田舎者たちの信号待ち

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街を歩く男A。
A(都会の夏は暑いだなあ...、こんだらこったら、おばさんに牛まで預けて旅行なんか来ずに村で畑でもやってたらよかっただ)
A(ホテル代もったいないから、今日予約してるホテルに一泊だけして、明日にでも帰るべ)

街を歩く男B。
B(都会なんて来るもんじゃないだな、人は多いし車も多いし)
B(明日一番の電車で村帰るべ)

誰もいない交差点で鉢合わせる二人。
A「あれ、Bじゃん」
B「A、こんなところで何してるんだよ」
A「俺?俺はこっちに暮らしてるんだよ」
B「そうなんだ、高校卒業ぶりだからなあ」
A「お前は?旅行?」
B「いや、俺もこっちに住んでるんだよ」
A「そうなんだ、どの辺?」
B「このあたりだよ」
A「え、じゃあちょっと寄って行ってもいいかな」
B「あ、ごめん、今日はちょっとだめなんだ。家散らかっててさ」
A「そっか、それは残念」
B「お前の家はどの辺?」
A「俺の家は、ちょっと離れたところにあるんだ」
B「どの辺?行ってみたい!」
A「うちは、そうだ、冷房が壊れてるから来ないほうがいいよ。汚いし」
B「そうかー、また呼んでよ」
A「うん、俺も呼んでよ」
B「もちろん」

赤信号が続く。

A「どのくらいこっちに住んでるの?」
B「3年くらいかな」
A「じゃあ俺と同じくらいだね」
A「...ザギンでシースーとかしてるの?」
B「ザギン...?うんうん、してるよ...」
A「そうなんだー、結構都会に染まってるね」
B「まあね...お前も結構やってるの?」
A「なにが?」
B「ザギってシースって」
A「ああ、やってるやってる、昨日もしたよ」
B「そうなんだ」
A「3日に1回くらいのペースかなー、だいたい夕食前にやってるかな」
B「ああ、夕食前にやるよね」
A「なにが?」
B「ザギでスーシー...?」
A「だよねー...」

赤信号が続く。

A「この信号長くない?」
B「まあ、田舎じゃないからね」
A「そっかそっか、田舎と勘違いしちゃった」
B「俺も、お前と話してると田舎にいた時の感覚になっちゃうよね」
A「田舎、帰ってないの?」
B「うん、全然、まあ、ちょくちょくね」
A「そっかー」
B「仕事とか忙しくてさ」
A「なんの仕事してるの?」
B「えっと、アイティー?」
A「アイティー、企業みたいな?」
B「そう、それ」
A「すごいじゃん」
B「そう?こっちじゃ普通じゃない?」
A「そっか、田舎じゃないもんね、アイティー企業でも珍しくないか」
B「逆にアイティーだらけだよね」
A「俺もアイティーだよ」
B「そうなんだ!」
A「ワイファイとか作ってる」
B「おー、俺もインターネット作ってるよ」
A「そっかー、うちの会社とそのうち取引とかで一緒になるかもね」
B「その時はよろしく」
A「こちらこそ」

赤信号が続く。
押ボタン式だと気づかない二人。
押ボタン式を知らない二人。

A「暑いな」
B「お前、あれ行く?」
A「ん?」
B「えっと、あの、だめだ、ど忘れした」
A「もしかして、スタバ?」
B「そうそう、スタバ」
A「よく行くよ」
B「そーなんだ!」
A「最近運動不足だからさ」
B「俺も、全然運動してない」
A「お前も行ったほうがいいよ、スタバ」
B「効果ある?」
A「まあまあかな」
B「うちの会社の上司もみんな行ってるらしい」
A「男性に人気だからね」

C「あれ、押してねえじゃん」
突然現れたCが押しボタンを押す。
A、B「!!」
信号が青に変わる。
A、B「......」
A「じゃあ、また」
B「おう」

A、B(絶対、明日帰るべ...)