広大な地下基地に巣食らうモンスターどもを見事に撃破し、目指すボスの場所までワープをしたPC達。
しかしそこには戦後荒れ果てた荒野となんら遜色ない光景が広がっており、静けさが不気味なほどにつかれきった鼓膜を突く。
PC達はお互いの肩を抱き寄せながら二人三脚で歩いている状態だ。
と、、、霧の中に倒れこむ2つの影を認める。
{!?!?!?}
その少し小柄な体、見間違いようのない服装、白髪交じりの長い髪の毛。。。
pc達は疲れも忘れたように走り出す。
『マスター!!』
その痛々しいほどに痛めつけられて到底直せるとは思えない傷まみれの体を引き起こすように抱き上げる。
PCの顔を確認したマスターは穂のかに顔の表情が緩む。
「お前達か。。。っぶっ」
血反吐が飛び出す。。。
「マスター!」
「無事でよかった。。。よ。。。よくやった」
そういいきったかと思うと笑みがこぼれ、目が宙を仰ぐ。。。
青い空を見上げながら。。。彼はこういうのである。
ーーーー
<葬式>
悲しみの音楽をかなでる様に鼻をすすり上げる音と泣き声が重なる。
斜め後ろでは誰かがひざをついて号泣している。
それを見つめる目がかすむ。。。
「次はギルドメンバー代表による感謝と喪中の挨拶があります。」
アナウンスがこう告げる。
俺は涙でゆがんだ世界をハンケチでぬぐう。
きれいな線を描いてたち、服装を整える。
そして前進。。。
一生懸命に悲しみのしずくが地面へと落ちないようにこらえる。
若干上を向きながら。。。
白い雲を追う。。。
{マスター。。。}
ささやかな葬式に見合うような簡素なステージ。
そのステージに乗ったとたんに涙腺が爆発する。。。
こらえきれない。。。
しかし全うすべきものは全うしなければならない。
『我等がギルド、ドランクンキャッツのマスターに送る。。。
このたび彼がこの世を去ってしまった事を心の奥底からお悔やみ申し上げます。
<長い長い文章を挟み。。。>
我々は心にちかうのです。
マスターから得て学んだことを。
その精神と心の広く深いことを。
我々はここにちかうのです。
マスターがあの世でもし合わせであることをここに願いながら。。。』
一滴のきらめきが目じりから滑り落ち頬を伝い顎を伝って空中へと解き放たれる。
その涙を拾うようにセンがあけられたマスターが一番好きだった酒瓶の中に吸い込まれる。
ーーーー
<場面戻り>
『酒が飲みてぇー。。。』
そういい残して人生をたたんだのである。
最終更新:2013年06月08日 12:30