第2迷宮 深霧ノ幽谷(1)




丹紅ノ石林

A-3 北の果て


君たちは丹紅ノ石林の
北の果てに到着する。

ここにきて君たちが最初に連想したのは
風馳ノ草原の北にあった谷だ。

ここも状況は酷似している。
西から東に渡ってかなり高い山が連なり、
君たちの気球艇では越えられそうにない。

谷があるというのも共通点だ。
深い雲で覆われた谷が、
北に抜けられるように存在している。

その先はほとんど見通すことができない。

谷の南には石碑がある。
石碑にはやはり紋章が刻まれている。

石碑の南には鬱蒼とした森がある。
天然の迷宮と考えていいだろう。

森のすぐ横にも別の石碑が置かれており
同様の紋章が刻まれている。

風馳ノ草原の前例を考えると、
この迷宮のどこかに谷の雲を払う何かが
ありそうだ。


A-3 石碑を調べる

初回

君たちは北の空に通じる谷の手前まで
やってきた。
谷を覆う雲の様子は相変わらずだ。

谷の南には石碑がある。
南にある森の脇にも
同じような石碑が見て取れる。

…風馳ノ草原の時と、全く同じ状況だ。
石碑の基部に何かをはめるような
窪みあるところまで一緒だ。

ここまで状況が酷似しているなら
深霧ノ幽谷のどこかにも
石板が安置されているのかもしれない。

君たちは調査をひとまず終了すると
探索に戻るべく気球艇を発進させる。

2回目以降

谷の南には石碑がある。
南にある森の脇にも
同じような石碑が見て取れる。

石碑の基部には
何かをはめるような窪みが見て取れるが…。


A-3 深霧ノ幽谷を発見


以前は見上げることしかできなかった
森の迷宮が、今、君たちの眼前にある。

その迷宮の名は深霧ノ幽谷。

港長の手で(気球艇名)はより高い空に
手が届くようになった。今なら
深霧ノ幽谷に入るのは難しくない。

入り口の横に謎の石碑が置かれたこの迷宮…
調査を行えば、北の空に至る為の
新たな手掛かりが得られるかもしれない。

迷宮『深霧ノ幽谷』を発見した!


深霧ノ幽谷1F

C-2 霧の迷宮


気球艇から降り立った君たちは
新たな迷宮に足を踏み入れる。

迷宮の内部は背の高い木が群生する
霧の森であった。

君たちは、この静謐な気配漂う
霧の迷宮を歩き始める。


D-5 響く歌声


鬱蒼とした森の中を進む君たちは
歩みを止める。
…南の方角から歌が聴こえる。

最初は風の音とも考えたが、
どうやら聞き間違いではなさそうだ。

他の冒険者が先にいるのだろうか?
この先に待つのは
いったい何なのだろうか…。


D-5 巫女の奏で


君たちは木々のない、開けた場所に出る。
そこには一人の女性が腰を下ろしている。
背を向けていて、顔は見えない。

彼女の周りには、
蛍のような小さな明りが
音もなく揺れている。

…歌は彼女が歌っているようだ。

歌詞はない。
彼女は君たちに気づく様子もなく
ハミングを続ける。

どうするべきだろうか?
望むのなら、
君たちは彼女に話しかけてもいい。

彼女に話しかけますか?
【 YES 】/【 N O 】

YES

背後から君たちが声をかけると
彼女は大きく肩をすくませ、
慌てた様子で顔を向ける。

彼女の周囲に浮かんでいた明かりも
霧散してしまう。

NO

君たちは邪魔することなく、
彼女の歌に耳を傾ける。
静かで綺麗だが、寂しげな歌だ。

…歌はやがて終わる。
いつの間にか、彼女の周りに浮かんでいた
明かりも姿を消していた。

彼女は小さくため息をつくと腰を上げ、
何気なく君たちの方に目をやった。

(以下共通)

「え…」
まだ少女と言っていい年頃のその娘は、
瞳を丸く開いて君たちを見つめてくる。

よほど驚いたのだろう。
口を開けたり閉じたりしているが、
思いが上手く言葉にならないようだ。

君たちは助け船を出そうと彼女に
話しかけようとするが
怖かったのだろうか、一歩後ずさる。

そして、それに呼応するように
近くの茂みが揺れ何かが飛び出す!

それは、女性の姿をした影のように見える。
少女はその影を見て息を呑む。

「どうしてホロウがこんなところに?
や、やだ! 来ないで!」

だが少女の声が耳に入らぬかのように
影は少女ににじり寄る。
君たちは剣を抜いて魔物に立ちはだかる!

