【ミリマス】ある休日
執筆開始日時
2017/08/01
概要
アイドルマスターミリオンライブ、最上静香のSSです。
地の文が多いです。御了承の方は、是非。
こうして家族で出かけるのはいつぶりだろうか。最上静香は、窓から見える夏の海と、トンネルや木々の陰に入った時に覗く自分の顔とを、見るともなく見ながら、そんなことを思った。
ーーー「アイドルになりたい」
十年来の夢を掲げて踏み出そうとしたとき、足枷になったのは、いま目の前で、黙って車を走らせる父だった。
打ち明けたあの日、父は、私が父の日に買ってきた豆で挽いたコーヒーを啜りながら、新聞片手に、遊びたい年頃だろうと言って、高校受験まで、という制限付きで、アイドルになることを許可してくれた。子どものやりたいことは全て尊重されるもの、というのは、やはり幻想だと実際に確認して、少し落ち込んだ。鳥籠は、うちにもあったのだ。それでも、鳥籠に脚を挟めつつ、私は、念願のアイドルになった。
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最終更新:2020年03月27日 11:12