NO.3「プロローグ3~ふたりの始まり~」

冬休みもあっという間に終わり、今日から3学期。
典子「冬休みあっという間だったねー」
芳子「紅白見た?」
典子「私、スクランブル!のDVD見てたから・・・」
芳子「あんた年越しに何やってんの?・・・由美は見た?」
由美「んーん・・・」
芳子「何、元気ないじゃん」
由美「・・・そうかな?」
典子「学校が始まったからでしょ」
芳子「まあそうだけど・・・でも今日は半日だからね」
典子「帰りどっか寄ってく?ハンバーグショップアツアツ店とか」
芳子「いいねぇ、由美は?」
由美「ごめん、私パス!」
芳子「え?」
由美「ごめんねー!」
腕時計を見て走り出す由美。
典子「由美ー!」

午後1時、とある喫茶店。
飛び込む由美、「ここだ」と手を上げる男のところへ駆け寄る。
由美「ごめんなさい、遅れちゃった・・・」
???「急がなくてもよかったのに」
由美「呼んだの私だから・・・」
???「律儀なんだね」
水を飲む男。
由美「あの、何も頼んでないんですか?」
???「一文無しだから」
由美「え・・・もう使っちゃったの?」
???「う・・・うん、宿代で全部取られちゃった・・・早く仕事探さないとな・・・ははは」
店員「いらっしゃいませ」
由美「何にします?」
???「いや、俺は・・・」
由美「じゃあ、紅茶ふたつ下さい」
店員「かしこまりました」
???「君にばっかり迷惑かけらんないよ」
由美「いいんです。それにここの紅茶おいしいんですよ」
???「・・・でさ、昨日の話なんだけど・・・」
由美「・・・・・・」
???「やっぱり、君のところに世話になるわけにはいかないよ」
由美「どうして?」
???「君にばっかり迷惑かけらんないもん、それに現役女子高校生の家にあがりこむなんて・・・」
由美「やっぱり、おかしいかな・・・」
???「うん、俺はあんまりよくないと思うな」
由美「迷惑とか・・・気にしなくていいんです。私がそうしてほしいだけなんだから・・・」
???「気にしなくていいのはそっちだよ。君には何も責任はないんだから」
由美「宛て、ないんでしょ」
???「・・・アルヨ」
由美「ウソだ」
???「とにかく断る、ありがたいけど」
由美「あの、ちょっと来てくれますか?」
???「え・・・おいちょっと、ちょっと待てって!紅茶が・・・!」
店を出るふたり。

由美に手を引かれてやってきたのは小さなアパートだった。
???「おい、ここってまさか・・・」
由美「私の家」
???「おい!」
叫ぶと同時にドアが開き、中に押し込まれる。
由美「今日からここで暮らしてください」
???「・・・・・・」
由美「あ、別にずっとじゃなくて・・・お仕事が見つかるまでだから・・・ね」
???「・・・強引だな~・・・」
由美「だって・・・こうでもしないとストーリー進まないんだもん・・・」
???「え?」
由美「あぁ・・・こっちごと・・・」
???「う~ん・・・しかし・・・」
その後3時間ほど説得を続けてようやく男は首を縦に振った。
男の仕事が見つかるまでの間だが、ふたりの生活が始まった。

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最終更新:2022年05月06日 18:44