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「―だから、類友なんだって」  僅かな安らぎを得られる短い昼休みも、いつも通り腐れ縁に潰されることになった。 「おまえが変な奴に好かれやすいのは、おまえも変な奴と同類だからだよ」 「意味がわからんって。俺のどこが変なんだ」 「全部」 「・・・すっぱり言いやがりますね椿さん」 「だってそうだろう?自殺者止めるのに見本で自分の首切ってみたり」 「急所外せば痛いだけで済むからな。ああいうゆとりには荒療治が必要だ」 「逝っちゃってるストーカーを普通に家に入れちゃったり」 「下手にビビッてアフォな反応するから向こうも興奮するんだよ」 「・・・おまえって凄いな」 「君ほどではないよ椿くん」  最後に残ったパンの欠片を口に投げ込み、コーラで流し込む。 「ふむ」 「?」  なにやら椿がじーっと俺を見つめている。 「惚れたか?」 「うーん。確かに髪型さえちゃんとすればそれなりの顔にはなりそうだな」 「それは俺の髪型がキモいってことですか?」 「うむ」  失礼なことをさりげなく言うな。 「それに加えてその性格なら・・・まぁ、暴れ馬には好かれそうだな」 「・・・褒められてるのか?」 「いや貶してる」 「・・・・・・・・・」 「どっちにもつかず、フラフラしてる感じの癖に・・・いつの間にか、やるべきことはやってる」 「・・・そうか?」 「あぁ、大仕事すら誰にも気付かれないように終わらせてる、みたいな」 「気付かれないようにやってるなら、なんでおまえが知ってる」 「私はなんでもお見通しさ。おまえのことは何でも知ってる・・・何でも、ね」 「・・・今、物凄く怖いこと言ったって自覚ある?」 「あるよ。でも、おまえはそんな私と普通に付き合ってくれる」 「いや、それこそ普通だろ。おまえは昔っからそうなんだから」 「・・・フフ。だからこそ、おまえも普通じゃないんだ。私と同じでネジが何本か外れてる」 「・・・意味がわからん」 「私の普通は、"異常"だ。だが、"異常"が永く続けば"普通"になる」 「うん、それはわかる」 「おまえは、私という”異常”に永く付き合いすぎた」 「うん」 「その結果、おまえの”普通”は”異常なモノも普通”になった」 「・・・よくわからん」 「おまえは完全に異常ってわけじゃない。ただ、異常も普通に扱ってるんだ」 「ん・・・それはわかるような」 「それは、凄いことなんだよ。おまえの中では同級生と異常殺人者ですら対等なんだ」 「・・・また極端な」 「そうか?おまえ、自分を殺しに来たストーカーだって"あるある"で済ませたろ?」 「アフリカではよくあることです」 「それが異常なんだ。おまえは全てを特別視してない。なにもかも"普通"で済ませてるんだ」 「・・・俺にだって特別なことはあるよ」 「ほう?」 「・・・例えば好きな子ができたとか」 「ありえんな」 「んな!?」 「特別扱いできない奴が、恋愛なんてできるわけなかろう」  そう。  特別なのは、ワタシだけ。  他に特別は、イラナイ。
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