AL2_配置ルール


概要

汎用マップをアルシャードセイヴァーで運用する

 本ルールは、アルシャードセイヴァーで汎用マップを使用する際のルールです。


配置の基本

 本ルールでは、戦闘のフィールドを正方形のマス目で区切ってキャラクターの位置や互いの距離を管理します。
 このマスを「スクエア」と呼びます。

 各地形の効果や移動に関するルールは、身長150cm~180cm程度の健常で通常の人間を基準に設定されています。
 特に巨大だったり、形状が特殊だったりするキャラクターの扱いは、一部スポットルールとして用意してありますが、それ以外のケースでは基本的に「基準体型」に準拠するものとしてしまって下さい。
 特にゲーム的に意味があるとGMが判断した場合には、適宜GMがルールを用意しても構いません。

スクエア

スクエアとは

 本ルールでは、1ブロックをそのまま1スクエアとして使います。スクエアはそのまま本ゲームで距離の単位として用いられ、略号として「Sq」が用いられます。
 スクエアの一辺は5mほどですが、開けた場所ならより大きく、入り組んだ場所ならより小さくデフォルメして表現されます。
 移動や射程は「スクエア」で管理されますが、スクエアのサイズが変わっても「移動」や「射程」には影響しません。

 スクエアには複数のキャラクターが同時に入る事が出来、同じスクエアにいるキャラクター同士は「エンゲージ」しているものとして扱います。

スクエア間の距離

 スクエアのサイズはシチュエーションに応じ、1m四方や1km四方など、好きにアレンジして構いません。
 ただし、スクエアのサイズがどのようでも、射程距離や移動力(点)の計算が変わる事はありません。
 スクエアが大きければ見通しがよくて遠くまで攻撃が届く状況で1ラウンドのサイクルが長く、小さければ込み入った状況で1ラウンドのサイクルが短いだけです。
 例えば元のルールで射程20mの攻撃は4Sqですが、開けた場所でスクエアの一辺が8mほどになったからといって3Sqや2Sqになったり、反対に屋内で一辺が3mほどで描かれるからと言って6Sqや7Sqになる事はありません。
 ※1ラウンドの長さも「様々」になります。基本ルールどおり「1分ほど」である事もあれば、1秒、あるいは30分ほどである事もあるでしょう。

 あるスクエアから別のスクエアまでの距離を計算する場合、そのスクエアの中心(対角線の交点)から対象スクエアの中心までの長さを基準に考えます。
 ただし、後述の「移動と射程」に関しては、計算を容易にする為、独自の算出方法を用います(どどんとふ上に物差しをいちいち当てるのは面倒ですから!)。



地形

 スクエアは、座標・中心点を表す配置情報と、地形を表す「絵」と、それが持つ意味合いである地形効果のアイコンで構成されます。

地形効果

 地形効果はアイコンごとに、その効果が設定されています。
 特に変わった移動方法を選択していないなら、地表は「進入」に関係し、障害物は「遮蔽効果」に関係する、ぐらいに覚えておけばいいでしょう。

 あるマップで全てあるいは大半が特定のアイコンで占められる場合には、アイコン表示を省略した上で「アイコンがないところは全部これ」とアナウンスして済ませて構いません。

地形効果アイコン

地形効果例
①座標:
  • 上側の数字(例は3-2)。
②高度:
  • 座標下のアイコンブロック左側。
③天井・障害物
  • 座標下のアイコンブロック右上。天井は座標直下。
  • (サンプル地形は天井がないため、空欄)。
④壁:
  • 画像左下の四角。サンプルは壁がないため空欄。
⑤地表:
  • 座標下のブロック下側。


地表

 地面の表面に当たる部分の状態を主に表現する地形効果のアイコンです。
 [移動方法]に書かれた説明は、後述「移動」の「移動方法」と「進入/滞在時の制限」を参照して下さい。
  移動方法
  地形 アイコン 歩行 車輪 履帯 騎馬 這動 飛行 浮揚 転移 水上 水中
整地
通常 高速 高速 高速 通常 高速 通常 通常 不可 不可
平地
通常 通常 通常 通常 通常 高速 通常 通常 不可 不可
不整地
通常 制限 通常 制限 通常 高速 通常 通常 不可 不可
荒地
制限 不可 専念 制限 通常 高速 通常 通常 不可 不可
水地1LV
制限 不可 困難 困難 通常 高速 通常 通常 通常 困難
水地2LV
困難 不可 専念 専念 制限 高速 通常 通常 高速 制限
水地3LV
専念 不可 不可 専念 制限 高速 通常 通常 高速 通常
空虚
不可 不可 不可 不可 不可 高速 通常 通常 不可 不可

障害物

 その土地にある壁や樹木などの障害物の影響や効果を表現する地形効果のアイコンです。
 障害物の高さは基本的にはあまり考えず、(後述の)[上空状態]なら障害物より上にいて、それ以外なら障害物の影響を受ける程度の把握でいて下さい。
 とはいえ障害物の高さは「それなり」のものがありますから、シチュエーションに応じて個々の障害物の高さを明確に定義しても構いません。
 そのような場合には、どのような影響があるのかを、少なくとも戦闘が始まる直前までに説明しておいて下さい。
 「─」とある項は、「効果」欄と同じです。「~M,L,XL~」の記述はサイズで、選択ルール用のものです。
  地形 アイコン 効果 飛行 ~M L XL~
なし
なし。
小遮蔽
命中-1。ハードカバーの時はDR-3。※1 なし。
大遮蔽
命中-2。ハードカバーの時はDR-7。※1 進入/滞在困難 進入制限 判定-2・進入不可
全遮蔽
視線完全阻害。ハードカバーの時はDR-∞。※1 進入不可 進入制限 判定-2・進入不可
狭所
いつでも誰でもそのSqを[封鎖]宣言できる。 進入制限 判定-2・進入不可
橋(整地)
橋の上を[整地]扱いで通過できる。※2
橋(平地)
橋の上を[平地]扱いで通過できる。※2
橋(不整地)
橋の上を[不整地]扱いで通過できる。※2
橋(狭所)
橋の上を[狭所]扱いで通過できる。※2 地形「なし」扱い 地形「なし」扱い
不可 × 進入不可。全方位に「壁」があり射線が通らない。
※1.図示アイコンは「ソフトカバー」、「ハードカバー」は中が塗りつぶされている。
※2.橋は上下か左右の隣接ブロックを繋ぐが、どの方向を繋いでいるかは画像を見て判断する事。
  橋の上の高度は、(橋が渡されている)隣接ブロックと同じとする。

