第1話「入校式の再会」(2009年4月6日)

典子「早く早く~!!」
一人はしゃぐ典子が後ろにいる由美と芳子に手招きする。
芳子「んもう、ホントに元気がいいんだから」
由美「とかなんとか言って、さっきまで自分が先頭を歩いてたじゃない」
芳子「あ、あれは下り坂で・・・勢いが出ちゃったのよ」
由美「へーぇ」
???「おーい!!」
後ろから聞こえる男の声に振り返る二人。
ツンツン頭の青年がこっちに向かって走ってくる。
???「よう」
由美に声をかける。
由美「え・・・」
芳子「誰?」
由美「いや・・・」
芳子「・・・あ、そっか」
典子「なになに、どうしたの?」
芳子「いつものアレよ、じゃあ私たち先に行ってるから」
由美「ちょっと芳子、典子~!」

“新入生の方はこちらの教室です”
そう書かれたホワイトボードを見て、ある部屋に入っていく由美。
50人ほどいる大きな教室をきょろきょろする。
芳子「由美~!こっちこっち~!!」
由美「あ・・・」
3人用の長机に着席する由美、芳子、典子。
芳子「どうだったの?」
由美「何が?」
芳子「ナンパよ、ナンパ」
由美「そんなんじゃないわよ」
芳子「じゃあ何だったのよ」
由美「それは・・・」
???「由美~!」
3人のところへやって来るさっきの男。
芳子「あ、さっきの」
???「探したぜ、どうして逃げるんだよ」
典子「知り合い?」
由美「えっと・・・」
芳子「あんた、由美とはどういう関係なのよ」
???「よくぞ聞いてくれた、俺は・・・」
先生「席について~!」
ガヤガヤしていた教室中が静まり返る。
???「俺の名は・・・」
先生「ほら、そこのツンツン頭、席につきなさい」
???「もう・・・今いいとこなのに・・・」
先生「ウチはナンパ禁止だぞ」
???「ナンパじゃねぇっての」
先生「ん?」
???「いやぁ・・・はは・・・その・・・空いてる席がないんですけど・・・」
先生「あっこにあるだろ」
???「え?」
教室の一番後ろにガラの悪そうな集団が固まって座っている。そこに一つだけ席が空いていた。
先生「早く座れ」
???「は、はい・・・」
先生「じゃあ、早速だけどいろいろと話をさせてもらう。まずは自己紹介だ」
先生「俺の名前は黒田光一」
由美「黒田・・・」
???「光一・・・?」
黒田「世の中にはまともな運転技術もないのに道路を走るドライバーが大勢いるが・・・」
黒田「俺はそんなドライバーをこれ以上出さないために自動車学校の教官になった」
黒田「だからビシバシ、厳しくやっていこうと思う」
黒田「特に今回、君たちは短期取得コースだ、覚悟しておくように」
その後、しばらく学校説明を聞いてその日は終わった。

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最終更新:2016年03月17日 15:02