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 修道院でリーネ王女の髪飾りを見つけた途端、シスター達に襲われた。
 いや、襲われたといっても性的な意味ではなく物理的にだ。
 なんとシスター達は魔物だった。リーネ王女をさらったのはこいつらと見て間違いないだろう。

 ちなみに修道院の入り口が狭いので魔導アーマーはまた留守番だ。
 たまには生身で戦うのもいいだろう。

「ふぅ~、楽勝でしたね!」

 驚いてただけのウェッジが得意げに額の汗をぬぐう。
 と、その瞬間。辛うじて息があったらしい魔物が起き上がり、ウェッジに襲い掛かる!

「ひ、ひえええ~~~~!!」

 ああウェッジ。悪い奴ではなかったのに死んでしまうなんて……。
 とはいかず、何者かの一太刀で魔物は今度こそ絶命した。
 ううむ、他人ながら中々の剣捌き。

「ぎええええええええ~~~!!」

 ウェッジが再度叫ぶ。ええい、やかましい奴だな。だから出世できんのだ。
 とか思いつつウェッジの後ろの男(?)を見てみたら、

「ひえっ!」
「きゃあ!」
「……!」

 ウェッジ以外の俺達3人も驚いてしまう。クロノは相変わらず声を出さないが。
 そこにいたのは巨大なカエル男だったのだ。

「最後まで気をぬくな。勝利に酔いしれた時こそスキが生じる。
 お前達も王妃様をお助けしに来たのか?
 この先はヤツらの巣みたいだな。どうだ、いっしょに行かないか?」

 な、なんだこのカエルは……。なんかかっこいいこと言ってるし。
 見た目はアレだがかなりの腕の剣士らしい。言動が若干レオ将軍に似てるな。

「悪いカエ……、人にはなさそうね……。うーん……どうする?」

 顔を引きつらせながらルッカが決断をこちらへ委ねてくる。
 いや、どうしようもなにも……カエルが仲間に……?
 ま、まあ人手は多いに越したことはないだろう。
 カエルに恨まれるのも嫌なので仲間にしてあげることにした。

「俺のことはカエルでいいぜ。よろしくな!」

 カエルが仲間になってしまった。

最終更新:2014年11月11日 20:50