第84話「さよならは笑顔で…スクランブル!」(2008年12月25日)

こうなったら本人の口からハッキリした事実を聞こうぜ!ということで淳と幸助は由美の家へ向かった。
渡辺「由美~!由美~!」
と叫びながらインターホンを連射する幸助。
ちょっと危ない幸助の行動を見て後ずさりする淳は、下がりすぎて誰かとぶつかる。
永井「す、すみません・・・」
おばさん「榎本さん留守ですよ」
永井「え!?」
おばさん「空港にね、行ったんですよ」
渡辺「空港!?」
おばさん「ああ、もうそろそろ出発だわ。確か4時の便だったから」
永井「タクシー!」
タクシーに乗り込む二人。
運転手「どこまで?」
渡辺「空港だよ!話聞いてなかったのかよ!」
運転手「えぇ?」
永井「幸助落ち着けよ・・・。ところでお前、お金ある?」
渡辺「あると思ってんのかよ!!」
永井「やっべえ・・・」

運転手「てやんでぇ!」
タクシーから放り出される二人。
渡辺「馬鹿じじー!!」
永井「走れ幸助!」
空港へ向け、全力で走る二人。
渡辺「ちょっと待て!止まれ、淳!」
永井「な、なんだよ!?」
渡辺「俺たち、何か青春してるな」
永井「自分で言ったら台無しなんだよ!!」
渡辺「待てよ!」
永井「何だよ!時間がないんだよ!」
渡辺「右なんだよ!真っ直ぐ行くんじゃねえよ!!」
永井「ごめん」

二人は空港に入り、由美を探した。
永井「幸助!あそこだ!」
一人手ぶらで歩く由美。
渡辺「由美ー!」
榎本「・・・幸助?淳!」
渡辺「バカヤロウ!黙って行きやがって!」
榎本「え?」
永井「俺たちその程度の存在だったのかよ!」
渡辺「俺・・・俺、由美のこと大好きなのによー!」
周りの通行人の歩く足が止まる。
永井「俺だって・・・口には出さないけど、本当は好きで好きでたまらないんだ!」
空港中の注目の的。
榎本「ちょ、ちょっと落ち着いてよ・・・どうかしたの・・・?」
永井「・・・あれ、お前一人?」
榎本「うん、4時の便でね、今見送ったとこ」
渡辺「見送った?」
榎本「そうだよ・・・?あれ、もしかしてふたりとも・・・」
淳と幸助、顔を見合わせて腰を抜かす。
榎本「ちょっと、大丈夫?ねえ!?」

帰り道、すっかり日も暮れて・・・。
渡辺「しっかし、びっくりしたよなー」
永井「ああ、寿命が縮まっちゃったぜ」
榎本「ばかね、私がふたりに黙って行くわけないでしょ」
永井「お、おい。今の聞いたかよ!?」
渡辺「え、お前にも聞こえちゃったの?俺だけに言ったのかと思った」
榎本「あ、見て。雪・・・」
渡辺「おお!」
永井「くさいな・・・」
ケビン「何ガ?」
永井「ケビン!?」
渡辺「どうしたー淳?」
永井「あれ?・・・いや、幻覚だったみたいだ」
榎本「ねえ、家でクリスマスパーティーしない?」
渡辺「いいねぇ!!」
永井「でも、クリスマスパーティーって普通イブにやるんじゃない?」
榎本「いいじゃない、今日がクリスマスなんだから」
渡辺「そうだぞーお前。だいたい由美がこういうの発案するのは珍しいんだから・・・。あ、別にいいよ、来なくても」
永井「行くよー!」
渡辺「じゃあケーキ買ってこうぜケーキ!」
榎本「ちょっと、待ってよ幸助ー!」

  • おわり-

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最終更新:2016年03月21日 01:29