天井

 屋根や天井、あるいは樹木の枝葉などで、そのスクエアの「上の部分」が覆われているか否かを表すためのものです。
 天井がある場合、その天井は「成人男性が両手を上げてもぶつからない」程度の高さがあるものとして扱います。
 これまた特に設定する必要がなければその程度、あるなら個々に設定して運用して下さい。
 特に細かく決める必要がある場合を除けば「大体こんなもん」で表現され、あるいはそもそも設定するのを忘れたりしやすい箇所ですので、お互い注意しつつ妥協しながら遊んで下さい。
  地形 アイコン 意味
天井なし なし 上部分は開放されており、上空から地表を視認できる。
部分
木立などで上部分が一部隠れており、上空から地表を視認するのは困難。
完全
屋根などで上部分が全く隠れており、上空から地表を視認できない。
 飛行状態と上空状態を参照。

高度

 地表にあたる部分が、基準となる高さの地面からどれほど上/下にあるかを表すためのものです。
 水地スクエアの場合には、水面の高さが基準になります。

 高度はレベルで表現し、大まかですが1LVごとに75cmほどとして扱います。
 これとは別に、キャラクターがいる高さを表現する「高度情報」というパラメータがあるのですが、詳細は後述します。

 高度が高い場所を間に挟むと、視界を遮られる場合があります。
 動作主から対象が双方高度0LVにいるとき、間に高度2LVのスクエアがあったら、対象の姿は大半が隠れてしまっており、「小遮蔽」として扱われます。
 高度3LV以上のスクエアがあったら、対象の姿は完全に隠れてしまい、「全遮蔽」として扱われます。
 基準となる高度が0LVでないなら適宜読み替えて下さい。

 双方がいる高度が異なる場合も概ね同様ですが、GMは必要に応じて適宜裁定して下さい。
 例えば動作主が4LVの高度にいて隣が2LVで、0LVにいる対象までの間に他に高い地形がないなら、視界を遮る事はないでしょう。

  地形 アイコン 意味
高度0LV なし 基準となる高度。
高度1LV
基準から75cmほど高い場所。成人男性の膝上ほどの高さ。
高度2LV
基準から150cmほど高い場所。成人男性の胸ほどの高さ。
高度3LV
基準から225cmほど高い場所。
高度4LV~
それ以上の高さはLVを数字で記載する。大体LV*75cmの高さ。
高度-1LV
基準より75cmほど低い場所。
高度-2LV
基準より150cmほど低い場所。
高度-3LV
基準より225cmほど低い場所。
高度-4LV~
それ以上の低さはLVを数字で記載する。大体LV*75cmの低さ。


 スクエアとスクエアを区切る場所に壁や扉などがある事を表す記号です。
 ②以降は左右にその扉や壁がある場合の表示で例示しています。
  地形 アイコン 意味
方向
壁や扉がある。例示アイコンでは、上側が壁、左右が扉、下側が開放。※1
なし なし どちらの方向にも壁がなく、通行できる。
通過できず視線/射線も通らない壁。全遮蔽として扱う。
開放しないと通過できない扉。開放には隣接orエンゲージして、minかMaj。閉鎖時は全遮蔽。
堅牢な扉
開放しないと通過できない扉。開放には隣接orエンゲージしてMaj。閉鎖時は全遮蔽。
窓・柵
脆い窓や低い柵/塀。通過時、移動点を1点余分に消費する。
 ※1.壁があるSqに、壁がある方向から進入する事は出来ないし、射線も通らない。。
   扉があり、それが閉まっている場合、扉がある方向から進入する事は出来ないし、射線も通らない。
   扉が開いているなら進入に制限はなく、射線も通る。



キャラクターの行動

配置の基本

 キャラはスクエアの真ん中にいるものとして扱います。
 移動はこの中心から中心への移動、距離は中心から中心への距離で考えて下さい。

移動

移動点

 移動力は、本来のキャラクターが持つ【移動力】/5になります。区別する為、これを「移動点」と呼ぶ事にします。
 端数は切捨てなので、場合によっては0になってしまう事もあるでしょうが、「最低移動距離保証(後述)」があるので、移動点が0だから移動できないというわけではありません。

 あるSqから隣のSqに移動するのに、(地形などによる変化がなければ)1移動点を消費します。
 移動は常に辺を介して行われ、斜めの移動はできません。

最低移動距離保証

 あるキャラクターが移動を宣言でき、(本来の)移動力を1以上支払えるのに、[移動点]が0だったり地形効果等で[移動点]が足りなかったりして移動できない場合でも、1Sqの移動は行う事が出来ます。
 ただし、そのキャラクターが状態異常等で移動力を支払えない状態だったり、すでに移動してきて移動点が足りなくなっただけだったりという状況なら、最低移動距離保証は適用されません。

 この効果は、位置を維持する為に[移動点]を支払う必要がある場合にも適用できます。
 たとえ[移動点]が0でも、移動自体を宣言できるなら、[移動点]が1点あるものとしてこれを支払い、現在地を維持できます。

