ZERO



みんなの未来を、護りにいこう……


フルネーム ZERO
種族 キャスト (※漆黒の鎧を表現するためにキャストにしています。実際はヒューマン)
性別 男性
身長 鎧展開時:185cm/通常時:170cm
所属 となりのZERO家
誕生日 A.P.????/04/09
所属Ship Ship-03 ソーン
クラスレベル ハンター(45↑)/ファイター(55↑)
IDネーム ZERO家当主
Last Update 2013-06-03 18:42:31 (Mon)




【人物設定】

十六夜と呼ばれた剣の聖霊と共に、あらゆる次元、あらゆる世界を旅する次元の旅人。
運命の悪戯か、何者かの介入か。次元転移した先の世界はだいたい滅亡の危機であることが多いため、
成り行きで戦いの渦中へ…。

その出生は不明で、わずかに残った口伝承を辿ると、ゆうに千年は軽く超える過去から存在が記憶されている。
初めは名前など一切無く、ある人物の名を受け継いだため、“原点”を忘れないため、ZEROと名乗っている。

性格は温厚で情に熱く、「俺がやらなきゃ、誰がこの世界を護るんだ?」と言い残したと思えば、
巨大な剣をかついで悪の大帝国に単身乗り込む程、呆れるほどに正義感が強い。

生命を重んじ、相手でも自分でも、正義でも悪でも、「死」という選択を否定する強い意志があるため、
殺意という概念がほとんど無い。またその意志の延長で、帝国の魔王を助けたという記憶も残されている。

また、この意志が強いのか、本人の持つ潜在的な能力かは定かではないが、再生能力ではなく、“復元能力”を持っている。
仮に戦闘で腕や足、頭を吹き飛ばされても全身を消滅されたとしても、何事もなかったかのように服まで復元できる。

…が、これを好き放題に復元の限りを尽くすと“世界の法則”(タブレット)に反するため、ある媒体を使うフリをして
自己復元を行っているようだ。ちなみに媒体となるのはスケープドールに良く似ている。

行動しやすくするために、ガーディアンズから派遣されて来たという名目でアークスに参入する。
40年前の“あの事件”にも関与しており、六芒均衡への定位も推されたが「そんな大層な器じゃない」と、これを辞退している。

現在はチームに所属し、ごくごく一般的なアークスを装っている。
チーム内では食事当番を押し付けられることが多く、シェフとしての腕が何故か上達している。
食材は次元を割いた転移先から調達してしまえば、食材調達は難なく可能であるが、
それでも食いしん坊が何人もいる現在のチームには、ほとほと手を焼いているようだ。
食糧の枯渇を脅かす複数の食いしん坊を総称して、“食糧危機”と呼んでいるらしい。




+ 十六夜という武器と聖霊

【“十六夜”という武器と聖霊】

ZEROと共に旅をする剣の聖霊(女性)。そして最も長く愛用している武器。
ZEROの使うあらゆる武器に宿ることで、ZEROの守護能力を更に高めることができる。

予知、自然回復、疲労軽減、重力(質量)制御といった能力を保有する。万能に思える性能を誇るが、
“死を否定する”という能力が備わっており、決して相手の命を奪うことが出来ない、因果の一方的な強制変更が起こる。

これにより、例え星を砕く程の一刀両断を繰り出したとしても、相手を殺害することはできず、斬撃を被るどころか、
その衝撃波による致命的ダメージでさえ、死を否定する作用が起きてしまい、結果“命に別状のない重傷”までしか
相手に攻撃を与えられない。幸いにも、相手を行動不能にさえしてしまえば今まで出会ってきた敵のほとんどが降参
してくれたため、戦闘が継続する事は起きなかった。かのダークファルスを除いて……。

また“聖剣・十六夜”と呼ばれた、十六夜が最初に宿っていた美しい蒼白の太刀が、十六夜の宿る寄り代としては最も相性が良く、
ZEROの手に握られている。聖霊としての十六夜が、この聖剣に宿った状態であれば、常にオーバーエンド状態で
オウルケストラーを舞える程に相性がいいが、“世界の法則”(タブレット)に従わなければ色々と面倒なコトが起きるため、
人前では絶対に発動しない。「でも、PSEバースト中なら、十六夜をこっそり解放してもバレないよね」と一言。
PSEバースト中、彼の周りの敵が異様な吹き飛び方をしたのに消滅しなかった場合は、ZEROが「十六夜をこっそり解放」
しているのかもしれない……。