(ホロウワンダラー、ホロウイグザイルと戦闘)

慣れない敵を何とか退けた君たちは
幼い少女に向き直る。

しばし呆然としていた少女だったが
我に返ると、
慌ててぺこりと頭を下げる。

「ありがとう、助けてくれて!
あなたたちも、怪我なかった?」

大事はないことを君たちが告げると
少女は安堵するように小さく微笑む。
「…そう、よかった…」

「それで、あの…
あなたたちも人間なんですか?」
彼女は遠慮がちに君たちに尋ねる。

「怖がったりしてごめんなさい。
でも…世界樹の言葉は、本当だったんだ。
ここで待っていたら、人間が来るって!」

彼女はずいぶんと興奮していて、
自分が極めて重要な発言をしたことに
気付いていない。

今、彼女は「世界樹の言葉」と言った。
…どういうことだろうか?

「わたしは、里では巫女って
呼ばれてるの。
あなたたちは、何て呼べばいい?」

君たちは軽く自己紹介する。

警戒心を解いたのか、彼女は瞳を輝かせ
質問を投げかけてくる。
次第に打ち解けていくのを感じられる。

だが、南にある小道から
錫杖を手にした女性が駆けこんできて
会話は唐突に打ち切られる。

「…貴様たちは? 巫女から離れろ!」

君たちはその姿に見覚えがある。
瘴気の森で君たちを助け
ウーファンと名乗った女性だ。

「人間としての敬意を持って
一度でも助けたのが間違いだったか…
ここまで足を踏み入れるとは」

「あまつさえ巫女の御前に立つとは!
許し難い…
まとめて封縛してくれる!」

今にも襲いかかってきそうな様子だ!
それを見た少女が、慌てて君たちとの間に
割って入る。

「待って、ウーファン!
この人たち…(ギルド名)は
わたしをホロウたちから助けてくれたの」

「それに見て! この人、
わたしと同じなの!
人間だよ、人間! すごいよ!」

「わたし、この人たちと
もっとお話したい。ね? いいでしょ?」

ウーファンは一瞬、眉間に皺を寄せる。
そして諦めさせようと説得するが、
頑なな少女の態度にため息をつく。

「…では仕方ありません。ただし、
お話は里の中で続けてください」

「ホロウがこんな浅い階層に
出たなど前例がありませんが、
用心するのがいいでしょう」

君たちが先程戦った影の魔物が
ホロウと考えてよさそうだ。
…ウーファンは君たちに向き直る。

「…聞いての通りだ。
この道の先にある
我らウロビトの里で待つ」

「巫女の願いは叶えられねばならぬ。
礼も用意しよう。
複雑な道程ゆえ、迷わぬことだな」

険しい表情のまま、彼女は巫女の手を引き
君たちに背を向け歩き始める。

「いや…痛いよ! 何怒ってるの?
…ごめんね、みんな。ウーファン、
いつもは、こんなこと言わないんだけど」

「わたし、一緒に行かなくちゃ。
先に里に行ってるから、絶対来てね。
待ってるよ!」

ウーファンに急かされるように
少女も歩み去る。
…こんな迷宮の奥に里があるのだろうか?

もし本当なら
重要な発見物となるかもしれない…。


C-5 蛍のような明かり


何かの気配を感じ、君たちは足を止める。

見回してみると蛍のような明かりが
東の方に浮かんでいるのが見える。

明かりはどこか楽しそうに、
光の軌跡を描きながら踊っていたが
しばらくすると音も立てず消えてしまう。

何の明かりだったのだろうか?
君たちは探索を続ける…。


C-3 導きの明かり


何かの気配を感じ、君たちは足を止める。

見回してみると見覚えのある
蛍のような明かりが
北の方に浮かんでいるのが見える。

明かりは楽しそうに踊った後、
音も立てず消えてしまう。

明かりは君たちの行くべき道を
示しているようにも見えるが…
君たちは探索を再開する。


B-4 ウロビトの里


扉を開けた先で君たちが見たのは
背の高い木造建築物だった。

空から見た限りでは、このような建物が
森にあることはとても想像ができない。
かなり巧妙に隠されているのだろう。

ここが巫女の話していた
ウロビトたちの里なのだろうか?