移動方法

 これは地形効果と関連した話なのですが、移動の方法によって移動が容易な地形、困難な地形というものがあります。
 これを表現する為に、移動方法を再定義しておきます。個々の地形における制限は、前述の「地形」を参照して下さい。
  移動方法 解説
歩行 人間や動物の移動方法。特典はないが制限も少ない。
車輪 オンロード用の自動車やバイク、あるいはそれに準じる移動方法。整地ならば速度が出るが、制限を受ける地形が多い。
履帯 いわゆるキャタピラや、悪路を走行するのに適した車両の移動方法。歩行と車輪の間ぐらいの性能。
騎馬 馬など、動物の中でも特に騎乗用に多用され「蹄」を持っているような動物をイメージした移動方法。地形の制約を受ける代わりに高速。
這動 「げんどう」と読む。蛇やトカゲなど、動物の中でも特に「腹を地面につけて移動する」ような動物をイメージした移動方法。地形の制約をほぼ受けず、水陸でも自由に移動できる。
飛行 飛行機などの移動方法。「飛行状態」として扱われ、高速。メインプロセス中に1Sq以上移動するか、高度情報を1以上変更していないと[失速]状態になる。
浮揚 魔法などで宙に浮かんでいる状態の移動方法。「飛行状態」として扱われ、空中で静止できる。
転移 魔法などで瞬間的に転移する移動方法。移動時の地形効果の影響を全て無視する。ただし、進入できないSqで移動を終了してはならない。
水上 水上船舶など、水面に浮かんで移動できる。
水中 魚や潜水艇など、水中に潜って移動できる。
※ヴィークルに乗っていないクエスターの移動は、通常「歩行」、飛行状態時「浮遊」として扱う。

  • 進入/滞在時の制限
  分類
高速 進入に制限なし。この地形だけ移動した場合、1移動点追加できる。
通常 制限なし。
制限 進入に+1移動点。
困難 進入に+1移動点。リアクション-1。
専念 進入に「全力移動」が必要で、進入した時点で移動終了。
不可 進入不可。


高度の変更

高度と高度情報

 戦場は平らとは限らず、坂や崖、塀など、色々な高さの場所があります。
 これを表現するため、スクエア毎の「高度」と、キャラクターの「高度情報」があります。

 スクエアの「高度」は文字通り、そのスクエアの地表部分の高さを表し、キャラクターの「高度情報」は、キャラクターがどのぐらいの高さにいるかを表しています。
 キャラクターの高度情報は、基本的にいるSqの高度と同じですが、壁を上ったり崖を下ったりする途中で一時的に「高度」と「高度情報」が違う値になる場合があります。

高度の変更

 文章にするとややこしいので、基本的には以下のルールを覚えておいて下さい。
  • 通常(歩行/浮揚の移動方法)のキャラクターが隣接スクエアに移動する時…
    • 高度を1変更する:特に影響なし。
    • 高度を2変更する:移動点を1点余分に支払う必要がある。
    • 高度を3変更する:上記に加えて「全力移動」を行っている必要がある。
    •  ※ただし[浮揚]の場合は全力移動不要。

 1マスで高度を4以上変更する場合、移動方法が歩行/浮揚以外のキャラクターの移動に関しては以下を参照して下さい。

+ ▽高度変更の正式ルール
 キャラクターが移動する際、進入するSqの高度は、キャラクター自身の高度と同じか±1以内でなければなりません。
 高度が2以上異なるSqに進入する場合には、[登攀状態]を宣言して、移動点を支払ってキャラクター自身の高度を変更する必要があります。
 高度を3以上変更するには、移動方法にもよりますが、「全力移動」を宣言する必要があります。
 高度が低い場所に進入する場合には、わざと「落下」する事で高度を下げる事も出来ます。

 高度情報の変更は「移動点を支払う」事で可能ですが、高度の変更に際しては「最低移動距離保証」ルールを適用しません。
 また、[高度情報の変更]が行えるのは、高度差のあるスクエアに進入する時だけとします。

 一度の移動で進入に必要な移動点を支払えなかった場合、キャラクターが[登攀状態]である限り、高度情報は保持されます。
 次の行動時等で残りの移動点を支払い、高度情報の変更を完了させて下さい。
 [登攀状態]は、キャラクターが戦闘不能になったり、別のスクエアに移動すると解除されます。

 高度情報の変更に必要な移動点は以下の通りです。
高度変更 歩行 車輪 履帯 騎馬 這動 飛行 浮揚 転移 水上 水中
±1 +0 +0 +0 +0 +0 +0 +0 +0 ※2 ※2
±2 +1 不可 +1 +1 +1 +0 +1 +0 ※2 ※2
±3~4 +1※1 不可 不可 不可 +1 +0 +1 +0 ※2 ※2
±5~9 +2※1 不可 不可 不可 +2 +0 +2 +0 ※2 ※2
±10~14 +3※1 不可 不可 不可 +3 +1 +3 +0 ※2 ※2
±15~19 +4※1 不可 不可 不可 +4 +1 +4 +0 ※2 ※2
±20~24 +5※1 不可 不可 不可 +5 +2 +5 +0 ※2 ※2
±25~29 +6※1 不可 不可 不可 +6 +2 +6 +0 ※2 ※2
以後※3 /5+1※1 不可 不可 不可 /5+1 /10 /5+1 +0 ※2 ※2
※1.「全力移動」を宣言している必要があります。
※2.地上用の移動の場合基本的に「不可」。
※3.「変更する高度」を基準に、各移動方法ごとの計算を適用してください。
  例えば「歩行」で50LV一度に変えるには、「50/5+1」で11移動点が必要です。


飛行状態と上空状態

 キャラクターが[飛行状態]でも、特に高度をとる等しない限り、[飛行状態]でないキャラクターと同じぐらいの高さにいます。
 が、せっかく飛んでいるのですから、高度をとって間の地形を無視したいと思う時もあるでしょう。
 そのような場合、[上空状態]になる事で、十分な高度を取って移動する事が出来ます。
  • [上空状態]になる方法/解除する方法
    • [飛行状態]のキャラクターは、移動時に2移動点支払う事で[上空状態]になる事が出来る。支払うタイミングは移動中のいつでも構わない。
    • [上空状態]は、移動中に宣言するだけで解除できる。(移動力が足りるなら、上空状態のOn/Offを一度の移動で行っても良い)
    • ただし、天井「完全」のSqで[上空状態]になる/を解除する事は出来ない。
    • 同様に天井「部分」のSqで[上空状態]になる/を解除する際は、「全力移動」を宣言する必要があり、他の移動は出来ない。
  • [上空状態]の効果
    • [上空状態]のキャラクターは、位置の管理上いずれかのSqにいるものとして扱うが、実際はその上空にいる。そのため、今いるSqの地形効果を適用されず、進入/退出に際しての制限も課されない。
    • [上空状態]でないキャラクターと[上空状態]のキャラクターは、同じSqにいてもエンゲージできない。
    • [上空状態]のキャラクターは大体「高地」にいるが、複雑な三次元機動を制御しながら戦うのは困難であるため、高度ボーナスは適用されない。

