「伊万里14」の編集履歴(バックアップ)一覧はこちら

伊万里14」(2008/09/27 (土) 15:58:56) の最新版変更点

追加された行は緑色になります。

削除された行は赤色になります。

< 【[[back>伊万里13]]】 // 【[[next>]]】 > *注意 >性的表現を連想させたり、性的表現そのものが含まれる作品です >これらに苦手意識や嫌悪感を抱く方が見るのはお勧めしませんが、文章なので18禁ではありません 「ひぁ……みの、りんっ……!」  仄暗い部屋の中、噛み殺しきれなかった嬌声が響く。  ぬいぐるみに囲まれた部屋の中央、小さなベッドに身を横たえながら、小金沢伊万里は大きく息をついた。  この場に彼女を知っているものがいれば、目を疑っただろう。 『そういう系』の話題には拒絶反応を示す彼女が、まさかこのような行為に及んでいようとは。  しかし、今の彼女はいつもの彼女ではない。その頭にあるのは、愛しい愛しい想い人のことだけ。  一緒の登校は彼の姉に妨害され、  休み時間には既に親友が談笑していて、  昼は彼が上級生を手伝っていて、  帰りは一緒に帰ろうとすれば、彼は忘れ物をして引き返し、そのまま教室で学級委員長と……。 「んぅぅぅっ!」  彼だけのために今まで秘めてきた部分を、強くつねりあげる。  きゅうっと体に力が入り、顔をうずめていた枕が湿り気を帯びていく。  せつなかった。  熱っぽい喘ぎ声は、嗚咽でもあった。それに重なるように、くちゅくちゅと卑猥な水音が混じり始めた。  とろとろと見えざる炎が神経を炙る。内に育っていく悦楽の芽。  しかし伊万里はその性格ゆえに、少なからず罪悪感を抱かずにはいられなかった。 「んくっ……ボクっ、てば、こんな……に」  粘液をまとった指を、胸に抱いたテディベアに見せつける。  何年も何年も想いをぶつけてきた、彼女にとっては思い出の品。幼い頃に他ならない彼から貰ったプレゼントなのだ。 「あ、んっ……ボク、の……」  自分は想い人に痴態を晒している――そんな異常な妄想がふと脳裏を掠める。  同時に押し寄せてきた快楽の波が、躊躇わせていた罪悪感を押し流していく。  怯えたように動いていた指は、いまやかつてない激しさで上へ下へ往復し始めた。下着などとうに穿いていない。  直接触れると、その刺激はまた格別だった。 「ひぃあぁぁぁ……い、いっ!?」  もうどうでもよい。この、張り裂けそうな胸の苦しみと、やり場のないもどかしさ。  それを忘れさせてくれるならば、魔の悦楽であってもかまわない。  それに―― 「みのりん……っ!」  小さな窓に向かって呟く。普段は閉め切っているカーテンは、今日このときに限っては全開だった。  彼女と彼の家は隣同士である。その気になれば、相手の部屋を覗くくらい造作もない。  色気のない下着のみを身に着けた、半裸の肢体。  あられもない姿を見られるかもしれない――だが、それをどこかで期待している自分がいることに、伊万里は気づき始めていた。  幼馴染という名の殻を打ち破りたかった。恋人になりたかった。  いつも考え、いつもできない。失敗したら――そればかりが考えを占めてしまうのだ。  そして、その可能性は低くない。彼の周りには魅力的な女性がたくさんいるのだから……。  異性への興味でもかまわない、せめて彼を惹きつけられれば。  今まで彼の幼馴染をやってきて、性別の違いを考えさせられたことがなかったとは言わない。  自分の貧相な肢体にコンプレックスを抱いていることも認めよう。  それでも、これほどまでに『女』を意識したことはなかった。 「ひぁう……くんっ!」  募る苛立ちに胸を握りつぶす。強すぎる刺激に痛みさえ感じた。  薄い薄い胸。掴むと言うのもおこがましい、慎ましやかな隆起。女性的な柔らかさはなく、芯でも入っているかのように固い。  ――みのりんは……。  こんな貧相な肢体でも振り向いてくれるのだろうか?  いや、考えてみれば、彼も男なのだ。人並みに性欲はあるだろうし、ならば女性に求めるのは……。  ――イヤ、イヤ、だよぅ……。  そんなことは認めたくなかった。  指が乱暴に陰核を押し潰す。 「ひきぁっ!?」  ――助けて、みのりん……。  痛々しいほどに歪む蕾。遅れて悦楽の波が背筋を駆け上った。  彼の名を叫びながら、テディベアを強く強く逃がさないように抱きしめる。  ――ボクってば、みのりんを……。  悩みも苦しみもない。すべて消える。視界は真っ白になる。そして二人っきり。目の前には彼が……。  ――アイ、シテ……。 < 【[[back>伊万里13]]】 // 【[[next>]]】 >
