リメイク版『政治家 ダライ・ラマ欧州議会での演説 』を製作するにあたって、まず感じたことは、
ダライ・ラマ14世は、チベットにとって、世界にとって、
"宗教家であるべきか、政治家であるべきか"、という二者択一の選択です。
日本においては2008年10月31日~11月7日までの8日間、
ダライ・ラマ14世は日本に来日、滞在された。
チベット亡命政府の特使と中国政府との対話の予定が重なる、チベットにとっての重要な局面のこの時期、
日本に一週間も留まるダライ・ラマ14世の真意はどこにあったのか?
表立っては宗教的講話に終始した日程も、その存在自体が、
私にはダライ・ラマ14世猊下の日本におけるチベット問題解決への政治的懇願にみえた。
残念ながら、日本政府首脳はおろか、各政党の政治家が謁見したとのマスコミ報道もなく、
ダライ・ラマ14世は、チベットの亡命政府を率いる政治家としてのダライ・ラマ14世ではなく、
この日本では単なるチベット仏教の活仏として、一宗教家として、チベット問題と共に封印された。
ノーベル平和賞受賞者でもあるダライ・ラマ14世には、インドのシン首相には許された、
国会議場での基調演説はおろか、政治家にさえ接触した形跡もなく、同じ日本人としては恥ずかしい。
あるいは日本の政治家諸君は、中国におもねての気配りであったのか、腰抜けか腑抜けか・・・とも感じる。
振り返って、今回のこの2008年12月4日の欧州議会での演説はどうだったのであろうか?
欧州機構の意思決定機関としての欧州議会での演説は、
あるいは欧州機構が、欧州議会での演説の機会をダライ・ラマ14世に与えたという事実は、
ヨーロピアンたちが、ダライ・ラマ14世を政治家として認識し、
中国に対する中国の国家体制に起因する各種人権侵害の問題(※ダルフールなどを含む)に対し、
政治家としてのダライ・ラマ14世との対話を行うように求める、彼ら欧州人たちからの
"中国への警鐘というメッセージ"としての外交戦略の巧みさを、
日本人としての私は痛感した。
そのヨーロピアンたちの心中に秘めた"メッセージ"としての戦略を、日本にどのように伝えるか。
タイトルはまがうことなく「政治家ダライ・ラマ」とした。
和訳にあたってはTSNJ,Jiro & eli氏の両氏から出された和訳を動画の尺に合わせ、
出来るだけダライ・ラマ14世の演説にその和訳が同時に訳されるように配慮し、
両氏の和訳の"いいとこ取り"による意訳を心がけた。
※例えばこうである。
how can unity and harmony develop under fear, under guns? It is illogical.
※すなおに和訳すれば以下のとおりですが。
どうすれば,統合と調和を発展させることができるか?恐怖と銃口によってでしょうか?無理です。(Jiro)
どうして統合と調和を恐怖と銃口の下で、発展させることができるでしょうか?無理です。(eli)
※・・・・・ですが、動画上で動画に合わせるために、あえて日本語の文脈を変え、意訳してみました。
どうすれば,発展させることができるか?統合と調和を…?恐怖と銃口の,統治下で…無理です。(freejapan0)
※このような手法をもうひとつのダライ・ラマ14世の欧州議会での中国への提言としての見せ場でもある
以下の意訳にも適用し、強調するために訳文の色を赤色に変えてみました。
Obviously there are many drawbacks in totalitarian regimes
:it is a closed society, there is no freedom of speech, no freedom of the press.
So difficulties are bound to occur.
中国には明らかな全体主義体制の欠陥があります。
閉ざされた社会。言論に自由がない社会。報道に自由がない社会。
問題を力づくで押さえ込んでしまう社会なのです。
※最後に、ウイグル人たちの抗議に関して、私にも知り合いにウイグル人がおり、
彼らの行動原理には、主にコーランの教えに近いジハード(聖戦思考)があるようです。
彼らウイグル人の"考え方"という論理的な原理ではなく、おそらくウイグル人の信仰に基く"信念"という聖戦思考に近い宗教的な原理での行動が、
ダライ・ラマ14世には"暴力"と感じたのかもしれませんが、私はあえてそれを、彼らウィグル人たちのために
"実力行使"と意訳しました。
換言すれば、"実力行使"をも辞さない彼らウイグル人たちの現状は、チベット人たちよりも劣悪であるともいえます。
Jiro & eli氏の両氏から出された和訳を変更したことをお詫びしておきます。
最後に 経済のグローバル化は米経済の崩壊とともに終焉しました。
今こそ、中国政府に、漢民族主体の発展感によるグローバリズムにピリオドを打ち、
内部体制を見直す時期に来ているというEUとチベットからの政治的メッセージを、真摯に受け止めてもらえるように、
我々チベットサポーターは中国政府に対して継続して『Ffee Tibet!』を訴え続けていきましょう。
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最終更新:2009年05月06日 05:37