 「上空状態」が絡まない限りは、基本的に「同じスクエアにいるキャラクター同士」はエンゲージしているものとして扱い、射程0の白兵攻撃を仕掛けたり、特技を使用したりする事ができるとします。


視線と射線

 攻撃や特技を使用する際、使用キャラクターと対象の間の距離について算出する際は、「射程」を「移動点」に読み替えて、移動と同様に扱います。
 その際、地形効果は全て無視して最短距離を算出して下さい。
 武器の特技の射程がメートルで示されている場合には、移動点同様「÷5」で算出して下さい。
 武器は選択ルールとして再定義されたものがあります。そちらは最初から「スクエア数」で射程距離が産出されていますので、そのまま使用して下さい。

 攻撃や特技を行使する際、彼我の距離とは別に「視線」と「射線」という二つの要素について気にかける必要があります。
 「視線」は「視界」とも言い、「アクション主と、対象キャラクター/地点までの間に遮蔽物が存在するかどうか、対象を視認する事が出来るかどうか」を表す為のものです。
 「射線」は「射界」とも言い、「アクション主から、対象キャラクター/地点まで空間的にまっすぐ繋がっているか」を表す為のものです。
 「視線」と似ていますが、「空間的に繋がっているかどうか」だけが違います。例えば絶対壊れないガラス窓が間にあるなら「視線」は通りますが、「射線」は通りません。

視線/射線の判断

 「視線/射線」を判断する際、アクション主がいるスクエアの中央から、対象がいる/あるスクエアの中央まで直線を引きます。
 間に「視線/射線を遮る」効果があるスクエアの辺が掛かるなら、視線/射線が「阻害される」あるいは「部分的に阻害される」として扱います。
 直線が視線/射線を遮るスクエアの頂点しか触れていない場合には、「視線/射線を遮る」判定には含めずとも構いません。
 ただし、直線の左右にそれぞれ「視線/射線を遮る」スクエアがあり、挟み込まれる構図なら、それは「視線を遮る」ものとして扱います。

視線/射線の違い

 どれほど不思議な能力であっても、どこにいるか分からなくては攻撃や特技を使用する事はできませんから、「視線」が通っていない相手に攻撃や特技、加護を使用する事は出来ません。
 とはいえ「声が届けば効果がある」とか、「そもそもいるかどうか分からない相手を探す」というような類の能力ならば、対象まで視線が通っていなくても有効であるかもしれません。
 そのような区分けは元ルールの範囲ではなされていませんので、GM判断とします。

 「射線」が通っていない場合もよく似ていて、射線が通らない相手を攻撃の対象に取ったり、射線が通らない地点を中心に設定して攻撃する事は出来ません。
 ですが、攻撃以外のアクションと加護は射線が通っていない対象も指定できるとします。
 ※攻撃以外のアクションであっても、対象まで何か物質などを対象まで届かせる必要がある場合には、「指定できない」とします。
  具体的にどれが含まれどれが含まれないかは元ルールの範囲で定義されていませんので、GM判断とします。

 ※白いスクエアは「(障害物)なし」、黒いスクエアは「完全遮蔽」とする。

視線/射線の部分的な阻害と完全な阻害

 ここまでの説明は全て、視線/射線が完全に阻害される場合の効果です。
 が、実際には「完全に見えない訳ではないが、間に障害物があって視線/射線の邪魔になる」というケースは多々あります。
 「完全に視線/射線を遮る」地形効果の事を(視線/射線)完全阻害と呼びます。完全阻害の地形の辺を跨いで向こう側は前述の制限が掛かります。
 不完全に遮る場合、その地形効果は(視線/射線)部分遮蔽と呼びます。部分遮蔽の地形の辺を跨いで向こう側に攻撃を行う場合、命中判定にマイナス修正(地形ごとに指定)が掛かります。
 このマイナス修正が合計で-6以上になる場合、元の判定値がいくつだろうとそれは「完全阻害」として扱われ、その向こう側を攻撃する事は出来ません。

 視線/射線が「二つの頂点に挟まれる」場合、その際適用する地形効果はどちらか一方をアクション者が選択します。
 例えば「完全阻害」と「部分遮蔽-2」に挟まれているなら、後者だけを選択する事が出来ます。
 攻撃者と対象が同じSq内にいる場合、視線も射線も遮るものがないものとして扱います。

 遮蔽物は多くの場合強固で、防御の役に立ちますが、煙幕や草葉など、視界は遮るが防護効果がないものもあります。
 これを「ソフトカバー」「ハードカバー」という言葉で区別します。
 遮蔽物が「ソフトカバー」である場合、視線を遮り対象に正確に攻撃を行う妨げになりますので、命中判定にマイナス修正がかかりますが、射線を遮る強固さがない為、ダメージを防ぐ効果はありません。
 遮蔽物が「ハードカバー」である場合、視線も射線も遮るため、命中へのマイナス修正と、ダメージを防ぐ効果両方があります。
 このカバーによるダメージへの影響は、防御力や属性と無関係に適用されます。

視線/射線阻害による影響:
視線阻害効果 射線阻害/ソフトカバー 射線阻害/ハードカバー
なし なし なし なし
小遮蔽 命中-1 なし DR-3
大遮蔽 命中-2 なし DR-7
全遮蔽 完全阻害 なし DR-∞
 ※.各修正は累積する。


スポットルール

「見えない相手」の扱い

 隠密状態だったり、視界の外だったりして「どこにいるか分からない」キャラクターと戦うという状況があります。
 本ルールでは、基本的には「プレイヤーが把握している情報をそのまま使用できる」ものとします。キャラクターがどこにいるか分からなくてもプレイヤーに分かっているなら、それを前提に立ち回る事が出来ます。
 「どこにいるか分からない」という要素は例えば攻撃の対象に指定できないとか、そういう部分で表現されます。
※これは正直「どっちでもいい」部分なのですが、プレイヤーのスタンス次第で損得があまりに顕著に出てしまうので、一応統一見解を示しておくことにします。

