第1話(2007年12月30日)

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それは俺、米村克が同じクラスの美少女、榎本由美と手錠で繋がれたらなあと思った瞬間だった。 突然意識が遠のき、校門を出たすぐのところで俺は気絶した。 克「・・・ん、あれ・・・?」 いつの間にか一緒に倒れていた由美と手錠でつながれた克。 まさに克の願いどおりのその光景に先に気づいたのは由美であった。 訳の分からない由美。 由美「え?何これ?どういう事?ちょっと・・・え?何で?」 由美が動揺していると、克が目を覚ます。 克「・・・ん、おお!」 由美「おおじゃないわよ!どういうつもりなの!」 克「知らないよん!俺がやったんじゃないよん!」 心躍る克、何かやられたと思う由美。 由美「はずしてよ!」 克「だから俺じゃないよ!」 由美「もう、最低!」 立ち上がり、歩き始める由美、しかし手錠。 克「痛て、痛てててて・・・。どこ行くんだよー」 由美「警察に決まってんでしょ!」 克(やーっぱ、そーなるよねー・・・) 克「ちょっと待てよ、警察ったってなあ、はずし屋さんじゃねえんだぞ、はずしてハイさよならじゃねーんだ」 克「絶対事情聴取とかあるよ、面倒くさいよ」 由美「あたまおかしいんじゃない?これどうすんのよ」 克「ちょっと考えてみようよ、ってか小便がしたい」 由美「我慢しなさいよ!」 克「できるくらいならしてんだよ!あ、ほら、あそこに(公園の)トイレがある!」 由美「ダメ」 克「てめえ、ここで漏らすぞ!」 由美「・・・・・・」 克「な、頼むよ」 歩く克、引きずられる由美。 由美「う・・・!」 自由の利く右手で鼻を押さえる由美。 克「おい、左手貸してくれよ、チャックが開けらんないよ」 由美「片手で・・・ぅ・・・コホコホ・・・片手でやりなさいよ!」 克「無茶言うなよ、貸せよ!」 由美「ダメ!」 克「貸せよ!」 由美「ダメ!」 克「貸せよ!」 引っ張られた由美の手が壁に当たった。 由美「痛たい・・・」 克「あ、ごめん・・・」 そして用を足す克。 人目を気にする由美。 由美「ねえ、早くしてよ・・・」 克「ん・・・チャック締めたいんだけど・・・」 かなり嫌々に左手を近づけてやる由美。 克「すっきりしたぜ!」 由美「手洗わないの?」 克「ああ!」 由美「ちょっと、洗ってよ!」 克「わかったよ!」 由美「拭かないの?」 克「いいよ」 由美「あなたが拭かないと私の左手が濡れるんだけど」 克「細かいなあ・・・」 由美「うるさいわね!」 ハンカチを渡す由美。 克「サンキュー」 由美「ねえ、これまずいよね・・・」 克「ああ手錠?いいじゃんこのままで」 由美「冗談じゃないわよ!」 克「冗談だよ」 由美「それくるんどいてよ」 克「ああ、ハンカチ?」 ハンカチで手錠を隠す克。 ???「あー、由美じゃん」 由美「あ、典子だ・・・隠れて・・・!」 克「隠れろったってどこに・・・うわぁ!」 克を茂みに頭から押し込む由美。 典子「何やってるの?こんなとこで」 由美「あぁ・・・探し物・・・」 典子「探し物?」 由美「うん・・・えと・・・消しゴム・・・」 典子「消しゴム~?」 由美「うん・・・」 克「お前嘘つくの下手だな、なんなら俺が台詞を・・・」 再び押し込む由美。 典子「何々?どうしたの?」 由美「別に・・・」 典子「私も探してあげるよ」 由美「いい・・・大丈夫・・・」 典子「変なの。まあいいや、じゃあ私帰るね」 由美「うん、またね・・・」 克「ふぅ~~、苦しかったぜ~!ひでぇ事するじゃねえかよ」 由美「ごめんね・・・それよりこの時間帯は危険だね」 克「何もこそこそすることはないんだよ」 由美「何言ってるのよ、私ヘンな噂がたつの嫌だもん」 克「け、言ってな」 とりあえず、下校ラッシュが過ぎるまで隠れる事にした二人。 さて、この続きはまた今度。

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