「人間だと…!? 我らの里に何用だ!」

門の脇に立っていた男が驚き、
声を上げる。
男は異様に細い手足をしている。

彼もウロビトという種族なのだろう。
驚く程素早い動作で
背中の矢筒に手を伸ばす。

しかしそれを制するように、小さな人影が
駆け寄って来る。君たちはその人影が、森で
出会った少女であることに気づく。

「待って!
その人たちに乱暴しないで!」

彼女は君たちとウロビトの間に
割って入る。

「ウーファンから聞いていない?
この人たち、森でわたしを
助けてくれたの。お客様なのよ?」

「…ごめんね、ここまで大丈夫だった?
来てくれて、とても嬉しい!
えっと…美味しい物の準備もできてるよ」

彼女は君たちの手を引き
里の奥へ誘う。

ウロビトの兵士は構えた弓を下げるが
どうも腑に落ちないという感じだ。

…隠れてしまったのか、
里の広場からは
ほとんど人影が見えない。

だが、時折見え隠れするのは
ウロビトばかりだ。
人間は一人として見受けられない。

彼らは冷たい眼差しで
君たちを見つめている。
ひそひそと小声で話をしている者もいる。

ふと巫女に目を向けると、
彼女はどこか、辛そうに俯いていた。

「…ええと、みんなちょっと
ビックリしてるみたいなんだ。ごめんね。
さ、座って座って!」

彼女は君たちに微笑みかけるが
その笑いはどこかぎこちない。

彼女は種や果実を陶器に盛り、
口にするよう勧めてくる…。

「みんなはどうやってここに来たの?
普段は何してるの?
どんなものを食べているの?」

明るい言葉で
彼女は次々と君たちに質問する。

だがその仕草はどこか、意識して
無邪気に振る舞っているようにも見えるが…
君たちは他に人間はいないか聞いてみる。

「お父さんもお母さんもいないよ?
人間はわたし、一人だけなんだ。今日まで
人間って他にはいないと思ってたよ」

「他の人間はみんな、もうずっと前に
いなくなったって言ってたけど…
ウーファンも知らないことがあるんだね」

「人間ってもっといっぱいいるの?
みんなの里には
どれくらい人がいるの?」

君たちは一瞬、返答を躊躇する。
本当のことを話すべきかもしれないが、
それを彼女はどう思うだろうか…。

正直に話しますか?
【 YES 】/【 N O 】

YES

君たちはタルシスや、タルシスから離れた
多くの街のことを巫女に話す。

まだ見ぬ世界の話に彼女は驚き、
目を丸くし、その想像に頬を緩める。

この里に来てから彼女が初めて見せた
子供らしい表情のように思える。

「すごいねぇ…みんなはそんな遠くから
来たんだ。わたしも行ってみたいな」

思ったことがそのまま口から出たのだろう。
しかしそんな彼女に
冷や水を浴びせるような言葉が飛ぶ。

「巫女よ。
その者らの言葉に耳を傾けてはいけません」

NO

君たちはいつ外の世界に出られるかも
わからない彼女に外の世界のことを話すのは
酷に感じ、話題を変える。

「わたしは外に出られないのかな…
みんなみたいに、強くもないし」

彼女は弱々しく肩を落とす。
君たちが語るべき言葉を選んでいると
その隙を突くように、鋭い言葉が飛ぶ。

「巫女よ、森の外に出るなど
とんでもありません。
外界は汚れであふれています」

「この里こそ、あなたには相応しい」

(以下共通)

…いつから聞いていたのか、
ウーファンというウロビトが
君たちの元へ歩いてくる。

「人間よ、貴様たちは
かつてこの地で起こったことを
知らぬと見える」

「成果なしでは帰れぬだろう。
故に私が知る全てを語ろう。
そして、聞いたらこの里を立ち去れ」

その厳しい言葉に巫女は抗議の声を
上げるが、ウーファンは取り合わない。
彼女は静かに言葉を続ける…

…かつて世界樹の麓には
多くの人間が住んでおり、世界樹の世話の為
多くの種族を創造した。

その一つがウロビトだと言う。

世界樹の恩恵を受けつつ
何事もない平和な時代が続いたが、
突如として異変は起こった。

天にも届くような巨人が姿を見せ、
世界樹を隠してしまったのだ。
…恵みを失い、多くの生命が失われた。

人間は巨人を恐れ逃げ出したが
ウロビトたち創られた者たちは力を合わせ
どうにか巨人を討つ。

こうして世界樹は再びその姿を世界に現し、
ウロビトたちは今でも
世界樹を崇め、この地で暮らしている。

「…巫女は人間だが
巨人から逃げ出した者とは違う」

「神託…世界樹の声を聞くことができる
唯一の、真の人間なのだ」

「巫女は今も、世界樹から神託を授かり、
我らウロビトを導いてくださる。
人間であっても、貴様たちとは違うのだ」

「ホロウから巫女を守ったことには
感謝するが、巨人に背を向けた貴様たちの
祖先を、ウロビトは許すことができない」

「これは礼だ。
武に通ずる貴様たちには役に立とう。
…だが、もうこの里には訪れるな」

彼女はそう言って、古そうな書物を手渡す。

術式書・凶鳥烈火を手に入れた!!!