 一方で、本当に「どこにいるか分からない」という状況を作りたいような場合には、GMはキャラクターが登場している事を伏せたまま手元でこっそり動かすような運用をしても構いません。
 プレイヤーには「GMにも内緒でキャラクターを登場させる」というようなプレイは許されませんが、GMはNPCを動かす際にそのあたりある程度踏まえて行動を決定するようにしてあげて下さい。


対象:範囲の拡張

 特技や攻撃、加護の対象「範囲」と「範囲(選択)」(ついでに「場面」「場面(選択)」)を、スクエアルールに合わせて再定義します。

再定義

  • 対象:範囲について
    • [対象:範囲]は、1つのスクエアを指定し、そこにいる全キャラクターが対象になる。
    • (選択)がついている場合には、その中で指定可能なものを任意に指定する事。
  • 対象:場面について
    • [対象:場面]は、広範囲化(後述)ルールを用い、「通常:3」の範囲とする。
    • (選択)がついている場合には、その中で指定可能なものを任意に指定する事。
  • 加護《ネルガル》について
    • 《ネルガル》の効果を変更する。
    • 攻撃の対象が[範囲]や[場面]でないなら、[範囲(選択)]に変更する。
    • その範囲に、広範囲化+3段階する。

「広範囲化」について

 せっかくスクエア配置になるので、本来より大きな範囲に対して攻撃出来るようにしたいですよね。
 なので、「範囲化のコストを2回支払う事で、本来よりも広い範囲を対象に指定できる」というルールを追加します。これを「広範囲化」と言います。

 この「範囲化」は、別々の要因で発生したもので構いません。
 例えばアイテム効果で「範囲(選択)」にしつつ、《スフィアマジック》で更に「範囲(選択)」化を重ねて、広範囲化する事もできます。
 このコストは「無償でないなら」、本来のルールを無視して複数回ぶんのコストを同時に支払い、複数回「範囲(選択)」化する事が出来ます。

 例えば「1Rに1回だけ、攻撃を範囲(選択)に変更できる(ノーコストで)」というアイテムの効果は、コストが無償なので2回支払う事はできません。
 ですが《スフィアマジック》は「魔法弾1発」という代償があるので、「シーン1回」という制約を無視して二回同時に使用し、広範囲化する事が出来ます。
 ブレイク中も、前者は2回使用できませんが、後者は2回使用できます。
 ※もちろん、あくまで「広範囲化の為に同時に2回使う」事が出来るだけです。これは別に《スフィアマジック》はシーン2回使える、という変更ルールではありません。

 「範囲化」を1回余分に施すごとに「広範囲化」が+1段階されます。
 広範囲化n段階の時、効果範囲は対象スクエアからnマス以内が全て含まれます。
 たとえ距離的に範囲内であっても、中心地点から射線が通らない相手を対象に含める事は出来ません。

  • 広範囲化が出来る回数
    • ▼クエスターの場合
    •  広範囲化1段階目をシーン1回だけ使用できます。
    •  またシナリオ1回に限り、範囲化のコストを3回支払って「広範囲化2段階目」にする事が出来ます。
    • ▼サクセサーの場合
    •  広範囲化1段階目の使用回数に制限はありません。
    •  「広範囲化2段階目」はシーン1回しか使用できません。
    •  シナリオ1回に限り、範囲化のコストを4回支払って「広範囲化3段階目」にする事が出来ます。
    • ▼セイヴァーの場合
    •  回数制限はありません。コストさえ支払えるなら、広範囲化1段階、2段階を好きなだけ使用できます。
    •  「広範囲化3段階目」はシーン1回しか使用できません。

広範囲化バリエーション(選択ルール)

+ ▽広範囲化バリエーション
 選択ルールとして、「広範囲化」した際の範囲形状を一種類ではなく、増やして色んな種類の攻撃範囲で遊ぶ事が出来ます。
 「放射」「貫通」「なし」の三種類を新たに追加し、本来の範囲は「通常範囲(通常)」と呼んで区別します。

  • 通常範囲(通常)
 元ルールにあった「範囲」に相当します。
 中心地点を指定し、そこから「広範囲化」回数スクエア先までが範囲に含まれます。
 下記を参照して下さい。オレンジのスクエアが「中心」、黄色が「効果範囲」に含まれるスクエアです。
 黄色とオレンジをあわせたものが効果範囲になります。

 広範囲化を適用していない「通常範囲」を「通常0」、広範囲化を1回適用した「通常範囲」を「通常1」、2回適用した「通常範囲」を「通常2」…のように表記します。

 たとえ距離的に範囲内であっても、中心地点から射線が通らない相手を対象に含める事は出来ません。
 同時に地形効果「防壁」等の効果は「攻撃者から」ではなく「中心地点から」対象までの射線で判断します。

  • 放射
 手元から広がって広範囲に効果を及ぼすタイプの「範囲」です。
 本来の射程距離を無視して、キャラクターから縦か横に「広範囲化レベル+1」Sqの線をまず引いて下さい。
 その際、射程に0Sqが含まれるなら、攻撃者のいるSqを含める事が出来ます。そうでないなら、攻撃者の隣接Sqから線を引いて下さい。
 攻撃者に近い方から、1マス目はそのマスだけ、2マス目は左右隣接1マス、3マス目は左右隣接2マス…という風に効果範囲が広がっていきます。
 そうして「広範囲化レベル」マス先まで幅を広げて行き、最後のマスはその1マス手前と同じ幅になります。

 …文章で書くと難解なので、図を参照してください。
 攻撃者の隣接スクエアを指定し、その方向に下記凡例の通りのスクエアが効果範囲に含まれます。
 緑色のスクエアが「攻撃者」、オレンジのスクエアが「指定隣接スクエア」で、黄色が「効果範囲」に含まれるスクエアです。
 黄色とオレンジをあわせたものが効果範囲になります。緑色のスクエアは、射程に0Sqが含まれるなら、これも効果範囲に含める事が出来ます。

 広範囲化を適用していない「放射」を「放射0」、広範囲化を1回適用した「放射」を「放射1」、2回適用した「放射」を「放射2」…のように表記します。
 広範囲化の結果、効果範囲が射程より外になってしまう場合も、効果範囲の中ならば対象に含まれます。

