「ぼくの夏休み」(2008/09/27 (土) 17:04:33) の最新版変更点
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**「ボクの夏休み」
ミーンミンミンミー・・・
伊万里「うぐぐ・・・」
稔 「おい早くしねえと氷溶けるぞー」
伊万里「だってこのかき氷の機械回んないんだもん!」
稔 「んだよ、貸してみろよ」
稔 「まったく、近頃のガキは………ぬ?……ぬぐぐぐおおお…」
伊万里「じーっ」
稔 「ハァハァ…」
伊万里「まったく近頃のガキはぁ?」
稔 「ちっ…このぉ…!!」
ガリガリガリ!!
伊万里「おー、すごーい!
稔 「だろ?もっと褒め称えろよ」
伊万里「うん!みのりんすごいよー!」
ボク小金沢伊万里と幼なじみの“みのりん”こと藤宮稔。ふたりは高校1年生。
なんでもないボクらだけど、ちょっとだけ特別な夏が始まる―
―小金沢邸-
チリンチリーン…
なんて風流な音色を響かせる風鈴。
最近親が縁側に飾ったらしい。
伊万里「かき氷おいしいね」
稔 「あー」
伊万里「夏休み始まっちゃったね」
稔 「んー」
昨日が終業式で、今日が夏休みの初日。
と言っても別にすることもないので家でぼけーっとしてたらそれは隣の家の幼なじみ・みのりんも同じだったらしく、昼前に適当にボクの家に遊びに来た。
伊万里「みのりんの夏休みの予定は?」
稔 「まず一週間で宿題を終わらせて、きらめく海と戯れたり、緑に囲まれた山でキャンプしたり旅行に行ったりして遊びまくる!」
伊万里「あ、海! 海行きたい!」
浜辺でみのりんとビーチバレー!
汗かいたら泳いだり水かけっこして、疲れたらビーチパラソルの下で休んで
ボクが作ったお弁当食べて「伊万里って料理上手だな」なんて、言ったみのりんが照れちゃって!
最後に海の向こうに沈む夕日を二人で眺めて…
伊万里「でへへ…」
稔 「んでシメは夏祭でドーンと花火を見て終わりかな!」
伊万里「あ…いいなー…」
屋台を回って、金魚すくいに射的にはしゃぐ彼、ちょっとだけヤンチャだけどみのりんのカッコいいところを見て胸がきゅんきゅん!
そんで一通りお祭りを回ったら河川敷で寄り添って一休み。
いつもは会話の絶えないボクたちもなぜかこのときだけはもじもじして。
そんなときタイミングよく花火が上がったけど彼の目線はなぜかボク。
「浴衣、似合ってるな」なんて、ちょっとぉ、言うの遅いよぉ…なんてことも、このあとのき…き、キスで…
伊万里「…いい!すごくいい!!」
稔 「ハッハッハ!そうだろうそうだろう!」
伊万里「で、それぜんぶ実現する可能性は?」
稔 「…10%ぐらい」
伊万里「多く見積もっても1%じゃないかなあ」
いや、0.001%ぐらいかもしんないし。
稔 「みなまで言うな!俺だって分かってるよ…」
まず第一歩目が一番難しかったり。
稔 「まず宿題がめんどくさくなって2日で放棄」
伊万里「立てた旅行計画も予定が合わずグダグダで行かずじまい?」
稔 「家でダラダラしてるうちに外から大きな物音、ああ今日が祭りだったんだーってな」
伊万里「そして最後に残ったのは後悔と宿題?」
稔 「はあ…」
伊万里「ふう…」
稔 「いつも通りだな…」
伊万里「いつも通りだね…」
例年の如く、それが学生の常といえばそれまで。
稔 「でも、ほんとに実現したら忘れらんないぐらいの思い出になるだろうなー」
伊万里「だよねー」
稔 「…。」
伊万里「…。」
稔 「とはいえこういうのって大概一人じゃ無理なんだよなー」
伊万里「途中で折れちゃうからねー」
稔 「…。」
伊万里「…。」
稔 「…俺今から数学と理科の宿題持ってくるわ」
伊万里「…じゃあボク部屋片付けてくる!」
こうして本当の(?)夏休みが始まった。
稔 「お前の部屋には久しぶりに来たなー」
伊万里「…だってこういうときでもないと恥ずかしいもん…」
稔 「それにしても…」
伊万里「どしたの?」
稔 「クンクン、なんか…芳香剤の匂い強すぎねえか?」
伊万里「そんなことないもん! ……ちょっとファブっただけだもん」
稔 「あ、押し入れからなんかハミ出て…」
伊万里「わーわー!」
稔 「へえ、なにこの漫画?彼氏彼女の痴情…?」
バコッ!!
