あずさ「プロデューサーさん、さよならってどういう意味ですか…?」
執筆開始日時
2012/06/08
概要
運命の人なんているわけがないわ。
私が、いつも起き抜けに呟く言葉。
ほどよい体の痺れと、気だるさが、夢と現実の境界線を曖昧にさせてくれる。
その数分間だけは、全てを忘れられる時間。
だけど……
「ふぅ……ふぅ……」
右のつま先を擦らせながら、いつもの場所へと向かう。
蝉がうっすらと鳴いている。乱れた前髪が、汗でおでこに張りつく。
……もう、そろそろ夏なのね。
「今日も、時間通りね」
私は、腕時計で時間を確認する。AM10:00……の5分前ね。
うふふ、5分前行動の心がけ、ですよね?
「……」
白いハンドバッグを両手で握りしめて、ぽつりと言った。
「……プロデューサーさん、まだかしら」
だけど……あなたはいつまでも、強く抱きしめた私の心を、離してくれないんですね。
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最終更新:2012年09月04日 19:40