今日も仕事が終わった。
手はふやけるし、火傷はするし、とにかく疲れた。
店は23時までやっているが、俺は高校生なので22時以降は働けない。
だから今日もだいたい21時くらいに終わった。
俺が事務所で着替えていると由美ちゃんが入ってきた。
由美「お疲れ様でしたー」
米村「あ、お疲れ様です」
由美ちゃんは椅子に座ってシフト表やらなんやらを見はじめた。
話しかけてもいいのかなぁ・・・でも、今事務所に二人きりだし、チャンスだよな・・・?
米村「休憩ですか?」
由美「今日はもう終わり」
米村「そう・・・榎本さんって・・・高校生ですよねえ、多分」
由美「高校2年生」
米村「あ、じゃあ同級生だ」
由美「ホント?」
米村「うん、大和学園だけど・・・一緒じゃないよね?」
由美「私はゆうひが丘学園」
米村「じゃあ女子高だ」
由美「うん」
俺、今由美ちゃんと会話してるんだ。
どんどんテンションが上がっていく!
米村「このバイトは長いんですか?」
由美「1年生の時からだから・・・2年近くかなぁ」
米村「ベテランじゃないですか」
由美「そうでもないけどー」
そう言って由美ちゃんは荷物を手に席を立った。
事務所の隅に着替える場所があるのだ、服屋にある試着室みたいにカーテンがしてある。
そこへ入ってカーテンを閉める。
カーテンの向こうから布の擦れるような音が聞こえる。
ああ・・・あのカーテンの向こうでは夢のような・・・
カーテンが開く。
米村「おー、普段着も可愛いですね」
由美「え・・・あ、ありがとう」
お、いい反応。普段着“も”っていうのがポイントである。
さて、何か話題ないかなあ・・・もっとお話したいし。
由美「じゃあ、お先に失礼しまーす」
米村「え・・・あ・・・はい」
最終更新:2016年03月17日 15:33