+ 武装・戦闘スタイル

【武装・戦闘スタイル】

本来であれな双振りの巨剣を二刀するスタイルであるが、“世界の法則”(タブレット)に反するため、
仕方なくアークス内で支給及び使用を許可されている武器類に、十六夜をこっそり宿す程度でやりくりしている。

主にソード系とツインダガー系を得意武器として扱っており、共闘する味方がいる場合は、味方を護るように戦う。
その姿から、仲間達からは守護者(ガーディアン)と呼ばれることもある。

ちなみに射撃はあまり得意ではなく、仲間への誤射が酷い。誤射による弾丸の軌道の狂い様を見たら、
かの魔弾の射手よりもタチが悪いかもしれない。射撃訓練の為にアリスに指南を受けるが「絶望的過ぎます」と
冷たく首を横に振られてサジを投げられる程。

救済として、味方に誤射をしてしまっても大丈夫なように、銃器にも十六夜を宿らせることで誤射による死亡報告は辛うじて無い。
……が、命に別状は無い程度の重傷という報告が後を絶たない。



+ 次元装甲

【次元装甲】

次元の歪みを発生させ防御を強化する、いわゆるガードスタンス等のスキル。
自分へのあらゆる衝撃を別次元へと転移させ、ZERO本人にはデコピンやシッペをくらった程度のダメージしか感じなくなる。
ただし万能であるワケではなく、テクニック等の攻撃は転移し切れず、腹パンを食らった程度のダメージを感じてしまう。

武器に宿っている十六夜による予知能力で、十六夜自らが任意で次元装甲を発動させることもできる。
この場合は主にジャストガードやツインダガーの特殊行動ガードといった行動を見せることで、世界の法則(タブレット)にバレないよう、
彼女なりに工夫をしているようだ。

戦場(フィールド)では次元装甲を常に展開しているが、この状態になると全身を漆黒の鎧が覆うような現象が見える為、
次元の歪みを工夫して展開し、キャストのような外見に近づけるコトでうまく周りと溶け込むような努力をしている。



+ 世界の法則(タブレット)に関して

【世界の法則(タブレット)に関して】

どの世界においてもルールはつきもの。これを破った場合は然るべき処置を与えるために、
“次元監視局・イレギュラー課”から怖い人が次元を飛んで来るため、ZEROにとって面倒なことになる。
あくまで現在ZEROが存在する世界のルールに乗っ取った行動を取っていれば、常に監視されているワケではないので
監視の目に引っかかることは無い。平たく言えば、チートをすればGMにこの世界を追放される。といった解釈である。



【人物関係】

+ 十六夜
≪十六夜≫
最愛の武器にして最愛の女性。戦場以外ではマイルームのバルコニーで日向ぼっこしたり、お茶を飲んだりしている。
一応結婚はしているが、平穏に暮らせた試しがないほど、戦いの因果に巻き込まれることが多い。
最も護りたい人物が最も傍にいて、武器として力を貸してくれることに心から感謝をしている。
失った眼の光を取り戻すため、「この世界が好き」と言った彼女の好きな世界を護るため、
次元という次元を飛び回る決意は全て、この女性が起点となっている。

+ アリス・ケーニッヒ
≪アリス・ケーニッヒ≫
軍部で知り合った寡黙の女性。“ある因子”を体内に導入したり、半機械化(キャスト化手術)をしたりと、何かと心配の種。
情報収集はアリスに任せている事が多い。銃の達人でもあるため射撃訓練を頼むが、「絶望的」という最低のさらに地下貫通の評価をZEROに下す。
…が、ZEROに銃の携帯を禁止する申請は提出しないでくれている。

+ ロゼ・クルセイド
≪ロゼ・クルセイド≫
守護剣術の師匠。怒らせると恐いが、困っている時には力になってくれる頼れる姉御肌。
ZEROが悩む“食糧危機”の一人。怪我をしたアークスを連れてくるなり「面倒を見てやれ」と言うほど、何かと放っておけない性格。
…が、それらをZEROに押し付ける事がかなり多い。竜との交戦意欲がとても高く、時折ランクの高い竜肉を調達してきてくれる。

+ 朱雀
≪朱雀≫
ひょんなことで別世界から付いて来てしまった天真爛漫な少女。記憶を無くした際に初めて出会ったのがZEROであったためか、
刷り込みでZEROを保護者だと思っている。謎の関西弁に近い口調が特徴。炎系のフォトンとの相性が秀でて高いため、
火力を必要とする料理の際には手伝ってもらうこともある。

