第6話「The first conversation」(2008年12月8日)

今日も仕事が終わった。
手はふやけるし、火傷はするし、とにかく疲れた。
店は23時までやっているが、俺は高校生なので22時以降は働けない。
だから今日もだいたい21時くらいに終わった。

俺が事務所で着替えていると由美ちゃんが入ってきた。
由美「お疲れ様でしたー」
米村「あ、お疲れ様です」
由美ちゃんは椅子に座ってシフト表やらなんやらを見はじめた。
話しかけてもいいのかなぁ・・・でも、今事務所に二人きりだし、チャンスだよな・・・?
米村「休憩ですか?」
由美「今日はもう終わり」
米村「そう・・・榎本さんって・・・高校生ですよねえ、多分」
由美「高校2年生」
米村「あ、じゃあ同級生だ」
由美「ホント?」
米村「うん、大和学園だけど・・・一緒じゃないよね?」
由美「私はゆうひが丘学園」
米村「じゃあ女子高だ」
由美「うん」

俺、今由美ちゃんと会話してるんだ。
どんどんテンションが上がっていく!

米村「このバイトは長いんですか?」
由美「1年生の時からだから・・・2年近くかなぁ」
米村「ベテランじゃないですか」
由美「そうでもないけどー」
そう言って由美ちゃんは荷物を手に席を立った。
事務所の隅に着替える場所があるのだ、服屋にある試着室みたいにカーテンがしてある。
そこへ入ってカーテンを閉める。
      • 沈黙・・・
カーテンの向こうから布の擦れるような音が聞こえる。
ああ・・・あのカーテンの向こうでは夢のような・・・
カーテンが開く。
米村「おー、普段着も可愛いですね」
由美「え・・・あ、ありがとう」
お、いい反応。普段着“も”っていうのがポイントである。
さて、何か話題ないかなあ・・・もっとお話したいし。
由美「じゃあ、お先に失礼しまーす」
米村「え・・・あ・・・はい」

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最終更新:2016年03月17日 15:33