 たとえ距離的に範囲内であっても、攻撃者から射線が通らない相手を対象に含める事は出来ません。

  • 貫通
 手元から対象までの射線上全てに効果を及ぼすタイプの「範囲」です。
 ここらからさらに複雑になるので頑張ってついてきて下さい。

 「貫通」の効果範囲は基本的に、射線を検討する際「干渉するかどうか確認する」スクエア全てとなります。
 射線が対角線になる場合は、頂点が接するスクエア全てが含まれます。

 広範囲化未適用(貫通0)の場合、対象スクエアにいる1体の他、攻撃者のいるスクエアに隣接する1マス(対角線なら2マス)だけが含まれます。
 貫通1なら、対象スクエアと、射線が通過あるいは接する全スクエアが効果範囲に含まれます。
 貫通2なら、対象スクエアと、射線が通過あるいは接する全スクエアが効果範囲に含まれます。その際、射程を+2Sqして対象スクエアを決める事が出来ます。
 以後、広範囲化が1段階強化される度に、射程をさらに+2Sqして下さい。

  • 不可
 この攻撃は、一切の範囲化が出来ません。
 とはいえ元ルールでは「範囲」にする事は出来る訳ですから、単純に損してしまわないよう、代わりにダメージを増強する事ができる事にします。

 広範囲化未適用(不可0)の場合、攻撃ダメージロールに+「攻撃に使用した武器の攻撃力*1」の修正を得られます。
 不可1なら、攻撃ダメージロールに+「攻撃に使用した武器の攻撃力*2」の修正を得られます。
 不可2なら、攻撃ダメージロールに+「攻撃に使用した武器の攻撃力*3」の修正を得られます。
 以後、広範囲化が1段階強化される度に、武器の攻撃力に掛ける係数を+1して下さい。



落下

 キャラクターは「登攀状態」を経ずに高地から低地に飛び降りる事が出来ます。その際、「落下」が発生します。
 意図せず高所から落下したような場合にも、同様のルールを適用します(ただし、GMが状況により相応しい処理を適用した場合にはその限りではありません)。
 キャラクターが「落下」した場合、そのキャラクターは[落下した高度LV-クエスターレベル]点の実ダメージを受けます。
 このダメージには属性がなく、防御力は無効ですが、ダメージ軽減の特技やアイテム効果は適用できます。

 キャラクターのHPが1点以上失われた場合、【反射】で難易度10の判定を行って下さい。失敗すると、キャラクターは転んだり尻もちをついたりして、[狼狽]状態になります。
 キャラクターが「ブレイク」状態の場合、「落下」によるダメージもバッドステータスも発生しません。


高度の影響(高度ボーナス)

 クエスター同士の戦いであっても、高地を押さえる事は重要です。
 単純に見上げるより見下ろす方が容易だし、高地は低地より位置エネルギーが大きいので、攻撃にそれを乗せる事ができるからです。
 攻撃者がいるSqの高度LV>対象がいるSqの高度LV である時、以下のような特典を得られます。
  • Mov開始時、または終了時に「攻撃者の方が高地にいる」条件が成立していたなら、その攻撃の命中達成値に+1。

 また、障害物の高さが明確に定義されているシチュエーションなら、障害物(の上端)よりも高い位置にいるキャラクターは以下のような特典を得られます。
  • 攻撃者と対象の間にある小/大遮蔽の効果を無視出来る。
  • ※対象がいるマスの効果と、全遮蔽マス・壁は無視できない


地形効果の一時的変化

 地形の破壊…とまではいかなくても、爆炎で草むらが燃えたり、低温で水が凍ったりと言った具合に、一時的に地形の性質が変化する場合もあるでしょう。
 このような効果は、例えば地形のバッドステータスのように表現されます。

 こちらもGMがシチュエーションに応じて色々用意すればいいと思いますが、武器の再定義に付随して追加された効果を以下に示しておきます。

  • ▼焼夷
    • ダメージロール発生時、地形を炎上させる場合がある。
    • ダメージロールの結果を1/2したものがそのレベルになり、[焼夷:LV]のように表記する。めんどいので複数の効果範囲でダメージロールの結果が異なる場合、その最低値を基準にする。
    • クリンナップの度に[焼夷]地形にいる"ブレイクしていない"キャラクターは[LV]<炎>のダメージを受ける。この効果は攻撃ではないが、攻撃同様に防御やD軽減、カバーアップが可能。
    • (カバーアップに関しては、効果適用は同時ですので、順番に処理するとしても宣言できるのは1回だけです)
    • 焼夷のレベルはセットアップ毎に1/2になる。レベルが3以下になったら焼夷の効果は消滅する。
    • また、凍結している地形に[焼夷]が付加された場合、その地形の[凍結]を解除し、[焼夷]も消滅する。
    • ※[焼夷]の可能性がある場合、攻撃を全部回避されてもダメージロールは振って下さい。

  • ▼凍結
    • ダメージロール発生時、水地を凍結させる場合がある。
    • ダメージロールの結果を1/10したものがそのレベルになり、[凍結:LV]のように表記する。めんどいので複数の効果範囲でダメージロールの結果が異なる場合、その最低値を基準にする。
    • 凍結した水地は[荒地]として扱う。凍結のレベルはセットアップ毎に-1され、0になったら凍結の効果は消滅する。
    • また、焼夷している地形に[凍結]が付加された場合、その地形の[焼夷]を解除し、[凍結]も消滅する。
    • ※[凍結]の可能性がある場合、攻撃を全部回避されてもダメージロールは振って下さい。
    •  水地以外の地形も凍らない訳ではないですが、今のところ特に効果はないので、地形効果として記録するのは水地だけでOKです。


サイズで占有スクエアが変化する状況

 せっかくスクエアのサイズを決めたのですから、キャラクターのサイズももう少し明確化しておきたいと思います。
 基本ルール361pによると、「SSは犬猫、Sは人間の子供、Mは人間の成人、Lは自動車、XLは象、XXLはそれ以上」程度との事ですが、本ルールではXXLを廃止し、XL(数字)で表現する事にします。