伊万里「いいから席について!始めるよっ!」
稔 「…はい」
真ん中にテーブル、その隣合う形でボク、みのりん。
伊万里「で、なにからやる?」
稔 「とりあえず俺理科やるからお前数学な。そんで終わったらお互いのを写すカンジで」
伊万里「えー…二人でやるってそういうこと?」
稔 「なんだよ」
ボクからすればてっきりお互いを刺激し高め合うことで宿題を早く終わらせるものだと思ってた。
伊万里「いいのかなあ。そんなんじゃ力つかないよ?」
稔 「…。」
伊万里「同じ解答してたらバレちゃうかもしんないし…」
稔 「…青い海に燦々と降り注ぐ太陽」
伊万里「うっ」
稔 「夕日が沈んだら飲めや歌えや朝まで語り明かす」
伊万里「…。」
稔 「祭りは花火に屋台に食い物に。さっさと終わらせればこんなに楽しいことが待ってるんだけどなー」
伊万里「…ぼ、ボクが間違ってました」
稔 「よーし、そうと分ったらやるぞ!ノルマは一週間までに全科目終わらせることだ!しっかりついてこいよ!」
伊万里「おー!」
…。
稔 「ふんふん…沸点が…えっと…」
伊万里「…。」
稔 「あれ?molってどう使うんだっけ。あー、やべ、全然できねえわ。飛ばそーっと」
伊万里「…。」
稔 「腹減ったなあ」
伊万里「…。」
稔 「もう2時…そういや昼メシまだだったな」
伊万里「あ、そだね。ボク何か作ろっか?」
稔 「いいわ。めんどくせえだろ?俺今からコンビニで適当になんか買ってくるから。お前おにぎりでいいよな?」
伊万里「うん」
稔 「じゃあ行ってくる」
バタン!
伊万里「…。」
伊万里「みのりん、どこまで進んだのかな…」
伊万里「…。」
伊万里「ウンチの絵ばっか描いてる…」
……。
…。
―数時間後―
稔 「ん…」
伊万里「…っ!」
稔 「ふあーあ」
伊万里「あぅ…」
稔 「あ、俺寝ちゃってたな」
稔 「ん…もう6時か、昼前からやってたから結構経ったな」
伊万里「…。」
稔 「っと伊万里」
伊万里「な、なーに?」
稔 「いや…お前どのくらい進んだかなって」
伊万里「えっと、数学はもう終わっちゃったかな」
稔 「なっ、ウソだろ!?俺まだ理科半分も終わってねえよ!!」
伊万里「だってみのりん途中で寝てたし、ボク数学苦手じゃないし」
稔 「そうだけどよ…それにしてもお前のペース早すぎねえか?」
伊万里「…そ、そうかな? …ほんのちょっとだけ頑張ったかもだけど」
稔 「もしかしてなんかずるしたりマジックでも使ったのか?」
伊万里「そんなことしてないもん…」
稔 「ふーん……まあいいや、ちょっと寝起きのトイレ行ってくるわ」
伊万里「うん」
バタンっ
伊万里「言えないもん…」
伊万里「じっくり寝顔見てたかったからがんばって早く終わらせたなんて言えないもん…」
時系列続き[[藤宮ミノルの憂鬱>藤宮ミノルの憂鬱]]
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**「ボクの夏休み」
ミーンミンミンミー・・・
伊万里「うぐぐ・・・」
稔 「おい早くしねえと氷溶けるぞー」
伊万里「だってこのかき氷の機械回んないんだもん!」
稔 「んだよ、貸してみろよ」
稔 「まったく、近頃のガキは………ぬ?……ぬぐぐぐおおお…」
伊万里「じーっ」
稔 「ハァハァ…」
伊万里「まったく近頃のガキはぁ?」
稔 「ちっ…このぉ…!!」
ガリガリガリ!!
