だんだん仕事にも慣れて、由美ちゃんともちょっとずつ仲良くなっていった。
由美「洗い物お願いします」
米村「おう、任せとけい」
由美ちゃんにならドッサリと食器を持ってこられても平気だ。
というよりもこうやって言葉を交わせるからどんどん来てほしい。
佐倉「はい食器、急いで」
相変わらずこの人は苦手だ。目つきも性格もキツイし、なんか嫌だなあ。
佐倉「急いでよ」
米村「へーい」
まあ、単純作業だからいいけどね。
しかし・・・
「おい、4番オーダーとってないだろ!?」
「8番席、注文したのと違うってー!」
「店長、クレームの電話入ってまーす!」
「お客さん待ってるよ!」
「厨房間に合いませーん!」
おいおい、かなり混んできたなぁおい。
「米村くん、ちょっと手伝って!」
米村「はい、何を?」
「オーブンからグラタン出してほしいんだ」
米村「はい、オーブンどれですか?」
「そこそこ、今通り過ぎたとこ」
米村「あ、これ!?」
家庭用のオーブンを想像していたのだが、やっぱり違った。
非常に大きくて、ずっしりしてるっていうかなんていうかだった。
とりあえず開けるか・・・固いな
ボンッ!!
ふう、この俺が結構力を使ってしまった。
お、グラタンがあるやんあれを出せばいいんだな。
「あかんあかん!!手でやるな!!トングを使うんだよ!!」
米村「あ、はい」
やっぱりそうか・・・トングをもって・・・
カスッ、カスッ
なかなかうまくつかめない。
カスッ、カスッ・・・ちょん
手の甲がオーブンにちょっとついた。
米村「熱ちー!!」
「大丈夫!?」
米村「はい、まあ」
結局グラタンはその人が出してくれた。
思ったより熱くなかった・・・のはそのときだけで、後になってすごかった。
風呂のお湯とかでもすごいしみたし、こんがり風に変色してきてる。
ふざけんな。
最終更新:2016年03月17日 16:22