チベット独立問題に寄せての私見

チベット独立問題に寄せての私見 by freejapan0

昨年、2008年11月17日より22日まで、北インド、ダラムサラで開かれた
亡命チベット人による特別総会において、「中国からの独立ではなく『高度自治』をめざすとする・・・
現路線(ダライ・ラマ主導による中道政策の継続)を当面維持する」との提言を採択した。
その詳細は、
『亡命チベット人憲章第59条の下に招集された第一回特別総会における合意書(全文)』
として発表されており、昨年の欧州議会での演説も、この方針に基づく発言であったことを裏付けるものといえる。

詳細は上記公式の合意書を参照いただくこととし、ここでは、日本国内メディアが伝えた会議の側面を紹介する。

1、会議に先立ち、亡命政府が集約した中国国内のチベット人の意見は、
15000人のうち8000人がダライ・ラマの方針に従うとし、2000人が現在の中道路線を支持。
これに対し5000人が独立を含む方針転換を求めていたという
(産経新聞、11月23日)
※中国国内のチベット人の約1/3が独立を支持している

2、また提言は「全てのチベット」との表現で、「高度自治」が実現する場合には、
現在のチベット自治区だけではなく、甘粛省、青海省、四川省、雲南省の周辺省を含む
「大チベット圏」に及ぶとの原則も確認された。
(読売新聞、11月23日)
※「高度自治」は「大チベット圏」に及ぶ

3、さらに、対話の停滞や今春にチベット自治区のラサなどで発生した暴動の原因は、
全て中国にあるとの非難も盛り込まれた。
これは「強硬派だけではなく、亡命チベット人社会全体に、中国に譲歩し過ぎているとの不満が
くすぶっている」ことに配慮したためだという。
(読売新聞、11月23日)
※ラサ暴動の原因は全て中国にある

4、会議後記者会見したカルマ・チョペル亡命議会議長によれば、提言は
「近い将来も進展がない場合は、独立を含む他の選択肢も検討する」との条件を明記することで
妥協が計られたという。
(産経新聞、11月24日)
※近い将来も進展がない場合は、独立を含む他の選択肢も検討する

5、また、ダライ・ラマは同じく記者会見で、
「チベット民族を維持していくための革新的な方法を考えなくてはならない」と語り、
新たな可能性を示唆した。
(産経新聞、11月24日)
※ダライ・ラマ、チベット民族維持のための新たな可能性を示唆

上記1~5までのポイントが示すように、今回が初めてとなる全ての亡命チベット人の声でもある
第一回特別総会における合意書の内容は、「独立」こそ前面に押し立ててはいないにしろ、
その内容は、
1、内包する独立の機運を臭わせながら、
2、高度自治の地域的拡大の要求。
3、ラサ暴動の原因は全て中国にある
4、近い将来も進展がない場合は、独立を含む他の選択肢も検討するという
将来的方針転換(独立運動)の可能性の補足!
5、チベット民族を維持していくための革新的な方法という隠し弾?
 ・・・などなど、観方によっては、かなり強硬な内容とも取れます。
北京オリンピック後のはじめての亡命チベット人による特別総会の内容が、
中国の時間稼ぎによる問題の先送りから、今後2回、3回と回を重ねれば、
チベット側に独立の気運が高まることは間違いない展開になると思われます。
独立派が台頭し、亡命チベット人の主導権を握れば、中国としては、交渉の窓口を見失うことになるでしょう。
中国国内で、漢民族以外で、いちばんまとまりがあり、組織だった亡命政府を有するチベットは、
ウイグル、モンゴルその他の諸民族の先駆的存在です。
中国のチベットへの対応が単にチベット自治だけの問題ではないということを、
中国の友人としての我々日本人が教えてあげましょう。
ダライ・ラマが存命のうちに「高度な自治」に関して交渉しないと、
他民族をも含めて、独立運動が活発になると、
中国は少数民族の「高度な自治」と「独立」と、どちらのほうが中国にとって好ましいと思うのか
・・・よく、お考えなさい!っと。

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最終更新:2009年02月01日 00:44
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