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ぼくの理由

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匿名ユーザー

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「ぼくの理由」


伊万里:ねえ見て見てみのりん、この写真!
稔  :ああ?なんだこの生意気そうなガキどもは。特に右側のガキ
伊万里:それみのりんだよ
稔  :ああん?……ああ!もしかしてこれ小学校入る前の写真か!?
伊万里:そう!今日机の引き出しを整理してたら見つかったんだ!
稔  :へえ、この二人並んでるのが俺と・・・隣が伊万里か。
伊万里:懐かしいよね!
稔  :ああ。にしてもちっちゃいなー、
伊万里:このころみのりんはボクよりも背が小さかったんだよね
稔  :生意気にもお前デカかったよな
伊万里:人の成長にケチつけないでよ・・・・・・
稔  :そのくせお前よくいじめられてたよな。
稔  :(……ああ、そのころからいじられてたのか)
伊万里:うん、そんなボクをみのりんがよく助けてくれたんだよね
稔  :…そうだったかなあ。
伊万里:例えばねえ…

・・・。

伊万里:ねえ返してよぉ!
生徒 :やーだよー!
伊万里:いまりのカバン返してよぉ!
生徒 :なんだお前、じぶんのこと名前で呼んでんのかよ、へんなやつ!
伊万里:ひくっ・・・うう…いまりのカバン…
生徒 :な、泣くなよ…俺が悪いみたいだろ…
稔  :おいお前、伊万里ちゃんを泣かすな!
伊万里:みのるくん!
生徒 :な、なんだよてめー、女の味方すんのかよ
稔  :男の子は女の子を守るんだ!
生徒 :はあ?
稔  :って姉ちゃんが言ってた。
生徒 :なんかごちゃごちゃうるせーやつだな!
ゴツッ
稔  :いてっ! このおっ…!

・・・。

稔  :いててて…
伊万里:ありがとみのるくん、カバン取り返してくれて
稔  :うん、伊万里ちゃんはだいじょぶ?
伊万里:うん
稔  :なにかあったらいつでも呼んでね!
伊万里:うん!稔くん優しいね!
稔  :へへへ
伊万里:…あとね、みのるくん
稔  :なに?
伊万里:いまりがね、じぶんのこといまりって言うのヘンかなあ
稔  :え?ヘンじゃないよ
伊万里:でもね、さっきね、じぶんのこといまり、って言ったらヘンだって言われたんだよ
稔  :ふうん
伊万里:また言われるのかなあ。やだなあ
稔  :…じゃあさ、伊万里ちゃんもぼくとおんなじ「ぼく」って言えばいいんだよ!
伊万里:え?
稔  :ぼくもぼくって言ってるんだからぜんぜんヘンじゃないよ!
伊万里:で、でもはずかしいよ…
稔  :ねえ言ってみて!
伊万里:ぼ・・・ぼく?
稔  :わあ、すごく似合ってるよ!
伊万里:そうかな?
稔  :そうだよ!
伊万里:ぼく…ぼく伊万里だよ!
稔  :あはは!

・・・。

稔  :うーん
伊万里:あはは、懐かしいなあ…
稔  :覚えてねえなー、そんなことあったっけ?
伊万里:ずっと前のことだし忘れちゃうかもね
稔  :お前が俺の家に泊まりに来てウ○コ漏らしたことなら覚えて…ほぶあっ!!
伊万里:キャー!!してないから!それ勘違いだから!!!
稔  :あれ?そうだったっけなあ…
伊万里:もう、みのりんって子供のころのことほとんど覚えてないよねー
稔  :まあ、覚えてないっつうよりも…
伊万里:なーに?
稔  :俺子供のころの記憶ってあんまりないからさ。もともと俺ってものがなくて、いきなり俺がこの世に現われたー!って感じがするんだよ
伊万里:あ、それちょっとだけ分かるかも…
稔  :だからさ、そういう話聞くたびに何て言うの?どこかでなくした俺のピースが埋まっていくみたいで結構嬉しいんだよ
伊万里:みのりん…
稔  :これからもそういう話あったら聞かせてくれよな?お前しか知らない俺をさ
伊万里:うん!



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