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不明02 - (2008/09/27 (土) 18:07:00) のソース

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「―だから、類友なんだって」 
 僅かな安らぎを得られる短い昼休みも、いつも通り腐れ縁に潰されることになった。
「おまえが変な奴に好かれやすいのは、おまえも変な奴と同類だからだよ」
「意味がわからんって。俺のどこが変なんだ」
「全部」 
「・・・すっぱり言いやがりますね椿さん」
「だってそうだろう?自殺者止めるのに見本で自分の首切ってみたり」
「急所外せば痛いだけで済むからな。ああいうゆとりには荒療治が必要だ」
「逝っちゃってるストーカーを普通に家に入れちゃったり」
「下手にビビッてアフォな反応するから向こうも興奮するんだよ」
「・・・おまえって凄いな」 
「君ほどではないよ椿くん」 
 最後に残ったパンの欠片を口に投げ込み、コーラで流し込む。
「ふむ」
「?」
 なにやら椿がじーっと俺を見つめている。
「惚れたか?」
「うーん。確かに髪型さえちゃんとすればそれなりの顔にはなりそうだな」
「それは俺の髪型がキモいってことですか?」
「うむ」
 失礼なことをさりげなく言うな。
「それに加えてその性格なら・・・まぁ、暴れ馬には好かれそうだな」
「・・・褒められてるのか?」
「いや貶してる」
「・・・・・・・・・」
「どっちにもつかず、フラフラしてる感じの癖に・・・いつの間にか、やるべきことはやってる」 
「・・・そうか?」
「あぁ、大仕事すら誰にも気付かれないように終わらせてる、みたいな」 
「気付かれないようにやってるなら、なんでおまえが知ってる」
「私はなんでもお見通しさ。おまえのことは何でも知ってる・・・何でも、ね」 
「・・・今、物凄く怖いこと言ったって自覚ある?」
「あるよ。でも、おまえはそんな私と普通に付き合ってくれる」
「いや、それこそ普通だろ。おまえは昔っからそうなんだから」
「・・・フフ。だからこそ、おまえも普通じゃないんだ。私と同じでネジが何本か外れてる」 
「・・・意味がわからん」
「私の普通は、"異常"だ。だが、"異常"が永く続けば"普通"になる」
「うん、それはわかる」 
「おまえは、私という”異常”に永く付き合いすぎた」
「うん」
「その結果、おまえの”普通”は”異常なモノも普通”になった」
「・・・よくわからん」 
「おまえは完全に異常ってわけじゃない。ただ、異常も普通に扱ってるんだ」 
「ん・・・それはわかるような」 
「それは、凄いことなんだよ。おまえの中では同級生と異常殺人者ですら対等なんだ」
「・・・また極端な」
「そうか?おまえ、自分を殺しに来たストーカーだって"あるある"で済ませたろ?」
「アフリカではよくあることです」
「それが異常なんだ。おまえは全てを特別視してない。なにもかも"普通"で済ませてるんだ」 
「・・・俺にだって特別なことはあるよ」
「ほう?」
「・・・例えば好きな子ができたとか」
「ありえんな」
「んな!?」
「特別扱いできない奴が、恋愛なんてできるわけなかろう」

 そう。 

 特別なのは、ワタシだけ。

 他に特別は、イラナイ。 




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