200805 Pioneer

株式会社ブレインワークス 代表取締役 近藤 昇氏


-SW-   本日はお忙しいところありがとうございます。本日のこのインタビューは6月に講演をお願いさせて頂いた社長直伝セミナーに参加する方々に、近藤社長を少し知って頂くためのものです。いくつかの項目でインタビューさせて頂きます。宜しくお願いします。

まず、お伺いしたいことが『起業』についてです。なぜ『起業』を選ばれたのですか?

-近藤社長-   正直仕事は嫌いでした。ただ、生まれ育った家が農家だということもあり「働いても自然相手では稼げないことがある」という厳しい環境も知っていました。
食べていくためには働かないといけないのでいくつかの選択肢の中からゼネコンに入りました。現場監督をやりたかったんです。ところがなんとコンピューター室に配属となりITを学ぶことになった。一日中部屋に押し込められるようなことになりました。初めは嫌で嫌でしょうがなくて、でもそれでも食べていくために仕事はしないといけなかった。今とは違って転職なんてメジャーじゃなかった頃の話です。起業なんて、全然考えていませんでした。

-SW-   意外です。ここからどのように起業につながっていくんですか??

-近藤社長-  それなりに仕事を覚えてくるとITがどんなものかが解ってくる。どんな環境にいても農家で育った自分のバックボーンは変わらないわけで、ITを斜めに見るようになりました。
それで気が付いたんです。所詮はツールでしかないってことに。
今でこそみんなツールだと言うようになりましたけれど、私は昔からそんな感覚でいました。入社後半年くらいで会社の飲み会で足の骨を折りました。。このケガがキッカケで「出世」に価値を感じなくなったんです。会社に対しても面白みを感じられなくなり、それなら自分でやろうと思ったんです。
「起業したかった!」といった感じではなく、その時思いついた選択肢が起業だったんですね。

-SW-  現在、近藤社長はブレインワークスでIT関連の事業をされていらっしゃいますが、創業当時からIT関係のことをなさっているんですか?

-近藤社長-  いいえ、違うんです。会社を作った当初は子供服のリサイクルを行っていました。子供服を回収して付箋をつけて値段書き、サイズ別に畳んで並べて。実は個人的にこのような細かい作業が好きだったりもします。狭い部屋だったので衣類の繊維が舞って頻繁に頭がグルグル回ってました(笑)

-SW-   設立当初の事業が子供服のリサイクルとは予想外でした。ちなみにもし「起業」以外の選択肢を思いついていらっしゃったら違っていたでしょうか?

-近藤社長-  それは今でも時々考えます。別の選択肢があったらまったく別の人生だったんだと思います。ゴルフに出会っていたならばプロを目指していたかもしれない!!どちらかというと、「違った人生でもよかったのでは?」と、考える自分がいたりしますね。でも、このように考えるのは後悔という感情ではなく、全く違う感情です。

-SW-   続いて話を少しベトナムに移していきたいと思います。6月の社長直伝セミナーでもベトナムについても大いに語って頂きます!!10年前からベトナムでビジネスをされている近藤社長にとってのベトナムを一言で表すならどんな国ですか?

-近藤社長-  あえて格好良く言わせてもらえとするなら、
ベトナムは「必然」でめぐり合った場所 偶然に偶然が重なって出合った場所

私自身の考え方として偶然を最終的には必然と思えるかどうかが重要だと思っています。必然と思えるかどうか?何事もそこが勝負だと思うんです。人のせいにしたり、チャンスが無いとぼやいている人は、考え方をちょっと変えてみると良いと思います。
そういう意味でもベトナムは私にとって「必然」で巡りあうべくして出合った場所です。とても魅力な国ですよ。

-SW-   1つひとつの出会いを「必然」にできるかどうか。自分で偶然を必然にしていくことが重要ということですね。すごく大事なことだと思います。近藤社長はベトナムを訪問されることが頻繁にあるかと思いますが、気をつけていらっしゃることはありますか?

-近藤社長-  気をつけていることとは少し違いますが、2年半前ぐらいTOIECにチャレンジしています!!2ヶ月に1回のペースで受験してますね。いつか満点を取る予定です!

-SW-   TOIECにチャレンジとはすごいです。当日参加する学生の中にもTOIECの勉強をしているメンバーはたくさんいると思いますので、是非勉強法なども少しご紹介頂ければと思います。先ほどベトナムはとても魅力的な国とおっしゃっていましたが、その魅力を1つ教えてください。

-近藤社長-  ベトナムの魅力の1つは、日本に有るようで無い感じのする生活感がベトナムにはあることです。例えば、驚くべきことに日本では魚の切り身がそのまま泳いでいると思っている子どもがいる。生活感が薄れていることを表すわかりやすい例です。ベトナムは対照的に生活感がちゃんと残っています。スーパーで買い物をすると良くわかるんです。ベトナムでは魚の頭が普通に道に落ちています。4~5年前のベトナムでは鶏が生きたまま店先で売られていました。私が子どもの頃に体験した光景と何ら変わらない、食べる時に首を落とすといった光景があたりまえなんです。

-SW-   セミナー当日では、もっとたくさんベトナムのお話をお聞かせ下さい。では、最後に今の日本の若者に望むこと、伝えたいことをどうぞ!

-近藤社長-  私は農家出身で幼い頃から家業の仕事を手伝うのが当たり前でした。ですので今の子供たちは甘やかされている部分が多いように感じています。子供には「自分で食べたいものは、大人になって自分の稼いだお金で食べなさい」と教えています。親が甘やかして何でも与えていたら、大人になったときに自らの力で得ていく楽しみ自体が少なくなってしまうように感じます。本当に欲しいものは、自分の力で手に入れるということが楽しいことなんだということを伝えたいのです。

私自身が30代前半で会社を起したときに感じたことですが、若いうちは「何の役割で生きてるのか?」「なぜ働いているのか?」といったことが定まっていない人の方が多くそれがむしろ一般的だと思います。そんな学生さんや若い世代の方に是非お伝えしたい私の好きな言葉を最後にご紹介したいと思います。
サンデープロジェクトの財部誠一さんがおっしゃっていた言葉です。
「でたらめと、偶然と、いいかげんの産物が今だ」

この3つが重なって偶然に見つけた「何か」が最終的には必然だった!という人が増えたら、日本は強くなるのではないかなと思いますよ。「新しい事業をはじめる」「合弁で会社を作る」どれも計算じゃない。「偶然からはじまる」なんて場合は沢山あります。ゴルフで一緒の組になって仲良くなったり、飲み屋で意気投合したりといったことがキッカケになったりするんです。だから若いうちはでたらめで、いいかげんで、偶然でいいんだと思う。本気でやることが大切なんだと思います。

-SW-   ありがとうございました。セミナー当日にはさらなるベトナムの魅力やパワー溢れるベトナムの若い世代の今についてお話頂くのを楽しみにしています!

編集後記

初めての社長インタビューで、とても緊張してしまいインタビューとはいえないような状態でした。それでも快く質問にお答えて頂いた近藤社長。とても感謝しております。ありがとうございました。

近藤社長は、家業を通して自然の厳しさから多くを学んでいらっしゃる方でした。話の端々でご自身に対しても他人に対しても厳しさを感じる瞬間がありましたが、その厳しさの中には体験に基づく優しさがあるように感じられました。関西弁でハッキリとおっしゃる方なので、セミナー受講者には単刀直入の飾らない言葉から多くを受け取って欲しいと強く思いました。
文責:廣岡 直

















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最終更新:2008年08月15日 12:39
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