< 【[[back>伊万里13]]】 【[[next>伊万里15]]】 > *注意 >性的表現を連想させたり、性的表現そのものが含まれる作品です >これらに苦手意識や嫌悪感を抱く方が見るのはお勧めしませんが、文章なので18禁ではありません 「ひぁ……みの、りんっ……!」  仄暗い部屋の中、噛み殺しきれなかった嬌声が響く。  ぬいぐるみに囲まれた部屋の中央、小さなベッドに身を横たえながら、小金沢伊万里は大きく息をついた。  この場に彼女を知っているものがいれば、目を疑っただろう。 『そういう系』の話題には拒絶反応を示す彼女が、まさかこのような行為に及んでいようとは。  しかし、今の彼女はいつもの彼女ではない。その頭にあるのは、愛しい愛しい想い人のことだけ。  一緒の登校は彼の姉に妨害され、  休み時間には既に親友が談笑していて、  昼は彼が上級生を手伝っていて、  帰りは一緒に帰ろうとすれば、彼は忘れ物をして引き返し、そのまま教室で学級委員長と……。 「んぅぅぅっ!」  彼だけのために今まで秘めてきた部分を、強くつねりあげる。  きゅうっと体に力が入り、顔をうずめていた枕が湿り気を帯びていく。  せつなかった。  熱っぽい喘ぎ声は、嗚咽でもあった。それに重なるように、くちゅくちゅと卑猥な水音が混じり始めた。  とろとろと見えざる炎が神経を炙る。内に育っていく悦楽の芽。  しかし伊万里はその性格ゆえに、少なからず罪悪感を抱かずにはいられなかった。 「んくっ……ボクっ、てば、こんな……に」  粘液をまとった指を、胸に抱いたテディベアに見せつける。  何年も何年も想いをぶつけてきた、彼女にとっては思い出の品。幼い頃に他ならない彼から貰ったプレゼントなのだ。 「あ、んっ……ボク、の……」  自分は想い人に痴態を晒している――そんな異常な妄想がふと脳裏を掠める。  同時に押し寄せてきた快楽の波が、躊躇わせていた罪悪感を押し流していく。  怯えたように動いていた指は、いまやかつてない激しさで上へ下へ往復し始めた。下着などとうに穿いていない。  直接触れると、その刺激はまた格別だった。 「ひぃあぁぁぁ……い、いっ!?」  もうどうでもよい。この、張り裂けそうな胸の苦しみと、やり場のないもどかしさ。  それを忘れさせてくれるならば、魔の悦楽であってもかまわない。  それに―― 「みのりん……っ!」  小さな窓に向かって呟く。普段は閉め切っているカーテンは、今日このときに限っては全開だった。  彼女と彼の家は隣同士である。その気になれば、相手の部屋を覗くくらい造作もない。  色気のない下着のみを身に着けた、半裸の肢体。  あられもない姿を見られるかもしれない――だが、それをどこかで期待している自分がいることに、伊万里は気づき始めていた。  幼馴染という名の殻を打ち破りたかった。恋人になりたかった。  いつも考え、いつもできない。失敗したら――そればかりが考えを占めてしまうのだ。  そして、その可能性は低くない。彼の周りには魅力的な女性がたくさんいるのだから……。  異性への興味でもかまわない、せめて彼を惹きつけられれば。  今まで彼の幼馴染をやってきて、性別の違いを考えさせられたことがなかったとは言わない。  自分の貧相な肢体にコンプレックスを抱いていることも認めよう。  それでも、これほどまでに『女』を意識したことはなかった。 「ひぁう……くんっ!」  募る苛立ちに胸を握りつぶす。強すぎる刺激に痛みさえ感じた。  薄い薄い胸。掴むと言うのもおこがましい、慎ましやかな隆起。女性的な柔らかさはなく、芯でも入っているかのように固い。  ――みのりんは……。  こんな貧相な肢体でも振り向いてくれるのだろうか?  いや、考えてみれば、彼も男なのだ。人並みに性欲はあるだろうし、ならば女性に求めるのは……。  ――イヤ、イヤ、だよぅ……。  そんなことは認めたくなかった。  指が乱暴に陰核を押し潰す。 「ひきぁっ!?」  ――助けて、みのりん……。  痛々しいほどに歪む蕾。遅れて悦楽の波が背筋を駆け上った。  彼の名を叫びながら、テディベアを強く強く逃がさないように抱きしめる。  ――ボクってば、みのりんを……。  悩みも苦しみもない。すべて消える。視界は真っ白になる。そして二人っきり。目の前には彼が……。  ――アイ、シテ……。 < 【[[back>伊万里13]]】 【[[next>伊万里15]]】 >

表示オプション

横に並べて表示:
変化行の前後のみ表示:
目安箱バナー