伊万里「おー、すごーい!
稔 「だろ?もっと褒め称えろよ」
伊万里「うん!みのりんすごいよー!」
ボク小金沢伊万里と幼なじみの“みのりん”こと藤宮稔。ふたりは高校1年生。
なんでもないボクらだけど、ちょっとだけ特別な夏が始まる―
―小金沢邸-
チリンチリーン…
なんて風流な音色を響かせる風鈴。
最近親が縁側に飾ったらしい。
伊万里「かき氷おいしいね」
稔 「あー」
伊万里「夏休み始まっちゃったね」
稔 「んー」
昨日が終業式で、今日が夏休みの初日。
と言っても別にすることもないので家でぼけーっとしてたらそれは隣の家の幼なじみ・みのりんも同じだったらしく、昼前に適当にボクの家に遊びに来た。
伊万里「みのりんの夏休みの予定は?」
稔 「まず一週間で宿題を終わらせて、きらめく海と戯れたり、緑に囲まれた山でキャンプしたり旅行に行ったりして遊びまくる!」
伊万里「あ、海! 海行きたい!」
浜辺でみのりんとビーチバレー!
汗かいたら泳いだり水かけっこして、疲れたらビーチパラソルの下で休んで
ボクが作ったお弁当食べて「伊万里って料理上手だな」なんて、言ったみのりんが照れちゃって!
最後に海の向こうに沈む夕日を二人で眺めて…
伊万里「でへへ…」
稔 「んでシメは夏祭でドーンと花火を見て終わりかな!」
伊万里「あ…いいなー…」
屋台を回って、金魚すくいに射的にはしゃぐ彼、ちょっとだけヤンチャだけどみのりんのカッコいいところを見て胸がきゅんきゅん!
そんで一通りお祭りを回ったら河川敷で寄り添って一休み。
いつもは会話の絶えないボクたちもなぜかこのときだけはもじもじして。
そんなときタイミングよく花火が上がったけど彼の目線はなぜかボク。
「浴衣、似合ってるな」なんて、ちょっとぉ、言うの遅いよぉ…なんてことも、このあとのき…き、キスで…
伊万里「…いい!すごくいい!!」
稔 「ハッハッハ!そうだろうそうだろう!」
伊万里「で、それぜんぶ実現する可能性は?」
稔 「…10%ぐらい」
伊万里「多く見積もっても1%じゃないかなあ」
いや、0.001%ぐらいかもしんないし。
稔 「みなまで言うな!俺だって分かってるよ…」
まず第一歩目が一番難しかったり。
稔 「まず宿題がめんどくさくなって2日で放棄」
伊万里「立てた旅行計画も予定が合わずグダグダで行かずじまい?」
稔 「家でダラダラしてるうちに外から大きな物音、ああ今日が祭りだったんだーってな」
伊万里「そして最後に残ったのは後悔と宿題?」
稔 「はあ…」
伊万里「ふう…」
稔 「いつも通りだな…」
伊万里「いつも通りだね…」
例年の如く、それが学生の常といえばそれまで。
稔 「でも、ほんとに実現したら忘れらんないぐらいの思い出になるだろうなー」
伊万里「だよねー」
稔 「…。」
伊万里「…。」
稔 「とはいえこういうのって大概一人じゃ無理なんだよなー」
伊万里「途中で折れちゃうからねー」
稔 「…。」
伊万里「…。」
稔 「…俺今から数学と理科の宿題持ってくるわ」
伊万里「…じゃあボク部屋片付けてくる!」
こうして本当の(?)夏休みが始まった。
稔 「お前の部屋には久しぶりに来たなー」
伊万里「…だってこういうときでもないと恥ずかしいもん…」
稔 「それにしても…」
伊万里「どしたの?」
稔 「クンクン、なんか…芳香剤の匂い強すぎねえか?」
伊万里「そんなことないもん! ……ちょっとファブっただけだもん」
稔 「あ、押し入れからなんかハミ出て…」
伊万里「わーわー!」
稔 「へえ、なにこの漫画?彼氏彼女の痴情…?」
バコッ!!
