しと言うところまで来たところであたしは後頭部に衝撃を受けた。
 視界が揺れて、頭の中でぐわんぐわんと音がなっていた。そのままあたしは倒れた。
 雲間にのぞく月が見えたのが意識を失う直前の記憶だった。

 気がつくとあたしは薄暗い部屋にいた。手足を動かそうにも動かせないため縛られているのは分かった。
 もぞもぞと動いて部屋を探索する。床や壁はコンクリート製で広さは10畳ほど、出入り口らしき場所が一箇所だけ…
 あたしは出入り口が開くのを待つことにした。
 しばらくするとドアが開いた。誰かが入ってきたと思い大急ぎで出入り口まで這っていく。
「ぐえっ!」
 あたしの上に何かがのしかかった。
「クソッ! 邪魔よ!」
 じたばたとしてのしかかってきたものを振り払ったときにはドアは閉まっていた。あたしは悔しさをかみ締めた。
 そしてのしかかってきたのが何かを確かめるため、それに色々触れてみた。……それは裸の女だった。
 意識はほとんど無く、はぁはぁと息を乱していた。足のつけてのあたりを触ってみる。やはり濡れていた。
「何でこんな変態女と一緒にいるのよ…」
 イライラしてつい不満を漏らす。歯ぎしりしながら無駄に時間が過ぎていった…
「うぅ…」
 変態女がうめき声を上げた。
「あんた誰?」
 少し攻撃的に女の名前を聞く。
「………ょ……き」
 それは小さな声であったが聞き取ることが出来た。
「え? 早紀先輩!? 何でこんなところに!?」
「わからない… 学校から帰っていると車に連れ込まれたの、気がついたら暗い部屋で何度も何度も犯されの…」
『ひどい…』と言いそうになるが、何故か早紀先輩の方からは辛いと言う感情が見えなかった。
「でもね、だんだん気持ち良くなっちゃってどうでも良くなったの♥」
 薄暗いため表情をしっかりと表情を見ることは出来ない。しかし、快楽を思い出して笑う早紀先輩が見えた。
 あたしが引きながら早紀先輩の受けた恥辱の数々を聞いていると、またドアが開いた。
「今度は誰?」
 人がいるであろう方向に向かって声をかけるが返事は無い。
 近くにいる先輩にどんな人か調べてと声をかけてみるが、 先輩は擦り切れたレコードのように何度も何度も自身の体験を語っていた。
 精神が壊れてしまったようだった。
 仕方なく自分で調べてみると、それは虚ろな目をしたひめさんだったが、既に人の形をした冷たい置物になっていた。
「いやああああああああぁぁぁぁぁぁああああああああ!!!」
 もうあたしは冷静にいられることは無かった。見慣れた人の死体が転がっていることでパニックに陥って叫び暴れた。

 どの位叫んだだろう。のどが痛いしお腹もすいていた。早紀先輩は笑いながら虚空を見ていた。どうかしている…
 ごろんと横になり、ふと誰があたしを倒したのだろうと気になった。
 怪しいのはこの場にいないあのメガネだが、そいつを襲おうとして殴られたのだから絶対にありえない。
 ここにいる二人… いや、正しくは一人と一体も怪しいけどあたしを襲う理由が無いし、第一やりかたがらしくない。
 悩みに悩み続けているとあたしは一番怪しいやつが思い浮かんだ。
「白水凜々…」
 あいつは学校の中で有名なレズ娘。今のお気に入りが百合だってのは見ていてすぐに分かる。
「あたしがメガネを襲うことを見ていてそれを助けるためにこんなことをしたのよ!」
 あいつなら資金は一杯あるだろうからこんな倉庫みたいな場所の一つや二つ持っていても不思議じゃない。
「でも…、それじゃあ何であたし以外に二人ここにいるの?」
 そうだ。メガネに危害を加えようものならどうなるか分からない。だけど二人はメガネに危害を加えるはずが無い…
 頭の中が混乱してきた。あたしが襲われた理由なら筋が通るけど、二人がいる理由がまったく無い。
 思考が堂々巡りになり、飢えも耐えがたくなってきた頃に扉が開いた。今度は三人の人影だった。
 そのうち二人は倒れこみながら部屋に入った。残りの一人は自らの足で入ってきたが、扉は閉まることは無かった。
 しかし、すでにあたしに逃げ出すと言う体力も気力も残っていなかった。
 目を凝らしよく見ると倒れこんだ二人は全裸のメガネと凜々だった。
 一気に目が覚めた。さっきまで疑っていた人物がそこに倒れ、起き上がったかと思うと熱烈なキスを交わしたのだ。
 そしてそんな二人を見下ろしながら立っている人物を見るが暗くてよく見えない。
 『カチッ』見下ろす人物はケータイを開いた。メインディスプレイの明かりでその顔がしっかりと分かった。
「伊万里ちゃん!」
  思わず名前を呼んだ。伊万里ちゃんはあたしの顔をにらみつけた。でも本当に理由が分からない。何故?
「不思議そうにしているね。みずきちゃん」
 あたしは無言で頭を上下に振った。すると伊万里ちゃんはあたしのお腹を踏みつけながら言った。
「貴女たちがね… とっても憎いの。ボクはみのりんの事とっても好きなのに絶対にくっつけないの」
「何言ってるの伊万里ちゃん! 伊万里ちゃんだってがんb」
「うるさい!!!」
 あたしの言葉は伊万里ちゃんの言葉にかき消されてしまった。
「どんなにがんばってもボクはサブヒロインだから無理だよ!」
 サブヒロイン…? 伊万里ちゃんまでおかしくなってしまったと言う絶望にあたしは打ちひしがれた。
「そう… どんなにがんばってもね… うふ… あは… あはは… あははははは!!!!」
 笑いながら何度も伊万里ちゃんはあたしの体を踏みつけた。骨がきしみ、嫌な音を立てて砕けた。
 意識があるようで無い。感覚が研ぎ澄まされてきて耳で音を聞くだけで何となくイメージが出来た。
 今、伊万里ちゃんは早紀先輩を何かで傷つけているようだが恐怖の叫びより歓喜の叫びを上げていた。
 そしてあたしの意識は遠くなり、耳元でビンが割れる音がしたかと思うと灯油のにおいが立ちこめ、火の手が上がった。
 熱いとは思わなかった。何も見えなくなった。何も感じなくなった。ただただ眠い… それだけ…


 ~Fin~


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