> * 複数のボカロがインストールされている場合, > vsqファイル上ではボカロをどのように識別しているのか? > * 歌手情報を表すハンドル内のLanguage値の意味. > 日本語は0らしい,英語は? > * Singer Editorの「バンクセレクト」の意味. > vsqファイルエディタが扱う必要があるのかどうかも不明. > * 英日両方のボカロが共存する場合,歌手変更は > 同じトラック内で英/日切替可能なのか? > 可能だとしたら,歌詞入力時の動作仕様はどうなってる? これらは本質的に同じクエスチョンだと思います。 最初に結論を書くと、VOCALOID2ではバンクセレクトを 音声ライブラリの言語の認識に使っているようです。 今のところ、日本語ライブラリが0、英語ライブラリが1みたいです。 VSQ上には「どのVOCALOIDライブラリか」の情報は具体的に 含まれていません。 含まれているのは、歌手エディタで作成した歌手情報 (DirectSinger.exeで参照できるもの)で決定される バンクセレクト情報(VSQ中のLanguage=と同じだと思われる)と プログラムチェンジ情報です。 つまり、ミクを最初にインストールした場合で、 デフォルトの環境では「BS:0,PC:0」になるミクと、 そのミクのパラメータを変更して設定した別の歌手データは 「違うVOCALOID」として識別されているようです。 そして、曲中同じトラック内で日本語から英語のライブラリへ 切り替えた場合のVSQへの記述は、日本語VOCALOIDで 同じライブラリから作成した歌手データに、 同じトラック内で切り替えた場合と同じような感じになります。 ルカの英語版ライブラリだとLanguageの値は1になります。 ルカ以外の英語版VOCALOIDは所有していませんが、 以前ほかのPに「Sweet Ann」で作成したVSQをいただいたものが あったので、中身を見てみたところ同様でした。 なので、おそらくほかの英語版VOCALOID2でも 同様なのではないかと思います。 VOCALOIDでは、VSQの情報はMIDIメッセージとして音声ライブラリに 送られているようです(だからReWireできたりVSTiとして扱える)。 そのため、歌手選択は通常のMIDIファイルにおける「音色変更」と 同様のスキームを持っています。 MIDIでの音色変更は、 1. バンクセレクトMSB(0-127) 2. バンクセレクトLSB(0-127) 3. プログラムチェンジ(0-127) の組み合わせで行い、通常のMIDI音源であれば、 プログラムチェンジの値が同じであれば「同じ楽器」で、 バンクセレクトによって音色のバリエーションを用意している ケースが多いです。 これは、バンクセレクトがインプリされていない(=プログラムチェンジ で変更できる0-127の128種類の音色しか選択できない)初期のMIDI規格に 沿った古い音源でも、同じプログラムチェンジメッセージを受け取れば とりあえず同じ楽器の音は鳴る、という意図であると思われます。 ところが、VOCALOIDにおいては、ミクやリンレン、ルカといった ライブラリそれぞれに固有のプログラムナンバーは割り振られていません。 インストール順というか歌手エディタでの歌手データ作成順に シーケンシャルに割り振られています。 (前述のSweet AnnのVSQデータでもLanguage=1 PC=0なので、  自分の手元でこれを再生すると同じBS,PSに設定されているルカが歌います) 添付した歌手エディタのスクリーンショットとDetectSinger.txtを ごらんいただければお分かりいただけるかと思いますが、 歌手エディタ上で歌声パラメーターを変更した新しい「歌手」を作成 するたびに増えていくようです。 こういった背景から、英語版VOCALOIDやルカの英語ライブラリを 使えるようにするためには、バンクセレクトも扱う必要があるでしょう。 長くなりましたがご参考になれば幸いです。