 遮蔽効果がある地形とサイズの関係については以下の通りです。
サイズ 占有Sq 目安 遮蔽なし※1 進入制限 判定-2・進入不可
SS~M 1x1 人間以下の生物、バイク等小さなヴィークル なし なし なし
L 1x1 馬や虎、パンツァー等大型バイク、乗用車 なし
なし
XL(=XL1) 2x2 象、サイ、MBT
なし
XL2(=XXL) 3x3 バス、小型船、小型飛行機、本体長10※2m
なし
XL3=(XXL) 4x4 戦闘機、本体長15m※2
なし
※1.そのサイズのキャラクターが該当地形にいる事で得られる遮蔽効果を得られない。
  (間にある地形効果は適用される)
※2.ここでいう「本体長」は、機械なら全長、生物なら頭から尻までの長さの事で、尻尾や翼長は含まない。
  XL4以上は1LVごとに5m長くなり、扱いは同様で、+1ごとに占有Sqも(+1)x(+1)。

 XL2以上のキャラクターは外縁にある「外側」とその中の「内側」のSqを占有するが、「内側Sq」は平らで開けていなければならず、障害物「なし」か「橋」でなければなりません。
 移動まで含めた、地形効果とサイズの関係は地形効果のテーブルを参照して下さい

複数Sq占有するキャラクターの攻撃/への攻撃

 複数Sq占有するキャラクターが攻撃する場合、占有Sqのいずれか任意のSqを攻撃者が指定して、そこを起点に射程や視線/射線を判断出来ます。
 複数Sq占有するキャラクターに攻撃する場合、対象の占有Sqのいずれか任意のSqを攻撃者が指定して、そこを対象の所在として射程や視線/射線を判断出来ます。

※文章にすると硬いですが、攻撃する時もされる時も、「攻撃する側が有利なように自由に選んで良い」という事です。

複数Sq占有するキャラクターの移動と地形効果

 複数Sq占有するキャラクターが移動する場合、(面倒ですが)1Sq毎に「移動後に占有するSq」全ての地形効果を確認する必要があります。
 「移動後に占有するSq」全ての内、「(進入に)一番不利な地形」を選んで、その効果のみを適用して下さい。合計する必要はありません。

 「(進入に)不利な地形」については、より不利な方から順に不可>専念>困難>制限>通常>高速 とします。

 複数Sq占有するキャラクターが滞在している地形の地形効果を決める必要がある場合、判定修正などキャラクター全体の動きやすさに関わるものについては移動と同様に考えます。
 遮蔽については「攻撃者が任意に選ぶ」ものとします。攻撃者にとって一番有利なSqにいるものとして扱い、射程等と相談しながら任意に決定して下さい。



移動特技(選択ルール)

 本ルールで複雑化したマップを活用するような特技は、基本ルールにはほとんどありません。
 そこで移動に絡めた立ち回りを強化するような特技を追加します。この特技は汎用特技の一種として扱いますが、全PCが1つずつ自動的に得られるものの、経験点やレベルで取得することは出来ません。


武器・ヴィークルの再定義(選択ルール)

 本ルールでは射程や範囲化の種類、移動方法が追加されているのですが、既存ルールにいちいち紐づけるのが面倒なのでいっそ再定義してしまう事にします。
 ※ヴィークルの方は作成中ですが。

武器の再定義

ヴィークルの再定義


再定義データを使用しない場合

  • 射程:至近
    • →射程:0に読み替え
  • 射程:○m
    • →射程:0-○/5Sqに読み替え。端数は切り捨て。


その他の追加ルール(選択ルール)

追加のアクション

フェーシング(正対)

 フェーシングとは、特定方向に対して専念する事で攻撃を強化する、というオプション行動です。
 長いので、「正対」と略し、「正対(↑3)」のように表記します。
 基本的にNPC用としたいけど、状況によってはPCも使えていいなぁ。

  • フェーシング状態になる/解除する 
    • 特定方向を指定し、1マス分の移動力を支払ってフェーシング([指定方向]1)状態になります。
    • 1マス分の移動力を消費して±1LVする事ができ、0LVになった時点でフェーシングは解除されます。
    • 既に何れかの方向に対してフェーシング状態のキャラクターは、別方向へのフェーシングを行うことは出来ません。
    • フェーシング効果が1LV以上ある状態では移動不可で、特技等による強制移動を受けた場合はフェーシングが解除されます。

  • フェーシングの効果
    • 指定方向の一辺を通して行う攻撃は、ダメージロールに+[LV]dの修正を得られます。
    • その代わり、指定方向の一辺以外を通して受ける攻撃へのリアクションには、-[LV]の修正を受けます。

同乗状態の解除

 搭乗者は、対象の同意のもと、自身のマイナーアクションで対象の同乗状態を解除できます。
 1回のマイナーアクションで解除できる同乗者の数に制限はありません。

 もちろん、同乗者自身がアクションを消費して同乗状態を解除する事も可能です。

「所有」と「携帯」と「駐機」

 アイテムを常備化したり、購入判定に成功したりして「入手」したアイテムは、「所有」しているものと見做されます。

 その内、「キャラクターが持ち歩いたり搭乗したりして、一緒にシーンに出ている状態」を「所持」あるいは「携帯」していると呼ぶ事にします。
 ※「所持」だと、「所有」と最初の一文字が被るので、略記する時のため、「携帯」を推奨します。

 たとえ搭乗していなくても、「携帯」しているなら、ヴィークルの移動制限は適用されます。

 そのような制限を避けるため、ヴィークルをどこかに置いておく事もできます。
 この状態を「駐機」と呼ぶ事にします。

 「所有」しているが「携帯」していないアイテムの事を、「不所持」あるいは「不携帯」と呼びます。
 「駐機」は「不携帯」の一種になります。

 「携帯」するアイテムを「不携帯」や「駐機」状態するには、アイテムを捨てたり置いたりするアクションが必要です。
 反対に「不携帯」や「駐機」状態のアイテムを再び「携帯」するには、そのアイテムがあるスクエアで「拾う」アクションが必要です。


特別な地形

 特別な意味合いを持たせたり、マップを特徴付けたりする地形です。GMはこの地形を使う際、後述の独自地形同様、効果をいちいちアナウンスするようにしましょう。

 それらは個々の判断はGMに委ねるとして、ルールとして既成の地形を並べる事はしません。
 が、一例としていくつか挙げておきますので、良かったらシナリオ作成の一助にして下さい。