分岐:巫女に本当のことを話している

その時、彼女は君の耳もとに口を寄せ、
小言で言う。

「どうして巫女は貴様たちなぞに…
人間の好きにはさせん。
巫女は我らといるのが幸せなのだ!」

君たちを見つめるその眼は、
憎しみで満ちている…。

(暗転)

君たちはウーファンに先導され、
里の外に連れ出された。

「…何であんなこと…ひどいよ!
みんなもわたしと同じ人間だよ?
何も、違いなんてないよ!」

君たちへの非礼に抗議する巫女の言葉が
里の外からでも聞こえる。

…深霧ノ幽谷の探索は
思いもよらぬ展開を迎えつつある。

ウロビトたちの意向はどうであれ、
今日、君たちが体験したことを
黙っているわけにはいかないだろう。

君たちだけで解決していい問題ではない。
タルシスに戻ったら、
このことは領主に報告したまえ


C-4 ウロビトの里に入ろうとする(ミッション「巫女に親書を届けよ!」受領前)


君たちはウロビトの里にやって来る。
中に入ることも考えたが、ウーファンは
君たちと会おうとはしないだろう。

これ以上ここにいても
事態の好転は望めない。街に戻り、
このことを領主に報告したまえ。


B-4 ウロビトの里、再び(ミッション「巫女に親書を届けよ!」受領後)


領主からの親書を携え、
君たちは再びウロビトの里を訪れる。

だが扉を開いた先の光景に
思わず息を呑んだ。

何があったのだろうか? そこには
傷ついたウロビトが横たわり、
周囲に破壊の痕跡が見て取れる。

警戒を強めて周囲を窺っていると
里の奥から一人の男が近づいてくる。
…どうやらワールウィンドのようだ。

「来たな、(ギルド名)。
俺もついさっき、ここについたばかりだ。
…ひどいもんだろ」

「かなり混乱してるみたいだな。
俺みたいな不審人物が、
お咎めなしでウロウロできるんだから」

そんな風にとぼけて言うが、
彼の顔からは何を考えているのか
読み取ることができない。

「さて、ここからが本題だ。
落ち着いて聞けよ。
…この里の巫女がさらわれた」

「さらったのはホロウの親玉。
ちっこいのなら
君らも見たことがあるだろ」

「…どうしたもんかね。
君らはミッションを受けているから
放ってはおけないだろうが…」

彼はそう言って困ったように
あたりを見渡す。

少し離れたところに見覚えのある
ウロビトがいる。
方陣師のウーファンという女性だ。

遠目にも彼女が冷静でないことがわかる。
近くにいる他のウロビトを
激しく責め立てているようだ。

「…だったらどうした!
待っていたら奴らが巫女を返すとでも
言うのか? 冗談じゃない!」

「巫女の神託にどれ程私たちが
助けられたか忘れ、
何かあったら自分の身の心配か?」

「私は行くぞ! 何もせず
長老会議の結果を待っている貴様らに
期待することなどない!」

彼女はそう怒鳴ると
他のウロビトたちに背を向ける。

その時、一瞬だけ彼女と目が合う。
彼女は恥じるように目を背けると、
そのまま奥の階段を駆け下りていく。

「おいおい、一人で行っちゃったよ。
…襲撃があった時、
彼女は里を留守にしていたらしい」

「で、巫女を慕う連中はみんな
襲撃の時やられちまって、
今は全員寝込んでるってわけだ」

「しかし…無茶するよな、実際。
一人でどうするつもりだろうね?」
ワールウィンドはぼやくように言い放つ。

彼は頭を掻きながら君たちを見る。

「面倒だけど、
俺は彼女を追いかけるとするかね。
君らはどうする?」

「…まあ、君らも好きにするといいよ。
じゃ、気をつけてな」
手を振ると彼は、迷宮の奥へ姿を消す。

…彼はああ言うが、
君たちはミッションを完了する為には
巫女を救出する必要がある。

準備が整い次第、奥の階段を使い
下の階層に向かいたまえ。
ここより下は人型の魔物ホロウの巣窟だ。


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最終更新:2020年11月13日 21:49