【ミリマス】千鶴「懐古」
執筆開始日時
2017/11/16
概要
捏造設定あり。
モブ視点です、ご注意ください。
合いびき肉、ジャガイモ、タマネギ。バター、塩、胡椒、ナツメグ。小麦粉、卵にパン粉。
この具材をずらっと用意して、さあ何ができるかなと問えば、料理のできる人はたぶんおおかたピンとくる。
コロッケである。トンカツ、カレーライスと並んで『大正の三大洋食』の一角とされた、今となってはポピュラーな大衆料理。廉価な合いびき肉で作れるため、精肉店の店頭にできあいのお惣菜として並ぶのをよく見かける。
溶かしたバターに合いびき肉とタマネギを加えて炒め、水分が飛んだら塩と胡椒をお好みで。そこにマッシュしたジャガイモと刻んだゆで卵、ナツメグを投下してよく混ぜ合わせる。小麦粉を足した溶き卵に小判型に成型したタネをくぐらせ、パン粉をまぶしてカラッと揚げればできあがり。
────さて、ここで疑問を持ってほしい。あれ、と思わなかっただろうか。上述の手順からわかるとおり、コロッケのメイン材料は合いびき肉、タマネギ、ジャガイモだった。割合は、およそ一対一対三。
具材がこうであるのに、どうしてよく見かけるのが精肉店なのだろう。
なるほどたしかに肉は使われているのだから、精肉店が商品として売り出すことに理由がないとは言えない。そこはまったく認めよう。具材の一端は合いびき肉だ、混ざりはあれどまぎれはなく、肉屋の取り扱いに入る。
しかし、である。
全体として見れば、コロッケの中身で肉が占めている割合はちっぽけなものなのである。一般的なコロッケのレシピならばジャガイモの量ははるかに肉を凌駕する。肉の割合なんてせいぜいがタマネギとどっこいだ。こんなことは見ればわかるし食べてもわかるというもの。
だというのに、コロッケを販売するのは精肉店、肉屋ばかりである。さも当然のような顔で、あたかも肉料理ですよとでも言いたげに店頭に並べている。
これはまったくもって遺憾な話ではなかろうか。コロッケは肉料理と呼ぶにはあまりに肉の割合が少ないではないか。極端な話がジャガイモ料理、もとい野菜料理と言ってもいいはずだ。野菜料理を肉屋がしたり顔で売り出すなどちゃんちゃらおかしくはないか。
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^二階堂千鶴
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最終更新:2018年05月26日 21:53