第九次ダンゲロス

【名探偵不在で始まるDP戦略~ダンゲロスSS回顧編~】その2


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―希望崎学園 来賓室―

2014年秋に開催された優勝賞金1000万円を謳った魔人トーナメント『SNOW-SNOWトーナメントオブ女神オブトーナメント ~「第一回結昨日の使いやあらへんで!チキチキ秋の大トーナメント」~は、渡葉美土(わたりばみつち)の優勝という形で幕を閉じた。
その大会参加者、総勢24名(と地球外生物二体)はそれぞれの人間模様を描きつつ、多くは今も交流を続けている。ギアナ高地に送られた通信、”豆腐屋の倅”も名的にはそのうちの一人と思われたのだが…

『…「5日後、希望崎学園の伝説の樹の前で話したいことがあります。まっています」送信、あ、ぽちっとな』

だが、のもじの元に届いた通信は四囲美から奪ったままの携帯から、送られた偽装、つまりは女王の嫌がらせであった!なんという伏線詐欺。ゲンメツ!

『しかしトーナメント参加者の学生陣、女子組は揃って堅実に進学か就職。反面
男どもは揃って行方不明・所在地不明とか、ふざけてるな』
「いやMr灰動は、今も変わらず学園に在籍している。というか今のはなんだ?呼び出すなら普通の帰ってこいコールで問題なくなかったか?"Qeeen"」
大会は3年前。変わらず高校に在籍しているのはそれはそれで不味いんじゃないかと灰動くんの進路に一瞬首をかしげた女王だが、後半の問いににやりと笑って自身の身体を指さして答える。
『そりゃ、あの娘が遅刻常習犯だからだ。こういっておけば”多分”確実に間に合わせて来る。そも、このドール作成そのものがソイツら用の実験の副産物だったわけだしな。…まあ、この辺の経緯は別の機会があれば話してやる。』

そして、くいとお茶を飲むねんどろいど女王。しかし、この場合、飲んだお茶は一体どこに行くのだろうか。
『しかし、そういうとこ鈍いよな、師弟揃って。お前のほうも進展なしのようだし。
それでは本題に行く―質問に簡潔に答えよ。』
「come-one」   、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、
『大銀河の能力は、元ヒ―ロ部部長の意志乃鞘と同じ性質のモノか。』
「―YESだ。」

希望崎学園・元ヒ―ロー部部長の意志乃鞘(いしの しょう)。
彼らと同じくSNOW-SNOWトーナメントへ参加した能力者だ。表向きの大会とは別に開かれた裏のトーナメント決勝戦で池松叢雲と激突。二人の戦いは凄まじく最終的な戦いは大気圏外にまで及んだ。その彼女の魔人能力は『HIRO DESTINY』…ヒーロ補正を他者及び自己に賦与する能力だった。ヒーロ補正を操る―そのMAXパワーで”大気圏外まで蹴り上げられた”池松としても感傷深い能力だ。

「俺自身としては彼の能力は自己強化限定、正確には広範囲舞台系の能力と見ている。
傾向としては裏トーナメント2回戦でMiss意志乃が見せた女神の能力の暴走化が形と
しては一番近いと思う。」
『念押しで悪いが、大銀河のは意志乃鞘が賦与した能力ではないな』
この問いには池松は首を横に振る。彼は鞘が学園を卒業とすると同時に入れ替わりの形で入ってきている。知りうる限り接触経験はないはずだ。頷く女王。

『なら大銀河は生きている公算が高いか。生徒たちの中では大銀河のヒ―ロ補正がまだ生きているからな』
―みんなのヒーロー、あの大銀河さんが負けるなんて想像がつかない―
皆が口を揃えていう以上、効果は継続中と言えるだろう。

「だが、大銀河超一郎が襲撃を受けたのは確実だ。生存かつ行方不明、その上で彼が敗北するケースがあるとしたら、どのようなケースか、皆目不明だ。」
『それを池松叢雲が云うのか…。聞くが”お前”はどうやって意志乃鞘の「HERO DESTINY」に打ち勝った?
常勝が約束されたヒーロが直接のぶつかり合いで負けるパターン。
”ヒーロが負けるお約束のケース”に、お前は既にぶちあたっているはずだ。』

