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『復讐者の手』という秘密結社がある。
魔人は最初に能力を覚醒した際に起こした犯罪では裁かれる事は無い。
しかし、被害者や被害者の遺族達はそれでは納得は出来ない。
始めは、そのような人達に同士が互いの心の傷を癒すそんな集まりだったが、徐々にその性格は攻撃的なものに変わり遂には復讐の為に殺人すらも行う危険な集団へと変貌を遂げていき、現在では魔人犯罪の被害者の復讐の手助けを目的に活動している。
2015年9月某日
夜の帳に紛れて目黒鈎介は剣道部の部活帰りの篠塚真一を緊張しながら今か今かと待ち構えていた。
緊張するのも無理は無い、なぜなら初めての実戦であり、相手は一年間恨み続けた姉を殺した犯人なのだから。
そんな時、『支援者』からもうすぐ篠塚がこの道を通ると連絡が入る。
鈎介は一度大きく息を吸い込んで静かに吐き出して心を落ち着けると、ゆっくりと篠塚の前に姿を現す。
物陰からいきなり現れた、手に大鎌を持ち、全身をすっぽりと覆った黒いローブと真っ白な仮面、まさしく死神としか言いようの無い姿に驚いたのだろう。
「だ、誰だ。てめえは!」
そんな篠塚の上げる声に答えずに、
「我は刃、ただ只管に敵を切り裂くのみ」
何度も練習した言葉を唱え、精神を戦闘モードに切り替えると大鎌を肩に担ぐ。
こちらの意思は伝わったのだろう、向こうも竹刀袋から日本刀を取り出しその場で居合いの構えを取る。
「俺の間合いに一歩でも踏み込んでみろ、その瞬間お前は真っ二つだぜ!」
相手の能力と間合いは既に調査済みで、文字通り血反吐を吐くほど身体に叩き込んでいる。
「セイッ」
自らの身体が間合いに入らない距離から大鎌を相手の右肩目掛けて振り下ろす。
「ハッ、遅いぜ!」
後から動いたはずの相手の刃が大鎌の柄を真っ二つに切り裂く。が、ここまでは想定どおり大鎌を捨ててローブの下に隠していたハルパーを引き抜きながら、躊躇無く相手の懐へと飛び込み、全力で振り切った状態の刀を左のハルパーで捕らえて押さえ込み、右のハルパーを恐怖の表情を浮かべる相手の首に引っ掛け全力で引く。一瞬の膠着の後、あっけないほど簡単に相手の首が飛び傷口から勢いよく血を噴出しながら前のめりに倒れた。
あまりにも簡単な復讐の終わりに拍子抜けしたが、『支援者』に後始末を任せてから姉の墓前に報告を済ませると、それなりの達成感は得られたがそれもすぐに消えうせ、心には空しさしか残らなかった。
その後、罪悪感に悩まされるような事は無かったが、何をやっても遣り甲斐を感じられず、そのままずるずると組織に残り続け、からっぽになった心を埋め様とするかのように『実行者』として復讐対象の殺し続け、今ではその姿と殺し方から死神と呼ばれるようになり、周辺の裏社会で一目おかれる存在になっていく。
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GK評:2点
鮮やかな鎌アクション描写がかっけーです。
目黒くんは剣道部との因縁を持っているので、番長陣営剣道部員の一八一八や刹那識との絡みも気になるところ。
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