+ ???
≪???≫
ZEROと十六夜を捜して次元転移してきた、かつての家族。食糧難にあえぐ貧民の救済をしており、
無限に増えるダーカーの食糧加工を提案している。アークスの他にも、教会にも顔が利くようだ。
六芒均衡の弐に同名の女性が存在するが特に関係性はない。“食糧危機”の有力候補。

+ とある不老不死の食いしん坊少女
≪とある不老不死の食いしん坊少女≫
同じチームに所属する“食糧危機”期待の新星。テクニックを得意とするため共闘の際には頼れる一人。
“今はZEROが私のシェフだ”と明言を残す。ZEROの所有する食糧庫を駆使し、ブラックホールのような少女の胃袋を
一定時間でも満たしてやりたいと努力をしている。この少女が食事中に見せる笑顔が気に入っているらしい。
身長差によるものだろうが、ちょうど手の届きやすい場所にこの少女の頭があるため、無意識に頭を撫でている。

+ 天使見習いと悪魔見習い
≪天使見習いと悪魔見習い≫
ZEROが相手にしてきた敵は、必ずしも悪魔だけでなく、天使も相手にしてきた。これ以上自分達の舞台をめちゃくちゃにされることを嫌ってか。
監視役としてか。あわよくばZEROが死んだ矢先に、即座にどちらかの支配下に置くためのヘッドハンティングか。
転移した次元の先で時折行動を共にする二人の少女。少女同士で善と悪の対立になるが、わりと仲が良いのは見習いのせい?

+ シュレディンガーの迷い(眠り)猫
≪シュレディンガーの迷い(眠り)猫≫
ZEROと共に次元を旅するもう一人の女性。ダブルセイバーを得意武器とし、自由奔放な遊撃戦が得意。
ラッピー好きで、自分もラッピースーツに身を包む程の愛好振りだが、“食糧危機”に焼き鳥にされかけるなど、
何かと命の危機に晒されているため、ZERO本人も放ってはおけない。




【アークスとしてのZERO】

+ ...
普段アークスとして活動しているが、フレンドやチームメンバー達からは食事当番にされたり、
その温厚かつ大雑把な性格が仇となってか、よく弄られるが本人は特に気を害することはないようだ。
戦闘においてはチームメンバー、フレンドと共に共闘することを好んでおり、単独の際は十六夜に人間体として具現化してもらい行動を共にしてもらっている。

目立った功績はあまり残さず、ごくごく一般的なアークスとして行動することに努めているが、
クエストや緊急任務、クライアントオーダー等、とにかく首を突っ込むのが好きらしく積極的に参加しており、
結果、クライアント側の面々は総じて好印象らしい。



【神殺し(イレギュラー)としてのZERO】

+ ...
次元を旅しているZEROが巻き込まれる世界の危機の元凶は、だいたいが邪神であったり、歪んだ神仏の具現であることが多く、
それらを相手にし続けてきたZEROに、いつしかついた2つ名である。
邪神であっても神の類であることに変わりはないため、それらをねじ伏せ続けた結果、自然とつけられたようだ。

結果的にその世界の平和を取り戻すだけで、すぐにまた次の次元へ旅立ってしまうため問題は起きていないが、
1つ間違えれば時代を大きく変えてしまうこともあるので、“次元監視局・イレギュラー課”が密かにZEROを監視している。

アリスの情報と十六夜の予知能力で、今後起こる“世界の危機”を察知した場合、“自由探索”という名目でカモフラージュし、
人知れずその危機を未然に回避する処置を行っている。あまり表立った行動は取れないが、六芒均衡らによる情報操作でZEROの知らぬ間に処理されている。
この行動について知る者はアリスとロゼくらいしか関与しておらず、その他大勢の仲間らには、“命知らずでヘンなヤツ”としか情報が届いていない。
誰にも知られず、誰にも認められず、ただ一人と1振りの剣に宿る女性と共に、孤独と孤高の悪路を愚直ながらも歩を進める。