伊万里「いいから席について!始めるよっ!」
稔 「…はい」
真ん中にテーブル、その隣合う形でボク、みのりん。
伊万里「で、なにからやる?」
稔 「とりあえず俺理科やるからお前数学な。そんで終わったらお互いのを写すカンジで」
伊万里「えー…二人でやるってそういうこと?」
稔 「なんだよ」
ボクからすればてっきりお互いを刺激し高め合うことで宿題を早く終わらせるものだと思ってた。
伊万里「いいのかなあ。そんなんじゃ力つかないよ?」
稔 「…。」
伊万里「同じ解答してたらバレちゃうかもしんないし…」
稔 「…青い海に燦々と降り注ぐ太陽」
伊万里「うっ」
稔 「夕日が沈んだら飲めや歌えや朝まで語り明かす」
伊万里「…。」
稔 「祭りは花火に屋台に食い物に。さっさと終わらせればこんなに楽しいことが待ってるんだけどなー」
伊万里「…ぼ、ボクが間違ってました」
稔 「よーし、そうと分ったらやるぞ!ノルマは一週間までに全科目終わらせることだ!しっかりついてこいよ!」
伊万里「おー!」
…。
稔 「ふんふん…沸点が…えっと…」
伊万里「…。」
稔 「あれ?molってどう使うんだっけ。あー、やべ、全然できねえわ。飛ばそーっと」
伊万里「…。」
稔 「腹減ったなあ」
伊万里「…。」
稔 「もう2時…そういや昼メシまだだったな」
伊万里「あ、そだね。ボク何か作ろっか?」
稔 「いいわ。めんどくせえだろ?俺今からコンビニで適当になんか買ってくるから。お前おにぎりでいいよな?」
伊万里「うん」
稔 「じゃあ行ってくる」
バタン!
伊万里「…。」
伊万里「みのりん、どこまで進んだのかな…」
伊万里「…。」
伊万里「ウンチの絵ばっか描いてる…」
……。
…。
―数時間後―
稔 「ん…」
伊万里「…っ!」
稔 「ふあーあ」
伊万里「あぅ…」
稔 「あ、俺寝ちゃってたな」
稔 「ん…もう6時か、昼前からやってたから結構経ったな」
伊万里「…。」
稔 「っと伊万里」
伊万里「な、なーに?」
稔 「いや…お前どのくらい進んだかなって」
伊万里「えっと、数学はもう終わっちゃったかな」
稔 「なっ、ウソだろ!?俺まだ理科半分も終わってねえよ!!」
伊万里「だってみのりん途中で寝てたし、ボク数学苦手じゃないし」
稔 「そうだけどよ…それにしてもお前のペース早すぎねえか?」
伊万里「…そ、そうかな? …ほんのちょっとだけ頑張ったかもだけど」
稔 「もしかしてなんかずるしたりマジックでも使ったのか?」
伊万里「そんなことしてないもん…」
稔 「ふーん……まあいいや、ちょっと寝起きのトイレ行ってくるわ」
伊万里「うん」
バタンっ
伊万里「言えないもん…」
伊万里「じっくり寝顔見てたかったからがんばって早く終わらせたなんて言えないもん…」
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