【ミリマスss】杏奈「罪と」百合子「罰」


【ミリマスss】杏奈「罪と」百合子「罰」


執筆開始日時
2018/04/28


概要


杏奈「(百合子さんは、杏奈に隠しごとがある)」

百合子「?」

杏奈「(百合子さんは隠しているつもりでも、杏奈には分かる)」

百合子「杏奈ちゃん?」

杏奈「(だから、杏奈は待ってるよ?)」

百合子「そ、そんなにじっと見られたら、恥ずかしいよ///」

杏奈「百合子さん」

百合子「な、何?///」

杏奈「杏奈、百合子さんのこと……ずっと待ってるから」

百合子「?」

百合子「……」

百合子「ありがと、杏奈ちゃん」

杏奈「(今はこれが精いっぱいの気持ち)」


――――――――――――

百合子「(私が『呪い』を受けてから、もう何年が経ったのか)」

百合子「(思い出そうとしても、千年からなる記憶の地層は、地平線の彼方に漂う霞みたいに、ぼんやりとして判然としない)」

百合子「(朝、目が覚めると、一番に確認するのは、ここはどこで、私は誰なのか、ということ)」

百合子「(昨日が一年前のように感じたり、百年前のことがつい一時間前に起こったように思うのは、長い時の中で、私の自己同一性が失われつつあるからだろう)」

百合子「(もしかしたら、フィリップ・K・ディックも私と同じ『呪い』を受けていたのかもしれない)」

百合子「(私は、七尾百合子)」

百合子「(アイドルで、読書が好きな女の子)」

百合子「(忘れていなかった、ただそのことで、ほっと胸を撫でおろす)」

百合子「(どれだけ思い悩んでも、私が分からない時、思い出すのは、異端審問を受け、逃げた森で啜った泥水の味や、戦場で嗅いだ血と肉の臭い、果ては私が生きるために、その首筋へ噛み付いた幼い女の子の叫び声)」

百合子「(どうして生きているのだろう、という疑問が頭を離れない)

百合子「(どうして、あなたは生き延びているの?)」

百合子「(そんな糾弾の声さえ、頭の中にこだまする)」

百合子「(私は、吸血鬼)」

百合子「(人の血を口にしなければ生きていけない怪物)」

百合子「(フランケンシュタインの怪物が願ったように、私もまた、同胞を求めて、さまよっている)」

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最終更新:2019年05月30日 16:59
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