故にどの時代、どの世界、どの次元においても、“記録”として残される事が一切無く、人の“記憶”としてぽつんと残される程度であるのはこのためである。



【十六夜との出会い~契約~(SS風)】
+ ...
――まだ次元転移に慣れていない頃、ZEROは次元の狭間(パラレルワールド)(死後の世界)に迷い込んだ。

暗い世界に似合わぬ程、狂い咲く桜の樹。そこにただ一人たたずむ盲目の女性と出会った。
弱り、かすれた声で女はZEROに言った……。

「大切な者に裏切られ、辱められ、哀しみのあまり自ら光を断ちました」
「その哀しみで流した血や涙に怨念が宿り、邪神(邪心)を産み出し、
あらゆる世界に飛散させてしまうという大罪を犯してしまいました」

「私が愛した世界から、全ての罪を、邪神(邪心)を断ち斬って欲しいのです……」

光無き眼から涙を流し、目の前にいるであろうZEROに対して懇願する。
しばしの沈黙の後、大きく息を吸い、ZEROは女に言う。

「キミを裏切ったヤツに、キミの目の前で“ゴメンナサイ”って言わせてやる。」
「ここから連れ出して、ここではない世界へ連れてってやる。光も絶対に取り戻す」
「俺は決して裏切らない」

ZEROはまっすぐな眼で女にそう告げた。光無きその眼にZEROの眼を見ることはできなかったが、それでも女はゆっくりと頷いた。
女の弱々しい手を取ると、女は無から淡い蒼に輝く一振りの美しい刀を産み出し、ZEROに握らせた。

「では、まず最初の罪を。邪神(邪心)を断ち斬って下さい。“私”という愚かな女を…」

ZEROは選択を迫られた。この女を殺すか。否か。
長い長い葛藤。1秒が1年に感じる程の感覚に吐き気を感じた。

「キミの、名前は?」

長い沈黙の末、ZEROは女に聞いた。女は静かに答える・・・。

「私は……――――です。」

女の名前を聞くと、ZEROは渾身の思いで女に刀を突き立てた。刺したところから暗い世界をも照らす光が溢れた。
やがて光が収まると、そこには女の姿は無かった。ZEROの手に握られた刀は、さらに蒼を輝かせている。

「どう……して……?」

刀から声が響く。刺した女の声。刺す前よりも、生気を帯びているようにさえ聞こえる。
ZEROは刀をかざす。すると先ほどの女が刀から現れた。いまだ状況が掴めぬ女に対し、ZEROは少年のように笑み、女に言った。

「俺が断ち斬ったのはキミの罪で、キミの名だ。もう、――――は死んだ」
「今からキミの名は、“十六夜”だ」
「俺と一緒に元のキミが作り出した罪を。邪神(邪心)探しを手伝ってもらうよ」

死を否定したZEROが出した選択。それは十六夜という新たな命を作り出す程、運命を捻じ曲げる程の想いの強さだった。
弱々しかった女の姿は、見る見る内に生気を取り戻していく。生前の美しい姿を取り戻していく。
金色の長い髪をゆらめかせ、天女のような法衣を纏った女性。…ここに、十六夜と、聖剣・十六夜は誕生した。
眼の光こそ取り戻せなかったが、手探りでZEROを見つけ、柔らかな笑顔を見せる。
そこに、魑魅魍魎たちの怨念の声が響く。招かれざる生者を嗅ぎ付け、死者の世界に引きずり込まんと牙をむき出し、眼光を照らしたのだ。

十六夜はたじろき、怯えた表情を見せた。どこか、諦めにも似た声色でZEROに告げる。

「いくら生まれ変わったとは言え、私は既に死んだ身です。この死者の国の食べ物も口にしました」
「ここから出ることなど、到底不可能です。どうか私など置いて行って下さい……」

涙を浮かべる十六夜。ZEROはそっとその涙を拭い、十六夜を刀に引き戻す。
刀は蒼く光り、刀剣へと形を変える。太刀とも呼べるし、大剣とも呼べるその十六夜を、深く、どっしりと腰に構え眼を閉じる。

「言った筈だ。俺は、決して裏切らないと。キミをここから連れ出すと……!!」

ZEROの意志に呼応するかのように、十六夜の刀身が蒼く蒼く輝きだす。
輝きが最大になり、ZEROは虚無の闇めがけ一薙ぎ、一閃の閃光が次元を斬り裂いた。
すぐさま次元の裂け目に向かって跳ぶ。ZEROが裂け目を潜った瞬間にそれは閉じ、魑魅魍魎たちの爪は虚無を裂いた。

