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**ある日のこと 「手元は暖かくても足元が冷えるな…」  俺はお昼の用意をしていた。とはいっても今日は手を抜いて即席ラーメンだ。 だって休みだし、面倒だし、手軽だし、うまいし… などと姉に対する言い訳を思い浮かべつつ俺はコンロの前に立っていた。 リビングの方ちらりとを見る。そこにはさっきまで座っていたはずの姉の姿は無い。 『みのるくんご飯マダー? チンチン⌒☆』 と、さっきまで食器を叩いていたのに今はどこにもいない。たぶん何か思い出したか考え付いたかで自分の部屋にこもったのだろう。 十数年の経験上、こうなると大抵呼ぶまで部屋から出てくることは無い。 学校では真面目で成績もよく、手際がいい人気者のようだけど家では大違いだ…。 鍋の方を見るがまだ麺をゆでる事が出来るほどには沸騰していなかった。  立ちっぱなしも疲れるので少し休もうとイスに座ろうとした時 『うにゃあ!!!』 と我が家の小動物が声を上げると同時に床が揺れた。実験に失敗して何かが爆発したわけでは無さそうだったが、こけたような音がした。 ほどほどにしてくれよと思いつつイスに腰掛けると部屋から声が聞こえてきた。 「み、みのるく~ん… へるぷみ~…」 やれやれと思いつつ重い腰をあげて姉の部屋に足を踏み入れると姉さんが仰向けで倒れてもがいていた。 「………姉さん何やってるの? ふざけてるんだったらキッチンに戻るけど」 「いや待ってよ、みのるくん。あのね、接着剤の実験してたらその接着剤の上に倒れちゃって…」 「それで助けてほしいと…」 「うん」 いったん部屋の外に出る。姉さんを助けるための道具を調達するためだ。 ためしに作ってみた接着剤は水分があるとくっつきにくくなるそうだが固まるのが遅くなるだけで根本的な解決にはならない。 お湯ならはがせるかもしれないけどすぐに冷えてあまり意味が無いだろうだろう…。俺は一番手っ取り早い手段に出ることにした。 「姉さんごめんね」 部屋に入るなりそう言うと、俺はハサミで姉さんの服を下から上へ一気に切り裂いた。今日は水色のようだ。 「(´・ω・`)高かったのに…」 姉さんがポツリとつぶやく。 「じゃあずっと床でくっついてたかった?」 「(´・ω・`)ゴメンナサイ…」 軽く凹む姉さんを尻目に部屋を出ようとするが何かにつまづいて姉さんが倒れていた方向に倒れてしまった。 もちろんそれは接着剤の上である。 「(`・ω・´)みのるくんを助けるにはハサミだ!」 「ちょっと待って!姉さんまだくっついてn アッー!!!」                                  ~Fin~
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