+ ▽独自地形

トリガ/マイン/地雷型

 ある種の地形は、特定の条件が成立して初めて何らかの効果を発揮します。
 その効果は様々ですが、基本的に「発動条件が成立する」までそこにそんな地形効果が設定されている事は分かりません。
 発動条件は多くの場合「何者かがそのSqに進入する」事ですが、場合により「飛行状態の~」というおまけがついたり、隣接Sqへの進入でも発動したり、色々なバリエーションが考えられるでしょう。
 GMはPCが望むなら、「発動条件の適用範囲」のぎりぎり外から、発動条件を調べる判定を認めても構いません。それはメジャーアクションが適当でしょう。

 基本ルールでは「敵にまっすぐ突撃する」のが正解だったところを、地形効果で「迂回する」という選択肢を追加しました。
 これは更に「クサい場所を調べる/避ける」という選択肢を追加しています。
 もしGMがなんの断りも必然性もなくこの地形をばらまけば、ただ「このGMは俺達をハメる信用できないやつだ」という情報をPLに与えるだけになります。

 この地形効果は基本的に「PLの選択肢を増やす」為のものです。「どうしよう」と考えたり相談したり、敵の性格や状態を予想したりする、といった楽しみを提供するためです。
 ですから、GMは使いどころを考え、この地形効果が「楽しむため」のものである事を忘れないようにしましょう。

落とし穴

 ある種の地形は、何者かがそう仕掛けたり、あるいは単純に構造が脆弱だったりして、何者かが侵入する事で足場が崩れてしまう可能性があります。
 これは後述の「地形の破壊」に相当しますが、せっせとダメージを与えるまでもなく、進入者の体重で容易に破壊されてしまう場合です。
 「崩れそうな場所」というのは大体分かるものですが、巧妙に偽装されていたり、(普通なら自然の所作の中で行える程度の確認も出来ないほど)逼迫した状況だったりして、分からない場合もあります。
 あるいは単純に「知ってる者には分かるが、知らない者には分からない」ような事かも知れませんが、とにかくそのような場合には前述の「トリガ」と併用するといいでしょう。

 崩れた地面がどうなるかは、落とし穴の規模によります。ただ「落ちたらダメージ」の穴になるか、通行が困難な場所になるか、あるいは入ると退場させられてしまう大穴になるかもしれません。

ダメージ/HPロス/状態異常付与

 進入するとダメージやHPロス、状態異常付与といった不利な影響を受ける地形です。
 地雷が埋まっていたり、炎上していたり、毒が溜まっていたり、原因は様々で、受けるダメージ属性やダメージ量も様々でしょう。
 それ以外にも、入るたびにダメージを受けるタイプ、最初に踏んだ一人だけが受けるタイプ、リアクションがあるタイプ、発動したら大爆発が起きて周辺Sqもダメージを受けるタイプなど、様々なアレンジが考えられます。

フラッグ

 これは、その地形にゲームの勝利/敗北条件に関わる「何か」がある事を意味しています。
 そのSqに進入しただけで獲得したと見做されたり、実際にダメージを与えて破壊したり、あるいはアクションを消費して取得しどこかに持ち帰る必要があったり、様々なケースがあるでしょう。

ワープ

 このSqに進入したキャラクターは、いずれか別のSqに移動させられてしまいます。
 移動先はランダムであったり、一定であったり、あるいはその中間で特定範囲からランダムであったりします。
 移動先は基本的に、効果発動されてみるまで分かりませんが、事前に情報を与える機会があるなら与えた方が良いでしょう(これもまた、PLの選択肢を拡げる為のものです!)。
 強制移動の一種と言えますが、この効果にはリアクションできる場合とできない場合が考えられます。

脱出地点

 戦闘における撤退は非常に難しく、魅力的な題材です。
 が、そういうのすっ飛ばして手っ取り早くゲームに盛り込みたい場合などに、「このSqまで来れば退場できるよ」という地形が役立つ事はままあります。
 「Sqに入った時点で退場」だったり、「Sqに入った時点でアクションとしてそう宣言する事で退場」だったり、ここでもいくつかのバリエーションが考えられます。

砲台

 砲台だったり狙撃手だったり銃座だったり、「地形の一部として攻撃してくる」相手は基本的に、「そういうエネミー」を配置する事で表現するといいでしょう。
 その上で「PCが制圧して自分で使える」というような場合には、「持ち運べないが誰でも装備できる武器」がそのSqにあるものとすれば表現できます。



地形の破壊

 本ルールにおける「地形効果」は時に煩わしく、非常に邪魔に感じる事があるはずです。
 クエスターは「神の欠片」に選ばれ、レベルが上がるにつれて文字通り「神の如き力」を振るうようになる連中ですから、岩塊だろうが密林だろうがなぎ払って吹き飛ばして進む事が出来ると考える方がむしろ自然でしょう。
 が、本ルールには「地形を破壊する」行為を基本ルールとして整備する事はしません。
 ※「できない」という意味ではありませんよ!あくまで便宜上ルールとして整備していないだけです!

 理由は単純に「毎度それを考えながら戦うのは面倒だから」ですが、シナリオのギミック等で使う機会もあるでしょうから、一例を挙げておきます。
 GMは参考にして下さい。

 地形にはスクエアごとに「頑強度」と「耐久度」、加えて「破壊後の地形」が定義されます。
 地形に対して(巻き込みでも構いません)ダメージが発生し、一度のダメージロールで「頑強度」以上の数値を得られたら、「耐久度」が1減少します。
 耐久度が0になったスクエアは破壊され、「破壊後の地形」に変化します。破壊後の地形も更に「頑強度」「耐久度」「破壊後の地形」があるでしょうから、ずっと続けていけばいつかは更地かただの大穴になるでしょう。

 もしも一度のダメージが「頑強度」の2倍以上だったなら、「ダメージ量/頑強度」点だけ一度に耐久度を減らす事ができる、としても構いません。
 が、これはダメージ属性を加味して考えるべき問題でしょう。どれほど威力が凄まじくても、茂みを槍をで突いたり、氷壁に凍結魔法をかけたりして、効率よくそれを破壊するのは難しいのです。

リファレンス

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最終更新:2019年02月25日 07:29