――転移した先は、どこかの惑星だった。緑溢れるその世界で、改めて十六夜を呼び出した。
いまだ信じられないという顔をした十六夜に、ZEROは「もう大丈夫」と笑って見せた。
その笑顔は見れずとも、十六夜の肌に感じる空気、風、足元に咲く花の香りが、自然と彼女を納得させた。
十六夜はゆっくりと、ZEROに向かって膝をつき、3つ指をそっと添えて頭を深々と下げた。

「十六夜として、あなたの武器として、私は貴方様と共にあることを願います」
「貴方様に降りかかる罪ならば共に背負います。罰ならば共に受けます。どうか……どうか……もう、私は」

懇願する十六夜の肩に、ZEROの手がそっとかけられる。眼に見ることはできずとも、片膝をついたZEROがそこにいるのが分かった。
ZEROは変わらぬ笑みを浮かべ、十六夜に言った。

「俺の名は、ZEROだよ。これから宜しくな。十六夜。」

肩から伝わる手のぬくもりが愛しかった。一筋の涙が十六夜の頬を伝うと、ZEROはそれを拭った。

「私はこの世界が好きです。愛しくて仕方ありません。ZEROさまという、この世界が……」

十六夜はZEROに顔を近づけ、眼を閉じる。だがZEROはただ微笑んでいるだけ。
耐え切れなくなったか、十六夜はさらに顔をZEROへと近づけるが………

――轟音。

緑溢れ、青空が眩しいこの世界に相応しくない音が響き、空は暗雲立ち込み、紫に染まる。
動物達は突然の出来事に散り散りに逃げ出す。ZEROと十六夜も何事かと顔を向ける。
そこには、とても黒く、巨大な影が空へと放たれていた。
そして地表には、おびただしい黒い粒子が湧き上がり、やがて蟲の形をした異形の怪物へと姿を変えた。

ZEROは立ち上がり、剣を構える。

「もしかして、アレも十六夜の罪だったりする?」

冗談交じりに、やや笑い混じりにZEROは言う。
十六夜も立ち上がり、眼を閉じて刀に宿る。聖剣・十六夜は強く呼応し、太刀へと大きさを変える。

≪分かりませんが…あまり良い空気ではありません。この世界に置いては危険な存在だと思います≫

武器に宿った十六夜が警戒するように告げる。

「俺もそう思う。この世界を荒らしに来たような雰囲気をとにかく感じてるよ」

ZEROも同じく、目の前のアレは危険なものだと警戒して刀を向けている。
どちらにせよ、こんな状況ではお互いに自己紹介もできやしないと判断し、聖剣・十六夜と成った太刀に力を込め……

「十六夜が好きだと言ったこの世界、護らないワケには行かねぇな!!!」

強く地を蹴り、異形の怪物めがけて駆け出す。放たれた矢のように。撃ち出された弾丸のように……


運命は  変化する…

ここに、ZEROと十六夜の契約が成立した。護る為に戦う守護剣士。
己が罪を探す為に、共に歩むことを決意した原初の女神。

ここから始まった、神殺しと断罪の剣の物語。
次元すらも飛び越え、光を取り戻すため、罪を断ち斬るため、世界を護るため……。
何1つとして死を否定した男と、何1つとして殺せない剣の物語。
此度訪れたこの世界も、彼女の罪が関わっているのかもしれない。



運命は  交差する……

ZEROと十六夜に出会う者たちもまた、別の目的を持ってこの世界に降り立つ者も少なくはなかった。
ある者は自分を探すため。ある者は仇を見つけるため。またある者は戦場を求めて。
次元の守護者ZEROと、原初の女神十六夜の物語もまた、多くの彼、彼女らと交差するだろう……。


十六夜との契約において、以下の条件が課せられる――

  • 十六夜が宿った状態の全ての武器では、いかなる生物であっても殺傷することが出来ない。
  • 聖剣・十六夜で殺せるのはただ一人のみ。そして殺害した場合、十六夜は完全に消滅する。
  • 十六夜が消滅しない限り、契約者は死ぬことすら許されない。己に降りかかる死という運命を完全に否定される。
  • 十六夜を用いて救った世界から別次元へ転移した場合、元いた世界から十六夜の所持者の名前は全ての記録から抹消される。(記憶だけがうっすらと残る程度)
  • 十六夜と契約をした者は、時間という概念から否定される。傷つき病むことはあれど、老いる事、死ぬことを否定される。











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最終更新:2013年06月03日 18:42