しばし沈黙する池松。やがて一つの回答に行きつく。
「naruhodo、可能性としてはありか…」

それは
―放てば必ず勝つという運命に彩られた『決めの必殺技』が
―『それでも』『破られた時』だ。
―必殺技なくしてヒーローなし。

―否、必殺技をなくしてしまえば、その時のヒーローはカタナシなのだ。

†††
池松が用意した、全校生徒ファイルに眼を通しつつ女王が話のまとめに入る。

『大銀河の必殺技の弱点。コレに関しては、でこ娘が判り易い形でヒントを残している。本人的にどういう意図で発言したかは不明だが…まあ、のもじだし考えるだけ無駄だ。』
「Fum,”自分なりに友情パワーでキン肉バスター返ししてみよう”という一説だな。」
『全然、違う。』
「…”地面に向かって決して打ってはいけない”というアレだな。つまり彼の必殺技は自分より背の低いような相手には放てない技ということになるのか。」
160cmの小柄の体型、考えてみれば彼は常に自分より”巨大な相手”と戦い続けていた。
そしてその苦境を最後の最後いつも吹き飛ばして来たのは彼の決め技アッパーカットだった。

『この場合、大きさは関係ないだろうがな。下半身から下、地を這うような攻撃であれば不意の奇襲としては事足りたりるだろう。土遁の術あたりで地面から攻撃するあたりがベストだろうが、それこそスライディングでもアンダースローでもなんでもいい。』

そして”お約束通り”ヒーローは敗北を喫する。自警団の十傑集を全滅させたことといいみっちり対策をたてた上での襲撃…襲撃者が何者であれ、かなり手練れの者であったことを伺える。お茶を飲みきる女王。

『池松。わらわは、この前提に立って学園で人探しを始める。学園をくまなく探しても見つからない。彼の所在の糸口を探そうと思う。ではクイズだ、彼は今どこで何をしていると自分がにらんでいるか分かるか?』

「――――。彼は最初から隠れてなどいなかった。――――で――――しているはずだ。」

池松は迷わず答えをのべる。
その答えを聞くと女王は全校生徒ファイルをパタンと閉じた。

『まあわらわは探偵役には”とにかく向いていない”し、勘も悪いほうなのではずれを引く可能性は高いがな。正解の褒美としてこれを遣わす。一般生徒の落とし物だ。届けてやれ。』

席を立ちつつ、池松に向かい手にしていた小物を放り投げる。
受け取った池松が確認するとそれは先ほど女王が使用していたスマートフォン。落とし物と言うか四囲美から強奪した戦利品だ。
『持主は誰だったか―あーフォーク・ソング部の誰それといったかな。”何やらえらく困っている様子”だったから序に相談にも乗ってやってやれ』

…褒美と言いつつ、自分でまいた厄介事の後始末を押しつけてきただけであった。
しかも壊れていたのでついでに外宇宙仕様のスタイリッシュ・フォンに直しておいた、アラサー超ヤサシーとかなんとか嘯いている。なんという勝手放題。実際ヒドイ。暴君は鼻を鳴らす。

『フン―お前達が今回の件に関与しない理由は問わないし、問う気もない。
ただ、争いに関係ない一般生徒の安全を守るのは教師の役目として当然のことだよな、まあそこのとこは精々頑張ってくれよ先生さん。』

その翌日、
のもじTHEアキカンクイーンヘッドねんどろいどは、とある人物に襲撃を仕掛けた。

†††
―同刻、希望崎学園職員室―
「うわ、長谷部先生がいきなり泡吹いた!」
「大丈夫ですか先生!」

なお来賓室の会話は盗聴防止のため、宇宙言語(ガイチキゴ)で会話されております(本文翻訳済み)
盗聴・録音の際はカラダとSUN値にキヲツケテネ!

(その3へ続く)

GK評:4点

名探偵不在と銘打ちながらも冴えわたるのもじ像様の名推理。
池松先生はじめSSの登場キャラや設定を丁寧に拾いつつ、今回のハルマゲドンの話の筋も少しづつ見えてきた所。
こ、これが『Dange-rouCROSSOVER』!
さてこの筋書きにPCたちはどう絡んでくるのか切り込んでくるのか。